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スローイングアームを遠回りさせ遠心力を使って投げてしまうと、初速に関しては僅かにアップするかもしれません。しかしボールが体から遠ざかる分、制球力は低下し、ボールの回転数が増えにくくなるため、お辞儀しやすいストレートになってしまいます。また、肩肘を痛めるリスクも高まります。つまり腕を大きく使って遠回りさせて振るという投球動作には、ほとんどメリットはないということです。


ですがどうしてもスローイングアームの遠回りが直らなかったり、または直すことを諦めてしまった場合は大胸筋周りを鍛えることをお勧めいたします。大胸筋がタイトになれば、投球時に肩関節が水平外転しにくくなり、肩関節の中心〜前方にかけての動き(伸び)をやや小さくし、故障のリスクを少し軽減させられることがあります。

ただし大胸筋を鍛えた場合でも肘や、肩の中心〜後方にかけてはそれほどケアすることはできませんので、怪我のリスクを大幅に軽減させることはできません。

肩の水平内転も抑えたいという場合に、肩甲骨周りの広背筋などの筋肉を増やすという考え方もありますが、バランスや柔軟性を後回しにして鍛えてしまうと肩甲骨の動きが鈍くなり、球速が低下してしまうことがあります。

また、スローイングアームの遠回りを改善できないということは、股関節を上手く使えない手投げになっているということですので、筋肉で関節の動きをタイトにしてしまうと、パフォーマンスが大幅に低下してしまうことにも繋がります。

ただ、どうしてもスローイングアームの遠回りを直すことができないという選手もいると思いますので、その場合に限っては大胸筋を鍛えることによって肩関節の水平外転を抑え、少しだけ怪我をしにくい状態にするという方法もなしではないと思います。ですがもちろん根本的に動作改善を行い、股関節を上手に使えるようになり、肩関節をほとんど使わずに投げるということがベストです。

股関節を上手に使うことができれば、肩肘への負荷を増やすことなく球速をアップさせることができます。そして股関節を使えるとスローイングアームが遠回りしにくくなるため、回転数が増えてストレートの伸びが増し、制球も安定するようになります。

どうしてもできない、もしくは諦めてしまった場合は仕方ありませんが、そうではない限りは大胸筋に頼ることなく、股関節をメインで使って投げる動作のマスターを目指してください。どんなスポーツであっても、パフォーマンスをアップさせるためには何よりも股関節が重要なのです!

投球時に肘が下がってはいけない、と知っている選手はほとんどだと思います。しかし現実的には肘が下がるしかない投げ方をしている選手がほとんどなのです。それは指導者が「腕をしっかりと振れ」と言ってしまうことも原因になっていると考えられます。


結論を言いますと、肩を水平内転させることによってボールを投げてしまうと、人間の体の構造上肘は必ず下がってしまいます。水平内転というのは、右投げの場合、右腕を真横に水平に上げてみてください。そこから腕を水平に動かし右手で左肩をタッチしてください。この時の右肩の動き方を水平内転と言います。

テイクバック付近で肩・肩・肘のSSEライン(ショルダー・ショルダー・エルボー)が一直線になったら、ボールを持っている間はこの一直線を維持し続けます。この一直線が崩れることを肘が下がっている、もしくは肘が上がっていると評価します。肘は肩線分(両肩を結んだ直線)の延長線上で一直線になっていることが求められます。

肩を水平内転させることによりボールを投げてしまうと、投球後に右手で左肩を触るような動きにならない限り、ボールリリース時に肘を肩線分の延長線上に維持することはできません。ただしSSEラインは一直線ではなく「く」の字になってしまいます。左投手であれば左手で右肩を触るような動きですね。

テイクバック付近でSSEラインを一直線にしたら、ボールを握っている間はこの一直線を維持し続けます。ではどこを動かすかと言うと、非軸足側の股関節です。右投げなら左股関節、左投げなら右股関節です。ランディング時に最大外旋させたこの股関節を内旋させていくことにより、手に握ったボールをキャッチャーミット方向に加速させていきます。

非軸足側の股関節を適切に動かすことができれば、肩関節を動かす必要がなくなり、テイクバック付近で作った一直線のSSEラインが崩れることもありません。そして肩を使わなければ肩への負荷は最小限に抑えることができ、野球肩になるリスクを大幅に軽減させることができます。

例えば工藤公康投手、山本昌投手、岩瀬仁紀投手らは股関節の使い方を当野球塾のコーチのような専門家に学び、そして股関節のコンディショニングを徹底して行なったからこそ肩をほとんど使わない投げ方を身につけることができたのです。だからこそ40代や50歳近くになっても現役を続けることができているのです。

指導者が選手に対し「腕をしっかりと振れ」と言ってしまうと、選手はどうしても肩を動かすことによって一生懸命腕を振るようになってしまいます。すると肩を水平内転させる投げ方が癖づいてしまい、野球肩のリスクを高めることになってしまうのです。

