回転スローには不可欠な良好なボディバランス
野球で「ボディバランス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?一聞すると体型のことのようにも思えますが、でもこれは体型のバランスの良さを表す言葉ではありません。
ボディバランスとは、「どんな姿勢や体勢になっても、自分がどっちを向いているかしっかり把握する」能力のことです。野球では野手のフィールディングでよく出てくるスポーツ用語ですね。
例えば内野手が捕球後にクルッと回ってから一塁に投げることがありますよね?この時ボディバランスが良ければ、クルッと回りながらも一塁ベースの方向を的確に把握することができるため、悪送球のリスクはほとんどありません。
逆にボディバランスが悪いとクルッと回っている最中に一塁ベースの方向が分からなくなってしまい悪送球してしまったり、回った後で一度止まって一塁ベースを確認してから投げなければならなくなります。つまりボディバランスが良くないと、アウトを増やしにくくなるということですね。
そしてこれは内野手だけではなく、外野手にも当てはめることができます。大飛球を背走しながら追って好捕したあと、ボディバランスが良ければすぐに正確な返球をすることができます。
しかしボディバランスが悪いと捕球後に体勢が崩れてしまったり、返球したい塁がどっちにあるのかが分からなくなってしまいます。いくら内野手が「バックサード!」などと指示を出していても、そのサードの方向が分からなくなってしまうため、好捕しても結局投げるまでにワンテンポ置くようになってしまいます。
ボディバランスは三半規管と自律神経の影響が大きい!
ボディバランスというのは、三半規管が司る能力です。三半規管とは耳の奥にある、バランスを取るための器官ですね。
一般的には自律神経が乱れると三半規管の機能が低下してしまいます。そして三半規管の機能が低下すると、上述したような野球のプレーにおけるデメリットだけではなく、車酔いしやすくなったり、目眩を起こしやすくなります。
そして自律神経というのは、規則正しい生活をしていないとあっという間に乱れてしまい、悪化すると自律神経失調症になってしまいます。そしてそこまで悪化してしまうと、自律神経を良いコンディションに戻すのに本当に時間がかかってしまいます。
野手がフィールディングで良いプレーを見せるためには良好なボディバランスが必要であり、良好なボディバランスを維持するためには、規則正しい生活をして自律神経が乱れないようにする必要があるわけです。
平日は学校があるから早寝早起きだったとしても、週末はスマホを見ながら夜更かしして朝起きられないという生活を続けてしまうと、自律神経は乱れやすくなります。
例えば欧米にはサマータイム制度があり、春夏と秋冬では時計が1時間ズレます。この1時間のズレによって自律神経を乱してしまう人がかなり多く、現在ではサマータイム制度の廃止に向けて検討する国も増えてきています。
三半規管の機能を向上させる簡単なトレーニング
ちなみに三半規管は、後ろ向きで歩いたり走ったり、ミニハードルを跳んだりすると機能を向上させることができます。アスリートだけではなく、車酔いしやすい人や、目眩を起こしやすい人にも効果的ですので、ぜひ部屋の中で周りを気をつけながら後ろ向きで歩いたり跳んだりしてみてください。
寝る前のスマホはボディバランスを崩すため要注意!
自律神経が乱れてしまうと同時に三半規管の機能も低下し、ボディバランスも崩れてしまいます。そうなると野手がファインプレーできる確率がグンと下がってしまうため、アスリートは身体を鍛えるだけではなく、このような繊細な器官を整えることにも注視していく必要があるわけです。
ちなみに自律神経は、夜間にスマホやテレビなどからブルーライトを浴び続けてしまうと結果的に乱れることもあるため、夜間はスマホのブルーライトをオフにする機能を使ったり、せめて寝る前の2時間程度はテレビやスマホなしで過ごすようにしましょう。
あとは寝る2時間前というタイミングでストレッチングやトレーニングをしてしまうと、交感神経と副交感神経の作用が逆になってしまい、その結果自律神経が乱れ、ボディバランスも崩れるという結果に繋がることもあります。ですので寝る直前は血行が良くなることはあまりせず、なるべく心拍数が上がらない過ごし方をすると良いと思います。
そういう意味では、寝る直前のお風呂もベストとは言えないわけです。シャワーならほとんど問題ないと言えますが、湯船に浸かるとそれによって血行が活発になるため、入眠しにくくなることがあるため要注意です。
ボディバランスを良くして、野手としてファインプレーを連発できる選手になるためにも、普段の生活から十分注意しながらコンディションを整えていくよう心がけてください。
カズコーチの動画レッスン:三半規管でボディバランスを整えて制球力をアップさせよう
今回のビデオでは、ボディバランスという観点から制球力アップについてのレッスンをしています。そしてボディバランスを向上させるためには三半規管を上手く使っていく必要があります。
三半規管というのは内耳にあって、回転運動や加速運動を感知するためのものなのですが、これが上手く機能することによってボディバランス能力が向上していきます。
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