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打率を上げるためのコツはいくつも上げることができます。ですがその中でも最も大切なことの一つが、バットを振り抜くということでしょう。日本のアマチュアチームではバットを振り抜くという指導はあまり行われていないのかもしれません。少年野球の試合を見ていても、バットを最後まで振り抜くことができている子はほとんど見当たりません。


ではバットを振り抜くとは?フルパワースウィングのことではありません。フルレンジスウィング(オールレンジスウィング)のことです。バットを振ることのできる幅をフルで使って振る、というスウィングですね。

右バッターの場合はグリップがだいたい右耳付近から動き始め、左耳にくっつくところまで動いていきます。そして左耳に付いたらトップハンド(右手)を放し、バットを背中に巻きつけて軽くお尻を叩いていきます。そして左足は左打席に向けたまま左股関節を内旋させ、右足でホームプレートを踏んでいきます。これがフルレンジスウィングです。

フルレンジスウィングに関しては別のコラムを参照していただくとして、今回はフルレンジスウィングを行うことにより、反対方向に引っ張る打ち方をご紹介したいと思います。

「反対方向に引っ張る」と聞き、頭に「?」が浮かんだ方は多いかもしれません。反対方向に打つと言うと流し打ちをイメージされるかもしれませんが、流し打ちとは別物です。流し打ちの場合、極端な話、一塁に走りながら打つような形になってしまいますが、これでは反対方向に打てたとしても、強い打球を打つことはできません。

反対方向に引っ張るとは、振り遅れ気味にバットを出し、わずかに詰まるくらいの位置でボールを捉え、トップハンド側の肘を90°に曲げたままフルレンジスウィングを行う打ち方です。右打者であれば右膝の前でボールを打つくらいのイメージですね。

実際にはだいたい体の正面あたりでボールを捉え(もちろん右膝の前なら最高!)、バットに乗せたボールをトップハンドで押し出し、途中でバットスウィングを止めることなく、上述したフルレンジスウィングを行なっていきます。この形ができれば必ずインサイドアウトになり、空振りする確率を大幅に下げることができます。

そして自分の体の近くでボールを打つことにより、正確性と力強さがアップし、打率と飛距離を同時にアップさせることができます。逆に体から遠いところでトップハンドの肘を伸ばして打つほど、正確性と力強さは低下します。

右打者であれば足元はスクエアスタンスで、振り遅れ気味にバットを出し、右手の押し出しによって強いセカンドライナーを目指し、上述したフルレンジスウィングでバットを最後まで振り抜きます。これが反対方向に引っ張るという打ち方です。

大事ですので繰り返しますが、クロースドスタンスで流し打ちしてはいけません。この形ではフルレンジスウィングはしにくくなりますので、当てるだけのバッティングになりやすいんです。反対方向に引っ張ると言っても、足元のスクエアスタンスは崩さないでください。

技術的にはちょっと難しく、基本動作がしっかりとできていないと反対方向に引っ張ることはできません。しかし基本動作ができ、下半身で生み出したエネルギーを効率的に上半身に伝えていくことができるバッターであれば、学年は問わず反対方向に引っ張る打ち方に挑戦してみてください。これができるようになれば、必ず率も飛距離もアップするはずです!

強い打球を打って飛距離を伸ばすためには、バットスウィングを速くしていく必要があります。パワーとはスピード×重量ですので、同じ重さのバットであれば、スウィングスピードが速いほどパワーが増してジャストミートした際の飛距離がアップするということになります。


スウィングスピードをアップさせるために必要なことやコツは多数あるわけですが、今回はその中でaもバットを振る際の軌道に注目してみたいと思います。

  1. バットをインパクトゾーンまで直線的にダイレクトで振り下ろしていく
  2. スキーのジャンプ台のような曲線を描いてバットを振っていく
  3. グリップを一度下に下ろしてからL字でバットを振っていく
上記の1〜3で、どの振り方がバットスウィングを一番速くできると思いますか?一般的には1の形でトップからインパクトゾーンに向けて、直線的に最短ラインでバットを振っていく指導がなされていると思います。上から下に向けて叩きつけて打つ形などは、まさにその最たる典型です。

上半身を鍛え上げた南米選手は、3番の形で打っている選手も多いように見えます。特に前回のWBCでチャンピオンになったドミニカ共和国の選手はこの形が多いのではないでしょうか。その次に南米選手で多いのは、フライングエルボーからの2番の形でのスウィングだと思います。

結論を言うと、バットスウィングが速くなりやすいのは2、3、1の順番です。つまり1番のバットを上から直線的に最短ラインで振っていく形は、スウィングスピードが最も速くならない振り方なのです。しかし日本ではこの形での指導しかほとんど行われていません。特に少年野球では構えた時点から脇を締めて上から下に叩く、という指導がほとんどではないでしょうか。

軸足側の股関節を使ってスキーのジャンプ台の曲線を描くようにバットを振るようにと指導している少年野球指導者も、もしかしたらどこかにいらっしゃるのかもしれませんが、わたしはまだ出会ったことがありません。

