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当野球塾に通っている選手の中にも、体が硬い選手がたくさんいます。しかし体の硬さはアスリートとしては致命的な欠点です。まず単純に、体が硬ければ怪我をするリスクも高くなります。さらには関節可動域が狭いことにより、適切な動作を物理的に取れなくなることもあります。つまり動作改善をしようとしても、体が硬く関節があまり動かないため、良い動作で動くことが根本的に難しくなるんです。

体の柔軟性が必要と言っても、野球選手にバレリーナのような関節可動域は必要ありません。もちろんバレリーナほど関節が動けば最高ですが、しかし野球選手に必要なのは柔軟性と強さです。柔らかいだけでもダメですし、強いだけでもダメです。柔らかさと強さをバランス良く得ていかなければ、野球選手にとってベストなコンディションを得ることはできません。

体が硬い選手は、ストレッチングをすると痛みを感じると思います。そして痛いから続けられないというスパイラルに入り込んでしまう選手が多いように思えます。しかしストレッチングは本来、痛みを感じるほど伸ばしてはいけないものなのです。痛みを感じるほど伸ばしてしまうと、痛みを感じた時点で人間の体は硬直してしまいます。そして硬直した状態でさらに伸ばそうとすると、筋肉を損傷してしまい、痛みが何週間も残る場合があります。

ですのでストレッチングは痛みを感じないギリギリのところまで伸ばすようにし、その伸び幅を少しずつ広げるように毎日地道に続けていってください。

そして効果的なストレッチングをするコツは、伸ばした状態から伸ばさない、ということです。筋肉を最大限縮めたところから、痛みを感じないギリギリのところまでゆっくり伸ばすようにしてください。ストレッチングとは正式には、ストレッチング&ショートニングと言います。伸ばす&縮める、という意味です。

ストレッチングは、筋肉を最大限縮めたところから伸ばしていくと、より高い効果を得られるようになります。例えばハムストリングスを伸ばしたい場合は、太腿と胸がくっつくような形でしゃがんで、ハムストリングスをしっかり縮めた状態から、太腿と胸を離さないように膝を伸ばしていきます。

他の部位ももちろん同様です。しっかりと縮めたところからゆっくり伸ばしていくということがポイントです。膝を伸ばした立位から手を足の爪先につけていく立位前屈ストレッチングでは、ハムストリングスがある程度伸びた状態から伸ばし始めることになるため、最大限のストレッチング効果を得ることはできません。

体が十分に柔らかい選手であれば、伸ばした状態から伸ばしていっても、しっかりと伸ばすことはできます。しかし体が硬い選手の場合は必ず最大限縮めたところから伸ばし始めるようにしてみてください。そうすれば少しずつストレッチングの効果を実感できるようになるはずです。
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わたしはこれまで数え切れないほどの野球関連の本、トレーニング関連の本を読んできました。その中でも特にオススメしたい1冊がこの本『痛み解消メソッド 驚異のエゴスキュー 』です。

この本にはどんなことが書いてあるかと言うと、体がどうして痛くなるのかという原因と、その改善方法です。例えばわたしの場合は右脚だけがO脚なのですが、O脚の改善方法もわかりやすく解説されています。おかげで少しずつですが、わたしのO脚は改善されつつあります。

表紙に「ペインフリー」と大きく書いてあるだけあり、この本には痛みを消したり、軽減させるための方法がたくさん記されています。腰痛や肩痛、肘痛のような故障による痛みだけではなく、肩こりや偏頭痛などの痛みを軽減させる方法も記されています。

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2枚目の写真のように、野球選手特有の痛みを改善させるための方法も解説されています。内容としてはアライメントを整えて痛みを改善するためのエクササイズ本なのですが、ジムに行かなければできないエクササイズは1つもありません。自宅にある何かで代用できるものを使ったエクササイズですので、アスリートはもちろん、肩こりや腰痛に悩む一般の方にもオススメできる1冊です。

しかもエクササイズ内容はすごくかんたん!アライメントを整えるための体勢を作り、数分間その姿勢を維持するというタイプのエクササイズです。そのためお年寄りでもできる内容も多いのです。