当野球塾では肩は使わず、股関節を使って投げることによって故障のリスクを軽減させ、制球力と球速をアップさせる投球動作の指導を行なっています。とにかく大事なのは、ボールは股関節で投げるということです。決して肩や腕力を使っては投げないでください。
投手の腕の振り方はコンパクトであるべきなんです。それを「腕を大きく振れ」という間違った指導をしてしまうことにより、大きな遠心力がかかってしまい野球肩になってしまうのです。また、腕を大きく振るほどボールの回転軸は傾きやすく、回転数も減ってしまうためストレートに伸びがなくなってしまいます。

昔ながらの指導しかできない方は、腕を大きく振って体を大きく見せることによって打者を威圧する、と考えている方もいらっしゃいます。打者を威圧することは勝負に勝つためには大切だとは思いますが、しかし腕を大きく振ってしまえばパフォーマンスは低下するばかりとなります。

制球力に関しても腕を大きく振るほど悪くなります。例えばダーツを思い描いてみてください。ダーツを投げていきたい方向の真後ろにテイクバックし、その軌道上で手部を直線的にコンパクトに振っていくからこそ、狙い通りに投げられるようになります。もしダーツを腕を大きく振って投げてしまえば、ほとんど狙ったところにはいかないはずです。

ピッチングも同じなのです。少し難しい言い方をすると、ボールをテイクバックからリリースにかけてずっと、ストライドライン上で動かしていくと、投げたいところにしっかりと投げられるようになります。もちろんこの動作を可能にするのは適切な下半身の使い方になるわけですが、できるようになればかんたんに四球を出してしまうことはなくなるはずです。

ダルビッシュ有投手や大谷翔平投手など、速いボールを投げられる長身投手を観察しても、腕をコンパクトに振っています。まったく大振りなどしていません。だからこそ空振りを取れる伸びのあるストレートを投げられるわけなのです。そして腕をコンパクトに振っているからこそ疲労を最小限に抑えることができ、長いイニングを投げることが可能になるのです。

もし未だに「腕を大きく振れ」という指導をされている方がいれば、故障を防ぐという意味でも、パフォーマンスを向上させるという意味でも、その指導は今すぐやめた方が選手たちのプラスになるはずです。そして腕をコンパクトに振る最適な投球動作を身に付けたいという方は、ぜひ当野球塾TeamKazオンライン野球塾のピッチングマスターコースなどを受講してみてください。
様々な選手のコーチングをお引き受けしていると、肩痛・肘痛を患っている選手が本当に多いことに驚かされます。しかしもっと驚くことに、選手が痛みや違和感を訴えているのに投げさせる監督やコーチが非常に多いことです。わたしのような職業としてコーチをしている身からすれば、これは信じがたい現実です。

プロ野球選手のように2軍に落とされてしまうと給料が減り、生活に関わってくるという場合は痛みを押すこともやむを得ないかもしれません。現に痛み止めの注射を打ちながら、痛みに堪えて投げ続けるピッチャーもいます。ですが学生野球では痛みがある選手は絶対に投げてはいけません。

「短いイニングだけ」と言ってマウンドに送り出す監督もいるようですが、これもありえません。痛みを訴えている時点で投球禁止にすべきです。そうしなければ、子どもの将来を奪ってしまうことになるからです。例えば小学生時代に無理して痛めた肩肘のせいで、中学・高校で野球ができなくなったとしても、少年野球チームの監督は決して責任など取ってはくれません。ある意味、痛みを訴えている選手に投げさせる監督というのは、その子の将来に対し無責任極まりない起用を行っているということなのです。

ちょっとラジカルな表現ではありますが、しかしそのようなチームが1つや2つではないのです。この6年ほどで数百人の選手たちをコーチングしてきましたが、痛みがあっても投げさせられた経験を持つ投手は何十人もいて、そのようなチームも思い出せるだけでも20例以上あります。

もう一度言いますが、中学・高校に入ってから投げられなくなったとしても、少年野球チームの監督は責任など取ってくれません。更には「責任を取ってくれるんですか?」と言うと、「じゃあチームを辞めてもらって構いませんよ」と逆ギレする監督も現に存在しています。

少年野球は往々にして大人の事情で試合を組まれがちです。そして大人の事情で子どもたちを酷使しがちです。先日の5連休の5日間で10試合以上行ったとわたしに伝えて来てくれた親御さんが、実に4名もいらっしゃいました。5日で10試合だったとしても、少年野球の場合は50イニング前後になるのでしょうか。

プロ野球であっても週6試合で54イニングです。小学生がたった5日間で50イニング戦うというのは、これは教育でもなんでもありません。大人のエゴによる子どもの酷使に他なりません。そもそもプロ野球選手であっても6日で6連戦を戦うというのはかなり疲れるものなのです。それを考えていただければ、5日で10試合・50イニング以上というのがどれだけ酷いペースであるかをおわかりいただけると思います。

