「制球力アップ」と一致するもの

回転スローには不可欠な良好なボディバランス

野球で「ボディバランス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?一聞すると体型のことのようにも思えますが、でもこれは体型のバランスの良さを表す言葉ではありません。

ボディバランスとは、「どんな姿勢や体勢になっても、自分がどっちを向いているかしっかり把握する」能力のことです。野球では野手のフィールディングでよく出てくるスポーツ用語ですね。

例えば内野手が捕球後にクルッと回ってから一塁に投げることがありますよね?この時ボディバランスが良ければ、クルッと回りながらも一塁ベースの方向を的確に把握することができるため、悪送球のリスクはほとんどありません。

逆にボディバランスが悪いとクルッと回っている最中に一塁ベースの方向が分からなくなってしまい悪送球してしまったり、回った後で一度止まって一塁ベースを確認してから投げなければならなくなります。つまりボディバランスが良くないと、アウトを増やしにくくなるということですね。

そしてこれは内野手だけではなく、外野手にも当てはめることができます。大飛球を背走しながら追って好捕したあと、ボディバランスが良ければすぐに正確な返球をすることができます。

しかしボディバランスが悪いと捕球後に体勢が崩れてしまったり、返球したい塁がどっちにあるのかが分からなくなってしまいます。いくら内野手が「バックサード!」などと指示を出していても、そのサードの方向が分からなくなってしまうため、好捕しても結局投げるまでにワンテンポ置くようになってしまいます。

ボディバランスは三半規管と自律神経の影響が大きい!

ボディバランスというのは、三半規管が司る能力です。三半規管とは耳の奥にある、バランスを取るための器官ですね。

一般的には自律神経が乱れると三半規管の機能が低下してしまいます。そして三半規管の機能が低下すると、上述したような野球のプレーにおけるデメリットだけではなく、車酔いしやすくなったり、目眩を起こしやすくなります。

そして自律神経というのは、規則正しい生活をしていないとあっという間に乱れてしまい、悪化すると自律神経失調症になってしまいます。そしてそこまで悪化してしまうと、自律神経を良いコンディションに戻すのに本当に時間がかかってしまいます。

野手がフィールディングで良いプレーを見せるためには良好なボディバランスが必要であり、良好なボディバランスを維持するためには、規則正しい生活をして自律神経が乱れないようにする必要があるわけです。

平日は学校があるから早寝早起きだったとしても、週末はスマホを見ながら夜更かしして朝起きられないという生活を続けてしまうと、自律神経は乱れやすくなります。

例えば欧米にはサマータイム制度があり、春夏と秋冬では時計が1時間ズレます。この1時間のズレによって自律神経を乱してしまう人がかなり多く、現在ではサマータイム制度の廃止に向けて検討する国も増えてきています。

三半規管の機能を向上させる簡単なトレーニング

ちなみに三半規管は、後ろ向きで歩いたり走ったり、ミニハードルを跳んだりすると機能を向上させることができます。アスリートだけではなく、車酔いしやすい人や、目眩を起こしやすい人にも効果的ですので、ぜひ部屋の中で周りを気をつけながら後ろ向きで歩いたり跳んだりしてみてください。

寝る前のスマホはボディバランスを崩すため要注意!

自律神経が乱れてしまうと同時に三半規管の機能も低下し、ボディバランスも崩れてしまいます。そうなると野手がファインプレーできる確率がグンと下がってしまうため、アスリートは身体を鍛えるだけではなく、このような繊細な器官を整えることにも注視していく必要があるわけです。

ちなみに自律神経は、夜間にスマホやテレビなどからブルーライトを浴び続けてしまうと結果的に乱れることもあるため、夜間はスマホのブルーライトをオフにする機能を使ったり、せめて寝る前の2時間程度はテレビやスマホなしで過ごすようにしましょう。

あとは寝る2時間前というタイミングでストレッチングやトレーニングをしてしまうと、交感神経と副交感神経の作用が逆になってしまい、その結果自律神経が乱れ、ボディバランスも崩れるという結果に繋がることもあります。ですので寝る直前は血行が良くなることはあまりせず、なるべく心拍数が上がらない過ごし方をすると良いと思います。

そういう意味では、寝る直前のお風呂もベストとは言えないわけです。シャワーならほとんど問題ないと言えますが、湯船に浸かるとそれによって血行が活発になるため、入眠しにくくなることがあるため要注意です。