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上記の目次はクリックすると大きな画像が表示されますので、ぜひご覧になってみてください。この本にはこのような内容がわかりやすく記されています。エゴスキューメソッドは日本ではほとんど知られていません。アメリカの解剖生理学者であるピート・エゴスキューという方が提唱している理論なのですが、アメリカでは非常に知名度の高いペインフリーメソッドです。

アメリカのサンディエゴに1978年にエゴスキュークリニックが開院されたのですが、以来数多くの患者さんの痛みを消してきました。有名メジャーリーガーから、有名プロゴルファーまで様々な選手のサポートも行っており、中でもプロゴルファーであるジャック・ニクラウス選手はエゴスキューメソッドを強く推奨するアスリートの一人です。

エゴスキューメソッドとは、運動療法です。体を本来あるべき姿に戻すことにより、痛みを改善させていく手法です。つまり痛みとは、体が本来あるべき姿ではなくなるから生じるものなのです。日本であまり知られていないのは、エゴスキューメソッドを指導するためにはアメリカで研修を受け、セラピストとして認定してもらう必要があるためです。そのためにエゴスキューのセラピストが日本では非常に少ないのです。こんなに素晴らしい内容なのに、日本でほとんど知られていないのが残念でなりません。

エゴスキューメソッドは、誰でもできる内容です。そしてやり方さえ間違わなければ確実に効果が現れてきます。もし肩こりや腰痛、偏頭痛や外反母趾に悩んでいる方がいたら、ぜひこの本を読んでみてください。そしてアスリートであれば故障による痛みを改善するためにこの本を手に取ってください。

わたしはプロのコーチとして、自信を持って『痛み解消メソッド 驚異のエゴスキュー 』というこの本をオススメしたいと思います!

コーチングをしているとよく質問されるのが、投手の体脂肪率は何%くらいがいいか、ということです。こればかりは精密な回答を用意するのは難しいのですが、しかしそれでも10%弱が良いと指導するようにしています。

その前にまず筋肉と脂肪の違いですが、同じ質量でも筋肉は脂肪よりも少し重く、脂肪は筋肉よりもやや硬いんです。また、脂肪では関節は動かせませんので、体脂肪が増え過ぎてしまうと動作のキレは失ってしまいます。

13%という数字は、野球をしていない一般の方でも整えることができる数値です。例えば週に2〜3回ジョギングをしている方で、食事も適切に摂っている方であれば、13%という体脂肪にすることは容易です。しかしこれを10%に近づけていくのはかなり難しいと思います。
*一般男性の平均は13%、女性は23%

以前プロ野球チームのトレーナーさんに聞いたことがあるのですが、体脂肪率15%だった投手が冬に追い込み10%にしたら、その年は投球動作にキレが出て1軍で活躍できるようになったと話していました。

体脂肪率の低下=パフォーマンスアップというわけではないのですが、しかし今よりもレベルの高い技術の再現性を高めるためには、体脂肪率10%程度で作り出せる体のキレが必要なのです。

男性が健康を維持した上で体脂肪率を最大限落とせるのは5%までと言われています。5%を下回ると男性選手でも体調を崩すことがあります。女性の場合は10%を下回ると体調を崩し始めます。例えばメジャーリーガーのイチロー選手は5%だと言われています。しかしこれは野手だからこその数字です。投手の場合は5%に近づきすぎてしまうと球威球速が低下しやすくなります。ですので筋肉の重さに脂肪の重さを少しプラスして、位置エネルギーや並進力を強めると考えた方が良いと思います。その上でわたしが投手にアドバイスするのが10%弱という数字なのです。

広島カープの前田健太投手の体脂肪率は、入団当初は7%弱だったそうです。しかしこれでは低すぎ、スタミナやパフォーマンスをアップさせるためにもトレーナーに体脂肪率を少し増やすようにアドバイスされたそうです。そして北海道日本ハムファイターズの大谷翔平投手の体脂肪率は10%弱だそうです。