小学生のうちはとにかく基礎を大切にして野球を楽しみ、野球を好きになってもらうことを最優先にすべきです。すると中学に入ってから「野球が好き」という気持ちから、「もっと上手くなりたい」と本格的な努力をできるようになり、中学で努力をしておくと高校に入ってからグンと伸びていくことができます。しかし逆に、小学生のうちに肩肘を酷使してしまえば、中学・高校でどんどん尻すぼみになってしまいます。

わたしが感じるに、多くの少年野球の監督というのは子どもが好きで、子どもたちを大切に考えているわけではないと思います。ただプロ野球の監督の気分を味わいたいだけなのではないでしょうか。尊敬すべき指導者も多い中で、それ以上に多いのが子どもたちの将来を無視する指導者の存在です。この現状を変えて行かない限り、日本球界の底上げというのは将来的にかなり難しくなるのではないでしょうか。
ボールを投げる動作の中で、スローイングアーム側の肩関節を内転・外転させ過ぎてしまうと、肩関節に非常に大きな負荷がかかり肩を痛めるリスクが急激に高まってしまいます。

まず内転・外転の説明ですが、腕を真横に肩の高さまで上げてください。前習えの姿勢から、腕を90°外側に開いた形です。簡単に説明をするとこの姿勢を基準にし、前習えの姿勢に近づけて肩関節を動かしていくのが内転です。逆に背中側に、大胸筋を伸ばすような形で肩関節を動かしていくのを外転と言います。内側への展開、外側への展開ということですね。

関節付近の筋肉というのは、関節を山折り・谷折りに例えると、山折り側の筋肉が伸ばされて大きな負荷がかかっていきます。つまり肩関節を大きく内転させると、肩後方の筋肉が伸ばされることになり、ここに大きな負荷がかかるということになります。

肩を痛めにくい投げ方というのは、肩関節の内転・外転を最小限に抑えていく形です。肩関節そのものを動かすのではなく、非軸脚側の股関節を回していくことにより、肩を動かしていきます。このような動作が取れれば、理論上は肩周辺への筋肉への負荷を最小限に抑えることができ、肩を痛めにくい投げ方ができるようになります。

肩を痛める選手で最も多いのは、リリース時に肩関節を外転状態から一気に内転させていく動きです。全力投球をするとこのような動作になりやすくなります。そういう意味でも指導者は、投手に全力投球をさせることは避ける必要があるのです。どんなに力を込めたとしても8〜9割程度で抑えるようにしなければ、肩はすぐに痛めてしまいます。

肩を痛めずに豊富な練習量をこなしていくためにも、理に適った肩への負荷を最小限に抑えられる投げ方を身につけていく必要があります。怪我をしたら練習ができず、練習ができなければその分上達することもできません。たくさん練習ができて、望むように上達していくためにも、まずは肩を痛めにくい投げ方を身につけられるようにしてください。
野球肩や野球肘はなぜ発症してしまうのでしょうか?その理由はもちろんたくさんあるわけですが、疲労という要素を差し引くと、原因は投球動作に問題点がある、ということに絞ることができます。今回はその中でもいくつかの問題動作をご紹介したいと思います。

まず一番大きな問題となりやすいのが、肘の高さです。肘は肩線分よりも下がってはいけないし、上がってもいけません。トップポジションからボールリリースにかけては、肘は肩線分上にある必要があります。

さらに細かい点として、コッキング時に肘が90°以上開いてしまったり、トップポジションで肘が深く曲がりすぎてしまうと、これも動作を悪くしてしまう原因となり、肩痛や肘痛に繋がるケースがあります。そしてボールリリース時に肘を伸ばしてしまう投手が多くいますが、これも肩肘を痛めてしまう大きな原因となります。

投球過多という要素が考えにくい状況で肩痛や肘痛がある場合、必ず投球動作内に問題点が存在します。例えば病院に通って痛みを取ってもらってもボールを投げると痛みが再発する場合、間違いなく投球動作内に痛みの原因が存在します。その問題となっている動作を改善しなければ、再発する可能性はなかなか下げることができません。

ボールを投げると肩や肘に痛みを感じる場合、必ず投球動作(送球動作)に問題があると考えてもらって良いと思います。TeamKazオンライン野球塾でもこれまで数多くの肩肘を痛めた投手をコーチングしてきましたが、投球動作内に問題点がひとつもない投手は一人もいませんでした。肩肘を痛めコーチングを受けに来た選手には、全員になんらかの肩肘を痛めてしまう原因を見ることができました。

肩肘の痛みに悩んでいる選手、もしくはお子さんが肩肘の痛みに悩んでいる親御さん、ぜひTeamKazオンライン野球塾のコーチにご相談ください。問題となっている動作を改善することができれば、痛みが和らいでいったり、痛みがなくなることも期待できます。