ではなぜ最短ラインで直線的に振り下ろすとスウィングスピードは落ちてしまうのでしょうか?答えは非常に簡単です。最短ラインで振ってしまう分、バットを加速させられる距離が短くなってしまうためです。加速距離が短いので、加速する前にバットを振り終えてしまうのです。

しかしスキーのジャンプ台のような緩やかな曲線を描いてバットを振ることができると、加速距離を十分に得られるようになります。そして曲線が緩やかなため、その曲線によってエネルギーの進行が阻害されることもありません。そのためバットを十分加速させた状態でインパクトを迎えられるようになるわけです。

ちなみに3番の形の場合も加速距離は稼ぐことができるのですが、曲線ではなく角を描くような軌道になってしまう分エネルギーがスムーズにインパクトまで向かいにくくなり、2番に比べるとスウィングスピードは劣ります。ですので体幹に絶対的な安定感があり、その体幹を使った鋭いボディスピンによってバットスウィングを速められるレベルにある選手でなければ、3番の打ち方では安定した成績を残すことは難しいと思います。

エネルギーをスムーズに進め、スピードアップさせていくという物理学はピッチングにも同じことが言えます。ピッチングもバッティング同様、股関節を上手に動かして滑らかな曲線を描くように動作していくと、スピードアップしやすくなります。ピッチングもバッティングも、スピードアップを目指すためにはやはり股関節が重要なわけなのです。

みなさんは「フルスウィングをしろ」と言われたら、どのようなバットスウィングをしようとしますか?多くの方は全力で振る、という風に考えると思います。しかしバットを全力で振ってしまうと、実は飛距離は短くなってしまうんです。なぜだがおわかりになりますか?


全力でバットを振ると、スウィング軌道よりもエネルギー出力が優先されてしまいます。ちょっと難しい表現になりますが簡単に言いますと、投球に押し負けない力を発揮することはできるのですが、スウィング軌道に乱れやブレが生じてしまうということです。つまり投球を逆に押し返せたとしても、スウィング軌道にブレが生じているとキレイな形でコンタクトしていけないために打球にもブレが伝わってしまうんです。その結果初速の速い打球を打てたとしても、失速しやすくなります。

つまりバットスウィングは、8割程度の力で振った時が最も打球は伸びていきやすいということなんです。ボールにバックスピンやトップスピンをかけられる硬式野球だとそれが特に顕著になります。そして軟式野球であってもボールが変な潰れ方をすることが減るので、飛距離を伸ばしやすくなります。

ではここでもう一度、フルスウィングとは?という疑問を考えてみましょう。フルスウィングとは全力でバットを振ることではありません。フルスウィングとは、バットを振っていける幅をフルに使ってスウィングしていく動作のことです。言い換えればバットを振り抜くということです。

バットスウィングは、だいたい耳あたりから始まり、反対耳を経由しトップハンドを放し、バットを背中に巻きつけていきます。耳から背中までバットを振ることをフルスウィングと言います。スラッガー養成コースで打撃指導を行っていると、両肘を伸ばした力を入れにくい形でバットを振ってしまうことにより、バットスウィングが反対耳のかなり手前で止まっている選手が多く見受けられます。

深いフォロースルーを取る前提と、取らない前提とでは、深いフォロースルーを取る前提のスウィングの方がボールにぶつけていけるエネルギーは大きくなり、全力スウィングじゃなくても飛距離を伸ばせるようになります。力強い打球を打っていくためにも、フォロースルーは背中まで取っていくようにしましょう。この動作を付け加えるだけでも、今までと同じ打ち方をしても飛距離や打球の強さはアップしていくはずです。ぜひお試しください。
野球ではよく「割れ」という言葉を使いますが、この割れの意味を具体的に説明することはできますか?と言ってもそれほど難しいことではありません。簡単に説明をすると、上半身と下半身がそれぞれ違う方向へ向かおうとする動作のことです。雑巾を絞る動作をイメージしてみてください。右端と左端をそれぞれ逆方向に回すことにより雑巾は強く絞られます。バッティングに関する割れも、これに似たような感じなのです。

ですがバッティングの場合は雑巾のようにあまり回してはいけません。例えば肩を入れ過ぎてしまうだけで、単純に投球が見辛くなってしまいます。ではどこで割ればいいかと言いますと、テイクバックとステップワークです。テイクバックは捕手方向へ動き、踏み出す足はは投手側に動きます。回らなくても、単純にこれだけでも割れが発生していると言えます。

この割れをさらに強くしていくためには、グリップをテイクバックの最深部に置き去りにすることです。腕がゴムでできているとイメージしてください。その腕でテイクバックを作ったら、グリップは捕手側にビヨーンと伸びていきますよね。そしてゴムは伸びるとその反動で一気に縮んできます。このイメージでバットを振ると、バットを早い段階でトップスピードに持っていくことができ、差し込まれることも減っていきます。

