「走り込みは必要ない」と言ったわけではない桑田コーチ
2021年からジャイアンツの新コーチに就任された桑田真澄コーチは、過度な走り込みは必要ないという持論を持っています。これに関しては僕も野球のプロコーチとして賛成です。
ただしこれは「走り込みをする必要がない」、という意味ではなく、桑田コーチも同意見だとは思いますが、「ただ走っておけばなんとかなる」という考え方では上手くはなれない、という意味です。桑田コーチも決して走り込みそのものが必要ないと話しているわけではありません。
報道ではやはりコメントの大半がカットされてしまいますので、桑田コーチが「走り込みは必要ない」と言ったように受け取れる記事も散見しましたが、決してそういうことではありませんのでニュースを見聞きする際には注意が必要です。
そもそも現役時代の桑田投手自身、誰よりも走り込んで下半身の強化と安定化に努めた投手でした。
野球解説者を名乗りながら野球科学を学ばない野球解説者たち
野球解説者やコーチの中には「困った時はとにかく走り込み」と言う方が未だにたくさんいらっしゃいます。野球のプロコーチという立場の僕からすると、お金をもらって野球を解説しているのになぜ野球科学を勉強しないのだろうか?と不思議で仕方ありません。
桑田コーチに関しては皆さんご存知の通り、引退後は大学や大学院でスポーツ科学を勉強されています。工藤公康監督や小宮山悟監督、吉井理人コーチらと同じように。
現役選手がスポーツ科学をしっかりと考えていけるように、まずはコーチがスポーツ科学を理解しておかなければなりません。コーチが勉強不足で知らないことは、選手には知りようがないわけです。
桑田コーチの発言に対し批判的なコメントをされた、ご意見番的な野球解説者がいらっしゃいましたが、きっとこの方は野球に関する科学には触れたことさえないのでしょう。コメントを聞いていればそれがよく分かります。
経験則だけでは選手を伸ばせるコーチにはなれない!
必死に練習をするのは選手の役割です。そして必死に勉強して、本当に正しいフォームづくりを選手がしやすいようにサポートするのがコーチの役割です。ちなみに野球の勉強は経験則だけではまったく補い切れません。
例えばどの筋肉が、どのような動作に、どのように影響するのかを示すADLさえ理解していないようなコーチは、科学的に本当に正しいフォームを選手に指導することは不可能です。
そうなると経験則や受け売りによってしか選手を教えられなくなり、その内容が科学的に間違っていたとしても、そのコーチは自分で気付くことさえできません。そして選手からしても「コーチが言うんだから本当なんだろう」と勘違いしてしまいます。
このような勘違いをなくし、野球をやっているすべての選手が、それぞれのペースで着実に上達し、しかも怪我をせずに野球を楽しみ続けるためには、まだまだTeamKazオンライン野球塾のようなプロコーチのレッスンを受けられる場が必要なんです。
TeamKazオンライン野球塾の場合はここ1〜2年の割合としては、小学生 → 大人の草野球 → 中学生の順番で受講生の人数は多くなっています。以前は中学生が2位だったのですが、近年は男女草野球選手の受講が人数的には2位になっています。
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