野球肩・野球肘改善コースも登場しましたので、こちらのコースもご参照ください。
ボールを横に曲げるための回転を、肩関節を外旋させることによって投げてしまうと、投手の肩肘は簡単に壊れてしまいます。小学生リーグなどでは選手の肩肘を守るために変化球を投げることが禁止されていますが、しかし本当に必要なのはそういうこと以上に、指導者たちが故障しにくい適切な変化球の投げ方を指導できるようになる、ということだとTeamKazオンライン野球塾では考えています。

さて、横の変化球に関しては適切な投げ方ができれば、故障のリスクはストレートを投げた際と理論上は大差はなくなります。もちろんリリースポイントが異なる分、リスクが完全にストレートと同じだとは言えませんが、大差はなくなると考えることができます。しかし一方縦の変化球、フォークボールやチェンジアップに関しては、リスクをストレートと同レベルに抑えることは難しくなります。

まずフォークボールに関してですが、ボールを人差し指と中指で挟むと、薬指と小指にも自然と力が入ってしまいます。そしてチェンジアップ、特にサークルチェンジの場合は主に中指、薬指、小指でボールを握るため、これらの指の力を抜くすことは難しくなります。

実は薬指・小指と肘というのは、直結しているんです。例えば肘を痛めた時のリハビリ方法として、輪ゴムを使って小指を鍛えることにより、間接的に肘を強化するという方法があります。さぁ、ここまで書けばもうお分かりになりますね。薬指・小指に力が入りやすいフォークボールとチェンジアップというのは、この2本の指(特に小指)に力が入ってしまうことにより、同時に肘にも力が入りやすくなってしまうのです。

肘に力みが生じれば、当然投球時の肘はロックされやすくなります。肘がロックされ、固定されたような状態で腕を振ってしまうと、肘へのストレスは非常に大きくなってしまいます。また、肘がロックされて振られるということは、肩にも同時にストレスがかかってしまうことになります。

近年は肩肘へのストレスが小さいカーブ(ドロップ)より、スプリット(フォーク系)やチェンジアップが全盛期を迎えています。トレーニング技術が進み、数十年前よりも投手の体が強くなっているにも関わらず野球肩や野球肘が絶えないという現状には、もしかしたらスプリットやチェンジアップを投げる投手が増えたことが所以となっているのかもしれませんね。

フォークやチェンジアップを投げてはいけない、とは言いません。しかしこの2つの球種をレパートリーに持っている投手は、肩肘のコンディションをしっかり見ながら投げていくことが大切なのです。
野球肩野球肘というのはどうしてなってしまうのだと思いますか?これを知らなければ、痛みが出てお医者さんに治してもらっても、その後故障前と同じ動作で投げてしまい再発させてしまうことになります。痛みが出たらまずお医者さんに相談することが大切なわけですが、それと同時になぜ痛みが出てしまったのかという、動作内の問題をしっかりと見直すことも非常に大切なのです。

まず野球肩に関してはインピンジメント症候群は良く聞かれる症例となります。インピンジメントとは衝突するという意味で、投球動作に於いては上腕骨と肩峰が衝突することにより、その間に挟まっている肩峰下滑液胞が炎症を起こしたり、損傷することによって痛みが生じる症状となります。そしてこれはアクセラレーション(トップポジションからリリースにかけての加速期)時に肘が下がり過ぎてしまったり、上半身が開き過ぎていると起こりやすい症状となります。

体の開きや肘下がりというのはパフォーマンスを低下させるだけではなく、故障を引き起こす原因にもなりうるのです。だからこそシャドーピッチングにより、最善の投球動作を習得する必要があるのです。しかしそれを習得できても試合になれば疲労感などにより、徐々に最善の動作では投げられなくなってしまいます。だからこそ監督やコーチはそのタイミングを逃さずに、適切な継投を行う必要があるのです。

ちなみに肘下がりに関しもう少し詳しくお話をすると、最も肩肘に負荷がかからないのは完璧な0ポジションによるリリースではなく、リリース時にほんの少しだけ肘が下がり、ほんの少しだけ0ポジションから内転したポイントが、ボールリリースによる負荷を最小にすることができるポイントとなります。「ほんの少し」というのは、肉眼ではほとんど確認できないような僅かな差異です。意識してこの形にすることは難しいため、イメージをする程度で十分だと思います。人為的にこの形を作るのではなく、結果としてこの形になるというのが望ましいからです。

最近はヤンキースの田中将大投手の肘痛が大きなニュースとなっていますが、田中投手の場合はスプリットが肘に負荷を与えてしまったのかもしれません。スプリットやフォークのように人差し指と中指で挟んで投げるボールは、アクセラレーションで肘がロックされやすくなります。すると肘関節を柔軟に使うことができず、肘に対する外反ストレスも大きくなりやすく、肘を痛めてしまうことになります。メジャーで使われているボールは、日本のプロ野球のボールよりも僅かに重いと言われていますが、それももしかしたら影響したのかもしれませんね。いずれにしても、一日でも早い復帰を祈るばかりです。

