ビヨンドと金属バットの飛距離の違いについて書かれたスラッガー養成コラムです。

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少年野球でビヨンドを使うと飛距離は20%アップ!しかし!

ビヨンドなどの複合バットが最も売れるのは、やはりクリスマスシーズンや誕生日ではないでしょうか。クリスマスや誕生日プレゼントにビヨンドをねだるお子さんはやはり多いと思います。親御さんとしても「ビヨンドを使ってヒットが増えるのなら」との思いで、ビヨンドをプレゼントされる方も多いかと思います。しかし僕は選手たちの技術を向上させるコーチという立場なので、ビヨンドを使うことには一貫して「ノー」と言い続けています。


ミズノのビヨンド(少年野球用)
複合バットのスウィートスポットは木製バットの100倍!?

ただし、ガッツリ上達したいわけじゃないけど友達とただ野球を楽しみたいというお子さんや、草野球レベルであればビヨンドなどの複合バットに頼ってしまっても良いとは思っています。しかし野球塾に通うような意識の高い小中学生であれば、ビヨンドは使うべきではありません。

通常バットのスウィートスポットは、木製バットが2mm程度、金属バットが5~20mm程度だと言われています。しかし複合バットの場合それが20cm以上あることが普通です。つまりバットのどこに当ててもある程度飛距離が伸びてしまうことで、ミート力がまったく養われないんです。仮にビヨンドなどの複合バットに慣れた選手が中学高校へと進み、金属バットや木製バットを使うようになると、まったく対応することができなくなります。バットのスウィートスポットにボールを当てることがまったくできず、打球もほとんど飛ばなくなってしまいます。


ローリングスのハイパーマッハ(少年野球用)
初心者でもトランポリン効果を得られる複合バットの特性

ミズノのビヨンドと、普通の金属バットの反発係数には20%もの大差があるんです。普通の金属バットを100とすると、ビヨンドの反発係数は120になります。つまり単純計算すると、金属バットで60m飛んでいた打球が、ビヨンドでは72m飛ぶようになる、ということです。もちろんこの飛距離は不確定要素によって変動していくわけですが、まったく同じ条件で打ったと仮定すると、これだけ飛距離に差が出てくるんです。

しかしこれだけ飛ばせる複合バットであっても、バッティングの基礎が身についていなければ宝の持ち腐れにしかなりません。例えば金属バットで40m飛ばせていた場合、ビヨンドだと単純に48mになるわけですが、48mという飛距離は少年野球では平凡な外野フライの飛距離でしかありません。ちなみに少年野球の場合、ホームプレートから二塁ベースまでの距離が約32mです。

ところで、バットでボールを打って飛距離を伸ばすためには「トランポリン効果」という物理要素を使う必要があります。これはまさにその名の通り、トランポリンのように金属バットを上手くへこませたり、木製バットをしならせることによって発生させていきます。ビヨンドなどの複合バットは、このトランポリン効果を技術がなくても使えるように設計されているんです。バットのどこに、どんなタイミングで当たってもトランポリン効果を得られるため、初心者でもある程度の飛距離を出せるようになっています。


ゼット ブラックキャノン(少年野球用)
飛距離が伸びても打球速度が上がらなければヒットは増えない?!

ヒットの本数を増やしたいのならば、実は飛距離を考えるよりも打球速度を重視すべきなんです。複合バットを使って飛距離を伸ばしたとしても、そこに打球速度が加わっていなければヒットを増やすことはできません。例えば少年野球でビヨンドを使って60m飛ばせるようになったとしても、打球の速度が遅ければ、左中間・右中間に飛んだとしても外野手が簡単に追いついてしまい、ただの外野フライにしかなりません。複合バットはとにかく「飛距離がアップする!」という謳い文句で売られていますが、ヒットを増やすために必要なのは飛距離ではなく、打球速度なんです。

