プロ野球選手も毎年3割打てるようなレベルにある打者たちの中で、体重移動をして打っている選手はほとんどいません。多くのスラッガーが少なくとも体重の51%以上を軸足に残したままバットを振っています。軸足に体重を残したまま振ると、スウィング時に上半身が捕手側に傾いていきます。この傾きによって頭が前後すると思ってしまう選手もいるかもしれませんが、実際は違います。
頭が前後せずに動かなくなるから、上半身が捕手側に傾き、非軸脚と背骨できれいな形の一本軸を作れるようになるのです。これを反対打席側から見ると、良い形ができると打った瞬間直角三角形になります。頭と軸足の膝を結んだ線と地面が直角になり、頭と非軸足の足首を結んだ線が斜線となります。このような形になると、壁が捕手側に作られるようになります。
コーチングではわかりやすいように、この直角三角形をイメージしてスウィングするように指導をしています。この形を作ると、投球が打者を押せる面積が狭くなるため、バットが投球に力負けしにくくなります。逆に体重移動をしてしまい、直角三角形を左右反転させてしまうと、投球が打者を押せる面積が広くなってしまい、タイミングを完璧に合わせなければバットがボールに押し返されやすくなります。
また、体重移動をして左右反転させた直角三角形で打ってしまうと頭の位置が前後に大きく動いてしまい、動いている投球を自分も動きながら見なければならず、ミート力が大幅に低下してしまいます。
ミート力と飛距離を同時にアップさせたいという選手は、ぜひ捕手側に壁を作る直角三角形をイメージしながらバットを振ってみてください。そしてこの技術を間違うことなく、適切な形でマスターしたいという選手はスラッガー養成コースを受講してみてください。
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