「コンディショニング」と一致するもの

TeamKazオンライン野球塾では、これまで数多くの投手たちのコーチングを行ってきました。その中でつくづく感じることは、股関節が硬い投手が非常に多いということです。もちろん中には素晴しい柔軟性を持った投手もいるのですが、しかし9割方の投手たちは、股関節が正常であるとは言えません。そして肩痛を克服したくてコーチングのオファーをしてくれた投手に関して言えば、ほぼ100%が股関節が非常に硬い状態でした。

ここ数年、股関節や骨盤の重要性はあらゆるところで声高に叫ばれています。そのため股関節や骨盤を意識しているアスリートも多くなってはいます。ですが本当に正しい知識を持って股関節のトレーニングに取り組んでいる選手は、決して多くはありません。その中でも投手というポジションに限定して話を進めていくと、股関節の鍛錬を怠っている投手は、非常に高い確率で肩・肘を痛めてしまうことになります。

ではなぜ、股関節の不調が肩痛・肘痛を引き起こしてしまうのか?その理由は非常に簡単です。投球は、体の構造を上手く使い、捻る動作(関節の回旋動作)によって勢いを生み出し、ボールを高速で発射するという動作になります。そして捻るという動作に関しては、これは筋肉を捻るだけではありません。もっと言えば、捻るのは筋肉ではなくて関節なのです。その関節の中でももっとも重要なのが股関節となります。

右投手の場合、左脚を振り上げて投球動作をスタートさせて行きます。この左脚を振り上げた際、右股関節を内旋させることによって体に捻りを生み出さなければなりません。ですが股関節が硬い投手の場合はその動作を行うことができず、見た目は体を捻っているように見えたとしても、体のメカニズムという観点で見れば、捻りは生れていないということになります。そして股関節を使った捻りを生み出すことが出来なければ、ヒップ・ファースト・フォールで投球動作を進めていくこともできなくなります。つまりお尻から並進移動をしていくことができなくなるわけです。

股関節の内旋・外旋運動は、肩や肘、膝などと比べると決して大きな可動域を持っているわけではありません。そのために股関節をそれほど重視していない投手も多く見受けられるのですが、股関節は肩関節と同じくらい投手にとっては重要な関節となります。股関節を機能させて投球できない場合、股関節が使えていない分、投球に利用するためのエネルギーを必要なだけ確保することができなくなります。するとどうしてもスローイングアーム(ボールを投げる腕)を意識して強く振ることによってエネルギーを生み出そうとしてしまいます。

スローイングアームは、リリースするその瞬間以外はリラックスしている必要があります。ですが股関節で生み出せなかった分のエネルギーを補うためにスローイングアームを使ってしまうと、どうしてもリラックスすることはできなくなります。すると本来かかるはずじゃなかったストレスがスローイングアームにかかってしまうことになり、そのストレスは肩・肘に直結し、野球肩・野球肘という症状を発症させてしまうのです。

ピッチングという動作は、スローイングアーム主導で行ってはならない動作です。スローイングアーム主導でピッチングという動作を行ってしまうと、確実に上体の力に頼った投げ方になってしまいます。つまり体全体を満遍なく使って投げるのではなく、右投手ならば右腕の腕っ節によって投げる運動動作となってしまうのです。これでは肩・肘はまさに消耗品と化してしまいます。

肩・肘を消耗させないためにも、股関節をしっかりとコンディショニングする必要があるのです。ちなみに股関節は、硬過ぎてもいけないし、柔らか過ぎてもいけません。高い柔軟性は必要なのですが、そこに強度がなければ踏ん張りが利かなくなり、その場合もピッチングに股関節を適切に使うことはできなくなります。投手育成コラムでは以前、アウフバウトレーニングについて書いたことがありますが、アウフバウトレーニングはまさに股関節の柔軟性と強度を同時に獲得するためのトレーニング方法です。

肩肘にストレスを与えず、連投の利く投手になるためにも、股関節のコンディショニングは非常に重要な要素となります。アマチュア野球では公式戦の球数制限や登板制限が設けられていますが、しかしそれよりも重要なことは、野球界全体でもっと、股関節を含めたコンディショニングの重要性、そして投球動作に必要なメカニズムを考えていくことではないでしょうか。プロアマ問わず、野球界全体で正しい知識を共有することができれば、日本球界はさらなる高みを目指せるはずなのです。

アウフバウトレーニングの導入方法

最近野球トレーニング関連の本を開いていると、アウフバウトレーニングについて解説されている本が増えてきました。ですが、厳密な意味でアウフバウが解説された本は筆者が知る限り、ほとんどありません。ただ単にアウフバウトレーニングの動作が解説されているだけで、アウフバウトレーニングの導入方法に関しての解説がなされていないのです。

