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いま世界中で増え始めているヴィーガンのプロスポーツ選手

プロスポーツ界に増えつつあるヴィーガンプレイヤー

近年、プロスポーツ選手たちの間でヴィーガンへのシフトチェンジが高い注目を集めています。かく言う僕自身ヴィーガンで、肉・魚・乳製品・蜂蜜などは一切口にしません。スタバに行っても頼むのはソイ・ドライ・カプチーノです。

「肉を食べないと力が出ない」と言われることもありますが、科学的にはそんなことはありません。現に僕はジョギングで軽く10〜20kmを走れますし、走り幅跳びでは6m飛べます。ちなみに僕は15歳で肩を痛めたため、職業は野球のコーチですが自分で野球をすることはありません。

足をつる選手が続出している2年振りの夏の地方大会

コロナ禍の真っ只中、今年は2年振りに夏の甲子園予選となる地方大会が開催されています。しかしその試合中、熱中症で足をつってしまう選手が続出しているようです。

一般的に考えるとやはり、緊急事態宣言などにより体外試合を行えなかった調整不足が影響していると考えるべきかもしれません。試合慣れしていない状態で試合に挑んでも、ベストパフォーマンスを発揮することはできませんし、練習では生じない緊張感のせいで疲れも倍増します。

対外試合を行えなかったというのは全国的に共通しているため、一時的な特別ルールも必要かもしれませんね。例えばベンチ入りできる選手を5〜6人増やすということも必要だと思います。今後も調整不足により試合中に体調を崩したり、怪我をしてしまう選手は続いていくでしょう。高野連はそれを見越して一時的な安全策を用意しておくべきだと思います。

紅白戦に緊張感を持たせる工夫

調整法としては、対外試合ができないのであれば紅白戦を増やすなどの対策くらいしかできないかもしれません。しかし紅白戦と対外試合での緊張感はまったく異なるため、指導者がどのようにして緊張感を高めながら紅白戦を行えるかという点は重要になってきます。

例えば40人くらいいる野球部であれば、完全にチームを2分してしまうというやり方もあります。そうすることによってそれぞれのチームにライバル心を持たせられるようになり、紅白戦の緊張感を高めることができます。

ですが中には9人しか部員がいないような野球部だってあります。そういう場合は一時的に同じように人数の少ない他校と合同チームを作るなどの工夫が必要です。高野連もそのような柔軟性を、今は示していくべきでしょう。

何よりも機動性が求められる高野連

今は平時ではありません。コロナ禍という未曾有の事態の真っ只中ですので、過去や未来との公平性を最重視している場合ではないと思います。高野連ももっとスピーディーに臨機応変な対応をしていかなければ、高校野球のコロナ対策は今後も後手後手に回ってしまいます。

スポーツにおいてのコロナ対策は感染を防ぐという意味だけではなく、コロナ禍における調整不足をどのように解消していくかということも含まれます。上述したベンチ入りメンバーの人数もその対策になりうる一つの案です。

「調整不足では無理をさせない」という考え方は無意味です。試合になって無理をせずプレーする選手などいません。グラウンドに立てば全選手が全力でプレーをしに行きます。そんな球児たちに対し「無理せずに」と言っても意味は成しません。

だからこそ大人である高野連側が、先回りした対策を示していく必要があるわけですが、高野連の機動性はほぼないに等しいのが現状です。何か1つルールを変えるためだけに何ヵ月も、何年もかけてしまいます。

平時ならそれでも良いわけですが、しかし今はコロナ禍。球児の体を守るためにも、もっと先回りした具体策をどんどん投入して欲しいところです。今は会議を重ねている場合ではなく、トライ&エラーでどんどん対策を投入し、良ければ続ける、ダメならやめる、ということを繰り返していくべきではないでしょうか。

球児の体を守るために必要な特別ルール

暑さがまだまだまったく本番ではない7月初旬でも、もう熱中症になる選手が続出しているんです。これが1ヵ月後、2ヵ月の最も暑くなる梅雨明け後ではどうなってしまうのでしょう。

高野連は1年後2年後のことを考えることも大切ですが、今はそれ以上に目先の1ヵ月後2ヵ月後に対する具体的な対策も重視すべきです。そう考えるとやはり、コロナ禍に対する特別ルールはもっと目に見えた具体的な形で必要になってくるのではないでしょうか。

例えばベンチ入りできる人数をプロ野球と同等にしたり、部員が余っている学校から選手をレンタルできるような一時的な特別ルールが必要だと思います。そうしなければ調整不足を解消できない現状では、球児たちの体を守ることは難しいのではないでしょうか?

