さて、ここで関節について少し学んでおきましょう。筋肉や骨は血管とつながっているため、栄養は血管から得ています。しかし関節に関しては血管とつながっていないため、血管(血液)から栄養を得ることができません。関節とはつまり軟骨や半月板などのクッションのことです。これらは血管からではなく、関節胞内の関節液から栄養を補給しています。
そのため関節を普段からしっかりと動かし、活性化させられていないと、関節液から吸収できる栄養がどんどん減っていってしまいます。すると関節は弱くなり、硬くなり、怪我をするリスクが非常に高くなってしまいます。冒頭で股関節が弱い選手が多いと書きましたが、それに次いで多いのは足首が弱い選手ではないでしょうか。これは日本人特有の正座をする機会がなくなったことが影響しているのかもしれません。
股関節にしても足首にしても、活性化させられていなければ、頭で「こう動け!」と指令を出しても、なかなかその通りに関節を動かすことができなくなります。投手であれば肩、肘、手首、膝などは一生懸命トレーニングしている選手も多いのですが、反面股関節や足首に関しては特化したトレーニングを経験したことのある選手はほとんどいないようです。
股関節が弱くなれば下半身と上半身が連動しなくなり、さらには頭で出した指令が脚まで届きにくくなります。そして足首が弱くなればプロネートするようになり、投球時に下半身を使って上半身をしっかりと支えることができなくなってしまいます。
そうならないためにも、股関節や足首のトレーニングも適切に行い、関節を活性化させ、関節にしっかりと栄養が行き渡るようにコンディショニングしていくようにしましょう。
コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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