まずアウフバウの動作に関して簡単に解説をしておきたいと思います。アウフバウとは股関節を鍛えるための、ドイツ生まれのトレーニング方法です。やり方としてはまず仰向けに寝て、片脚の股関節を真っ直ぐ、内旋、外旋の3パターンで、股関節だけを使い脚を上下させていきます。これを体の向きや、股関節を動かす方向を変えながら、股関節の可動方向に対して満遍なく真っ直ぐ、内旋、外旋の3パターンで動かしていきます(文章だけでは少々分かりにくいですが)。

野球トレーニング関連の本には、上述したこの動作が写真付きで分かりやすく解説されています。ですが本来のアウフバウの目的を考えていくと、これだけでアウフバウトレーニングが成り立っているとは言えません。アウフバウとは股関節を鍛えるためだけのトレーニングではなく、股関節の強化をパフォーマンスの改善、向上につなげていくためのトレーニングなのです。つまり、アウフバウのトレーニング動作だけを、まるでダンベル運動のように継続して行ったとしても、アウフバウ本来の効果を得ることはできないのです。

アウフバウの効果を最大限得るためには、アスレティック動作の合間合間に入れていく必要があります。つまり、5km走ったらアウフバウをして、スプリントを10本こなしたらアウフバウをして、キャッチボールをしたらアウフバウをして、バッティングをしたらまたアウフバウをして。毎日やる必要はないと思いますが、このようにアスレティック動作に絡めてアウフバウトレーニングを行っていかなければ、ただ股関節を鍛えるだけのトレーニングになってしまい、パフォーマンスの向上につながっていくこともありません。

股関節と肩関節の2つは臼関節と呼ばれ、人間の関節の中ではこの2ヵ所だけが回旋運動をすることができます。このそれぞれの回旋運動を向上させるためのトレーニングが、肩であればインナリング(コンディショニング)であり、股関節であればアウフバウ(トレーニング)ということになります。インナリングは一生懸命やる投手が多いのですが、アウフバウに関しては行っている投手は非常に少ないのが現状です。もちろん情報量の少なさから、アウフバウそのものを知らない投手も多いと思います。また、間違ったやり方でアウフバウを続けている投手もいるかもしれません。

アウフバウトレーニングは、適切な方法で行うと非常に辛いトレーニングです。しかしこの辛いトレーニングを継続していくことで、選手寿命の長い投手に進化していくことができます。アウフバウとは、股関節が本来行えるはずの回旋動作を向上させるためのトレーニングです。アウフバウにより人体のメカニズムに則した股関節の使い方がより良くできるようになると、選手寿命は伸び、パフォーマンスも向上していきます。自分を投手として一段も二段もレベルアップさせたいと考えている方は、ぜひ本気でアウフバウトレーニングに挑んでみてください。きっと良い結果を得られると思いますよ。

ページ更新日:2022年10月15日

アーリーワークと早出練習は似て非なるもの

近年日本の野球界でもアーリーワークという言葉が定着してきました。しかしこのアーリーワークというものを、正確に理解して取り組んでいる選手、チームは少ないようです。先日僕は、埼玉西武ライオンズの1軍打撃コーチだった熊澤とおるコーチ(松井稼頭央監督のメジャーリーグ時代のパーソナルコーチ)にもお話を伺ってきたのですが、アーリーワークと早出練習は似ているようで、実はまったくの別物なんです。ちなみに日本球界で最初に本格的にアーリーワークを導入したのは、2008年に埼玉西武ライオンズで打撃コーチを務められたデーブ大久保コーチと熊澤とおるコーチでした。

現状では多くのチームで早出練習のことをアーリーワークと呼んでいます。チーム練習よりも数時間早くグラウンドに入り、ティーバッティングや特守で汗を流す、それをアーリーワークを呼んでいることがプロでもアマチュアでも多いようです。しかしこれは、厳密な意味ではアーリーワークではありません。純粋に早出練習というのは、英語ではアーリートレーニング、アーリープラクティスとでも呼ぶべきでしょうか。でもこのような言葉はあまり耳にはしません。ではアーリーワークとは本来何を意味するのでしょうか?!

アーリーワークはどう理解すべきなのか?!

僕自身、熊澤コーチにお話を伺い、自らでも学んだことなのですが、本来のアーリーワークとはコアトレ、つまり体幹トレーニングをするための時間のことなんです。チーム練習の開始時間よりも早くグラウンドに入り、チーム練習や試合で良い形で軸運動(投げたり打ったり走ったり)ができるように、コア(体幹)をしっかりとコンディショニングしたり、コアを起こしたりする作業、これが本来のアーリーワークの意味なんです。