筋肉痛は怪我ではないけど無理をすべきでもない

今回は「野球選手と筋肉痛」について少し考えていきたいと思います。強度の高いトレーニングなどをすれば、現役選手であっても筋肉痛になることはあります。筋肉痛は決して怪我というわけではありませんが、しかしだからと言って無視をすべきでもありません。

通常筋肉痛は放っておいても2〜3日で治ると思います。しかし気をつけたいのは、筋肉痛は怪我とは言えないものの、痛いという事実に変わりはないという点です。痛いと感じている時点で、いつも通りのフォームで投げることはできません。ですので筋肉痛の中無理して投げるよりは、まずは筋肉痛をできる限り早く治すということを優先していくべきです。

下半身の筋肉痛であれば土台で踏ん張れない分、上半身で投げざるを得なくなってしまいます。逆に上半身が筋肉痛であれば可動域が狭まり、投球時に肘が下がる可能性が非常に高くなります。

筋肉痛ではフォームの再現性を高めることはできない

野球の練習で非常に重要なのは再現性を高めることです。つまり、いつでも「まったく同じ良いフォーム」で投げられるようにするということです。しかし筋肉痛の状態ではそれができなくなってしまいますので、筋肉痛の状態で投げ続けてしまうと、「筋肉痛があるという前提で投げるフォーム」を体を覚えてしまうことになります。つまり、良くないフォームを覚えるための練習になってしまう、ということですね。

動いていればまったく気にならない程度の軽い筋肉痛であれば、運動強度を落としてピッチングを続けても良い場合もあります。しかし投げたり打ったりする中で痛みを実感するレベルの筋肉痛の場合は、投球は一旦お休みして、まずはより早く筋肉痛を治すための有酸素運動などを重点的に行うのがベストです。

筋肉痛が嫌いで筋トレをしないプロ野球選手もいる?!

プロ野球選手の中には、筋肉痛を嫌うあまり筋トレを一切行わないという選手もいます。例えば埼玉西武ライオンズの中村剛也選手などはそのひとりです。野球で使う筋肉は、野球の動作で鍛えていく、という考え方ですね。

僕はプロコーチとしては、強度の高い運動にも耐えられるプロテクターを作るためには筋トレは必要だと考えています。球速をアップさせる目的で筋トレを行うべきではありませんが、動作改善によって球速がアップした時の衝撃に体が耐えられるように筋トレをしておくことは必要です。

しかし筋トレといってもダンベルを持ち上げるだけが筋トレではありません。例えば小学生の場合はピッチャーの球速は速くても100km程度だと思いますが、100kmのボールを打った時の衝撃にも耐えられるように、バッティングセンターでは時々120kmを打つ練習も取り入れる、というのも一つの筋トレの形です。

ピッチャーならば通常はJ号を使うところ、M号を少し力を抜いて投げることによって肩の筋肉を鍛えるというやり方もあります。スポーツショップに行くと通常よりもかなり重いトレーニング用の野球ボールも市販されていますので、そのようなアイテムを使うのも良いと思います。

トレーニングボール

また、筋肉痛の時はそのような重いボールを軽く投げることによって筋肉をほぐしてあげる、というコンディショニングも効果的です。軽く投げる動作であれば、その動作を筋肉が覚えることもないため、筋肉が間違った動作を覚えることによってフォームを崩してしまう危険性もありません。

ということで野球選手が筋肉痛になった場合は、まずはしっかりと有酸素運動を増やして早く治すというアプローチと、重いボールを使って筋肉をほぐしてあげるという作業が効果的ですので、筋肉痛の時は無理して投げるのではなく、これらのアプローチによってまずはコンディショニングを優先するようにしてください。

今回の投手育成コラムでは、投手の爪と手のケアについて少し書いてみたいと思います。硬式野球をされている選手であれば、比較的爪についても考えている選手も多いと思いますが、軟式野球の場合、あまり爪について考えることはないのではないでしょうか。

特に投手は深爪注意!