割れを大きくするためのコツは、やはり基本ではありますが、腕力でバットを振らないということです。腕力でバットを振ってしまうとどうしても手が先行してしまうようになり、割れが発生する前にバットを振るようになってしまいます。するとポイントを前へ前へと持っていかなければならず、当たれば飛んだとしても、簡単に変化球に泳がされるバッターになってしまいます。

ですので下半身、特に軸脚を使ってバットを振る動作を身につける必要があるのです。下半身主体でバットを振れるようになると、腕をギリギリまでリラックスさせておくことができ、テイクバックも深くなり、それにより割れが大きくなり、結果的にスウィング速度が速くなっていくのです。

バッティングセンターで硬式バットを振っている、比較的レベルが高い選手を観察していても、割れがあまり発生していない選手は多くいます。速いボールというのは、タイミングが合えば簡単に飛ばしていくことができます。重要なのは勢いのない遅いボールを遠くまで飛ばしていける技術があるかどうかです。例えば埼玉西武ライオンズの中村剛也選手は、時速0キロのボールを打つスタンドティーであっても、打球をスタンドインさせる技術を持っています。

バットを振る上で腕の筋力というのは非常に重要です。しかしその筋肉に頼ってバットを振っていては、いつまで経っても手打ちを卒業することはできません。手打ちにならない打ち方を身につけるためにも、ぜひ割れを大きくするという意識で普段の素振り、そしてバッティング練習に取り組んでいってみてください。そして技術力でホームランを打てるようになりたいという選手は、ぜひスラッガー養成コースを受講してみてください。
打撃指導を行っていると、手や腕でバットをコントロールしようとしている選手が非常に多いといつも感じます。メジャーリーグのイチロー選手は時々手でバットを合わせに行くことがありますが、しかしこれはタイミングを外された時で、外されても動体視力と反射神経の良さで対応している形です。つまり普段はしっかりと下半身を安定させて打っているということですので、これを見誤ってはいけません。

イチロー選手の打撃技術はメジャーリーグでも最高峰だと言えます。そしてスウェーをして打つなど、少し独特な形を取ることもありますので、一般の選手がイチロー選手のメカニックを真似することは、あまりオススメはできません。やはりまずは基本に忠実に、下半身でバットを振るということが何よりも大切です。

では下半身でバットを振るとは具体的にはどういうことなのでしょうか?結論から言いますと、軸脚でバットを振るということです。これはステイバック打法だからこそできることなのですが、バットと腕は、軸脚に固定されているものだと思ってください。そして軸脚の足部つま先を90°に折り、その足部を90°回すことによって、バットをコンタクトエリアまで振っていきます。

そして高低に関してもやはり手でバットを上下させるのではなく、股関節を使い、上半身ごと上下させていきます。大切なことはバットと運動軸を90°に保つということです。この角度が崩れてしまうほど、バットは投球に押し返されやすくなります。筋力はあるのに打球が思うように飛んでくれないという打者は、この角度が大きく崩れている可能性があります。

バットコントロールは手で行うべきことではありません。絶対的に下半身を使って行う必要があります。腕力を使ってしまうと、意外と思ったところにバットを出せないものなのです。しかしバットと運動軸の良い角度を維持しながら、下半身や股関節でバットをコントロールしていくと、ミート力も飛距離もアップさせられるようになります。メジャーリーガーのほとんどはそのような打ち方をしています。

ミート力と飛距離を同時にアップさせたいという選手は、ぜひ今日から手打ちを卒業してください。下半身を使ってバットを振る技術を学び、それを身につけられるようにしましょう!そしてそのような技術を適切に身につけたいという方は、ぜひ当野球塾のパーソナルコーチングをご利用くださいませ。
今回のスラッガー養成コラムでは、ビヨンドについて書いてみたいと思います。ビヨンドというよりは、複合素材バットと捉えていただいた方が良いと思います。ビヨンドというのはご存知の通り軟式野球用バットで、打面が柔らかくなっている複合素材バットのことです。ビヨンドをご存知ないという方は、野球経験者ではもうほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。それくらい普及しているビヨンドであるわけですが、上のレベルの野球を目指している選手に限っていけば、使うべきではありません。

ビヨンドの特徴は、ミスショットをしたとしても遠くまで打球を飛ばせるという点です。つまり下手なバッティングをしても、良い打球を飛ばせることがあるということです。目先の活躍を考えれば、確かにビヨンドを使った方がたくさんヒットを打てて楽しいかもしれません。しかし小中学生の頃にビヨンドを使い続け、ビヨンドを使うことに慣れてしまうと、硬式野球ではまったく通用しないバッターになってしまいます。

長打を打つ方法というのは、軟式野球と硬式野球とでは異なります。ビヨンドでは外野手の頭を超えていたとしても、硬式野球ではしっかりとした打撃技術がなければ長打を打つことはできません。近年は道具に頼って野球をしてしまう選手が増えているようですが、道具の力に頼ってはいけません。それはどんな種類のバットを使っていても同様です。