コアトレーニングに関しては本屋を覗くと数え切れないほどの書籍が出版されていますし、プロのトレーナーの方が配信しているYouTube動画もたくさんあります。しかしその中で本格的に練習を頑張っているプロアマの野球選手が、コアトレーニングへの理解を正しく深められる情報量の多い本や動画は少ないようです。僕自身コアトレに関する本は何冊も読み漁りましたが、その中でも何度も読んで学びたいと感じた本は1~2冊程度でした。つまり何が言いたいかというと、正しい形でアーリーワークをこなしていくためには、アーリーワークという言葉の意味だけではなく、コアトレーニング法に関しても正しい理解が必要、ということです。

アーリーワークに取り入れたいアウフバウ

アーリーワークについてもう少し話を進めていきましょう。トレーニングに少なからず興味を持っている選手であれば、アウフバウトレーニングというドイツのリハビリ系トレーニングメニューについて聞いたことがあると思います。これを導入していくのもアーリーワークの時間帯が望ましいのです。

アウフバウとは簡単に言えば股関節のコンディショニング&強化トレーニング法です。これは動きそのものは静かで地味なのですが、本格的に取り組むとウェイトトレーニングよりもはるかにきついトレーニングとなります。日本の野球界では現役時代の工藤公康投手がアウフバウにより選手寿命を延ばし、さらには熊澤コーチのアドバイスによりアウフバウを取り入れたことで、メジャー時代の松井稼頭央選手は復調することができました。

アーリーワークでは肩甲骨、股関節、コアをしっかりと整えよう!

野球選手は比較的、肩に関しては神経質に考えたりしますが、しかし同じ臼関節である股関節に関しては無頓着な選手がプロでもまだ多いようです。肩関節と股関節は無数にある人体の関節の中で、この2つだけが回旋運動(内旋・外旋)をすることができます。言い方を変えると、肩と股関節に関しては回旋運動が加えられていることが、本来のメカニズムに則した動作だと言うことができます。

つまり、回旋運動のない肩関節・股関節の使い方は、本来人間が持っている体の構造を無視した使い方である言うことができ、これは故障を引き起こす大きな要因ともなります。現に野球肩・野球肘になってしまう選手のほとんどは、肩関節と股関節の内外旋を適切な順番で行うことができていません。

肩関節(厳密には肩甲骨)、股関節、コアを、しっかりと運動ができる状態にコンディショニング&強化する時間が、アーリーワークなのです。アーリーワークとは早出特打ちをする時間ではないわけなのです。本来のアーリーワークは、グラウンドに選手が寝そべって、リラックスをしながらコアトレをしたり、臼関節の可動性を高めることを目的とします。

これは切れないのこぎりと丸太の話によく似ています。切れないのこぎりで一生懸命丸太を切ろうとするよりも、切れないのこぎりを一度研いでから丸太を切った方が、はるかに効率良くしかもきれいに丸太を切ることができます。アーリーワークとはピッチングやバッティングのパフォーマンスを高めるための、のこぎりを研ぐ時間であると考えてください。

実は早出練習ではなかったアーリーワークの本当の意味

メジャーリーガーは上半身の強さだけでプレーしているという嘘

メジャーリーガーは筋肉が凄いからみんな上半身投げをしている、と考えている方は意外と多いのかもしれませんが、それは間違いです。中には元プロ野球選手である野球解説者であってもテレビやラジオでそう言い切っている方がいますが、その認識は完全に間違いであると断言できます。

MLBでは「日本プロ野球はAAAよりは上かもしれないけど、MLBには敵わない」と考えられています。実際そうだと思います。日本にやってくる助っ人選手のほとんどはメジャーに昇格できないマイナー選手で、中には韓国や台湾を経由してやってくる助っ人選手もいます。この現実を考えると、確かにNPBとMLBが本気でぶつかり合えば、NPBがMLBに勝つことは難しいでしょう。

なぜこのような話をするのかと言うと、日本では上述したように野球解説者であっても「メジャーリーガーは上半身のパワーでプレーをしている」と考えているからです。ですが冷静に考えれば、いくらパワーがあったとしても本当に下半身を使っていなければ、軸運動が安定することはないため、ピッチングでもバッティングでもパフォーマンスが向上することはありません。そのため上半身だけでプレーしているという認識は間違いだと言えるんです。

日米で下半身の使い方が違うのはマウンドの硬さが影響している?!

確かに下半身の使い方は、日本人投手とメジャーリーガーとでは異なります。それはマウンドの形状も関係しており、日本のマウンドは比較的柔らかいため、重心を下げられるだけ下げても足部に残ったエネルギーを解放しやすいんです。一方アメリカのマウンドは粘土質で、日本のマウンドよりもずっと硬いんです。そのため重心を下げ過ぎてしまうと足首への負荷が大きくなり、捻挫してしまうこともあります。一つの理由として、捻挫しないためにメジャーリーガーは重心を高くして、自然と足首に負荷のかからない投げ方を身に付けてきたわけなんです。

