質の良いボールを制球力良く投げるためには、とにかくまず最初にしっかりと踏ん張ることが重要です。踏ん張れなければ股関節を使ってボールを投げることはできず、股関節を使えなければ手投げをするしかなくなってしまいます。ここでも何度か書いたかと思いますが、股関節を使えていない投げ方=手投げ、ということになります。
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バックスピンはオーバーハンドスローのピッチャーしか投げられない!と思っている方は不正解です。スリークォーターでも、サイドハンドスローでも、アンダーハンドスローのピッチャーでもバックスピンストレートを投げられることは可能なのです!しかもジャイロボールのようなスローボールでではなく、速球として投げられます。
パフォーマンスをアップさせるためには、しっかりと重心を落としておくことが重要です。重心が高ければ踏ん張りが弱くなり、踏ん張りが弱ければ下半身で動作を安定させることができず、手だけでボールを投げなければならない状態になり、制球力も球速もアップさせることはできません。
どんなスポーツであっても踏ん張るという動作は何よりも重要な動作です。英語では「Stand Firm」と言うのですが、Firmには安定した、しっかり固定された、力強い、などの意味があります。投手の場合はランディングした非軸足を、まさに力強くしっかりと固定させることにより安定させる必要があります。
今回の投手育成コラムでは、日本の野球指導現場の多くで常識として指導されている非常識をいくつかご紹介したいと思います。もし下記のような指導を未だに行っている指導者がいるとすれば、それは野球技術の理論をまったく勉強されていないコーチですので要注意です!
左ピッチャーはクロスファイアーで投げるのが良い、とは昔から言われていることです。確かにクロスファイアーは打ちにくさはありますが、しかしわたしのコーチングではクロスファイアーは推奨していません。なぜなのか?繰り返しますが、確かに打ちにくくなります。しかし肩への負担が大き過ぎるのです!
投球時のリリースポイントを少しでも打者寄りにしたいという思いは、すべてのピッチャーの共通点だと思います。しかしリリースポイントを打者寄りに持っていくための動き方を間違ってしまうと、ボールの回転数が減って打者を刺し込ませることができないだけではなく、肩を痛めやすい投げ方になってしまうため注意が必要です。
ポジション・年代問わず、質のいいボールを投げるためにはとにかくまず、下半身を良い動かし方で使っていく必要があります。野球チームの指導を観察していてもよく「もっと下半身を使え!」と怒鳴っている指導者をよく見かけます。でももちろん、怒鳴る必要などまったくありません(笑)
体全体を最も使いやすい投げ方は、皆さんご存知の通りワインドアップからのオーバーハンドスローです。正しい動作によるオーバーハンドスローで投げることができれば、体全体を使える分、肩肘にかかる負担を軽減させることもできます。しかしコーチングをしていても、コーチングをする前から良い形のオーバーハンドスローで投げられている投手は世代を問わずほとんどいないように感じられます。
股関節の可動域が狭い(股関節が硬い)選手はオーバーハンドスローには向いていません。ですのでスリークォーターヤサイドハンドスローに取り組んだ方が、もし可動域を広げられないのであれば、パフォーマンスアップに繋がる可能性が高いと考えられます。
投球動作に於いて、下半身で適切な動作を取るということはとても大切なことです。しかし下半身が適切な動作を取れていたとしても、それがイコール下半身主体の投げ方になるかと言うと、実はそんなことはないのです。下半身主体で投げるためには下半身の適切な動作以外にも必要な要素があるんです。
野球塾TeamKazオンライン野球塾ではとにかく、股関節を使って投球する技術を指導しています。股関節を上手に使えるようになると、必要以上に肩を使う必要がなくなり、野球肩・野球肘のリスクを軽減させることができるためです。さらに手投げにもなりにくいため、制球力や球威もアップします。
近年、プロ野球では遠投練習をする選手が減っているそうです。理由はいくつかあるようですが、一番多いのは送球動作を崩してしまうから、ということのようです。遠投をする際に肩の水平ラインを崩してしまう選手がいますが、これによって投球・送球動作に変な癖が染み付いてしまうようです。