皆さんもこれからもずっと野球を続けていくために、ぜひ野球肩や野球肘になりにくい投球動作の習得を目指してください。「パフォーマンスが向上する投球動作=故障しにくい投球動作」という図式は必ずしも成り立ちませんが、「故障しにくい投球動作=パフォーマンスが向上する投球動作」という図式は成り立ちます。パフォーマンスを良い形で向上させるためにも、故障しにくい投球動作の習得を目指してください。ご相談いただければ、TeamKazオンライン野球塾のコーチがお力になります。
コーチングの現場でよく相談されることの一つに、全力投球というものがあります。肩を鍛えるためには全力投球もした方が良いという考え方と、体が出来上がるまでは全力投球をさせる必要はないという考え方があります。TeamKazオンライン野球塾では、後者の立場を取っています。全力投球というのは、頑強な体を持ったプロ野球選手であっても体に大きな負荷がかかります。ということはまだ成長段階にある未成年の選手が全力投球を日常的に続けてしまうと、それだけ肩を壊すリスクが大きくなってしまう、ということになります。実はこのコラムを書いている私自身、小学生から中学生まで全力投球を続けた結果、高校野球に進む直前に肩を壊し、野球選手としての道を断念したという経験を持っているのです。

このコラムで以前、「制球力>変化>球速」という図式が最も大切だと書きました。例えば150kmのストレートを投げられたとしても、思ったところに投げることができなければまったく意味はありません。逆に120km台のストレートしか投げられなかったとしても、緩急を付けながら思ったところにしっかり投げることができれば、星野伸之投手のようにプロ野球で176勝を挙げることもできるのです。

打者は力一杯バットを振れば振るほど、ミート力は下がりますよね。投手も同じなのです。力一杯投げれば投げるほど制球力は低下してしまいます。どんなに速いボールを投げられたとしても、ストライクが入らなかったり、ど真ん中に投げてしまうようでは勝てる投手になることはできません。そう考えるとまだ成長期の段階にある小学生~高校生に、全力投球を強いる必要はないということになります。それよりは寧ろ、いつでも思ったところにボールを投げられる技術を磨かせるべきなのです。

球速は良い投球動作で投げることさえできていれば、体が大きくなり、筋肉が発達してくれば自然とアップしてきます。ですのでそれまでは、全力投球を日常的に行わせる必要は全くないとTeamKazオンライン野球塾では考えています。そもそも人体というものを見た時、人間の肩関節は腕を肩よりも上に上げることを前提にして作られているわけではないのです。人間にとって腕を肩よりも上に上げること自体が、構造的にはじゃっかん不自然な動作となるわけであり、その動作を全力で行ってしまえば、それだけ肩を痛めるリスクも高まるということになるのです。

全力投球を100球行うよりは、70~80%の力で下半身主導の適切な投球動作で100球投げた方が技術をアップさせるためには近道となります。全力投球を行うのは投球練習の最後の1球であったり、絶対に打たれてはいけない場面の最後の1球だけで十分です。ですがそれも、思ったところに投げるということが前提となります。外角低めを狙ったのに内角に行ってしまうようでは、全力投球した意味はなくなってしまいます。それならば70%の力でしっかりと外角低めに投げていた方が、勝てる確率はアップします。

ちなみに全力投球は投手だけではなく、未成年選手の捕手にも当てはめることができます。外野手の場合は大きく助走して投げられるためまだ良いのですが、ほとんど助走を付けられない捕手の場合、投手と同じように全力投球は怪我のリスクを高めると言うことができます。そのため体の小さい小学生や中学大会の一部では、捕手の肩も守るために盗塁を禁止して二塁送球を行わずに済むようにしようとする動きもあるようです。

確かに小学生や中学生捕手が盗塁を刺せることは滅多にないため、それでも良いのかもしれませんね。投手の全力投球や捕手の二塁送球は、野球動作の基礎がしっかりと身に付き、体が大きくなってからでも決して遅くはないと思います。ちなみに捕手の二塁送球に関してですが、プロ野球の捕手を観察すると、大きな送球動作で全力送球する捕手の送球よりも、コンパクトな動作で70~80%の力で投げる捕手の方が、キャッチングからボールを二塁に到達させるまでの時間(Pop to Pop)は短いのです。

球速や送球の鋭さというものは、筋肉で実現させるべきものではありません。あくまでも適切な動作によって実現させるものなのです。こう考えると、もしかしたら子どもだけではなく、大人であっても全力投球する必要というのはないのかもしれませんね。
投手の肩痛の原因の一つに、あまり知られていませんが大胸筋の硬さというものがあります。大胸筋とは胸にある大きな筋肉のことで、腕立て伏せや、荷物を胸の前で持った時などに働く筋肉のことです。厚い胸板、なんてよく言いますが、この胸板は大胸筋でできているわけです。投手の場合、この大胸筋の柔軟性が低いと、肩痛を起こしてしまうリスクを高めてしまうことになるのです。それはなぜなのか?