日本人の元メジャーリーガーで言えば、松坂大輔投手や和田毅投手は重心が低い投げ方をしていました。一方上原浩治投手や岩隈久志投手は重心をそれほど低くはしないタイプです(勝負球の種類の違いもありますが)。このタイプ分けも、メジャーで活躍できる日本人投手を探す一つのポイントになるのではないでしょうか。

では重心が高いのに下半身を使えていると言えるのか?はい、言えるんです。メジャーリーガーは、ボディスピンを鋭く作ろうとします。つまり体幹を使うということですね。メジャーリーガーは上半身と体幹を、日本人選手以上に使います。そのため上半身投げだと勘違いされるわけですが、しかしそれだけ上半身と体幹を強く使っても、軸がブレてしまっては意味がありません。つまり上半身と体幹を強く使ってもブレないようにする役割を、メジャーリーガーは下半身に課しているのです。メジャーリーガーだって、ほとんどの選手はしっかりと下半身をt使ってプレーしているんです。

一方日本人投手の場合は、外国人選手に比べると上半身や体幹は強くありません。日本のプロ野球で腹筋がきれいなシックスパックになっている投手はメジャーリーガーほど多くはありません。しかしメジャーリーグではシックスパックなど珍しくもなんともありません。

このような日米の違いからも、メジャーリーガーの体幹は、日本人選手にはないほど強くしなやかに鍛えられているケースが多いんです。だからこそボディースピンによって鋭く腕を振り、それによって強烈なボールを投げることができるようになります。メジャーリーガーが投げるあの強烈なボールは、決して腕力だけで生み出しているものではないんです。そもそも腕の太さだけでメジャーリーグで通用するボールを投げられるのならば、日本人投手だってもっと簡単にメジャーで活躍できるはずです。

欧米人は上腕三頭筋、日本人は上腕二頭筋が鍛えられやすい

さて、もう一点。上腕には上腕二頭筋と上腕三頭筋という大きな筋肉があります。日本人は上腕二頭筋を大きくしやすいのですが、上腕三頭筋は大きくしにくい人種なのです。欧米人はこの逆で、上腕二頭筋は鍛えにくく上腕三頭筋はよく鍛えられます。ちなみにアフリカ系選手は腸腰筋群を鍛えやすい人種だと、スポーツ科学の世界では言われています。

では上腕二頭筋と上腕三頭筋、ボールを強く投げるために活躍する筋肉はどちらだと思いますか?もうすでにおわかりかと思いますが、答えは上腕三頭筋です。投球時には90°程度に曲がった肘をある程度まで伸ばしながらボールを加速させてリリースしていきます。そこで曲がった肘を伸ばしていくのが上腕三頭筋の役割なのです。

上半身の強さでプレーをしている、という視点で見るならば、確かに上腕三頭筋が発達している欧米人の方が、強いボールを投げやすい体質だと評価することはできます。でももう一度言いますが、だからと言ってメジャーリーガーは上半身だけでプレーをしているということはありません。特にメジャーリーグでプレーするレベルにある選手たちは、下半身・体幹・上半身を本当にバランス良く使うことができています。だからこそ160km/hを投げるピッチャーがあんなにたくさんいるんです。そしてその一因になっているのがアーリーワークというわけなんです。

日本人選手も正しいアーリーワークを導入すべき?!

日本のプロ野球を少し穿った目で見ると「中年太りし出していても1軍で活躍できる」と言うこともできます(太っていても力士のように体脂肪率が低い選手は別)。中年太りしているということは、体幹はかなり弱いはずです。下半身で作り出したエネルギーは必ず股関節と体幹を経由して上半身へと伝わっていくため、体幹が弱ければ下半身で作られたエネルギーが上半身に上手く伝わって行かず、ボールは上半身の力で投げるしかなくなります。

僕がプロコーチとしてメジャーリーガーや日本の1軍選手の技術、フィジカルを観察していくと、意外と思われるかもしれませんが、日本の方が上半身主体でプレーしている選手が実際には多いんです。特に体幹の使い方の巧さに関しては、全体的に見えると日本人はメジャーリーガーにはまったく敵わないのではないでしょうか。メジャーでは、メジャーとマイナーを行ったり来たりしているレベルの選手であっても、下半身と上半身をバランス良く使えている選手がほとんどで、それを可能にするためにもアーリーワークに手を抜かない選手がとても多いんです。

日本のプロ野球がメジャーリーグの上を行くために必要なのは、身体を大きくすることではありません。アマチュア時代から、今まで以上に下半身・体幹・上半身をバランス良く連動させて使えるようになることだと僕は考えています。 特にアーリーワークによってコア、股関節、肩甲骨をしっかりと整えておくことは、プレーの質や軸の安定感を向上させるためにはとても重要な要素となります。そしてそれが安定してくれば、怪我のリスクを軽減させることにも繋がります。