まず爪は、深爪はしないでください。爪の先に1~1.5mm程度白い部分を残して爪を切ってください。ここで白い部分を残さず深く切ってしまうと、指先にボールがかかりにくくなります。指先にボールがかかりにくくなるということは、それだけボールの回転数も減り、球威の低下にも繋がってしまいます。

そしてベストなのは爪切りではなく、利き手の人差し指と中指だけでも毎日ヤスリで磨いて整えることです。プロ野球のピッチャーではこれを毎日している選手も少なくありません。爪用のヤスリを使って(オススメはガラス製)、この2本の指の爪をきれいに丸く整えるだけでも指先にボールがバランスよくかかり、バックスピンを増やすための要素となっていきます。ちなみにこの部分は硬式も軟式も同様です。

補強にはマニキュアやボンドがオススメ!

軟式野球の場合、それほど爪が割れてしまうことはないと思います。しかし硬式野球の場合、球威が上がれば上がるほど爪が割れやすくなります。ですので割れないようにするケアも必要です。一番シンプルなのは透明マニキュアを塗ることですが、僕の場合マニキュアでなく、タミヤなどのプラモデル用の透明ボンドを塗っていました。もちろんこれも人差し指と中指だけに塗れば十分なのですが、プロ選手の中には10本の指すべてに塗っている選手もいました(笑)

爪は、もちろん伸びているほど割れやすくなります。短ければ割れにくいわけですが、しかし短いと指先にボールがかかりにくくなります。ですので少しだけ伸ばした上でケアをしていく必要があるわけです。ちょっと手間ではありますが、この手間がパフォーマンスをアップさせてくれますので、手間をかける価値は十分にあります。

乾燥した手では良いボールは投げられない!

最後は保湿です。やはり手がカサカサで乾燥していると爪も割れやすくなりますし、ボールも滑りやすくなります。夏場に手が乾燥する選手は少ないと思いますが、秋から春にかけての気温が低い時期に手がしっとりしている選手はいないと思います。さらに手袋を長時間付けていたりすると、手はあっという間に乾燥してしまいます。

爪が割れないようにする、そしてボールが滑らないようにするためにもハンドクリームは必須です。カサカサの手にロジンをつけても大きな効果はありませんので、ロジンの前に、まずは手をしっかり保湿しておくことが重要です。カサカサの手でボールを投げてすっぽ抜けてしまえば、デッドボールを当ててしまう危険性も高まります。そういう意味でもやはりケアは大切だと思います。

ということで、今回は冬場の投手の手のケアについて書いてみました。爪や手のコンディションを整えることで、冬場でも回転数の多い質の良いボールを投げられるようにしましょう!

疲労がたまっている時はしっかりと休むという勇気も必要です。高校野球などでも休みなく毎日練習をしているケースが多々あるようですが、上達を目指すためには効率的とは言えません。「疲れているなぁ」と実感できる程度の疲れがある時は、年代を問わずしっかり休んでまずは疲れをとるべきです。

疲れた状態で練習を続けても怪我をするだけ

疲れがたまっている状態で練習をしても、体が疲れている状態を前提にした動作になってしまうんです。ベストコンディション時の動作とはもちろん異なり、疲れている前提の動作を体が覚えてしまいパフォーマンスがなかなか上がらなくなる、というケースもあります。練習は何のためにするかと言うと、いつでもベストコンディションでベストな動作をできるようにするためです。

ベストな動作を試合で取っていけるからこそ、ベストピッチングを見せられるようになります。しかし体に蓄積疲労があると、体が重い状態で動作を繰り返すことになり、少しずつ動作のバランスを崩し、パフォーマンスが低下するだけではなく怪我にも繋がってしまいます。これがコンディションを整えないと怪我をしやすいという1つのメカニズムです。

コンディショニングが選手やチームを強化する

コンディショニングとは非常に重要です。例えば10年くらい前、埼玉西武ライオンズのコンディショニングチームは他球団と比べるとまだまだ脆弱なものでした。そのため故障者も続出し、戦力が整わないシーズンも少なくありませんでした。しかし近年のライオンズはコンディショニングチームを強化し、故障者がほとんど出なくなりました。主力がベストコンディションを維持しやすくなり、怪我やパフォーマンス低下のリスクも軽減し、リーグ2連覇という偉業を達成したわけです。

学童やリトルリーグを観察していても、毎年のように優勝争いに加わるチームは、他チームよりも長時間ストレッチングに時間を割き、子どもたちの疲労を抜くことと疲労をためないことを重要視しています。野球肩野球肘に関しては、動作指導を行えなければ減らすことは難しいわけですが、しかしそれ以外の要因での怪我のリスクを減らせるだけでも、子どもたちの上達速度はアップするようになります。