さらにプロ野球で、ドラフト上位で期待をされながらもなかなか1軍に定着できず、怪我経験もある投手の体脂肪率を少し調べてみると、15%程度の選手が多いようです。あくまでも統計的という表現になってしまうわけですが、こうして考えていっても投手の体脂肪率は10%を少し切るくらいが良いのかもしれませんね。
野球をされている方の中には、整骨院や整体などにお世話になっている方も多いと思います。今回はそんな整骨院や整体の正しい選び方をご紹介したいと思います。整骨院で施術をしてもらうと、ポキポキッと音を鳴らしながら調整をしてくれる先生も多いですよね。あれって、とても気持ちいいものです。自分自身でやっても、指をポキポキ鳴らしたり、首をポキポキ鳴らすと気持ちいいものですよね。しかしこのポキポキ音は、実は鳴らすべき音ではないのです!

関節がポキポキ鳴るのをクラッキングと呼びますが、これは元を辿るとキャビテーション破壊というものなのです。キャビテーション破壊とは、関節のクッション材として存在している水泡が壊れている音なのです。普段の生活では主に首、指、腰、膝などで鳴ることがあると思います。しゃがみこんだ時に膝がポキッとなるのもクラッキング(キャビテーション破壊)です。

もちろん普段の生活でポキポキ鳴る分にはほとんど問題はありません。しかし整骨院や整体の場合、頚椎(首)や腰椎を捻ってポキポキと鳴らすことがあります。これは要注意です。頚椎や腰椎を含めた脊柱(背骨)には神経が通っています。つまり捻り方を少しでも間違えばその神経を傷つけてしまう可能性があり、最悪の場合痛みが増すだけではなく、部分麻痺を引き起こしてしまうケースもあります。もちろんそこまで酷くなくても、過剰に捻れば常に神経が引っ張られたり、圧迫される状態となり、とてもじゃありませんがコンディションの改善に繋がることはありません。

本当に質の高い施術をしてくれる整骨院や整体の先生は、決してポキポキと音を鳴らすことはありません。もちろん体質によっては少し動かしただけでも鳴ってしまうことはあるわけですが、しかし少なくともグッと押し捻り、あえてポキポキ鳴らすようなことは絶対にしません。

さらに信頼できる先生の場合、初診時には必ず30分前後かけてじっくりとコンディションチェックをしてくれます。例えば脚に尖ったものを軽く当てて、左右の脚で反応に差がないかなど(骨盤の歪みチェック)、細かいチェックをすごく丁寧に行ってくれます。しかし平気でポキポキ鳴らす先生の場合、コンディションチェックもそこそこにすぐに施術に入ります。

冒頭でも書いたように、ポキポキとなると気持ちいいものです。しかしこの気持ち良さは一瞬のものです。根本的なコンディショニングの改善にはまったく影響しません。それでも気持ち良さが感じられる分、施術を受ける側からすると「上手い先生」だと勘違いしてしまうのです。繰り返しますがしかしこの気持ち良さは一瞬のものであり、根本的な改善には繋がりません。そのため毎週通う羽目になってしまうのです。

ということで安心できる整骨院や整体の先生を探す場合、無闇にキャビテーション破壊を起こさないということと、初診時にコンディションチェックを時間をかけて行ってくれる、という二点に注意をして探してみてください。ちなみに本当に質の高い施術をしてくれる先生の場合、2〜3回通っただけで体はしっかりと改善へと向かっていきます。よほど酷くない限り、2〜3ヵ月通うようなことはまずありません。毎週必ず整骨院や整体に通っているという方がもしいれば、ドクターショッピングをしてみる良い機会かもしれませんね。
投手としての運動技能が低い選手ほど、関節に脆さを持っています。TeamKazオンライン野球塾ではこれまで数え切れないほどの選手たちをコーチングしてきましたが、その中で特に多かったのが、股関節が弱い選手です。股関節は上半身と下半身のつなぎ目となる、非常に重要な関節です。ここをないがしろにしてしまうと、野球動作に限らず、どんなスポーツでも最高のパフォーマンスを得ることはできません。