アメリカに大きくお遅れをとっている日本球界の指導者たち

ワールドシリーズの覇者と日本シリーズの覇者が7戦4先勝のシリーズを戦ったら、日本が勝てる確率はかなり低いのではないでしょうか。もちろん僕も、メジャーリーグがすべて正しいとは考えていません。しかし現時点においては技術、フィジカル共に日本はアメリカよりも大きく遅れを取っています。

特にアマチュア指導者に関しては、日本は未だに30年以上前のやり方で教えている方が大勢います。しかし技術やスポーツ科学は進化し続けています。アメリカの少年野球チーム(リトルリーグ)には、各チームに1人ずつ、僕のようなプロコーチが派遣されているんです。ですので常に最新理論で子どもたちは野球動作を学ぶことができます。この日米の大差を見ると、まずはアマチュア指導者たち(ボランティアのお父さんコーチを含む)がその技術進化に追いつくところから始めるべきなのかもしれませんね。

なぜ夜練よりも朝練の方が練習効果が高まるのか?!

朝練のことをアーリーワークを呼ぶ選手たちもいますが、もちろん認識としてはこれは正しくありません。ですが気分を盛り上げるために朝練のことを格好良くアーリーワークと呼ぶのはありだと思います。そして野球を上手くなりたいのなら、絶対に朝練はすべきです。といってもこれは、根性論から言っているわけではありません。「朝練をしないような選手は上手くなれない!」と言いたいわけではありません。あくまでも科学的理論に基づいてのアプローチです。

なぜ朝練が良いのか?それはですね、寝起きというのは筋肉や関節がニュートラルな状態になっているからです。地球上で暮らす限り、人間の動きには常に重力が伴います。そしてその重力は朝起きて、時間が経てば経つほど身体への影響を積算させていきます。つまり、寝起きと寝る前とでは、筋肉や関節の状態はまるで違うということです。人間の一生に例えるならば、寝起きの筋肉が生まれたての赤ちゃんで、寝る直前の筋肉はお年寄りと表現することもできます。

その日のお年寄り状態である時間帯の筋肉は、寝起きと比べるとかなり硬くなってしまっています。それに伴い関節も詰まってしまっています。それは丸一日身体が重力にさらされることで、重力に対抗し終えた状態になっているからです。逆に寝起きの筋肉は、まだ重力にさらされていません。そのために一日の中で、筋肉や関節は最もほぐれた状態にあるわけです(ただし運動前には必ずウォームアップは必要です)。

関節が詰まった状態でのみ練習しても、最高の結果は得られない

このほぐれた状態で例えばシャドーピッチングをすることで、身体はスムーズに良いピッチングモーションを覚えていきます(マッスルメモリー)。逆に重力に対抗し終えた、関節が詰まってしまった状態でシャドーピッチングを繰り返しても、練習の効果は得られますが、最高の効果を得ることはできません。

そして朝は、一日の中で最も酸素濃度の薄い時間帯です。逆に夜は、最も酸素濃度の高い時間帯です。朝30分ジョギングするのと、夜30分ジョギングするのとでは、まったく効果が変わってきてしまいます。もちろん酸素の薄い朝に走った方が、心肺機能は高くなります。

早起きは三文の得とはよく言いますが、しかし野球選手にとっての早起きは三文どころか、もっともっと価値があるものなのです。ですので本気で野球を上手くなりたければ、朝練をする習慣を付けていただきたいのです。

そして土日にしか野球チームの練習がないような場合では、チーム練習前の早朝にアーリーワークによって体幹の強化やコンディショニングを行っておくと、午前中や午後の試合で良いプレーをしやすくなります。

腕や脚の筋肉に比べるとやや見落とされがちな体幹ではありますが、アーリーワークを継続的に行うことによって、下半身と上半身の連動性をさらに高めることができ、ピッチングでもバッティングでもパフォーマンスが向上しやすくなります。

逆にアーリーワークによって体幹が鍛えられていないと、せっかく下半身を使って大きなエネルギーを作り出しても、それが上手くボールやバットに伝わらなくなってしまいます。そうならないためにも、練習や試合前に行う本当の意味でのアーリーワークを継続していく必要があるんです。

野球動作はピッチングもバッティングも軸運動であり、ボディスピンの鋭さが球速アップやバットスウィングの速度アップに繋がっていきます。そしてその鋭さはよく鍛えられ、よくコンディショニングされた体幹なくして実現させることはできません。

ですのでもしアーリーワークを早出練習と勘違いしてしまっていた選手やチームは、ぜひここで正しいアーリーワークの行い方を知ってもらい、コアトレやアウフバウを行う時間としてアーリーワークを取り入れて行ってみてください。

スランプと勘違いされやすいプラトー

恐らくアスリートで、一生のうちに一度もスランプに陥らない選手は皆無だと思います。そしてそれは野球界でも然り、ピッチャーというポジションに就く選手も、やはり少なくとも一度はスランプに陥ることになります。そしてそのスランプは数週間で抜け出せることもあれば、抜け出すのに数年かかることもあります。でも、誰でもスランプに陥ることはあるということさえ最初に知っておけば、いざスランプになった時に焦ることなく、抜け出す方法を冷静に考えていくこともできます。

