上半身を前へ出すのは腰ではなく股関節の役目

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投球動作の後半で、腰を曲げることによって上半身を前に出していく投手をよく見かけます。しかしこの動作は理想的とは言えません。その理由は下半身で生み出したエネルギーを、スムーズにボールに込めていくことが少し難しくなるためです。

下半身で生み出したエネルギーを上半身に伝えるのは、股関節の役目です。股関節を上手に使うことにより、下半身で生み出したエネルギーを上半身に運べるようになります。しかしこの時股関節をあまり動かさず、腰で上半身を前へ出してしまうと、下半身で生み出したエネルギーが股関節に留まってしまうようになります。

ですので投球動作の後半で上半身を前へ出していく際は、腰ではなく非軸脚側の股関節を前傾(屈曲)させることによって、上半身を前へ出すようにしてください。そうすれば下半身で生み出したエネルギーを、今まで以上に効率的に使えるようになり、それが球威球速をアップさせてくれるはずです。

股関節で上半身を前へ出せていない投手は、軸脚の使い方に問題があることが多くなります。良い形で投げられている投手の場合、リリース前後のタイミングで軸足(スパイク)がベルトの高さまで上がってきています。股関節から軸脚全体を高く上げていくと、その反動によって非軸脚の股関節が自然と屈曲するようになります。

しかしそうではなく、軸脚を長時間引きずってしまったり、リリース前後で軸脚を低い位置で移動させてしまうと、非軸脚側の股関節に良い影響を与えることができず、腰を曲げて上半身を前へ出してしまうようになります。これでは球威はアップせず、上半身も突っ込みやすい形になってしまうので要注意です。

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コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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