疲れはたまる前に抜くのが効率的

どこか少し痛い、疲れがたまっている、風邪気味、というようなコンディショニングで練習をしても良い効果は望めません。例えば咳を1回すると100メートル前後走っただけの体力を消耗するとも言われています。また、咳やくしゃみをしながら練習をしても、良い動作で動き続けることは不可能です。野球の練習というのは良い動作の再現性を高めるために行うものですので、良い動作を取り続けられないコンディションで練習を続けても、良い動作を身に付けることはできません。つまり技術的に上達することはできません。

疲れている時はしっかり休んで疲れを抜く。これは上達するためには不可欠なアプローチです。「疲れているけど頑張ろう」も良いのですが、重要なのは毎日休みなく練習をすることではなく、良い動作を続けてそれを体に覚えさせられるかどうかです。ですので良い動作を続けられない程度の疲れがある日、もしくは練習をしていてそのような疲れが出てきたら無理することはなく、しっかり休むようにしましょう。疲れはたまればたまるほど抜きにくくなり、逆にたまり切っていない疲れはすぐに抜けてくれます。ですので疲れはたまる前に抜く、ということを心掛けながら日々の練習に取り組むようにしてみてください。

今回の投手育成コラムでは、改めて股関節の重要性についてお伝えしておきたいと思います。スポーツをする上で、とにかく股関節は最重要関節です。野球でも同様で、股関節を上手く使いこなせない選手はすぐに上達が頭打ちしてしまい、腕力に頼ってプレーをするようになってしまいます。腕力に頼ってもプレーの安定感は増しませんし、故障のリスクも高めてしまうことになります。

股関節は上半身と下半身を繋ぐ最重要関節

僕の個人レッスンを受けたことがある方ならもうご存知だと思いますが、僕のコーチングはとにかく股関節を重視した内容で進められていきます。ピッチング、スローイング、バッティング、フィールディング、ランニング、すべてにおいてです。今まで股関節を使えていなかった選手が、僕のコーチングによって股関節を使えるようになると、パフォーマンスは劇的に向上していきます。学童野球でも大学野球でもそれは同様です。

ではなぜ股関節がそれほどまでに重要なのかと言いますと、股関節は上半身と下半身を繋いでいる関節だからです。つまりいくら脚力を鍛えたとしても、股関節を使いこなせていなければ、下半身で作ったエネルギーはすべて股関節で止まってしまい、結果的に腕力を使って投げるしかなくなってしまうんです。でも股関節を上手く使うことができると、下半身で作ったエネルギーがしっかりとボールリリースまで伝わるようになり、力みなく速いボールを投げられるようになります。

股関節は野球肩や野球肘を防いでくれる

投球動作に於ける股関節は、しっかりと重さが乗せられていないと上手く動いてくれません。つまり体重移動をしっかりとできる脚の使い方をマスターし、それぞれの股関節にしっかりと重さを乗せられる動作にしていかなければ、股関節を上手く使うことはできない、というわけです。そしてコーチングに通ってくださっている方々を見ていくと、股関節に重さを乗せ切れていない選手が大半なのです。なので股関節を使いこなせている選手もほとんどいません。

最終的には股関節を使ってリリースポイントを打者に近付けていくわけですが、ここまでできるようになると、ボールを持っている間に肩肘を大きく使う必要がなくなるんです。つまり野球肩や野球肘にもなりにくくなる、ということです。逆に股関節を使えていなければ、肩肘を使ってボールを前へ送り出すしかなくなり、肩肘への負荷も大きくなり、野球肩や野球肘になるリスクも高まってしまいます。

股関節が動かなければ骨盤も動かない

野球でも骨盤メソッドが広く知られています。この骨盤も、股関節のコンディションが良くなければ動かすことはできません。股関節というのは、骨盤下部と大腿骨を繋いでいる関節のことなのですが、股関節が弱かったり硬かったりすると、骨盤を動かすこともできなくなります。骨盤というのは実は関節で、数ミリ程度左右の骨盤を分離させて動かすことができるんです。これができるようになると、投げていても打っていても運動軸を体の外に飛び出させることができ、股関節を使って鋭く力強く腕を振ったとしても、動作そのものは非常にコンパクトで慣性モーメントが小さくなり、ボールの回転も安定するようになり、ストレートの伸びもアップしていくようになります。