ボディバランスを良くして、野手としてファインプレーを連発できる選手になるためにも、普段の生活から十分注意しながらコンディションを整えていくよう心がけてください。

カズコーチの動画レッスン:三半規管でボディバランスを整えて制球力をアップさせよう

三半規管でボディバランスを整えて制球力をアップさせよう

今回のビデオでは、ボディバランスという観点から制球力アップについてのレッスンをしています。そしてボディバランスを向上させるためには三半規管を上手く使っていく必要があります。

三半規管というのは内耳にあって、回転運動や加速運動を感知するためのものなのですが、これが上手く機能することによってボディバランス能力が向上していきます。

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努力は嘘をつかないという言葉は嘘!

夏の勝者は冬に作られます。冬にどれだけ理論的に練習できるかによって、春の球速は大きく変わってきます。

例えば球速アップや制球力アップを目指して、とにかく投げ込みやシャドーピッチングの数をこなす選手が非常に多いと思いますが、この練習法では結果が伴わない危険性が高くなります。

ある程度理論的な良いフォームが身に付いている選手であれば、投げ込みによってそのフォームをさらに高めることができます。しかしまだフォームが出来上がっていない小中学生の場合、理想的ではないフォームで投げ込んでしまうことにより、その良くないフォームを体に覚え込ませる練習になってしまうんです。

ボールは遠心力ではなく、求心力を使って投げる!

制球力をアップさせるためには、ポジション問わず遠心力ではなく求心力を使ってボールを投げる必要があります。ですが野球指導現場の99.9%では、遠心力を使った投げ方の指導が行われています。

まず根本的に、求心力を使って投げるための指導をできるコーチがほとんどいません。これはプロ野球12球団の投手コーチにも同じことが言えます。

そのためプロ野球選手たちは僕のようなパーソナルコーチと契約をし、求心力を使う投げ方のバイオメカニクスを学び、それを身につけていきます。そして身につけられると、1軍で何年間も活躍をし続けられるようになります。

少年野球や草野球だって同じです。求心力を使った投げ方をマスターできると、ポジション問わず制球力と球質が向上していきます。

ピッチャーだったら空振りを取れる伸びのあるストレートを投げられるようになりますし、外野手だったらイチロー選手のようなレーザービームを投げられるようにもなります。

求心力を使う投げ方の存在さえ知らない野球部の指導者たち

僕のオンラインレッスンでも毎日求心力を使った投げ方のコーチングをしているのですが、これができるようになった選手でパフォーマンスがまったく改善しなかった選手は、僕の指導歴の中ではひとりもいません。

しかも求心力を使って投げられるようになるとパフォーマンスが改善されるだけではなく、肩肘への負荷を大幅に減らすこともできます。

ですが少年野球でも中高の野球部でも、求心力を使う投げ方の存在さえ知らない指導者が大半です。少なくとも99.99%の野球指導者はそれを知らないと思います。

知らないということは、それだけ子どもたちに怪我させてしまう可能性が高まるということです。

ちなみに僕が知る限り、求心力を使った投げ方に関し言及している、一般書店で売られている野球教則本は1〜2冊です。もしかしたら僕が見たことのない野球教則本には書かれているのかもしれませんが、今まで300冊くらい目を通してきた野球教則本の中では、僕の経験上ではそれだけでした。

つまり求心力を使った投げ方を学ぼうにも、学びようがないということです。だからこそ僕のような、野球塾のプロフェッショナルコーチが求め続けられている、というわけなのです。

肩肘の怪我を防ぎ、同時にパフォーマンスを改善していけるように、ぜひ僕のオンラインレッスンを受けてみてください。

投球動作というのは、家と同じです。土台がしっかりしていない家は、強風やちょっとした地震でも崩れてしまいます。投球動作もまったく同じなのです。土台が安定していない投球動作では、土台以外の部分をいくら気をつけたとしても、根本的に投球動作が改善されることはありません。ですので根本的に制球力が向上したり、球速がアップすることもないわけです。


土台が安定しているかどうかをチェックする方法は簡単です。ボールを投げた後、非軸脚だけで5秒間安定して立てるかどうかです。そして立つ時の姿勢は、(1)顔は正面を向ける、(2)上半身と軸脚の太ももは水平にする、(3)軸足(足部)は最低限ベルトよりも高く、できれば頭より上にあげる。この3つの姿勢を揃えた上で、非軸脚側の股関節の上に乗っかるという意識で、投球後に5秒以上立ってみてください。