さて、ここで関節について少し学んでおきましょう。筋肉や骨は血管とつながっているため、栄養は血管から得ています。しかし関節に関しては血管とつながっていないため、血管(血液)から栄養を得ることができません。関節とはつまり軟骨や半月板などのクッションのことです。これらは血管からではなく、関節胞内の関節液から栄養を補給しています。

そのため関節を普段からしっかりと動かし、活性化させられていないと、関節液から吸収できる栄養がどんどん減っていってしまいます。すると関節は弱くなり、硬くなり、怪我をするリスクが非常に高くなってしまいます。冒頭で股関節が弱い選手が多いと書きましたが、それに次いで多いのは足首が弱い選手ではないでしょうか。これは日本人特有の正座をする機会がなくなったことが影響しているのかもしれません。

股関節にしても足首にしても、活性化させられていなければ、頭で「こう動け!」と指令を出しても、なかなかその通りに関節を動かすことができなくなります。投手であれば肩、肘、手首、膝などは一生懸命トレーニングしている選手も多いのですが、反面股関節や足首に関しては特化したトレーニングを経験したことのある選手はほとんどいないようです。

股関節が弱くなれば下半身と上半身が連動しなくなり、さらには頭で出した指令が脚まで届きにくくなります。そして足首が弱くなればプロネートするようになり、投球時に下半身を使って上半身をしっかりと支えることができなくなってしまいます。

そうならないためにも、股関節や足首のトレーニングも適切に行い、関節を活性化させ、関節にしっかりと栄養が行き渡るようにコンディショニングしていくようにしましょう。
スポーツ選手にとって睡眠は、ハードなトレーニングと同じくらい大切なものです。一昔前までは「1日8時間は寝なさい」などと言われたものですが、近年、特に学生の睡眠時間が減りつつあるようです。そしてその睡眠時間を減らしている原因が、携帯電話にあります。特にスマートフォンやタブレットPCの夜間の過度な使用は、睡眠障害を起こす可能性が高まります。

そもそもなぜ睡眠は必要なのでしょうか?まずトレーニングした後には「超回復」という現象が起こります。これはトレーニングによって酷使した筋肉が、食事から得られる栄養と睡眠時の休息により、トレーニング前よりも強い状態で回復する現象のことを言います。つまりいくらハードなトレーニングを行ったとしても、栄養と睡眠が足りなければ最大限の効果を得ることはできないのです。さらに成人選手の場合、喫煙や多量の飲酒も超回復を阻害してしまいます。

ブルーライトという言葉を最近よく耳にします。これはスマホやタブレット、テレビやゲーム機の画面から発せられる光の一種です。人間の目にはガングリオンフォトレセプターという細胞が備わっているのですが、この細胞がブルーライトに対し反応を見せるのです。どのような反応かと言うと、ザックリ説明をすると、ブルーライトを目に浴びることにより、体が「今は昼間」だと判断してしまうのです。サーカディアンリズム(体内時計)が狂うということになるわけですが、夜間、特に就寝時間前2時間のうちに日常的にブルーライトを浴びてしまうと、睡眠障害を起こす引き金となることがあります。

成長期にある学生の場合、スポーツをしているか否かに関係なく、睡眠は非常に大切な成長要素です。そしてスポーツをしている場合はさらに大切になり、質の良い睡眠を得ることができなければ、パフォーマンスの質を上げることはできないわけなのです。

対策としては就寝前の2時間は極力スマホやテレビは見ないようにして、見るならば画面を少し暗くしたり、PC用メガネを着用したり、ブルーライトをカットしてくれるフィルムをスマホの画面に貼るなどのことが必要だと思います。

ちなみに二足歩行をする人類は、寝起きよりも就寝前の方が僅かですが身長が低くなります。その理由は重力によって関節が縮められてしまうためです。その縮んでしまった関節をリフレッシュさせ、元のコンディションに戻してくれるのも睡眠の大事な役割となります。立って眠る人なんていませんよね。睡眠時に長時間横になることにより、関節を重力から解放してあげる、というわけなのです。

