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少年よ、プロ野球選手になりたいならビヨンドは使うな!

以前より一貫して僕がオンラインレッスンで指導を担当している生徒さんたちには、硬式野球に進む可能性のある選手に対してはビヨンドなどの複合バットは使うべきではないと言い続けています。硬式野球をやる可能性のない選手、草野球選手、より高い技術の習得を目指していない選手であれば、ビヨンドは素晴らしいアイテムになります。ですがそうでない場合は、ビヨンドの利用は避けるべきです。

今回のスラッガー養成コラムでは、どうして硬式野球に進む可能性がある選手はビヨンドを使うべきではないのかについて、分かりやすく解説していきたいと思います。ただし、ビヨンドという素晴らしいアイテムを否定したいわけではなく、あくまでも硬式野球に進む前提がある選手にとってのビヨンドの存在、という視点で書き進めていますので、誤解なきようお願いいたします。

軟式球を潰さずに打てるのがビヨンド最大のメリット

さて、ビヨンドはなぜあんなに飛距離が出るのでしょうか?その秘密はもちろんバレルに巻かれているあのポリウレタンにあります。軟式球を打って遠くまで飛ばすコツは、トランポリン効果の利用に加え、打った瞬間のボールをできる限り変形させないことです。そうすることによってボールに歪な回転などがかからなくなり、遠くまで飛んでいくようになります。そしてボールは、バットの真芯でタイミングよく打てるほど歪に変形しにくくなります。

参考記事:トランポリン効果/ビヨンドで飛距離がアップする理由

金属バットで軟式球を打った場合、打った瞬間にボールはお餅のように半分以下に潰されてしまいます。するとインパクトの衝撃が相殺されてしまい、推進力が小さくなり飛距離が短くなってしまいます。また、ボールが潰れれば潰れるほどボールにかかる回転が歪になりますので、これも飛距離を縮める大きな原因となります。

一方ポリウレタンが巻かれたビヨンドのような複合バットの場合、バットのバレルが柔らかくなっている分、ボールではなくバットが潰される形となります。もちろんボールも多少潰されるのですが、通常の金属バットで打った時よりは潰れ具合は小さくなります。そのためインパクトで得られるエネルギーが相殺されにくく、歪な回転もかかりにくく、飛距離が低下しにくくなるというわけです。

どこででも打てるのがビヨンドのメリットでありデメリット

ご存知の通りビヨンドの場合、バレルが非常に広いんです。いえ、広過ぎるんです!バットのヘッド付近で打っても、詰まり気味で打ってもそこはまだポリウレタン部分ですので、手が痺れることがありません。そのためバットのどこで打っても良いという感覚が身に付いてしまい、木製バットはもちろん、通常の金属バットを使った際にボールをバットの芯に当てるという技術がまったく身に付かなくなります。

高い技術を身に付けたいと思っていない選手は、もちろんビヨンドなどの複合バットを使って良いと思います。しかし少しでも上手くなりたいのであれば、やはり先っぽや詰まり気味で打った時に手が痺れ、それを繰り返すことにより、いつでも手が痺れない部分(バットの真芯、スウィートスポット)でボールを捕らえていける技術の習得を目指すべきです。この技術はビヨンドでは絶対に身に付きません。

ビヨンド世代の将来が心配な今日この頃

ビヨンドは、野球を趣味で楽しむ選手が使うべきアイテムです。将来甲子園、神宮、オリンピック、プロ野球、メジャーリーグという目標を持っている選手は、ビヨンドは絶対に使うべきではありません。

今後ビヨンド世代の多くが20代になった頃、日本プロ野球のバッターたちの技術が現在よりも下回っていないかどうか、僕はプロフェッショナルコーチとして心配で仕方ありません。メジャーリーグでも、今以上に日本人バッターが通用しなくなるかもしれません。ビヨンドのような複合バットが普及するほど、そのような弊害が生まれる可能性も高くなっていくわけです。

プロレベルでは、超高校級スラッガーでさえも金属バット慣れしすぎていると、プロ入り後なかなか1軍では通用しません。それがビヨンド慣れしてしまったバッターならどうでしょうか。もしかしたら木製バットを毎日折ってしまう日々になるかもしれません。もちろんビヨンドからいきなり木製バットに持ち替えることはないと思いますが、でも将来的にそうならないためにも、プロ野球選手を目指している小中学生には目先のヒットだけを追い求めて、ビヨンドは使ってもらいたくはないと僕は常々考えているのです。

ビヨンドを宝の持ち腐れにしないで!

また、ビヨンドを使ったとしても打撃技術の基礎が身についていなければ宝の持ち腐れになってしまいます。ビヨンドを使うにしても、ビヨンドの特性を最大限活かすための打撃技術の基礎はしっかり身につけた方が良いと思います。例えば技術がない場合、多少飛距離が伸びる程度では、金属バットで内野手の後ろでポテンヒットになっていた打球が、ビヨンドによって少し飛距離が伸びることにより、平凡な外野フライが増えるという結果にもなってしまいます。

ですのでビヨンドを使うにしても、使わないにしても、やはりしっかりとした打撃動作の基礎の習得は必須になるわけです。でもそういう技術ってなかなか少年野球チームでは具体的に、理論的に、分かりやすく教わることってできませんよね?ですので「もっと理論的かつ具体的に上達方法を教わりたい!」と思ったら、ぜひ僕のオンラインレッスンを受けてみてください。想像を絶するほど理論的かつ具体的で分かりやすいレッスンを毎日しています!まずは無料体験レッスンを受けてみてください。74%の親御さんが、お子さんに継続受講させている野球塾です。

コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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