骨盤メソッドを売りにした有名野球塾もありますが、股関節が硬い選手が通っても、そちらの野球塾では最大限の効果は得られないと思います。骨盤メソッドを売りにしている野球塾で高い効果を得るためには、まずは股関節の柔軟性と強度をアップさせてからいくべきです。そうすれば骨盤メソッドを売りにした野球塾で教わることのできる内容を、最大限活かしていけるはずです。

僕のコーチングではとにかく股関節の使い方を最重要視しています。股関節を使えるようになるからこそ、下半身で作ったエネルギーが効率よく上半身に伝わるようになり、投げるにしても打つにしても動作が安定し、短期間で成績アップに繋げることができるんです。例えばノーコン病に悩む小中学生投手が、完投してもせいぜい1〜2個しか四球を出さなくなったというケースが、僕の塾生さんたちの中には数え切れないほどいます。

股関節を制する者が野球動作を制する、そう思っていただいても間違いありません。

筋肉ばかりに目をやってしまう野球選手も多いと思いますが、一流の選手たちは内臓にもしっかりとケアを行き届かせています。例えば涌井秀章投手などは投球後、筋肉だけではなく、トレーナーに腸のマッサージもしてもらっています。筋肉ばかりに目をやっても、内臓のコンディションが悪ければ実はその筋肉もまったく活きてこないんです。

タンパク質の過剰摂取は要注意

野球選手が内臓の不調を招く最たる原因はプロテインです。適量であればまったく問題ないわけですが、未成年のうちから飲み始めてしまったり、全体の栄養バランスに対しタンパク質の摂取が過剰になっていたりすると、内臓を壊しやすくなります。壊さないにしても、内臓の不調を招いてしまうことはスポーツ選手としては致命的です。

まず胃についてお話をすると、ここでは食べ物が少し消化され、口から入った菌を殺菌してからそれらを他の内臓に送り出すという役割を持っています。つまり胃が不調になると菌に感染しやすいということですね。また初期段階の消化能力が低下すると、他の器官で栄養が吸収されにくくなります。

すい臓、肝臓、十二指腸、小腸、大腸の役割とは?

次にすい臓は消化液やホルモンを分泌し、血糖値をコントロールする役割を担っています。そして肝臓やすい臓で分泌された消化液は十二指腸に流され、そこで本格的に消化されます。そして十二指腸では再び殺菌が行われます。ちなみに肝臓は、小腸で吸収された栄養素を全身に運ぶ役割を担っています。つまり日常的にお酒を飲んで肝機能を低下させてしまうと、必要な栄養素が全身に行き届かなくなる、ということです。

十二指腸で消化されたものは、小腸で栄養が吸収され、肝臓から全身に送られます。ちなみに乳酸菌は小腸の活動を改善してくれます。小腸で栄養が吸収された残りは大腸に送られ、そこで水分吸収が行われます。ビフィズス菌はここ、大腸の活動を改善してくれます。つまりビフィズス菌をヨーグルトなどから摂取しておき、大腸の調子を整えておけば水分吸収力も安定し、熱中症予防にも繋がるというわけですね。

プロテインは良薬にも毒にもなり得る

タンパク質などの栄養素は小腸で吸収されます。プロテインなどでタンパク質の摂取過剰になってしまうと、内臓の機能が低下し、小腸での栄養素の吸収率も下がり、効率よくタンパク質を吸収して質の良い筋肉を作ることも難しくなってしまいます。そしてそこで仮にタンパク質の摂取量を増やしてしまうとさらに内臓機能は低下し、内臓を壊す方向へと進んでいってしまう危険性があります。

プロテイン=悪ではありません。スポーツで筋肉を酷使した後は、通常よりも少し多めのタンパク質を摂って筋肉のコンディショニングを行う必要があります。問題なのはプロテインを摂取しすぎてしまうことや、若年齢から飲み始めてしまうということです。スポーツ選手にとって必要不可欠なプロテインも、摂取しすぎてしまうと逆に毒になってしまう、ということですね。そうならないように、ぜひ気をつけてください。