イチロー選手はバットなどの道具をとても大切にする選手ですが、バットは自分のこだわった形の範囲内であれば、それ以上にこだわることはないそうです。つまり言い換えれば、アウトになったことを決してバットのせいにはしないということです。そこに甘えることが決してないからこそ、あれだけ偉大な選手になれたというわけですね。

もしこのコラムをお読みの方で甲子園、神宮、プロ野球、メジャーリーグを目指している選手がいらっしゃれば、ぜひ道具に頼らずにプレーをしてください。軟式野球であっても、基本に忠実な適切なバットスウィングができていれば、ビヨンドを使わなくても外野手の頭を越していくことはできます。目先の活躍、目先の勝利ばかりを見るのではなく、あくまでもアスリートとして、より高いレベルの技術を身につけることを最優先に考えていってください。

去年の夏、テレビで小学生の国際大会を観戦していたら、日本チームにはビヨンドが支給されていました。ですが対戦相手は普通のバットのみです。点差はまるでアメフトの試合を見ているような大差で、とても野球の試合とは思えない点差になっていました。それでも決して諦めることをしない対戦相手の子どもたちを見ていて、わたしは感動してしまいました。

子供の頃からビヨンドなどの高価な道具を使うことで、果たして日本人アスリートのハングリー精神を培うことはできるのでしょうか。アスリートが活躍するのに最も大切な要素の一つはハングリー精神です。日本の野球界は特に近年、ハングリー精神を持つ選手が減ってきたなと実感しているのは、きっとわたしだけではないと思います。
近年日本にも新たな打撃技術がアメリカから渡ってきました。渡ってきたというよりは、メジャーリーグを見て気付いたプロ選手の一部が取り入れ始めたという感じだと思います。どのような技術かと言うと、飛距離をさらにアップさせるためのものです。

飛距離をアップさせるためには、とにかくインパクトを強くしていく必要があります。単純にボールを強く叩けば叩くほど、打球は遠くまで飛んでいきます。ではどのようにインパクトを今まで以上に強くするかと言うと、軸足を浮かせることによって強くすることができるんです。

車同士が猛スピードで正面衝突したとイメージしてください。正面衝突した場合、車のお尻側がフワッと浮きますよね。これと同じ原理です。非軸足を開かずにしっかり踏ん張ることにより、全体重をインパクトにぶつけていくと、その衝撃で軸足が一瞬フワッと浮く形になるんです。

メジャーリーグのスラッガーたちは、すでに多くの選手がこの技術を取り入れています。しかし日本のプロ野球で常にこの形で打っている打者はまだほとんど見かけません。一部の選手がたまにこの形になっているというのが現状だと思います。

上述した内容だけを読むと、軸足をフワッと浮かせれば飛距離が伸びると思いがちですが、この形を実現するためにはしっかりと安定した土台、つまり下半身と、ブレのないコア(体幹)が必要なのです。メジャーリーガーは、日本人選手とは比較にならないほどコアを強化しています。だからこそ軸足をフワッと浮かせるこの技術でも、ブレなくバットを振ることができ、飛距離を伸ばすことに成功しているんです。

下半身を上手に使うという基礎や、コアがアスリートレベルで強い選手でなければ、プロ選手であってもこの技術を使いこなすことは難しいはずです。

先ほど、全体重をインパクトにぶつけていくと書きましたが、全体重を非軸脚に乗せるという意味ではありませんのでご注意ください。それをしてしまうと体重移動をする、ウェイトシフトによるスウィングになってしまい、ミート力も飛距離も低下してしまいます。

もしこのコラムで書いた軸足をフワッと浮かせる技術にご興味がある方は、わたくしチーフコーチのコーチングを受けにいらしてみてください。スラッガー養成コースなどで技術指導をさせていただきます。ただし、上述の通り難易度は高いのでご注意ください。
みなさん、スパイクにはどれくらいのこだわりがありますか?ちなみにわたくしチーフコーチはミドルカット、ハイカットを好んで履いています。そしてインソールは常にハッチェリーのバネインソールを愛用し続けています。まぁそれはさて置き、コーチングをしているとスパイクを活かし切れていない選手をたまに見かけるため、今回はそのあたりのお話をしてみたいと思います。

スパイクというのは靴というよりは、第二の肌として扱うと良いと思います。しかしそうやって扱えない形でスパイクを履いている選手がよくいるんです。一番は、紐をしっかり結んでいない選手です。スパイクには紐を通すたくさんの紐穴がありますが、これを上の方で余らせている打者がいます。この穴はすべて使うべきなのです。

穴を余らせている選手に聞くと「動きにくい」とか「きつい」からと答えます。ですがそう感じるということは、根本的にスパイクが足に合っていないということになります。

スパイクの中で足が遊んでしまうような緩さで紐を結んだり、穴をすべて使わずに足首がブレてしまう履き方をしていると、踏ん張りが利かなくなります。踏ん張りが利かないということは当然パフォーマンスも落ちますし、捻挫もしやすくなります。さらに足首が強くない選手が足首がブレるスパイク(ランシューズも含めて)の使い方をしてしまうと、足首がプロネートしてしまい、アライメントが崩れるということも可能性としてはあります。