さて、スランプのお話をする時に絶対に欠かせないのが、スランプとプラトーの関係について。この2つを一緒くたにしてしまうと、正しい解決方法を導くことができず、長期間においてパフォーマンスを低下・停滞させてしまう原因となります。

下記の図をご覧になってください。

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左の図がプラトーを表したもので、右の図がスランプを表したものです。黒い点線が技術レベルの推移を示した線なのですが、プラトーはその推移が一度も下降していないのに対し、スランプが辿る推移は明らかに下降しています。これがプラトーとスランプの違いです。

プラトーとは、技術がある一定レベルに達することにより、もう一段階上へのレベルアップが今まで以上に困難となり、一定期間そのレベルで停滞してしまう状態のことです。この状態をスランプと勘違いしてしまう原因は、投球技術が一時的に停滞してしまうことにより、相手打者がそのレベルに慣れ、最初は打たれなかったのに少しずつ打たれるようになり、最後には完全に攻略されてしまうためです。投手の技術レベルそのものは低下していないのに、結果が低迷してしまうために、このプラトーをスランプと勘違いし、必要以上に悩むことによって本当にスランプに陥ってしまうことがあります。

一方のスランプは、技術レベルが完全に低下します。プロ選手に「スランプ脱出法は?」と質問をすると、よく「休むことだ」と答える選手がいますが、これは1つの解決法としては本当に正しいと思います。技術レベルが低下する原因は主に体力の低下、怪我、体調不良、コンディショニング不足、蓄積疲労などが考えられます。つまりしっかりと体を休ませ、心も体もリフレッシュし、コンディションを改善させてあげることにより、スランプから短期間で抜け出すことができるのです。

さて、今度は再びプラトーについてですが、音楽やテレビのボリュームを想像してみてください。ボリュームは10段階だとします。ボリュームを3から5に上げると、かなり音が大きくなったように感じられます。これは3というボリュームに対しての2段階アップが、66%の音量アップとなったためです。でも同じ2段階アップでも、5から7へのレベルアップは、3から5へのレベルアップほど音量が大きくなった感じはしなくなります。その理由は、ボリュームが38%しかアップしていないためです。3から5へのレベルアップと同じだけの増量感を得るためには、5から8.5程度までボリュームを上げる必要があります。

何を言いたいか、それは、プラトーを脱するための方法は練習強度の見直しにあるということです。あるレベルに到達した選手は、それまでの練習強度とは一度完全に決別すべきだと言うことができます。そして現時点での自らのレベルを冷静かつ正確に判断し、そこから次のレベルに上がるために必要な、本当の練習強度を自らに課さなければなりません。この思い切った見直しをしないでいると、技術レベルはいつまでも停滞することになり、長期間そのレベルでもがき続けることにもなってしまいます。そして必要以上に悩んでしまうことで、それが長期的スランプに発展してしまう恐れもあるのです。

常に結果を求め続けられるプロ選手、常に期待をかけ続けられる有望選手によく見られる傾向です。結果に対し消極的になってしまうことで思い切った変化に対し恐怖心を抱くようになり、なかなか自分の殻を破れなくなってしまいます。逆に二番手・三番手の選手は、一番手の選手を追い抜くために、時には必要以上の練習強度を自らに課すことがあります。その結果、最上級生やプロ入り数年後になった時、二番手・三番手だった選手がエースになっていることも珍しくなくなるわけです。プラトーやスランプに負けない選手になるためにも、時には思い切った練習改革が必要になることもあります。そしてこの練習改革は、監督やコーチ、トレーナーの支えなくしてできるような簡単なものではありません。野球指導に携わる方は、ぜひ悩める選手の支えになってあげてください。

投手にとって最も重要な関節の1つに、股関節があります。股関節は肩関節同様に重要だと考えるべきなのです。しかし現状を見ると、肩周りのトレーニングをしている投手は多くいますが、股関節のトレーニングをしっかりと行なっている投手はほとんどいないようです。さらには股関節に柔軟性がないということを自覚しながらも、その改善に本気で取り組もうとしていない投手が多いことも事実。これが草野球であったり、趣味の範疇でプレーをしているレベルであれば特筆すべきことではありません。しかし今あなたがこの投手育成コラムを読んでくださっているということは、少なくとも今よりもさらに上のレベルでプレーをしたいと考えているはずです。もちろん草野球プレイヤーも含めてです。

股関節を鍛えるためには、アウフバウトレーニングが最適です。これは非常に地味なトレーニングではありますが、本格的に取り組むとなると、プロレベルの投手であっても苦しいトレーニングとなります。しかしアウフバウに本気で取り組めば、間違いなくもう一段上のプレーレベルを目指すことができます。そして股関節を適切に鍛え上げることで、肩・肘の故障も防ぐことができます。

