小中学生も投球後にはアイシングが必要なのか

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最近は小中学生の間でも、投球後にアイシングをすることが普通の光景になってきているようです。アイシングをするための道具もスポーツショップに行けば簡単に購入することができ、少し前と比べると、気軽にアイシングができるようになりました。プロ野球中継を観ていても、降板した投手は必ずと言って良いほどアイシングをしています。そのような姿を見ていれば、確かに投球後のアイシングは正しいように思えてきてしまいますよね。

ですがTeamKazオンライン野球塾では、少なくとも小中学生のうちからアイシングをする必要はないと考えています。ちなみにアイシングというは、投球後20分以内に済ませることで効果を得られます。つまり試合の途中で投手から野手に交代し、降板後20分以上経ってからアイシングをしても効果を得ることはできません。ただ寒いだけになってしまいます。

アイシングというのは、運動することによって切れてしまう毛細血管を、少しでも切れないようにするための処置です。投手が1試合投げ終えた夜、体が火照って眠れないというのは毛細血管がたくさん切れてしまっているからなのです。つまり体が火照ってしまうほどの運動強度がない場合、アイシングをする必要はないのです。

高校生以上になると、投手は試合前のキャッチボールや投球練習を含めると、多い日には200球以上投げることもあります。それでも高校生というのはまだまだ回復力が高いので、アイシングをしなければならない、ということはありません。ですが少なくとも、高校野球程度の運動強度に達していない限りは、未成年のうちから日常的に氷水で体を冷やすという処置は推奨できません。

ちなみにアイシングを行っても、野球による故障を防げるという科学的根拠はありません。もし野球肘や野球肩を防ぐためにアイシングをされているようでしたら、それは間違いです。アイシングをする理由は上述した通りとなります。

小中学生のうちはアイシングをするよりは、適切なクールダウンをすることの方が大切です。アイシングをするということは、投球動作によるクールダウンは行わないということです。それならばしっかりとクールダウンをすることの方が、小中学生の体にとっては良いのではないでしょうか。運動直後に氷水で体を一気に冷やすというのは、子どもの体には負担が大き過ぎます。そもそも子どもの体は冷やしてはいけないものですので、野球チームの指導者はまず、その辺りからしっかり考えていく必要があると思います。
コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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