ピッチャーが投げる力強いボールを、力強く打ち返していくためにも、スパイクは良い形で使うようにしてください。まず紐は下の方からしっかりときつく編上げ、一番上の穴まで通し、きつめに結ぶようにしてください。これができないようであればそのスパイクは足に合っていないということになります。

中には一番上の結び目だけをしっかり結べば良いと考えている方もいるかもしれません。しかしそうではなく、下の方からしっかりと足に合わせて編み上げてください。そして脱ぐ時も履く時も紐は一回一回結び直します。

ボールを打った瞬間の非軸足の裏には、想像以上の負荷がかかってきます。踏ん張ってその負荷にしっかり耐え、強い打球を打ち返していくためにも、スパイクはただの靴ではなく、第二の皮膚として扱うように心がけてみてください。これをしていなかった選手がこれをするだけでも、パフォーマンスは僅かだったとしても必ずアップするはずです。

ちなみに踏ん張れている感覚を上手く掴めない選手は、デサントが発売している「パワーフィンガー」という商品がオススメです。プロ野球選手数人にも紹介して使ってもらったのですが、なかなかの好評でした。
野球というのは「技」のレベルを競うスポーツです。つまり腕力で行うスポーツではないということです。打球の飛距離を伸ばすために腕力を一生懸命鍛えている選手が近年非常に多いように感じられます。そしてその腕力を使ってフルスウィングをし、飛距離を伸ばそうとする打ち方。しかしこれでは本当の意味での飛距離は伸びません。

確かにジャストミートすればアレックス・カブレラ選手のように、160mオーバーの特大ホームランを打てるかもしれません。ですがバッテリーからすれば、腕力を用いてフルスウィングをしてくる打者ほど料理しやすいタイプはいないのです。ちなみにカブレラ選手は腕力に頼る打者ではなく、質の高い技を持ち合わせた巧打者でした。

パワーというのは「速度×重量」で計算することができます。つまりいくら上腕二頭筋を太くしたとしても、速度が低下してしまってはパワーアップという結果にはつながりません。トニ・ブランコ選手が158kmというスウィング速度を計測したというニュースがありましたが、これはブランコ選手が腕力だけではなく、高い技術も持っているからこそ実現できた速度なのです。

もし腕力だけでバットスウィングが速くなるのであれば、ボディービルダーたちのスウィング速度は大変なことになってしまいます。ですが実際にはそうはなりません。なぜならボディービルダーたちには、バットを高速で振るための技術がないためです。ではバットスウィングの速度をアップさせるためには、どうすればいいのでしょうか?

その答えは2種類のバットを使いわけて素振りをすることです。素振りを100回する場合、最初の90回は通常の重さのバットで素振りを行います。最後の10回を通常の8〜9割程度の重さの軽いバットで素振りを行います。

素振りというのは打撃動作を改善するのと同時に、筋トレ効果もあります。素振りという筋トレを行った直後に、軽いバットを使って素振りをすることで、通常の重さのバットを振った時よりも速くバットを振ることができます。つまり、より速い動作でバットを振るための動作で素振りを終えることにより、より速く動く筋肉を作るという考え方です。

1kgくらいあるマスコットバットの場合は筋力アップにはつながりますが、バットスウィング速度の向上にはほとんどの場合つながりません。逆に高校球児が900gのバットで素振りをしたあとに、700g程度の軟式用バットで素振りをすると、スウィング速度は明らかに速くなります。この速くなった動作でトレーニングを終えることにより、速い動作が取れる筋肉へと再調整することができるのです。

すでに上述しましたが、パワーとは速度×重量です。つまり今現在持っている筋肉量を変えなくても、その筋肉がより速く動くように再調整してあげれば、速度×重量の計算値は今まで以上に高くなり、パワーアップに直結し、飛距離がアップするという結果に結びついていくのです。

マスコットバットをたくさん振ってしまうと、腰椎を痛めるリスクが非常に高くなるというお医者さんの研究結果も多数報告されています。ですが軽いバットを振って故障のリスクが高まるという事象はほとんど見受けられません。故障のリスクを軽減するという意味でも、スウィング速度をアップさせるという意味でも、この素振りのやり方をオススメしたいとわたしは考えています。

もしバットを買い換えても、軽いバットは捨てずに素振り用に取っておいてください。そしてぜひ上述した素振り方法をしばらくの間試してみてください。短くとも2〜3ヶ月続けて筋肉の再調整が進めば、スウィング速度もその頃にはきっとアップしているはずです。
Littlerockheartのコーチングでは、フルスウィングはあまり推奨していません。これは全力投球はすべきではないという点と少し似た話ではありますが、常にフルスウィングをしてしまうと、手首を痛めてしまうリスクが非常に高まります。実際プロ野球選手でもフルスウィングを売りにしている打者の多くが手首を痛め、バットを短く持って振ることができない選手が多くいます。

手首を痛めやすいという意味だけではなく、パフォーマンスを向上させるためにもフルスウィングはベストな選択ではありません。例えば埼玉西武ライオンズの中村剛也選手も話しているように、フルスウィングではなく8割程度の力で振った時の方がホームランになりやすいのです。

