まず投球時の肘の適切な高さですが、肩線分の延長線上ということになります。肩線分とは両肩を結んだ直線のことで、その直線の延長に肘が来ることが最善となります。ちなみに肩線分の延長にあって欲しいタイミングは、トップポジションからリリースまでです。この間に関しては、肘は肩線分の延長線上になければいけません。
では肘が下がったり上がったりすると何故いけないのでしょうか?実はそうなってしまうと、肩関節が動いた際に骨同士が衝突しやすくなるんです。1試合や2試合肘が下がっても、それが直接故障に繋がることはありません。しかしそれを何週間、何ヵ月と続けてしまうと、それは確実に肩痛や肘痛に繋がってしまいます。
更には骨同士が衝突しやすくなるということは、摩擦も大きくなります。摩擦が大きくなれば関節を動かす速度も低下してしまい、ボールを加速するためのアクセラレーション(トップポジションとリリースの間の動作)の速度が低下してしまいます。すると球速・球威も目に見えて低下するようになり、低下を感じることで投手は無意識に上半身の力に頼って投げるようになり、そこでまた肩痛・肘痛のリスクを高めてしまうことになるのです。
つまり肘が上がっても下がっても、良いことは一つもないということです。ですので肘が下がってしまうことが多い投手は、すぐにでも動作改善に取り組むべきです。そうしなければパフォーマンスが思うように上がらないばかりか、故障のリスクも高めてしまうことになります。
と言っても、肘が下がっていたとしても肘そのものを動かして肘の高さを変えることだけは避けてください。これをやってしまうと今度は肘が上がり過ぎてしまいます。更には投球フォームを崩してしまう大きな原因にもなり、スランプにも陥りやすくなります。
肘の高さというのは、下半身の高さを調整して相対的に上げ下げする必要があります。ちょっと難しいですよね。ちなみにこれは、スローイングアームをリラックスさせなければできません。つまり肘が下がったり、上がったりすることが多い投手は、スローイングアームに力が入っていることが多いのです。ですのでまずは、スローイングアームをリラックスさせることが大切です。
投球時の肘の高さを最善の方法で調整したいという方は、ぜひTeamKazオンライン野球塾にご相談ください。肘の高さを調整するための技術コーチングであれば、60分コースでも十分その内容を理解していただけると思います。
コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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