傾きながらの5秒や、ふらつきながらの5秒ではダメですし、バランスを取る練習にしてしまってもダメです。上記の姿勢で非軸脚側の股関節に乗っかるという意識で、ふらつかずに5秒以上立てるようになってください。この非軸脚が投球動作の土台になりますので、安定して5秒以上立てれば土台は安定していると判断して良いと思います。

そして5秒以上立てる非軸脚の形を作ることができると、体重移動を完了させられる動作環境も同時に整えることができます。逆に5秒立てない非軸脚では体重移動を完了させられず、中途半端な体重移動になってしまう分球速がアップすることもありません。そして土台が安定していなければ、その上で動かす運動軸も安定しなくなりますので、球速がアップしないだけではなく、軸がぶれる分制球力も低下することになります。

全力投球で5秒立つ必要はありません。8〜9割くらいの力加減で投げて5秒立てればOKです。5秒立てない選手であれば、余裕で5秒立てるようになるだけでもパフォーマンスは向上するはずです。ぜひ普段の練習に、この5秒立ちを取り入れてみてください。

今回の投手育成コラムでは、コントロールを良くするためのコツを1つ書き進めていこうと思います。結論から言いますと、それは目線です。制球力が低い投手、特に小中学生の場合、目線が的に向かっている時間が非常に短い選手が多く見受けられます。この目線を改善するだけでも、制球力が少し安定するケースが多くなります。


投手の場合、キャッチャーミットの見方は2種類あります。1つはキャッチャーミットだけを見て、他のものは一切気にしないという見方。もう一つは風景の中にあるキャッチャーミットを見る見方です。どちらが良いかと言えば、もちろん前者です。試合では打者や審判、捕手が投手の視界に入るわけですが、ワインドアップ、もしくはセットした後はキャッチャーミットのみを見続けることがベストです。

ブルペンでは良いのに、マウンドに上がると制球力が乱れてしまうというタイプの投手には特に効果が大きく、キャッチャーミットのみを見続けると、より狙いが絞られた状態となり、投球動作全体がピンポイントでそこに投げるための動作に近づいていきます。

逆に風景の中でキャッチャーミットを見てしまうと、狙いが散乱してしまい、コントロールが不安定になりやすいんです。ですので試合でマウンドに立っても打者や審判などおらず、キャッチャーミットだけがストライクゾーンに浮いているとイメージし、そこだけを見続けるようにしてみてください。

そして見続ける時間は長ければ長いほど効果を得られます。投球動作中に一瞬キャッチャーミットから目線を外してしまう投手も多いのですが、これをやってしまうと一度定めた狙いをもう一度、しかも投球動作中に定め直さなければならず、コントロールが不安定になる原因となってしまいます。

制球力の安定化を図るためにも、軸足をピッチャーズプレートにセットした瞬間からボールがキャッチャーミットに収まるまで、打者や審判、捕手などには目もくれず、キャッチャーミットだけをとにかく見続けるようにしてみてください。今までこれができていなかった選手の場合、これをするだけでも制球が少し安定するはずですので、ぜひ試してみてください。

今回の投手育成コラムでは、上達速度をアップさせるための練習の取り組み方に関し少しお話をしてみたいと思います。多くの方が考えている通り、闇雲にただ毎日練習をしているだけでは、思うような練習効果を得ることはできなくなります。野球を始めたばかりであればそれでも上達はできますが、経験値が増えるほど、闇雲な練習では毎日何時間も行なったとしても、いつか頭打ちするようになってしまいます。


これは野球の練習に限った話ではありませんが、とにかく考えて練習することが大切です。コーチングを行なっていると、多くの選手が投球練習を肩の筋トレのように行なってしまっていることが多々見受けられます。そして正しい動作ができていない状態で何十球、何百球も投げてしまい、結局良い動作を身につけることができず、それどころかこれまでの悪い動作をさらに濃く体に覚えこませるための練習にしてしまっている選手が数多く見受けられます。

制球力をアップさせたいと考えた場合、まずは制球力を低下させている原因動作をハッキリさせる必要があります。その動作をハッキリさせた上で、具体的な形で改善を目指していく必要があります。例えば踏み出す足の着地点が一致していない場合は、常に同じ場所に着地できるように練習をします。制球力を良くしたいと思っても、ただ的を見て投げ続けるだけでは制球力はアップしないのです。制球力が低いことには必ず人それぞれの原因があります。その原因を突き止めない限りは制球力はアップしません。

