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大谷翔平投手は今回も痛めるべくして再度肘を痛めた

大谷翔平投手がまた肘を痛めてしまった原因をプロコーチが徹底解説!

2023年8月も末に近づき、MLBのシーズンも佳境に差し掛かっているタイミングで、大谷翔平投手は再び肘を痛めてしまったようです。当初はただの疲労と発表されていましたが、精密検査をした結果、痛みはないものの靭帯への損傷が見つかったようです。

僕は以前に書いたコラム『大谷翔平投手の肘を守っているモータス社製のバンド』や『大谷翔平投手の投球動作分析〜常人では真似できなハイレベルな投球フォーム』でも指摘して来たわけですが、大谷翔平投手のフォームは、決して肩肘に負荷のかからない良いフォームになっているとは言えません。

モータス社のエンジニアは以前、前回大谷投手が肘を痛めた際、大谷投手のフォームに肘を痛めた原因があるという証拠は見つからなかったと話していました。しかし僕個人としてはモータス社のバンドは信頼していません。以前も書きましたが、モータス社が何を根拠にこのようなことを言っていたのか、僕にはまったく分かりません。

大谷投手の現在のフォームは、トップポジション付近で肩関節が内旋している形になり、腕の加速期に肘の内側に外反ストレスがかかるフォームになっています。明らかにそのような動きが見られるのに、モータス社はこの事実をまるで無視し、自分たちの製品のおかげで大谷投手が肘を守れているような言い方をしていました。

肘の故障というのは主に、「外反ストレスの強さ+球速アップによる負荷の増加+負荷に耐えられるストレングス+疲労度」というこれらのバランスによって引き起こされます。これらのバランスが崩れ、体のストレングス(強度)が負荷に耐えられなくなってくると、肘の故障が発生するリスクが急激に上がって来ます。これはメジャーリーガーでもリトルリーガーでも同様です。

しかし外反ストレスの強さというのは、フォーム改善によって限りなく0に近付けていくことが可能です。現代では、肩肘を痛めない科学的にしっかりと根拠のある投げ方がすでに確立されているんです。

大谷選手に必要なのは二刀流を辞めることではなくフォーム改善

このように大谷翔平投手が肘を痛めると、多くの野球解説者がこぞって「二刀流はやめるべき」だと言い始めます。しかし僕はそうは思いません。なぜなら大谷投手は仮に二刀流じゃなくても、投手専任だったとしても、今のフォームでは遅かれ早かれ肘を痛めていたと思われるからです。

打者に専念すべきという声も多いようですが、しかしメジャーリーグで15勝できる投手に投手を辞めさせる理由などあるでしょうか?僕は野球動作のプロフェッショナルコーチとして、大谷選手は自らが望む限りは二刀流を辞めるべきではないと考えています。

今大谷選手に必要なのは投手を辞めることを考えることではなく、肘の負荷がかかりにくいもう一段上のレベルのフォームの習得を目指すことです。これは、トップポジションで肩関節を外旋させられるようになれば解決します。

もちろん言うのは簡単なわけですが、今後大谷選手が怪我なく投げられるようにするためには、フォームのマイナーチェンジは不可欠だと思われます。

僕のように野球のフォームを科学的に分析できるだけの勉強をしているプロフェッショナルコーチであれば、100人いれば100人とも現在の大谷投手のフォームは肘の内側に外反ストレスがかかっていることにすぐに気が付くはずです。アメリカでももちろんそれに気付いていたプロフェッショナルコーチはいたはずです。

今回大谷投手が再手術を行うかどうかは未定のようです。とりあえず今季の残りは打者に専念するとのことでしたが、もしエンゼルスに今季の勝機が少ないのであれば、今季はもうここで治療に専念させても良いのかなとは個人的には思っています。しかしFA市場での今後の評価の問題もあり、恐らくは簡単に休むという判断はできないのでしょう。

結果的にショートアームの導入が肘への負荷を高めてしまった

ちなみに大谷投手はショートアームによる投げ方も導入しているのですが、ショートアームの大きなデメリットとして、テイクバックでサイレントピリオドを発生させにくいという点があります。サイレントピリオドを発生させられないと、投球時の肩肘への負荷は高まりやすくなります。

僕個人としては、メジャー時代のフォームよりも、ファイターズ時代のフォームの方が肩肘に負荷がかかりにくい投げ方だったと考えています。ですがメジャーに移籍してからフォームがどんどん変わっていき、ファイターズ時代よりも肘に負荷がかかっていると思われるフォームになっていきました。

その一つがショートアームによる投げ方であるわけですが、これはもしかしたらメジャーのやや傾斜がキツくて粘土質の高いマウンドに合わせた投げ方なのかもしれません。実際大谷投手はこのマウンドに合わせるため、メジャー移籍後は下半身主導ではなく、体幹主導のフォームに変えています。

もちろん体幹主導のフォームが良くないというわけではありませんが、重心に関して言えば、ファイターズ時代よりもエンゼルス時代の方が高くなっていることは確かです。その分肩関節の水平内外転の角度が深くなり、肘の内側に外反ストレスがかかっている時間もやや長くなっています。

元プロ野球の解説者の方々は、「怪我をしたから二刀流は辞めるべき」と短絡的に主張するのではなく、もっと野球ファンにも分かりやすいく、なぜ怪我をして、どうすれば怪我をしなくなるのかというところまで解説してくれるようになると良いですね。

元プロ野球選手の解説者がそこまで解説してくれれば、ただのコーチである僕なんかがこうして説明するよりもずっと分かりやすいと思うんです。ですので結果論だけであれこれ言うのではなく、解説者の方々には、ぜひもっと理論的に解説をしてもらいたいなぁと個人的には期待しています。

いずれにせよ、大谷投手は今回の怪我が完治してまた来季投げ始めても、まったく同じフォームのままではまたいつか必ず肘を痛めてしまうはずです。そうならないように、大谷投手は野球のフォームを科学的に分析し、適切にコーディネートできるパーソナルコーチと契約をし、リハビリしている最中にしっかりとフォームのマイナーチェンジを済ませておく必要があると思います。

トップポジションで肩関節を最大外旋状態に持っていける前提のフォームに修正していければ、肘の内側の外反ストレスを大幅に軽減させることができるはずです。その結果、二刀流だろうとなんだろうと肘の怪我はしにくくなり、周囲の雑音もかき消していけるようになるはずです。

大谷投手は日本球界だけではなく、世界中の野球人・野球ファンにとっての至宝です。だからこそ少し投げるのをお休みできる今こそ、肘痛を再発させないためのフォームを見直す良い機会となるのではないでしょうか。

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