その理由は、フルスウィングをしてしまうとスウィング中のバットにブレが生じてしまうのです。そのブレがボールに伝わってしまい、打球にきれいなバックスピンやトップスピンがかからなくなってしまいます。するとホームランになるはずだった大飛球がフェンス直前で失速してしまったり、ゴロを打っても球足の遅い打球になってしまいます。

軟式野球の場合はバットの面でボールの面を叩いていく打ち方となりますので、フルスウィングをしてもバットのブレはそれほど大きく影響はしません。しかし打球にスピンをかけていく打ち方である硬式野球の場合は、フルスィングをするほどバットのブレがボールに伝わってしまい、打球の質を低下させてしまいます。

もちろんフルスウィングをしても、完璧なタイミングでミートをすることができれば打球は弾丸ライナーでスタインドインしていきます。ですがそうするとミート力が低下してしまいますので、長打は打てても打率は.250ちょっとしか打てない打者になってしまいます。

プロ野球でいうところの3割30本を打てるようなスラッガーを目指すのであれば、バットは8割程度の力で良い軌道で振るように心がけた方が、OPSの数値は向上していきます。OPSの数値を.850以上にしていくためにも硬式野球の場合はフルスウィングではなく、8割程度の力でボールに強いスピンをかけることを意識して振るようにしてみてください。

本当に良い形でバットを振り、本当に良い形でボールにコンタクトしていくことができた時は、ホームランを打ったスウィングで、まるで空振りをしたような感覚になるはずです。これこそがホームラン打った時の究極の感覚であり、中村剛也選手でも年間に数本のホームランでしか感じられないハイレベルの手応えとなります。みなさんもぜひこの究極の感覚を目指して取り組んでみてください。

そしてこの技術を基礎からしっかりと学んでみたいという方は、ぜひスラッガー養成コースを受講してみてください。
バッティングに於いて、腋を必要以上に閉じるように指導されることがあります。昔で言うこんにゃく打法のような形ですね。20年前であれば腋は閉めれば閉めるほど良いと考えられていました。しかし現代のスポーツ科学では少し異なります。人体に於いて最も力を発揮しやすい体の角度は90°となります。バットを握った両前腕の関係が90°になっている時、コンタクトで最大の力を発揮することができるのです。

両前腕の角度が90°未満になってしまうとスウィングした際、手首が背屈してしまいます。手首の背屈とは、手の甲側に手首を曲げる形です(手のひら側に曲げると掌屈)。試しに手首を背屈させた状態で腕相撲をしてみてください。まったく力を入れることができないとお分かりいただけると思います。腋を閉め過ぎたバットスウィングは、これと同じ状態になってしまうということなのです。

バッティングに於いて最も効果的な腋の閉め方は、両前腕の関係を90°に保てる程度の閉め具合、と言うことができます。この状態でスウィングすることができれば、コンタクトで最大限のパワーをボールにぶつけられるようになり、飛距離もアップすることになります。

もう一度腕相撲を思い出していただきたいのですが、さらに細かく言うと、手首はスウィング時にほんの少しだけ掌屈しているのがベストです。腕相撲をしても、その手首の角度を取った時に最も力を込められると思います。
※腕相撲の場合は手首を最大限掌屈させるのがベストかもしれません。

バットスウィング中に腋を閉めることは大切なことです。しかしそれはあくまでも、手首が背屈しない程度で留める必要があります。そもそも両前腕の関係が45°未満になってしまうとパワーどころか、バットを思うような軌道で振ることも難しくなるはずです。バットをイメージ通りの軌道で振り、最大限のパワーをボールにぶつけていくためにも、両前腕を90°の関係で保てる程度の腋の閉め具合でバットスウィングするように心がけてみてください。そうすればきっと良い結果に結びつくはずです。
野球のバッティング動作も含め、スポーツというのは大きな筋肉に頼ることでは最大のパフォーマンスを発揮することはできません。バッティングで言えば、飛距離を伸ばすために筋肉を付けても、それには限界があるということです。もちろん投球にバットを押し返されないための筋力は絶対的に必要です。しかしただ飛距離を伸ばすためだけに筋力を付けようとすれば、それは失敗に終わってしまうケースが多くなるのです。

日本トップクラスのホームランバッターである埼玉西武ライオンズの中村剛也選手は、10割の力で振った時よりも、8割の力で振った時の方がホームランになることが多いと話していました。ではなぜ10割の力で振ってしまうとホームランになる確率が下がってしまうのでしょうか?

それは単純に、下半身よりも上半身の力の割合が勝ってしまうことにより上半身にブレが生じ、ミート力が低下してしまうためです。パワーというのは「速度×重量」で計算することができるわけですが、例えば筋肉を必要以上に増やしてしまうと速度が出なくなってしまいます。その代り重量は増えるため、数字上ではもしかしたら大差はなくなるかもしれません。しかしバットスウィングの速度が遅くなるということは、投球がまだ遠いところにある段階でバットを振り出す必要があるため、変化球に弱い打者になってしまいます。

さて、ここからいよいよ本題です。硬式野球に於いて140kmのストレートをバットで打った際、ボールとバットが何秒間くらい接しているかご存知ですか?