わたしも投手育成コラムの原稿を書いたり、投手の動作分析をする際には長時間パソコンに貼りつくことがあります。そんな時にはブルーライトを50%カットしてくれるPC用メガネを必ず着用し、画面も少し暗めに設定してます(暗すぎない程度に)。そしてスマホにももちろんブルーライトをカットしてくれるフィルムを貼っています。

もしこのコラムをお子さんをお持ちの方が読んでくださっている場合は、このコラムの内容を元にし、お子さんとスマホ利用の仕方を改めて話し合われてはいかがでしょうか。ちなみに着信時に発生する電磁波も体には良くはないため(男性の場合、生殖器官の機能が低下してしまいます)、できれば睡眠時はスマホは体から離して置いておいた方が良いと思います。もしくはプレインモード(オフライン)にしておくと、安心ですね。
近頃テーピングについて質問されることも増えてきたため、少し解説しておきたいと思います。最近選手の親御さんにご質問されたことに「痛みがない時もテーピングをするべきか?」というものがありました。これは接骨院で、痛みがなくてもテーピングをすると良い、とアドバイスされてのご質問だったそうです。しかしTeamKazオンライン野球塾の考え方としては、この質問には「ノー」としか言えません。

痛みがある時にはテーピングやアイシングを活用すべきです。なぜ痛みがある時にテーピングが必要なのかと言えば、患部の筋肉等を固定し動かなくさせることにより悪化を防ぎ、回復を助けてくれるからです。つまりテーピングをすると、その部位の筋肉はほとんど動かなくなるのです。

痛みがない時にもテーピングをしてしまうと、その部位の筋肉を動かさずに野球動作を取ることが癖付いてしまいます。このように話せばどなたでも、怪我をしていない選手はテーピングをすべきではない、ということがお分かりいただけると思います。

中には、例えばファイテン商品 のように水溶性チタンによって身体機能を高めてくれるテーピングテープもあります。このような商品を使う場合であれば、痛みがない時であってもテーピングをしても良いと思います。ただし筋肉を締め付けるほど、グルグル巻きにはしないでください。説明書きをよく読み、筋肉(関節)がしっかりと動く程度のテーピングにしてください。

テーピングというのは、痛めた筋肉の部位によって巻き方が異なります。実際に痛みがあってテーピングをする際は、病院などの先生に正しい巻き方を教わる必要があります。つまりテーピングというのは、ただグルグル巻きにすれば良いというものではないのです。正しい巻き方を教わると、意外と難しいことが分かると思います。

投球動作というものは、体全体の筋肉を極力万遍なく使う必要があります。それなのに痛みもない状態でテーピングにより筋肉を使えない状態にしてしまうことは、パフォーマンスをアップさせるという意味に於いてはマイナスとなってしまいます。ですのでテーピングをする際は適切な巻き方で、痛みがある部位だけに施すようにしましょう。また痛みがある際は病院でちゃんと診てもらい、テーピングを活用して痛みが引くまでしっかりと休むようにしてください。
最近は小中学生の間でも、投球後にアイシングをすることが普通の光景になってきているようです。アイシングをするための道具もスポーツショップに行けば簡単に購入することができ、少し前と比べると、気軽にアイシングができるようになりました。プロ野球中継を観ていても、降板した投手は必ずと言って良いほどアイシングをしています。そのような姿を見ていれば、確かに投球後のアイシングは正しいように思えてきてしまいますよね。

ですがTeamKazオンライン野球塾では、少なくとも小中学生のうちからアイシングをする必要はないと考えています。ちなみにアイシングというは、投球後20分以内に済ませることで効果を得られます。つまり試合の途中で投手から野手に交代し、降板後20分以上経ってからアイシングをしても効果を得ることはできません。ただ寒いだけになってしまいます。

アイシングというのは、運動することによって切れてしまう毛細血管を、少しでも切れないようにするための処置です。投手が1試合投げ終えた夜、体が火照って眠れないというのは毛細血管がたくさん切れてしまっているからなのです。つまり体が火照ってしまうほどの運動強度がない場合、アイシングをする必要はないのです。