時々オーバーハンドスローをサイドハンドスローにして制球力アップを図る選手がいますが、このやり方にはほとんど意味はありません。オーバーハンドスローで制球力が悪い選手がサイドに転向したとしても、やはり制球力を低下させている原因を改善できなければ制球力が向上することはありません。ただし、稀にサイドハンドスローが体に合っているという選手もいるため、そのような場合は何らかの改善が見られるケースもあります。

そして上達速度をアップさせるためには、とにかく考えることが大切です。そしてノートにその考えていることを書き出したり、声に出して喋りながら練習をしたりすると、目指している形が頭の中で明確になっていきます。頭の中で明確になればなるほど、体の反応が良くなり、その動作を体現しやすくなります。

やはり頭に入っていない動作は、どれだけたくさん練習をしたとしてもできるようにはなりません。まず適切な動作を頭の中に入れ、その上で練習をする必要があります。そうすれば闇雲に練習するという状況ではなくなり、着実にステップを登っていけるようになります。

上達速度をアップさせるためにも、練習する前にまずは考え、適切な動作をしっかり理解した上で練習をするようにしてください。投球練習を、ただの筋トレにしないためにも練習前に考えることが重要なのです。

近年は筋肉トレーニングに関する情報が多く共有されるようになり、筋肉トレーニングによって球威球速をアップさせようとする投手も多くいます。これはプロアマ同様に言えることですが、この手法によって球威球速をアップさせる手段はベストではないと当野球塾では考えています。ではベストな方法とは?


まず筋トレに関して考えてみましょう。筋トレによって腕が太くなれば、出力できるエネルギーを増やすことができます。それによって確かに球威球速をアップさせることはできます。ですが本当に必要な技術の習得がなければ、ただ初速だけが速くなるだけで、バックスピンの質が低い分打者の手元で失速するボールになってしまいます。

また、筋肉は鍛えることによって強く太くすることができます。しかし筋肉と骨、関節を繋いでいる靭帯や腱は鍛えることはできないんです。野球選手がよく痛めてしまうのは内側側副靱帯という、肘関節の内側の靭帯です。トミー・ジョン手術で修復を目指すのは主にこの靭帯です。

靭帯は関節を繋ぐ役目をしていて、関節の過剰動作(動くべきではない方向に関節が動かないようにする)を防ぐ役割をしています。筋肉を大きくするということは、過剰動作に対するエネルギー出力も大きくなるということで、靭帯への負荷は想像以上に大きくなります。でも靭帯は上述した通り鍛えて強くすることができません。つまりいくら筋肉を大きくしたところで靭帯はそのままですので、筋肉を大きくすることによって球威球速アップを目指してしまうと、それだけで靭帯に対し非常に大きな負荷をかけてしまうことになるのです。

球速アップは、投球動作の連動性によって目指すべきものです。例えばプロ野球では西口文也投手や岸孝之投手という非常に細身の、体重も70キロあるかないかの投手が活躍しています。西口投手の全盛期はそんな細身でも150km/hのボールを投げていましたし、岸投手だって短いイニングであれば150km/hを投げることがあります。つまりしっかりとした技術、連動性のある投球動作を身につけていれば、必要以上に筋肉を増やさなくても球威球速をアップさせることができるということです。

西口投手に関して言えば、現役時代に肩や肘を痛めた経験はほとんどありません。岸投手に関しては肩甲骨からの可動性が広いため、少し肩に負担がかかるタイプではありますが、それでも選手生命を左右するような肩肘の故障はまだありません。適切な投球動作によって球威球速をアップさせた場合、西口投手のように肩肘の故障なくいつまでも投げ続けられるということなのです。

さらに言うと、投球動作が崩れるのを嫌い遠投をしない選手もいますが、遠投練習はするべきです。短い距離、そして遠投をバランス良く組み合わせていくことにより、バランスの良い投げるための筋肉を作っていくことができます。これは筋トレでは絶対に作ることのできない筋肉です。

