小柄でも細身でも諦めないで!ホームランは打てます!

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技術トレだけでもダメだし、筋トレだけでもダメ

「体が小さい選手、線が細い選手は長打を打てない」、未だにそんな風に考えてしまっていませんか?だとすればそれは間違いです。例えば筋力はまったく今と同じ量であっても、ホームランを打つための技術を身に付けられればそれだけで飛距離はぐんぐんアップしていきます。

現代野球は技術トレーニングよりも、筋トレへの比重が大きくなっているケースが多々見受けられます。確かに高い技術を身につけるためには、それなりに高い体力が必要になるわけですが、ここはあくまでもバランスが重要になってきます。技術ばかり追い求めてはいけないし、筋肉ばかりを増やしてもダメです。トレーニングで体力を増やしながら、それに比例させるように少しずつ高い技術を身につけていくというバランス感覚がベストです。

技術+筋力のコンビがベスト

技術+筋力であれは、それが最高です。しかしいくら筋力があったとしても、極端な話、ゴロを打ちやすいフォームでは意味がないわけです。そのようなフォームで長打を打とうとすれば必ずヘッドが下がるようになり、外野手の頭を超えるような打球ではなく、内野フライにしかならない打ち方になってしまいます。

ホームランは体格ではなく、技術で打つものです。小中高生で特に意識していただきたいのは、上級生のボールも打てるかどうかです。自分と同等、もしくは下のレベルの投手のボールであれば、腕力だけでもある程度遠くまで打つことができます。しかし自分より格上の投手が相手の場合、技術がなければ、筋力だけで打球を外野まで飛ばすことはできません。できたとしても、平凡な外野フライで終わってしまうでしょう。

打球速度と角度が長打を打つためのポイント

ホームランを打つためには打球速度と、打球を上げる角度が重要になってきます。まず打球速度に関してですが、これは腕力で振り回すという意味ではなく、バットをスウィングする軸を最善の形で安定させて、その軸を良い状態で動かすことによってスウィング速度をアップさせ、打球速度を同時にアップさせるという考え方です。これを逆に筋力ありきで考えてしまうと、仮に速かったとしてもブレの多い、長打を打てないスウィングになってしまいます。ブレの多いスウィングで打つと飛んでいくボールにもブレが生じ、打球は遠くに飛ばなくなります。

打球角度に関しては、厳密には細かい計算方法があるわけですが、だいたい30°弱の角度で上げていった時、一番遠くまで飛ばせるようになります。しかしこれも手で打球の角度を調整するのではなく、軸の角度を調整することによって、結果的に打球が30°弱になりやすい形を作っていく必要があります。

145cmの小学生でもガンガン長打を打てる!

実際どのようなスウィングを作っていけばいいのかは、僕のオンラインレッスンでかなり詳しくコーチングさせていただいておりますが、とにかく筋肉や小手先で目指すものではないということは、ハッキリ言い切ることができます。例えば1kg前後あるマスコットバットを振り続けることは怪我のリスク(腰椎分離症など)を高めるだけで、スウィング速度を根本的に速めてくれる練習にはなりません。もちろん打席前の数スウィングだけマスコットバットを振る、という感触に対する使い方なら良いと思いますが。

これは極端な話ではなく、体が小さい選手であっても技術さえ1つ1つ身に付けることができれば、誰でもホームランバッターになることができるんです。例えば埼玉西武ライオンズの中村剛也選手や森友哉捕手は、プロ野球選手としては非常に小柄な選手です。しかしそれでも中村選手は打点王に輝き、過去には本塁打王も何度も獲得しています(僕は以前雑誌などでで中村剛也選手の打撃技術を分析・解説させていただいたことがありました)。森捕手も首位打者を獲得し、二塁打・本塁打といった長打もたくさん打っています。彼らは技術があるから結果を残せているんです。しかし逆に他球団の体が大きな筋骨隆々の強打者たちの一部の選手は、体格に恵まれていても確かな技術を身に付けていない分、打撃成績が安定しないシーズンを重ねてしまっています。これは非常にもったいないことです!

プロ野球選手の真似をするのは今も昔も最高の練習方法

「小柄な小学生でもホームランを打てるようになる」ということを忘れないでください。僕自身6年生の頃は145cmくらいしかありませんでしたが、3番打者としてガンガン長打を打っていました。もちろんその頃はビヨンドなんてありませんでしたし、当時のC号はディンプルが多くあまり遠くまで飛ばない軟式球でした。それでも技術があればガンガン長打を打てるんです。もちろん当時の僕は自分自身で、自分に技術があることはわかっていませんでしたが、まだ細身だった頃、西武時代の清原和博選手の打ち方を録画したビデオで毎日研究し、真似したおかげで技術を身に付けられたようでした。

今も昔も、高い技術を持ったプロ野球選手の真似をするのは効果的な練習方法だと思います。ただ注意したいのは、身体能力メインでプレーをしてしまっている選手を真似してしまうことです。この場合、その選手が今活躍できていたとしても、来年再来年はどうなっているかはわかりません。ですので真似をするのであれば、何年も続けて活躍している選手の真似をするようにしましょう。

コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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