答えは約1ミリ秒、つまり1/1000秒です。そして更に、バットがボールに対し最大の力を発揮できる時間はこのうちの半分の時間となるのです。硬式球というのは非常に硬く、軟式球のように簡単に潰れることはありません。しかし1/1000秒というほんの一瞬の間に、実は約半分の大きさまで硬式球は潰れているんです。ただこれは高性能カメラであってもなかなか撮影することが難しいため、一般的なテレビ中継の映像では確認することはできません。

硬式野球のバッティングという作業はこのように、1/1000秒の間に勝負が決してしまうのです。打者はこのタイミングを合わせることが最大の仕事となり、逆に投手はこのタイミングを狂わすことが最大の仕事となるわけです。両者が同時に役割を務められることはありません。ボールは1球だけですので、必ずどちらかが勝ち、どちらかは負けてしまいます。

打者としてはそこで勝つために、フルスウィングするよりは8割の力で振った方が良いということになります。また、闇雲に筋肉量を増やすよりは、バットスウィングの速度を最大限高めるためのバットスウィングの軌道を作り上げることが大切となります。これもまた8割程度の力で振った時が、作り上げた良い軌道が最も安定するようになるのです。

最後にもう一度バットスウィングの速度についてのお話をしておきたいのですが、約140kmのボールを打った際、バットスウィングの速度115km程度でジャストミートさせることができれば、打球は約120m飛んでいきます。そしてバットスウィングが120kmを超えてくると、飛距離は130mに近付いていきます。

先ほど筋肉を増やせば重量が増えると書きましたが、実はそれはボールを打つ動作に於いては適切な判断ではないのです。ボールを打つのは腕ではなく、当たり前ですがバットです。バットの重さには規定がありますので、どの打者もだいたい900g前後のバットを使っています。ということはやはり、そのバットがスウィングされる速度自体を高める必要があるのです。それにはもちろん筋肉も必要になってきますが、それ以上にスウィング軌道を整える作業がまず必要になる、ということなのです。

言い方を変えれば、最善のスウィング軌道と速度を両方維持できるのであれば、筋肉はいくら付けてもパフォーマンスは低下しません。しかしそれは現実的には難しくなるため、飛距離を伸ばすために筋力を付けるのであれば、安定したスウィング軌道と高いスウィング速度を両立させられる程度を見極めながら、徐々に筋肉量を増やしていくのが良いと思います。闇雲に筋力トレーニングをして上半身を重くし過ぎてしまうと、下半身の怪我にも繋がってしまいますのでご注意ください。
ページ更新日:2023年4月23日

硬式野球と軟式野球のバッティングはまったくの別物

硬式野球と軟式野球では違う、それぞれの長打の打ち方

※ この記事は、カズコーチのコラムの中で最も多く読まれているコラムです。

日本の野球には、硬式野球と軟式野球という2つのジャンルがあります。準硬式というジャンルもありますが一般的ではないため、今回はひとまず、硬式と軟式に分けて考えていきたいと思います。テニスでも同じだと思いますが、野球も硬式と軟式とではプレイヤーの感触はまったく別物となります。

硬式野球経験者が軟式野球でも通用するかと言えば必ずしもそうではなく、逆に軟式野球経験者が硬式野球に適応できるかと言えば、これもやはりそうではない場合も多いんです。ではバッティングの場合、具体的にはどう違うのでしょうか。今回のスラッガー養成コラムではその点にフォーカスを当てて書き進めていきたいと思います。

硬式野球では打球にスピンをかけて飛距離を伸ばす

まず飛距離を伸ばすということ、つまり長打力を上げることに主眼を置いた場合、硬式野球ではボールの中心の6mm下を、上からバットを45°の角度で落とし叩いていくことが重要です。投球の軌道に対しバットを上方45°から振り下ろしてボールの中心の6mm下にバットの芯を入れられると、打球に最大限のバックスピンをかけることができます。これはいわゆる物理の法則です。

打球にバックスピンがかかるとマグナス力が働き、打球の揚力がアップします。つまりボールが上へ飛んで行こうとする物理的力が大きくなり、なかなか落下して来ない大飛球、つまり美しい放物線を描くホームランを体格や道具に頼らなくても打てるようになります。

硬式野球の最高峰であるプロ野球のホームランバッターたちの多くは、この打ち方でホームランを打っています。近年であれば埼玉西武ライオンズの中村剛也選手などはまさに、上述したホームランの打ち方が最も巧い選手だと言えます。ちなみにこの打ち方はフルスウィングするよりは、8分目くらいのスウィングで打った方がコンタクトした際にボールとバットのブレが小さくなり、より的確により多くのバックスピンをかけられるようになり、飛距離がさらに伸びやすくなります。

逆にフルパワーで振ってしまうとスウィングプレーンにピッチング(波打つ動き)が発生してしまい、その乱れた波動がボールにも伝わり、スピンが減って飛距離が低下してしまいます。凄い速さの打球を打ったのに、フェンス直前で失速する飛球はこのパターンが多いと言えます。

軟式野球でスピンをかけようとするとヒットは打てない?!