大胸筋というのは、非常に強い筋肉です。特にアスリートがしっかりとしたトレーニングで鍛え上げた大胸筋は、凄まじいパワーを発揮することになります。打者ならば、より遠くに打球を飛ばすこともできます。しかし投手の場合は、この大胸筋がピッチングパフォーマンスを低下させてしまうことがあるのです。投手は必ずテイクバックを取ってボールを投げるわけですが、大胸筋に柔軟性がないと、大胸筋がしっかりと伸びてくれないために、テイクバックの動作に制限をかけてしまうのです。

スローイングアームはテイクバックしたがっているのに、柔軟性のない大胸筋がその足を引っ張ってしまうのです。するとテイクバックは浅くなってしまい、体幹の回転運動よりもスローイングアームが先行してしまう投球動作になってしまいます。こうなってしまうと球威は当然低下し、制球も小手先で行わなければならず定まりません。そして何よりも上体の力に頼って投げるしかなくなるため、肩に大きなストレスがかかってしまい、最悪の場合痛めてしまう結果にも繋がるのです。

投手の場合、大胸筋は必要な分だけ大きくするようにしてください。例えばベンチプレスでも50~60kg上げられる必要はありません。投手用の適切な腕立て伏せ(ほとんどの投手はこれができていません)を10回3セット程度しっかりとこなせれば、それで十分なのです。ですがここで注意が必要です。大胸筋を鍛えた際は、必ず念入りなストレッチを行ってください。大胸筋は前述した通り、非常に強い筋肉です。この筋肉が骨に対して癒着状態になってしまうと、筋肉の柔軟性を改善するためには途方もない時間を要してしまうことになります。

8週間程度毎日しっかりとストレッチを続けてもなかなか柔軟性がアップしないという投手は、ストレッチのやり方を間違っているか、筋肉が癒着しているかという二点が原因として考えられます。やり方を間違っているだけならばそれほど問題はありません。正しいやり方を覚えればいいだけです。しかし筋肉が癒着しているために柔軟性がアップしないという場合は、本気でストレッチに取り組んでいかなければ、後々大きな故障を抱えてしまう結果にもなります。

ちなみに病院に行っても整骨院に行っても肩痛の明確な原因が分からないという投手は、多くの場合で大胸筋の癒着が肩痛の原因の一つであると考えることができます。球威を上げるためのトレーニングも、これでは本末転倒です。大胸筋を癒着させず、テイクバックに制限がかかるような状態を回避してあげることが何よりも重要であり、そのためにも念入りなストレッチが大切となってきます。ぜひ今日から大胸筋、そして胸郭のストレッチをメニューに加えて行ってください。

もし病院に行っても明確な肩痛の原因が分からないという選手は、TeamKazオンライン野球塾の投手コーチにご相談ください。投球・送球動作に肩痛の原因がないかを見させていただきたいと思います。

野球肩になる投げ方、ならない投げ方

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野球肩に悩む投手は、プロアマ問わず数え切れないほどいます。それこそ信じられないほどの人数です。TeamKazオンライン野球塾ではこれまで多くの投手の投球動作分析、コーチングを行ってきましたが、野球肩に悩む投手と、野球肩とは縁のない投手には、1つの決定的な相違点があります。今回の投手育成コラムではこの相違点について書き進めて行きたいと思います。

結論から言います。野球肩と縁のない投手はボールをリリースする際、動作軸が体の外に飛び出しています(右投手なら右側、左投手なら左側に)。ですが野球肩に悩んでいる投手を見ると、ボールをリリースする際にほとんど100%運動軸が体の内側にあるのです。つまり野球肩を回避するためには、リリース時に軸が体の外に飛び出るようにすればいい、というわけなのです。

と言っても、ピンと来ませんよね?もしこの説明だけでピンと来た方は、TeamKazオンライン野球塾のコーチングは必要ありません。ですがほとんどの投手はこれだけではピンと来ないのではないでしょうか。しかしそれが普通なのです。実は投球動作を分析するための連続写真やスーパースロー映像を見ても、運動軸が体の外にあるか内にあるか、プロの投手でも、プロチームの投手コーチでも分からない場合がほとんどなのです。ですのでこの投手育成コラムをお読みいただいている方がピンと来なくても、それはまったく普通のことなのです。

まずは、なぜ軸が体の外に出ると野球肩にならないのかをご説明いたします。リリース時に軸が体の外に出るということは、回転運動ではなく、回旋運動でボールを投げていることになります。つまり投球肩の動きは槍投げのように、ほとんど前後のみとなり、遠心力による大きな負荷が肩にそれほどかからなくなります。そのために肩痛を回避することができ、さらにはリリースポイントが一定になりやすいため制球力も向上し、まさに一石二鳥。

反対に軸を体の内側に残したまま投球をすると、肩はどうしてもハンマー投げのように弧を描いてしまいます。弧を描くということは、遠心力がかかっているということになり、この遠心力は肩に大きな負荷をかけてしまいます。これは、水の入ったバケツをグルグル回すのと同じメカニズムで投球をするということになります。そして弧の曲線上でボールをリリースするためにリリースポイントが安定せず、制球力も低下してしまいます。