例えばビヨンドで60m飛ぶということは、金属バットでは50mくらい飛ぶということです。しかし打球速度をアップさせられる打撃動作の基礎を身に付けていれば、50mしか飛ばなくても速い打球で左中間・右中間を割っていくことができます。もちろん技術が身に付いた上で複合バットを使えばそれが最強なわけですが、しかし野球のレベルが上がるほど、ビヨンドを使えないリーグが増えていきます。特に将来硬式野球に進みたいと考えている方は、絶対にビヨンド慣れすべきではありません。当然ですが硬式野球ではビヨンドは使えませんので。

ビヨンドのような複合バットの場合、どのタイミングでバットのどこに当てても打球はある程度は飛んでしまいます。ビヨンド慣れした選手が突然金属バットや木製バットを使い始めると、本当に打球を前に飛ばすことができなくなります。硬式野球の場合、バットの芯とスウィートスポットが交差した一点で、ボールの中心の6mm下を打つことによって最も遠くに打球を飛ばせるようになります。しかしビヨンド使ってしてしまうと、芯とスウィートスポットが交差する一点にボールを当てる技術が、まったくと言っていいほど養われません。そのため硬式野球で木製バットを使ったら、頻繁にバットを折ることになってしまうでしょう。ちなみにプロ野球選手でも技術がある選手は1年を通してもバットは1本折るか折らないかです。しかし技術がない選手は年間5本、10本とバットを次々と折ってしまいます。もちろんそういう選手はレギュラーになることはできません。


アシックス スターシャイン(少年野球用)
ビヨンドを買ったら野球塾でバッティングの正しい基礎を身に付けよう!

ミズノのビヨンドのような複合バットは上記写真のように各社で製造されています。しかし繰り返しますがヒットの本数を増やすために重要なのは飛距離よりも打球速度です。僕の野球塾には「ホームランアーチスト養成クリニック」というコースがあるのですが、このコースでは打球の速度をアップさせ、同時に打球の発射角度を下半身の使い方を改善させることによって調整し、長打力をアップさせることができます。例えばビヨンドのような高額なバットを使ったとしても、ヘッドが下がったスウィングでは意味がないわけです。しっかしと下半身の基礎動作を身に付けた上でなければ、ビヨンドを使っても目に見えてヒットの本数を増やすことはできません。

逆にしっかりと基礎動作が身についていれば、6000~8000円程度の普通の少年野球用の金属バットであってもヒットを量産し、同時に長打力をアップさせることができます。きっとクリスマスプレゼントや誕生日プレゼントにビヨンドなどの複合バットを購入される方は多いと思います。しかし大切なのはビヨンドの性能だけに頼ってしまうのではなく、打撃動作の基礎をしっかりと身に付けた上で、ビヨンドを使うということです。

そして大事なのでもう一度言っておきますが、ヒットの本数を増やすために重要なのは飛距離よりも打球速度です。飛距離が出ても打球速度が遅ければヒットにはなりませんし、逆に飛距離が出ていなくても打球速度が速ければ内野手、外野手の間をあっという間に抜けていき、ヒットの本数を増やすことができます。そして単純に打球速度が速ければ速いほど、飛距離もどんどん伸びて行きます。ですのでせっかくビヨンドのような高価なバットを使われるのでしたら、お近くの野球塾でしっかりと適切な基礎動作を学んだうえで、ビヨンドを使われることをオススメいたします。

最新のスラッガー養成コラムは2020年02月13日(木)公開の
『筋トレにしかならない素振りをしている選手は要注意!』

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このコラムは野球のプロコーチKazが書きました。
c-kaz.jpg 2010年1月から、小学生〜プロ選手まで指導する野球の個人レッスン専門コーチをしています。 怪我をしない投げ方・打ち方の指導には定評があり、時々野球雑誌にも取材していただいたり、 Yahoo!ニュースで投手育成コラムとスラッガー養成コラムを野球関連の参考記事として紹介いただいております。 小学生のうちに良い投げ方・打ち方をマスターしておけば、体が大きくなってからが楽です。 ぜひ早い段階で僕のコーチングを受けにいらしてみてください!そしてもちろん大人の方も受講可能です!

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