今回ご紹介したいのはこちらの商品です。ブリタのスクイーズボトル!僕はコーチング中も、トレーニング中も、いつもこのBRITAのスクイーズボトルを持ち歩いています。

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普通のお店だとだいたい2000円くらいで売っている商品なのですが、 Amazonだと1600円くらいで購入できます。なぜ僕がこの商品をオススメしたいのかと言うと、携帯できる浄水器だからです。BRITA商品をご利用の方はたくさんいらっしゃると思います。僕自身このスクイーズボトルだけではなく、冷蔵庫の中にはBRITAの浄水ピッチャーが入っていますし、ソーダストリームもBRITAのピッチャーを通した浄水で使っています。

BRITAの何がそんなに良いのかと言うと、まず水が柔らかくなって美味しくなるという点があるわけですが、それ以上に塩素をしっかりと除去してくれる点にあります。塩素とはご存知の通り水の消毒剤に使われているもので、一般的には人体に影響はないと言われてはいますが、しかし現実はそうではありません。

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この写真のフィルターで飲む直前に濾過されるため、公園やグラウンドの水もその場で浄水に変えることができるんです。僕は塩素アレルギーではないのですが、飲料水はBRITAで濾過し、バスルームのシャワーヘッドも塩素を除去できる3000円くらいのものを買って使っています。塩素を除去してくれるシャワーヘッドを使ったことありますか?洗った後の髪質がかなり変わります!塩素を除去したお湯で髪を洗うと、髪がほとんどきしまないんです。僕自身、ヘアコンディショナーは持ってはいてもまったく使わず、朝晩のシャワー(夏場は朝昼晩)でも髪にはシャンプー(オーガニック)しか使いません。

さて、塩素は人体には影響はないと言われていますが、塩素アレルギーという症状がある時点で塩素は人体に影響がある化学薬品ということになります。この塩素、各種アレルギーやアトピー、喘息持ちの方には非常に大きな敵となります。例えばアトピーや喘息の方が飲料水もお風呂も浄水のみを使うようになると、症状が和らいだというケースが多数報告されています。なのでアレルギー、アトピー、喘息の方は特に塩素には注意していただきたいと思います。また、塩素は体質や摂取量によっては発がん物質になるという論文も多数発表されています。

この塩素なのですが、日本は先進国の平均数値の、5〜10倍の塩素が水道水に含まれているんです。大都市ほどこの数字は大きくなります。海外の場合はきれいな湧き水を飲料水にしているケースが多いため、それほどの殺菌が必要ないという事情もあるわけですが、日本の場合はかなり汚い河川の水を飲料水にしているという事情があります。そのため他の先進国よりも大量の塩素が水道水には含まれています。

ちなみに塩素というのは、水分の体内吸収を低下させる効力を持っています。つまり同じ水でも、水道水とBRITAを通した浄水では、浄水の方が体内への浸透率は高くなる、ということになります。スポーツをする場合はこの浸透率は非常に重要になります。スポーツドリンクよりも水道水、水道水よりも浄水の方が浸透率は高くなります。

僕自身日々10〜30キロ走るのですが、このBRITAのスクイーズボトルを空っぽの状態で出かけて、水が欲しくなったら公園や河川敷の水道で水を入れて浄水にしてから水分補給したり、頭に水をかけたりしています。そしてまた空っぽにして走り始めます。水を入れっぱなしにしなければならないペットボトルと比べると、ジョギングもすごくやりやすくなります。

1つのフィルターで150リットル(500mlのペットボトル300本分)を濾過することができます。1リットル当たり4.5円という計算で、とても経済的!例えば100円のペットボトルの水を300本買ったら3万円になりますが、BRITAのスクイーズボトルなら2,000円で済んじゃいます!

人間の体の60〜70%、赤ちゃんなら80%が水分でできています。それだけ多くの割合を占めている水を見直せば、体質も自ずと変わっていきます。スポーツ選手は体が資本です。その体を改善するためにもぜひ生活に浄水を取り入れて、体質を良い方向に変えるように心がけてみてください。

今回の投手育成コラムでは、ピッチャーの肩にはある程度の「張り」が必要である、ということについて書き進めていきたいと思います。良いボールを投げるためには、肩関節がルーズな状態になっていてはダメなんです。程よい張りを出すため、プロの先発投手は登板2日前にブルペンに入る選手が大半です。

試合直前のスタティックストレッチングはタブー

試合直前のスタティックストレッチング(静的ストレッチ)はパフォーマンスを低下させると言われていますが、これは確かなことです。試合当日でも、試合の直前じゃなければもちろん大丈夫です。例えばジョグをして体を温めて、スタティックストレッチングによって関節を少しルーズにした後に、ダイナミックストレッチング(動的ストレッチ)によって関節をタイトにしていけば、試合でのパフォーマンスを低下させることはありません。

