ヒップファーストフォールとは読んで字のごとく、お尻を先行させて落ちていく、という意味になります。これを誤解してしまうと、お尻を矢印の先のように先行させてしまうモーションを取りやすくなってしまいます。つまり利き手側の肩を下げるようにして、お尻を捕手側に突き出すような形ですね。しかしこれはヒップファーストフォールとしては正しいモーションではありません。
そしてもう一点、ヒップファーストフォールが、ヒップファーストウォークになっている投手も多いんです。落ちるのではなく、歩いてしまっている形ですね。この形では並進エネルギーを効率良く作り出すことができないため、同時に回転エネルギーも作り出せない状況になってしまい、球威・球速も低下しやすくなります。
ヒップファーストフォールの正しい動き方は、振り上げた非軸足が接地するまでは背骨は垂直を保ち、お尻から地面に向かって落ちていく形です。落ちるという感覚が何よりも重要です。しっかり落ちていけると良い足音が聞こえるのですが、歩いてしまうと非軸足の接地時に足音はしません。
非軸足を接地させる動作をランディングと言うのですが、ランディング時、良い形で動けていると非軸脚側の膝には体重の5〜6倍の負荷がかかると言われています。
ちなみに上述した、お尻を突き出すような形で動いてしまうとボールは高めに抜けやすくなります。また、そこから無理やり低めに投げようとするとフックするようになり、制球力が大幅に低下するだけではなく、背筋や腰に大きな負荷をかけてしまうことにもなります。
ヒップファーストフォールで大切なことは、とにかく落ちるということです。そしてランディングまでは背骨は極力垂直状態を維持します。すると良い足音が鳴るようになり、回転エネルギーが増幅することによってボディスピンが鋭くなり、球威あるボールを投げられるようになります。
ヒップファーストフォールの適切なモーションは、文章だけではなかなか説明しにくい部分もあり、このコラムだけではわかりにくい点も多いかと思います。そんな場合はぜひTeamKazオンライン野球塾のコーチングを受けにいらしてください。お待ちしております。
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