1つ例を挙げると、股関節の可動域が狭い投手の場合、振り上げた「ステップ足」をアウトステップするしかなくなります。アウトステップになるということは、ボールが打者から見えやすくなります。すると痛打される可能性が高まり、それを防ぐために今度は力み出します。力んで投げ続けてしまえば、それは簡単に肩痛・肘痛に繋がってしまいます。さらに付け加えれば、ステップ足をアウトステップで着地させてしまうと、その分肩の運動幅が大きくなってしまいます。フォームそのものは大きく見えるかもしれませんが、これは明らかな「無駄な動き」です。そして無駄な動きは、何度も言いますが故障に繋がるばかりではなく、パフォーマンスを低下させる原因となります。

逆に股関節が適切に鍛えられていて、可動域も確保できている投手の場合、ストレートステップだけではなく、インステップで投げることもできます。インステップで投げればそれだけボールが打者から見えにくくなり、それほど速くはないストレートでも打球を詰まらせることができます。股関節の可動域が確保されていると、インステップをしても肩の運動幅を広げることなく、股関節で体を回旋させることにより、投球することが可能になります。するとボールに切れが出て、無駄な動きがない分肩・肘の故障を防ぐこともできます(ただい内転筋への負担は大きくなります)。

さて、ここで別の角度から股関節を見ていくことにしましょう。股関節が鍛えられておらず、可動性も低い場合、ステップ脚を大きく振り上げることができなくなります。例えばダルビッシュ有投手を見てみてください。振り上げた左脚の膝が、胸に付くほど高く上げられています。これは股関節周辺が適切に鍛えられていて、可動性も高いということを意味しています。股関節が適切に鍛えられ、ダルビッシュ投手のようにステップ脚を高く振り上げることができれば、その動作により大きな「位置エネルギー」を得られるようになります。位置エネルギーは物理学的に「Nm(ニュートンメートル)」という単位で計っていくわけですが、このエネルギーを最大限にし、上手くボールに伝えることにって、力強いボールが投げられるようになるのです。しかし言い方を変えれば、大きなエネルギーを生み出しても、それをボールに伝えられなければ意味はありません。

下半身で生み出したエネルギーは、必ず股関節を介して上半身へと伝わっていきます。つまり股関節のコンディショニングが悪ければ、いくら下半身を鍛え上げても意味がないわけです。なぜなら弱い股関節では、下半身で生み出したエネルギーを上半身に伝えることができないからです。エネルギーを下から上へと上手く伝達させ、ボールに込められるエネルギーをより大きくするためにも、股関節の強化は絶対に欠かすことは出来ない要素なのです。しかし股関節のトレーニングには注意も必要です。強さがあっても可動性が低ければ意味がないし、可動性が高くても強さがなくてはやはりこれも意味がありません。つまり強化トレーニングとストレッチングのバランスが非常に重要で、そして難しいのです。ですが適切に鍛え上げられた股関節があれば、必ずもう一段階上にプレーレベルを引き上げることができるはずです。アウフバウトレーニングは非常にきついトレーニングですが、もしあなたが今よりも上を目指している投手であるならば、ぜひ挑戦してみてください。

先発タイプの投手とリリーフタイプの投手は、トレーニング方法やコンディショニング方法を適切に区別させていくべきだと僕は考えています。その根拠のひとつを、この記事でかんたんに解説してみたいと思います。

ランメニュー1つとっても、やはり先発とリリーフとではメニュー内容を分けて考えていく必要があります。結論から言えば、先発タイプはロングラン中心のメニューにし、リリーフタイプはスプリント中心のメニューにすべきでしょう。その理由は、ランメニューをこなすことによって体内に生成される、あるタンパク質がロングランとスプリントでは変わってくるためです。

そのタンパク質の名前はMTC(Monocarboxylate Transporter : 乳酸輸送担体)と言います。このMTCには、MTC1からMTC14まで14種類存在しています。そしてこの中で今回取り上げるのは、MTC1とMTC4の2つ。さて、その解説に入る前に、MTCのかんたんな説明をしておきましょう。MTCとは、乳酸を体内に移送する役割を担っています。つまり乳酸を運動エネルギーとして使うためには、このMTCが必要ということになります。ちなみに乳酸=疲労という認識を持っている方は、その考え方はもう忘れてしまってください。乳酸=疲労でもなければ、乳酸=老廃物でもありません。乳酸は疲労時、休養時問わず、常時体内に存在するものであり、運動をするためには非常に重要なものなのです。