ですがプレー直前にスタティックストレッチングを行なって関節をルーズにしてしまうと、動作の中から力強さが失われてしまうことになり、パフォーマンスの質が低下してしまいます。ですので試合直前のスタティックストレッチングは厳禁です。やるならジョグ後の、まだ試合直前ではない段階や試合直後が効果的です。

投手の肩は投げない日が続くとルーズになっていく

上述した話と同じように、ピッチャーの肩は投げない日が続くとルーズになっていくんです。まさにスタティックストレッチングをした直後のような状態です。すると腕の振りにかけられる遠心力に肩関節が耐えられなくなり、野球肩になってしまったり、もともとルーズショルダーの場合は脱臼してしまう危険性もあります。そしてもちろんルーズな状態になっている肩関節では、力強いボールを投げることもできなくなります。

そうならないために、プロの先発投手たちは登板日の2日前にブルペンに入り、肩関節をタイトにする作業をしているんです。前日に入ってしまうとブルペンの疲れが登板日までに抜けない恐れもありますので、ほとんどのピッチャーは2日前にブルペンに入り、肩をタイトにし、程よい張りを残した状態で登板日を迎えるようにしています。

程よい張りは球質を高め、怪我も防いでくれる

小学生の場合、週末にしか野球の練習をしないという選手も多いと思います。この場合もやはり肩がルーズになった状態で週末の練習や試合を迎えることになりますので、しっかりとウォームアップをしたとしても肩を痛めてしまうリスクが伴います。ですのでできれば水曜日か木曜日あたりに、週末まで疲れが残らない30〜40球程度のキャッチボールや壁当てなどをして、週末の試合を迎えるという習慣をつけた方がいいと思います。

「ウォームアップをすれば怪我をしない」という考え方はもちろん正しいわけですが、しかし関節のルーズ/タイトな状態はウォームアップだけでコントロールできるものではありません。試合や練習で投げる日を逆算しながら、その2〜3日に少し投げて、肩関節を程よくタイトにしておくことで、パフォーマンスが向上しやすくなるだけではなく、肩の怪我も防ぎやすくなるんです。

成長期に入った9〜15歳の選手が、突然思い通りに体を動かせなくなる現象がたまに起こります。これをクラムジーと言います。クラムジーはオスグッドと併発されるケースが多いわけですが、身長が突然グングン伸び始めて、どんどん長くなっていく手脚を思い通りにコントロールできなくなる症状のことをクラムジーと言います。


クラムジーに陥っている選手の場合はまず、指導者が練習メニューを調整してあげる必要があります。選手自身は体を思うようにコントロールできずにもどかしい思いをしているわけですが、この時、今までと同じメニューを繰り返そうとしてもクラムジーを解消させることはできません。いや、できたとしても非常に時間がかかってしまいます。

クラムジーだと考えられる選手は、野球動作をひたすら繰り返し練習するよりも、まずは基本に戻って、基本的な運動によって感覚と変化した体型の誤差を修正する必要があります。例えば反復横跳びや垂直跳び、段昇降(ステップトレーニング)、ダイナミックストレッチング等が非常に効果的です。

クラムジーという言葉を知らない選手がほとんどで、多くのクラムジーに陥っている選手は原因不明の不調に苦しんでしまうケースが多くなります。そんな時指導者が「君は今クラムジーという症状に陥っているから、こういう風に改善していこう」と言ってあげると、選手は不調の原因を明確に知ることができ、不安なく努力を続けられるようになります。

実はクラムジーに陥ってしまった選手は、今までやっていたスポーツを嫌いになってしまうというケースが非常に多いんです。今まで普通に良いプレーが出来ていたのに、突然それが出来なくなってしまうことで、そのスポーツに対するモチベーションを失ってしまうんです。野球でももちろんクラムジーが原因でチームを去ってしまう選手が多々存在しています。

そんな時、もしチームの指導者がクラムジーという言葉を知っていれば、簡単に選手を安心させることができ、その選手が好きな野球を辞めるという選択も回避できるようになります。クラムジーはオスグッドやスケール効果と共に考えていく必要がある症状ですので、9〜15歳の選手を預かる指導者は、クラムジーの見極め方と改善方法をしっかりと学んでおく必要があると思います。