高校生以上になると、投手は試合前のキャッチボールや投球練習を含めると、多い日には200球以上投げることもあります。それでも高校生というのはまだまだ回復力が高いので、アイシングをしなければならない、ということはありません。ですが少なくとも、高校野球程度の運動強度に達していない限りは、未成年のうちから日常的に氷水で体を冷やすという処置は推奨できません。

ちなみにアイシングを行っても、野球による故障を防げるという科学的根拠はありません。もし野球肘や野球肩を防ぐためにアイシングをされているようでしたら、それは間違いです。アイシングをする理由は上述した通りとなります。

小中学生のうちはアイシングをするよりは、適切なクールダウンをすることの方が大切です。アイシングをするということは、投球動作によるクールダウンは行わないということです。それならばしっかりとクールダウンをすることの方が、小中学生の体にとっては良いのではないでしょうか。運動直後に氷水で体を一気に冷やすというのは、子どもの体には負担が大き過ぎます。そもそも子どもの体は冷やしてはいけないものですので、野球チームの指導者はまず、その辺りからしっかり考えていく必要があると思います。
WBCなどの国際大会、小学生リーグなど、球数制限を定めているリーグはいくつも存在しています。ですがTeamKazオンライン野球塾では球数制限には選手を守る一定の効果はあっても、根本的な解決には繋がらないと考えています。その理由は球数制限は、あくまでも試合で投げた球数であったり、試合で投げたイニング数のみを数えているからです。

例えば2回戦であまり良い勝ち方ができなかった投手は、3回戦の前にたくさん投球練習をして、今度は良い内容で勝ちたいと考えます。すると時に、その練習時の球数が疲労として蓄積されてしまうのです。投手の疲労は球速が低下すれば分かる、と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかしそれは誤りです。投手とは本能的に、いつもより球が走っていない時はいつも以上に上半身に力を入れて投げてしまうのです。投手によっては肩が軽い日よりも、調子が悪い日の方が力を入れて投げている分球速が出ることもあるのです。

球数制限は投手の肩を守るための一定の効果はあると思います。ですが根本的にそれを解決するためには、やはり監督や投手コーチの投手を見る眼力を養わなければなりません。どんな投手であっても、スタミナ切れが近づくと必ずそれを知らせる変化が表れます。それを的確に見抜けなければ、投手に必要以上の無理を強いることになり、肩や肘を痛める大きな原因となってしまうのです。

小学生野球などでは特に、チームに一人しかストライクを取れる選手がいない場合、その選手ばかりが投手を務めるケースが少なくありません。しかも球数制限のないリーグのチームに限って、そのような状況であることが多いようです。小学生の体はまだまだ未熟です。その未熟な体に無理をさせてしまえば、当然肩肘を痛める結果になります。

スタミナ切れが近付いてきた時の症状は、投手によって様々です。急に制球が乱れるタイプ、下半身が浮き出すタイプ、腕の高さが変わり始めるタイプなど、それは指導者が投手一人一人をしっかりと観察し、見極めていく必要があります。今回のコラムは球数制限がテーマであるわけですが、例えば前回の試合で29球しか投げていなくても、次の試合までに練習で300球投げていたらそれは当然疲労として残るわけです。しかし試合では29球しか投げていないため、例えばWBCでの球数制限に引っかかることはありません(制限ルールはリーグや大会によって異なります)。

そのような理由から、TeamKazオンライン野球塾では球数制限には一定の効果はあっても、投手の肩肘を守る根本的な解決にはなっていないと考えているのです。疲労によって投手を壊さないためには球数制限以上に、指導者の投手を見る眼力が何より必要なのです。特に小学生という繊細な年代の選手を指導されている方は、誰よりもその眼力が必要だと言えます。

話を聞いていると、とにかく小学生で肩痛を抱える選手が非常に多いのです。試合で投げる度に病院に行っている選手もいるほどです。そのような悩みを抱えている選手が今よりも大幅に減っていかない限り、球数制限が根本的な解決法であるとは言えないわけなのです。ですが逆の見方をすれば優秀な指導者も多い一方、眼力がない指導者も多いからこそ球数制限を設けざるを得ない、という考え方もできます。