軸が体の外に出てこない投手の場合、リーディングアーム(グラブをした方の腕)を上手く使えていないケースがほとんどです。リーディングアームとはまさにその名の通り、投球動作をリードする役割を担っています。投球動作は、実はスローイングアームではなく、リーディングアームを主役として考えていくべきなのです。リーディングアームでしっかりと動作をリードすることができれば、スローイングアームもスムーズに動作させていくことができます。ですがスローイングアームありきで投球動作を考えてしまうと、どうしてもスローイングアームに力みを発生させてしまい、その力みが肩痛・肘痛に直結してしまうのです。

スローイングアームに力を込めるのは、ボールをリリースするその一瞬のみです(ボールを指先で弾き出すため)。あとはワインドアップ、テイクバック、コッキング、アクセラレーション、フォロースルーのすべてに於いて、スローイングアームはリラックスしている必要があります。

リリース時に軸を体の外に飛び出させるためには、まずは安定した下半身が必要です。第一に強いふくらはぎが必要で、第二に強い内転筋が必要となります。振り上げてステップし、着地させた前脚がしっかりと安定していなければ、リーディングアームを最大外旋させて腋に巻き取り、その勢いで体をリーディングアーム側に引き寄せられたとしても、立っていることができなくなります。つまり右投手ならば一塁側にバランスを崩して倒れてしまいます。

話をまとめると、軸を体の外に出すためにはまずリーディングアームの内旋外旋動作により、リーディングアームで投球動作全体をリードする必要があります。そしてスローイングアームはリリース時以外は、常時リラックスした状態であること。さらには軸が体の外に出ても体を安定させることのできる強い下半身があるということが大切です。もちろん細かいことを言えばもっと条件はあるのですが、しかしまずはこの3つを実現させることが絶対条件となります。

今回の投手育成コラムは、非常に難易度の高いお話をしていますので、もし内容に関して分からない点などありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

TeamKazオンライン野球塾では、これまで数多くの投手たちのコーチングを行ってきました。その中でつくづく感じることは、股関節が硬い投手が非常に多いということです。もちろん中には素晴しい柔軟性を持った投手もいるのですが、しかし9割方の投手たちは、股関節が正常であるとは言えません。そして肩痛を克服したくてコーチングのオファーをしてくれた投手に関して言えば、ほぼ100%が股関節が非常に硬い状態でした。

ここ数年、股関節や骨盤の重要性はあらゆるところで声高に叫ばれています。そのため股関節や骨盤を意識しているアスリートも多くなってはいます。ですが本当に正しい知識を持って股関節のトレーニングに取り組んでいる選手は、決して多くはありません。その中でも投手というポジションに限定して話を進めていくと、股関節の鍛錬を怠っている投手は、非常に高い確率で肩・肘を痛めてしまうことになります。

ではなぜ、股関節の不調が肩痛・肘痛を引き起こしてしまうのか?その理由は非常に簡単です。投球は、体の構造を上手く使い、捻る動作(関節の回旋動作)によって勢いを生み出し、ボールを高速で発射するという動作になります。そして捻るという動作に関しては、これは筋肉を捻るだけではありません。もっと言えば、捻るのは筋肉ではなくて関節なのです。その関節の中でももっとも重要なのが股関節となります。

右投手の場合、左脚を振り上げて投球動作をスタートさせて行きます。この左脚を振り上げた際、右股関節を内旋させることによって体に捻りを生み出さなければなりません。ですが股関節が硬い投手の場合はその動作を行うことができず、見た目は体を捻っているように見えたとしても、体のメカニズムという観点で見れば、捻りは生れていないということになります。そして股関節を使った捻りを生み出すことが出来なければ、ヒップ・ファースト・フォールで投球動作を進めていくこともできなくなります。つまりお尻から並進移動をしていくことができなくなるわけです。

股関節の内旋・外旋運動は、肩や肘、膝などと比べると決して大きな可動域を持っているわけではありません。そのために股関節をそれほど重視していない投手も多く見受けられるのですが、股関節は肩関節と同じくらい投手にとっては重要な関節となります。股関節を機能させて投球できない場合、股関節が使えていない分、投球に利用するためのエネルギーを必要なだけ確保することができなくなります。するとどうしてもスローイングアーム(ボールを投げる腕)を意識して強く振ることによってエネルギーを生み出そうとしてしまいます。

スローイングアームは、リリースするその瞬間以外はリラックスしている必要があります。ですが股関節で生み出せなかった分のエネルギーを補うためにスローイングアームを使ってしまうと、どうしてもリラックスすることはできなくなります。すると本来かかるはずじゃなかったストレスがスローイングアームにかかってしまうことになり、そのストレスは肩・肘に直結し、野球肩・野球肘という症状を発症させてしまうのです。

