野球塾で高校生をメキメキ上達させることが非常に難しい理由

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高校生が野球塾に通うのは非常に難しい

高校生と野球塾

僕は2010年1月にマンツーマン専門野球塾を開校して以来、高校生に対するコーチングもたくさん行なってきました。しかし実感としては、高校生のコーチングは非常に難しいというイメージが強く残っています。小学生、中学生、高校生、大学生、社会人野球、草野球、プロ野球の中で、個人的には高校生が一番コーチングしにくいというのが実感です。

その理由として、まず高校の野球部はほとんど毎日活動があるため、レッスンを受けられる時間が非常に少ないことが挙げられます。本来であれば週7回部活動を行うことはできないはずなのですが、このガイドラインに従わずにほとんど毎日部活動を行なっている野球部がほとんどです。このような理由から、まず物理的に高校生のレッスンは非常にやりにくいんです。

恐らく他の野球塾や野球アカデミーでも同じような実感があり、高校生を受け入れている野球塾も数としては多くはありません。僕自身も最近は高校生の受け入れは基本的には休止しています。

僕の場合は高校生と大学生であれば、大学生の指導をすることの方が多く、レッスンも大学生の方がずっとやりやすいという印象を持っています。大学生の場合は仮に部活がほとんど毎日あったとしても、授業次第では毎週しっかりとレッスンを受けられる選手がほとんどだからです。

名門野球部ということで言えば、僕は慶應大学、早稲田大学、明治大学、立教大学、法政大学、東京大学、駒澤大学、亜細亜大学などなど、東京近辺の多くの野球名門大学の選手たちを個別指導してきました。そこには六大学リーグで活躍してプロ入りした選手たちも含まれています。

そして甲子園出場選手のレッスンも多数行ってきましたが、残念ながら高校生を指導して、その高校生が甲子園に出場できたケースは僕の野球塾では一件もありません。小中学生時代に複数年レッスンを受けてくれた子が高校に進み、甲子園に出場したケースばかりです。

詳しくはこれからまた書き進めていきますが、今後僕の場合においては、よほど受講に対し熱心な選手以外は高校生の受け入れは行わない予定です。

当野球塾においての高校球児と大学生選手の受講時の違い

高校生のコーチングが難しいもう一つの理由として、プライドの高さが挙げられます。小学生・中学生時代もずっと野球をやってきて、高校でも毎日ガッツリ野球に取り組んでいることから、高校生は非常にプライドが高いんです。

そういう意味では大学生も同じでは?と思うところですが、大学生の場合はプライドの高さよりも、柔軟性が先行してきます。もちろんすべての高校生・大学生がそうというわけではないのですが、2010年以来の僕の野球塾においてはこの傾向が顕著に表れています。

高校生の場合は、今までやってきた理論や動作と違うことに対し拒否反応を示すケースが多いんです。例えば肘を痛めた選手がいたとします。その選手のフォームを見て、僕が肘が痛くなっている原因を指摘し、フォームの改善方法をアドバイスしていっても、「でも監督はこの投げ方が良いと言っています」という感じで、多くの場面で「でも」という言葉を使ってきます。

冷静に考えれば、そのフォームで野球肘になっているのだから、そのフォームを修正しなければまた肘が痛くなると分かります。しかし高校生の場合はその考えに至るケースが少なく、今までのフォームを少しでも変えていくことに拒否反応を示すことが多いんです。

一方大学生の場合は、肘が痛い、肩が痛い、球速が上がらない、制球力が上がらない、だからフォームを修正したいという考えで僕の野球塾の門を叩いてきます。そのため僕がたくさん伝えていく理論に対しても非常に貪欲で、一生懸命ノートを取ってくれる選手が多いんです。

逆に高校生の場合は、肘痛を治したい、肩痛を直したい、球速を上げたい、制球力を上げたい、というところで思考が止まってしまっている選手が多いようです。繰り返し言いますが、もちろん全員ではありません。しかし全体的に見るとそういう高校球児が僕の野球塾においては多いようです。

肘痛を治したいけど今までやってきたことは変えたくない。球速を上げたいけどフォームを変えたいわけじゃない。という考え方の高校生が多い印象です。高校生・大学生くらいになると、フォームもかなり固まってきています。そのため僕も、フォームを大幅に変更させることはほとんどありません。

もちろん選手が望めば大幅に変えることもありますが、基本的には現在のフォームを崩さずに、細かなマイナーチェンジを積み重ねてパフォーマンスを向上させる方向でレッスンを進めていきます。しかし高校生の場合は、そのマイナーチェンジを受け入れる心構えができていないケースがほとんどのようです。

しかしフォームも変えたくない、今までやってきたことも変えたくない、マイナーチェンジも難しそうでは、野球塾に通ってもらう意味はありません。特に僕のレッスンのように、一緒に練習をするタイプの野球塾ではなく、フォーム改善を専門にした野球塾であれば尚更です。

野球塾で個別レッスンを受ける理想的な流れ

僕の今までのプロコーチとしての経験から言わせてもらえれば、野球塾に通って一番成長できるのは中学生です。その次が中学生と大差なく小学生。続いて大学生という順番になると思います。大人の草野球選手に関しても、本気で受講してくださる方は40代50代でも球速が10km/h前後速くなるケースも多々あります。

投手育成コラム:中学生が野球塾に通うとグングン上達できる3つの理由

ただしこれも繰り返しになりますが、僕のレッスンを受けて本気でパフォーマンスを向上したいと考えている高校生に関しては、ご相談いただければ受け入れを行なっています。しかし試しに受講してみようかな、という程度の高校生に関しては現在はすべてお断りしております。

やはり一番良いのは、レッスンによって5〜6年生までに投打共にしっかりと正しい基礎を身につけて、中学でグングン伸びていくための下地を作ることです。そして引き続き中学でもレッスンを受け続けて、しっかりとした基礎の上に今度は応用などさらにレベルアップした内容を入れていけると、高校・大学に進んでいってもちゃんと活躍できる選手になれます。

実際このような流れで僕のレッスンを受けてくれた高校生は、高校野球で通算打率.400以上打っていたり、奪三振の山を築けたりしています。ちなみに彼らは高校入学後は僕のレッスンは受けていません。困ったことがあると時々LINEで相談を送ってきてくれる程度です。

高校に入ってからではもう手遅れ、というわけではありません。球児自身の考え方次第では高校に入ってからグングン伸びていくことも可能です。しかしできるならば野球塾のレッスンは小学生のうちから受けて、科学的に本当に正しい基礎を身につけ、そして中学で応用を入れていけるように流れを作って受講していただくのがベストです。

しかし高校生になって初めて僕の野球塾の存在を知り、本気でレッスンを受けて本気でレベルアップしたいという選手は、ぜひ保護者の方よりお気軽にメールやLINEにてご相談くださいませ。本気の選手に対しては、僕も本気でコーチングをしています。

コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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