野球指導を行っている方で投手を見る眼力に自信のない方は、ぜひTeamKazオンライン野球塾にご相談ください。一緒に選手を見ることで、その選手がどのようなタイプであるのかをプロの目からアドバイスさせていただきます。

「お腹が出てもできるスポーツ」と揶揄されることもある野球。しかし当然ですが、お腹が出ているような選手がベストパフォーマンスを発揮できるほど甘くはないのが野球です。明らかに太っている選手は捕手や一塁手にされるケースも多いわけですが、アマチュア野球の場合は投手をやるケースも少なくないのではないでしょうか。その理由は、体重はパワーに直結する要素だからです。

物理的に考えるならば投球でも打撃でも、体重が重いほどボールに込められる力は大きくなります。つまり投手の場合、スウィングする腕の重量がある分、遠心力でより速く腕を振ることができるのです。しかしこの投げ方は安全ではありません。なぜなら太っている選手の場合、慣性モーメントが大きくなってしまうためです。

太っている投手とスリムな投手とでは腕を振る際、当然太っている投手の方が、胴体が太い分ボールが体から遠いところを通るようになります。すると慣性モーメント(遠心力)が大きくなり、必要以上に肩周りのインナーマッスルが引っ張られてしまい、肩痛を引き起こしてしまうのです。インナーマッスルはアウターマッスルとは違い、簡単に痛めやすい筋肉です。

ここまでは、単純に太っている選手とスリムな選手ということでお話をしましたが、筋骨隆々で体が大きい選手とスリムな選手と置き換えると、また話は変わってきます。今回のコラムはあくまでもお腹が出ているタイプの太っている選手、ということでお話を進めています。

太っている選手の場合、(脂肪が多い分)体重に対して筋肉量が少ないと言うことができます。すると体重を支えることが大きな負荷となり、膝を痛めてしまう危険性も高くなります。捕手の場合は座ったり立ったりという動作が多くなるため、より膝は痛めやすくなります。上述した肩痛と膝痛、太っている選手はこれだけ大きなリスクを抱えてプレーをすることになります。これでは当然ベストパフォーマンスを発揮することはできません。

本気で野球をされている方は、男性の場合はやはり体脂肪率は20%未満が望ましいと思います。女子選手の場合は20%を切ってはいけませんが、男性の場合は体重は減らさずに、体脂肪率を10%台に持っていく必要があります。もっとシンプルに言うならば、体脂肪はそのままであっても、筋肉量を増やせばいいわけです。そうすれば相対的に体脂肪率は低下していきます。

一般的なダイエットにも同じことが言えるわけですが、筋肉量を増やすと代謝力がアップします。代謝が上がればエネルギー消費量も大きくなり、体脂肪も燃焼しやすくなります。逆に食事を減らすことによって体重を減らそうとすると筋肉量が減ってしまい、同時に代謝力も低下してしまいます。すると運動をしても脂肪が燃えにくい体質になってしまうので注意が必要です。

ちなみにお風呂やサウナにはダイエット効果を望むことはできません。その理由は、人間の体には体温調節機能が付いているためです。体温が上がれば体は体温を下げようとし、体温が下がれば体は体温を上げようとします。つまり燃焼しやすい体質にするためには、お風呂にゆっくり浸かることよりも水風呂や水シャワーの方が効果があるわけなのです(ただし冷えた体で運動をすることは避けてください)。

水風呂、水シャワー、もしくはプールは体脂肪を燃焼しやすくするためには、非常に効果のある方法です。体脂肪率が20%を超えている男性選手は怪我を防ぐという意味でも、パフォーマンスをアップさせるという意味でも、ぜひ風邪をひかない程度に試してみてはいかがでしょうか。

棘上筋をコンディショニングするためのインナリング方法を解説しています。

棘上筋は4つのローテーターカフの中でも最も痛めやすいインナーマッスルです。肩痛を起こさないためにも、肩痛を改善させるためにも、ぜひインナリングの正しい方法をマスターしてください。

映像内に登場するピンク色のゴムバンドは、リージェントファーイーストの商品です。