ピッチングという動作は、スローイングアーム主導で行ってはならない動作です。スローイングアーム主導でピッチングという動作を行ってしまうと、確実に上体の力に頼った投げ方になってしまいます。つまり体全体を満遍なく使って投げるのではなく、右投手ならば右腕の腕っ節によって投げる運動動作となってしまうのです。これでは肩・肘はまさに消耗品と化してしまいます。

肩・肘を消耗させないためにも、股関節をしっかりとコンディショニングする必要があるのです。ちなみに股関節は、硬過ぎてもいけないし、柔らか過ぎてもいけません。高い柔軟性は必要なのですが、そこに強度がなければ踏ん張りが利かなくなり、その場合もピッチングに股関節を適切に使うことはできなくなります。投手育成コラムでは以前、アウフバウトレーニングについて書いたことがありますが、アウフバウトレーニングはまさに股関節の柔軟性と強度を同時に獲得するためのトレーニング方法です。

肩肘にストレスを与えず、連投の利く投手になるためにも、股関節のコンディショニングは非常に重要な要素となります。アマチュア野球では公式戦の球数制限や登板制限が設けられていますが、しかしそれよりも重要なことは、野球界全体でもっと、股関節を含めたコンディショニングの重要性、そして投球動作に必要なメカニズムを考えていくことではないでしょうか。プロアマ問わず、野球界全体で正しい知識を共有することができれば、日本球界はさらなる高みを目指せるはずなのです。

トレーニングが不足すると良い投げ方でも肩を痛めやすい

ピッチャーにとって肘痛が投げ方の悪さに原因があるとすれば、肩痛は投げ方の悪さに加え、トレーニング不足というさらなる原因も考えられます。ある程度速いボールを投げることは、筋力のない女性選手でも十分に可能です。しかしある程度以上に速いボールを投げ続けるためには、それ相応の筋力が必要になってきます。その筋力が足りないと、例え投げ方が良くても肩痛を引き起こしてしまいます。

肩痛も、例えば関節胞の損傷となると、それは病院で治療するしか方法はありません。しかし病院に行ってもこれといって明確な問題点が見つからない場合、筋力不足ということも視野に入れるべきでしょう。

と言っても、肩周りの筋力の話ではありません。ピッチャーにとっての肩痛は、常に問題が肩にあるとは限らないのです。例えば毎日腹筋をすることで治る肩痛もあるのです。

野球肩を防ぐためには下半身の力を効率よく上半身に伝えよう

ピッチングという動作は、常に下半身主導で行うべき動作です。足でしっかりと地面を噛み、地面から得た反力エネルギーを効率よくボールを握った指先に伝え、そのエネルギーでボールをリリースさせます。ここでもし筋力が不足しているとどうなるでしょうか?

まず足腰の筋力が足りない場合。ステップ幅が狭くなることで、身体が沈まなくなります。身体が沈んでいかないということは、相対的に肘の位置が低くなります。肘が下がった状態でボールを投げ続ければ、当然肩・肘に大きな負担がかかり、痛めてしまう結果となります。さらに言えばステップが狭くなるとボールの加速距離が短くなることにより、球威球速が低下します。下半身で作り出すべきエネルギーが作れないと、どうしても上体だけでエネルギーを作ろうとし、その余分が力みが肩に大きな負担を与えてしまいます。

腹筋が弱いことで発症する野球肩もあるって本当?!

そして腹筋が足りない場合はどうなのか。ピッチングは地面から得た反力エネルギーなどをボールに伝える作業であることはすでに書きましたが、そのエネルギーは、すべてがボールに届くわけではありません。脚、腰、腹筋、背筋を介していくことで、エネルギーは肩に届くまでの間に少しずつ消費されていくんです。

しかしもし腹筋、特に腹斜筋の強さが足りない場合、そこで消費されるべきエネルギーが消費されることなく、肩にダイレクトに届いてしまいます。すると肩には必要以上のエネルギーが集まってしまい、エネルギーの容量オーバーを起こしてしまいます。ということはこの場合の肩痛は、腹筋を鍛えることで改善させられる可能性があるということになります。

野球選手の肩肘は決して消耗品ではない!

肩が痛いからと言って、肩周りを鍛えるだけでは肩痛は治りません。身体全体をバランスよく鍛える必要があります。そしてバランス良く鍛えた身体で、バランス良く投げることにより、初めて消耗しない肩を得ることができるのです。肩は決して消耗品ではありません。バランスの良い身体でバランスの良い投げ方をすれば、常識範囲内の連投で簡単に肩を壊すことは決してありません。

「肩は消耗品だ」と言うコーチを時々見受けます。しかしそれは僕に言わせれば、選手を消耗品扱いしているも同然です。選手に野球を教える立場なのであれば、それはプロであろうと少年野球であろうと、選手たちのベストコンディションを引き出してあげるのが指導者の役割です。バランスの良い身体でバランス良く投げることができれば、肩はそう簡単には消耗しません。そして選手を良いバランスへと導いてあげることは、何よりも重要なコーチの役割の1つです。