ではスピンをかける打ち方は軟式野球でも同じなのでしょうか?いいえ、実は上述した技術は硬式野球だけでしか通用しません。軟式野球で同じ打ち方をしてしまうとポップフライにしかなりません。その理由は軟式野球の場合ボールの真ん中以外を叩いてしまうと、ボールが変な形に潰れてしまうことにより、バットの上下にボールが滑り込んでしまうからです。

軟式ボールでボールの真ん中から6mm下を叩いてしまうと、コンタクトの瞬間に潰れて変形したボールがバットの上っ面に滑り込んでしまいます。それ故に硬式野球の打ち方をしてしまうと、軟式野球の場合はポップフライになってしまうのです。

軟式野球で良い打球を打つためには、スウィートスポットと芯が交差したポイントで、ボールの中心を叩いていくことが重要です。つまり面と面で打つ打法ということです。これならばコンタクトした際にボールが潰れても、ボールが上下左右に滑り込むことも少なくなります。

硬式野球で軟式の打ち方をすると飛距離がまったく伸びない?!

ちなみに硬式野球で面と面で打つとスピンが上手くかからない分飛距離が伸びなくなったり、ゴロの球足が遅くなってしまいます。ですがジャストミートした際は軟式同様、弾丸ライナーを放つことができます。ですので硬式野球をされている選手の場合、典型的なホームランバッターを目指すのであればボールの中心から6mm下を、ボールの軌道の上方45°の角度からバットを入れられる技術を身につける必要があります。

長打を狙わないアベレージヒッターを目指すのであれば、青木宣親選手のように面と面で打つ打ち方を取り入れてもいいと思います。そして軟式野球の場合はどんなタイプのバッターでも、とにかくバレルの中心でボールの中心を叩く打ち方のみが、良い打球を安定して打つためには最善です。ぜひ参考にしてみてください。

人間は力学的に直角で一番強い力を発揮できる!

打球の飛距離を伸ばすためにはどうすればいいのか?これは野球をされている方なら、誰もが一度は考えたことがあると思います。その方法は例えば草野球であればビヨンドを使うのが一番手っ取り早いと思います。ですがこの記事を開いてくださっているということは、道具に頼るのではなく、技術を高めて飛距離を伸ばしたいと考えている方なのだと思います。ですのでスラッガー養成コラム記念すべき1本目のコラムとして、飛距離を伸ばすための技術を1つ解説していきたいと思います。

その技術は非常にシンプルです。まず、腕相撲を思い浮かべてみてください。腕相撲をする際、一番力が入る肘の角度は90°であるはずです。90°より狭くても、広くても、最大の力を発揮することはできないはずです。そういうことなのです。つまりバットでボールにコンタクトする際、この90°という角度を実現させられれば、最大限の力を発揮することができ、最大限の力を発揮できるからこそ飛距離が伸びていくということなのです。

上半身に作りたい6つの90°

  1. トップハンドの肘(右打者の右肘、左打者の左肘)
  2. 右前腕とバット
  3. 左前腕とバット
  4. 前腕同士
  5. 打ちに行った際のトップハンド前腕と軸
  6. 打ちに行った際のバットと軸

この6カ所が90°になっていればそれだけでパワーを全開にすることができ、飛距離は伸びていくはずです。ちなみに6つ目のバットと軸に関しては、体側(体の真横)から見て90°に見えていればオーケーです。仮にそれよりもバットが下を向いていると、いわゆるヘッドが下がっている状態となります。この時下がっているだけではなく、反対にヘッドが上がっていても最大限の力を発揮することはできませんので注意が必要です。

試しに6つの90°を実現させたコンタクトの瞬間の静止体勢と、そうじゃない静止体勢の両方で、チームメイトにバットを前(投手方向)から押してもらい、それをバットで腕相撲をするかのように押し返してみてください。90°を実現させた静止体勢からの方が、絶対に強く押し返せるはずです。

ステイバック打法によりフィットする6つの90°

あなたは普段、どのような素振りをしていましたか?もし90°が1つもない形で素振りをされていた方は、今日から早速6つの90°を取り入れた素振りに変えてみてください。そして素振りで形ができてきたらティーバッティング、ティーで形ができてきたらフリーバッティングという風に、段階付けながら徐々に練習の難易度を高めていってください。

大切なことはジャストミートした時も、空振りした時も、まったく同じスウィングであるということです。これこそが打撃フォームが固まっているということなのです(完全にタイミングが外れて泳がされた時は別です)。

ただ、この打ち方は体重移動をしてしまう形で振っている方にとっては少し難しいかもしれません。どちらかと言えば体重を移動させないステイバック打法で振っている方向けの技術です。この点のみ注意してください。