筋トレももちろん必要不可欠なトレーニングです。しかし筋トレによって球威球速アップを目指すというのは、故障のリスクを高めるだけの間違った考え方です。球威球速のアップは、動作の連動性によって目指していくべきです。そして連動を高めるためには投球動作内に無駄な動作が多いようではいけません。制球力も安定させられる無駄のない投球動作だからこそ連動性が高まり、連動性が高まれば球速は自然とアップしていくんです。
個別指導タイプの当野球塾には制球力アップを目指している選手がたくさん通っています。所属している野球チームでも制球力アップに関する指導を受けているようですが、しかしその指導内容を選手から詳しくリサーチしてみると、ほとんどが非論理的な指導ばかりであるようです。

例えば「お前はコントロールが悪いからオーバースローじゃなくて、サイドスローに変えてみろ」などは、典型的な非論理的指導と言えます。オーバースローからサイドに転向すると制球力が良くなるということはありません。ただし、骨盤周辺が横回転中心の投手がオーバースローで投げていた場合、腕をサイドにしてあげることにより骨盤周辺と腕の動作方向が一致し、パフォーマンスがアップすることはあります。このようなロジックが存在していない限り、オーバースローをサイドにしたところで制球力や球速がアップするということはありえません。

制球力の良し悪しは、オーバー、スリークォーター、サイドそれぞれ共通です。オーバーハンドスローで制球力が良い投手はサイドに変えても制球力は良いですし、オーバーで制球力が悪い投手はサイドに変えてもほとんどのケースで制球力は悪いままです。つまり見た目の「フォーム」を変えたところで、制球力の根本的改善にはほとんど影響はないのです。制球力を良くするためにはメカニクス(力学)を見直すための「モーション」の改善が必要なのです。モーションさえ良ければ、どんな見た目のフォームで投げてもパフォーマンスはアップするのです。

制球力が悪いことには必ず原因があります。投球動作に無駄な動作が多いほど制球力が悪くなっていくわけですが、選手個々の投球動作内に潜んでいるその無駄な動作を取り除いてあげない限り、その投手の制球力が根本的に向上することはありません。そしてその無駄な動作を的確に見つけ、その改善方法をわかりやすくアドバイスしてあげるのがわたしたちコーチの役目なのです。

制球力が悪い原因は投手それぞれであり、万人に共通する改善方法はありません。例えば投手Aはあることをしたら制球力が良くなったとしても、同じ改善方法を投手Bが試しても思ったほどの効果がない場合があります。これはAとBでは、制球力を乱している根本的な原因が異なるためです。

ちなみに無駄な動作が少ない、制球力が向上する投球動作を身につけられると、無駄な動作が少ない分、投球動作内の一つ一つの動作が連動しやすくなります。するとキネティックチェーン(運動連鎖)の効果が高まり、エネルギーが効率的にボールに伝わるようになり、球速も同時にアップさせていくことができるんです。これを実現させているのがTeamKazオンライン野球塾の投手コーチングなのです。

制球力を根本的に改善したい場合は、ぜひTeamKazオンライン野球塾のマンツーマン指導を受けてみてください。今までなぜ制球が安定しなかったのか、その原因と改善方法を明確に知ることができるはずです。
球速をアップさせるために、一生懸命筋トレをする投手がいます。確かに筋トレをすれば見た目の球速はアップしますが、しかしそれは主に初速がアップしているだけなのです。腕力を使って速いボールを投げようとすれば初速はアップしますが、ボールに与えられるバックスピンは減ってしまいます。すると打者の手元に来て失速し、どんなに初速が速いボールを投げられても、安定した成績を残すことはできません。

では球速をアップさせるためにはどうすればいいのでしょうか?その答えは簡単です。位置エネルギーを増幅させればいいのです。位置エネルギーとは非軸脚を振り上げ、足部を接地させた時に発生するエネルギーです。つまり高いところから物を落とした時に発生するのが位置エネルギーというわけです。

物理的には非軸脚を高く勢いよく振り上げるほど位置エネルギーは大きくなり、球速はアップしやすくなります。しかし投球動作とはキネティックチェーン(運動連鎖)が重要であるため、ただ脚を高く上げるだけでは球速はアップしません。高く脚を上げたメカニズムを活かすための、前後の適切な動作が必要になってくるのです。

速いボールを投げるためには、鋭いボディスピンが必要です。これは非軸脚側股関節の回転運動によって作り出す物なのですが、良い回転運動は良い位置エネルギーによって生まれます。そして良い位置エネルギーは良い並進運動によって生まれます。さらには良い並進運動は良い体重移動の仕方によって形作られます。