ここでMTCに話を戻しましょう。まずMTC1ですが、これは中長距離のロングランメニューを行なうと体内で増加されます。そしてMTC4は逆に、スプリントメニューを行なうと増加されます。なおメニューは、単発的なものではMTCを増加させることはできません。最低でも3~6週間以上の継続的トレーニングを行なわなければ、MTCは増えては行きません。さらには常に同レベルのトレーニングだけでも増加は見られず、特にMTC4を増加させるためにはトレーニング強度も徐々に上げていく必要があります。

トレーニングメニューによって増加するMTCの種類が違うということを考えると、先発・リリーフそれぞれでトレーニングメニューを変える必要がある、と言うと少し分かりやすくなるかもしれません。先発投手のように、長いイニング・多い球数において安定したパフォーマンスを発揮するためには、MTC1がより必要となります。そしてMTC1を体内に増加させるためには、ロングランメニューが必要になってきます。一方リリーフ投手のように短いイニング・少ない球数において爆発的なパフォーマンスを発揮するためには、MTC4が必要となり、それはスプリントメニューで体内に増加させることができるわけです。

MTC1は主に遅筋線維に取り組まれるため、先発投手のような持久的パフォーマンスを要される場合に役立ちます。一方のMTC4は速筋線維に含まれ、瞬発的パフォーマンスを要される場合に役立ちます。先発投手に必要なのは長いイニングを投げるための持久的運動エネルギーであり、短いイニングを全力を抑えに行かなければならないリリーフ投手には、瞬発的運動エネルギーが必要となるわけです。そしてそれぞれに必要なタイプのエネルギーを得るためにも、やはり先発とリリーフとではトレーニングメニューには変化が必要というわけです。

とは言っても、先発投手はロングランだけ、リリーフ投手はスプリントだけやっていればいいというわけではありません。あくまでもロングラン中心、スプリント中心というメニューを組むべきであり、偏ったトレーニング方法は決して良いとは言えません。例えばプロ野球の先発投手でも、先発する前日にはスプリントメニューを増やし、体に切れを出すなどの調整を行なっています。そしてリリーフ投手に関しても、2~3km走っただけですぐに息がぜえぜえと上がってしまうような状態では高いパフォーマンスを発揮することはできません。あくまでもバランスを保った上で、自らのタイプに、より必要なメニューを多めに取り組むように工夫してみてください。

野球肩・肩痛を克服するにはインナリングが重要であることは、ピッチングを勉強されたことのある方なら誰もが知っていることです。インナリングとは、インナーマッスルをコンディショニング(健康状態・調子を整える)するメニューのことです。野球雑誌でもたびたび登場する言葉なので、ピッチャーじゃなくても聞いたことのある方は多いかもしれません。プロ野球を観に行って、ピッチャーがブルペンでセラバンドを繰り返し引っ張っているシーンを見たことはありますか?あれがインナリングです。

インナリングはセラバンドを使ったり、ゴムチューブを使ったり、1kg未満の軽量のウェイトを使ったりします。近年はインナリングという言葉がかなり一般的になってきたためか、ひたすらインナリングを頑張ろうとする選手もいるとよく耳にします。しかしインナリングをする際には決して間違ってはならない点が1つ。インナリングは、あくまでもコンディショニングであって、トレーニングではありません。これだけは決して間違ってはいけないことです。

トレーニングは鍛えることが目的ですが、コンディショニングは調子を整えることが目的です。ですので一生懸命やり過ぎてしまうのは、インナリングの目的からは逸脱してしまうわけです。

調子を整えるというこは、基本的には何かをした後の作業になります。シャンプーをした後のコンディショナーであったり、靴を一日履いた後のブラッシングだったり。そしてピッチャーの場合であれば、ボールを投げたあとの作業ということになります。インナリングは練習前や投球前にやるべきではありません。絶対に練習後や投球後に行う必要があります。練習前に行うべきなのはウォームアップであり、コンディショニングではありません。

インナリングを行うベストなタイミングは①寝起き、②練習直後(アイシングの直前)、③寝る前の1日3回です。ピッチャーならば歯磨きとセットでインナリングを行うべきでしょう。まず寝起きは筋肉がニュートラルな状態であるため、最もコンディショニングしやすいタイミングです。そして投球直後のインナリングは、使うことで火照ったインナーマッスルを通常の状態に沈静化させる効果があります。最後に寝る前のインナリングですが、寝る前は、1日の中で最も筋肉が重力の影響を受けているタイミングです。つまり、重力により自然に使われていた筋肉を整える作用があります。寝る前にインナリングによりインナーマッスルを整えてあげることで、8時間前後にも及ぶ睡眠中、インナーマッスルを良い状態で過ごさせることができます。つまり、翌日に向けてのコンディショニングになる、というわけですね。

インナリングはただ続けても効果はありません。正しい方法で、正しい負荷で、正しい回数を行うことで初めて本当の効果を得ることができます。ウェイトトレーニングのように、鍛えれば鍛えるほど効果が目に見えてくるわけではありません。だからこそ細心の注意をしながらのインナリングが重要になってくるわけです。