このように投球動作は、大雑把に見てもこれだけの連動があってこその投球動作になるのです。150キロのストレートを投げられる投手の指先の移動速度を測っても、せいぜい100〜110キロ程度です。つまり腕を全速力で振ったとしても、球速に与えられる良い影響はわずかしかないのです。

球速アップは、理想的なキネティックチェーンによって目指すものです。どこか1〜2カ所を良くしただけでは根本的な球速アップには繋がりません。制球力アップは無駄な動作を省く作業になるわけですが、球速アップは無駄のない動作をしっかりと連動させていく作業になるのです。

もしキネティックチェーンが上手く行っていない状況であれば、筋トレをまったく増やすことなく、動作改善をするだけで球速をアップさせることができます。これがTeamKazオンライン野球塾の球速アップ法です。肩や肘への負荷が大幅に増える球速アップ指導は一切行っていません。

一生懸命トレーニングをしても球速がなかなかアップしない投手は、ぜひTeamKazオンライン野球塾のコーチングを受けてみてください。きっと球速をアップさせられるはずです。
たまにいただくご質問で、小学生未満のお子さんにもコーチングを受けさせた方が良いのか?というものがございます。TeamKazオンライン野球塾では基本的には、少なくとも小学3~4年生くらいになるまでは無理をしてコーチングを受けさせなくても大丈夫です、とお答えさせていただいております。その理由はやはり10歳前後になるまでは、技術的なことをコーチングしていくのが難しいためです。

ただし、動作が明らかにおかしい場合はコーチングを受けていただいても良いかと思います。例えば走り方がおかしい場合、女の子投げをしてしまうという場合は、コーチングのご相談をいただければと思います。

小学校低学年くらいまでは、基本的には何も教える必要はないと思います。実は何も教わっていない子のほとんどは、人体の構造に即した良い投げ方をしているのです。しかし大人が適切ではない教え方をしてしまうことにより、徐々に人体の構造に適していない投げ方に変わって行ってしまうのです。例えば「腕を大きく使いなさい」「もっと腕を振りなさい」という言葉も、適切ではない体の使い方をしやすい指導となります。

もし小さいお子さんがいて、数年後には野球チームに入れてあげたいとお考えの場合、まずは脚を高く上げることだけをアドバイスしてあげてください。右投げなら左脚、左投げながら右脚です。近年は間違った制球力アップ法を実践するあまり、脚を高く上げない、もしくは上げられない10代の投手が増えています。しかし脚を高く上げられなければ位置エネルギーが小さくなり、体全体を使って投げることも難しくなります。すると将来的に球威がアップしにくい投げ方になってしまうのです。

球威がアップしないと実感し始めると、今度は無意識のうちに上半身の力に頼って投げるようになってしまいます。するとスローイングアームへの負荷が大きくなってしまい、野球肩や野球肘の原因になってしまいます。

10歳未満のまだまだ体が小さいお子さんに、お父さんやチームのコーチが指導する際は、まずは以下の点だけに注意して見守ってあげてください。

・脚を高く振り上げて投げる
・ステップした足の爪先を投げたい方向に真っ直ぐ向ける
・全力投球はさせない

まずはこれだけで十分だと思います。三つ子の魂百まで、ではありませんが、幼少期に教わったことは大人になってもなかなか修正できないものです。ですので10歳以上になり、理屈を理解したいという欲求が強まってくるまでは、特に上半身の使い方に関しては何も教えるべきではないとTeamKazオンライン野球塾では考えています。ただし繰り返しますが、動作が明らかにおかしい場合は直してあげる必要があります。

小さいお子さんにはまずは、本能だけでボールを投げさせてあげてください。10歳未満のお子さんに対しては、それが一番大切なことだと思います。そして少しずつプレーの強度が高まり、小学生リーグでプレーできるようになった時、少しずつ上半身の使い方も教えてあげればいいのではないでしょうか。

少なくとも小学生までは、野球の楽しさを覚えさせるためだけの指導で良いと思います。その上で間違った動き方をしていた時のみ正してあげ、できたら褒めてあげるというやり方が、ジュニア期に野球(スポーツ)に対するモチベーションを高め、中学以降も野球を続けられるための基礎作りになると、TeamKazオンライン野球塾では考えています。でも少年野球界を見渡すと、勝ちにこだわる指導者が非常に多いようです。小学生を指導する方にはぜひとも、勝利よりも子どもたちの将来を考えた指導、チーム運営を期待したいものです。