野球の試合の流れとは?流れなんて本当に存在するのか?に対する答え

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野球の流れを生み出せる監督や選手がいる

野球の試合の流れとは一体なんのか?流れは本当に存在するのか?という研究やデータを集めた記事が散見されますが、プロコーチとしての僕の見立ては、流れは確実に存在しているというものです。

あらゆる数字を根拠にして流れは存在しないと解説されている方もいらっしゃいますが、流れという抽象的なものを数字で表すことは僕はできないと考えています。だからこそ野球チームにはその流れを読める監督や、大勢のコーチ(生身の人間)の存在が必要なのです。

もし流れをデータによってあらかじめ予想しておくことができるのならば、監督の存在など必要ありません。しかし監督は経験値が物を言う立場であり、経験値が浅かったり、空気を読まない人物では監督という職責を全うすることはできません。

また、流れを生み出すことができる監督や選手がいるのも事実です。例えば長嶋茂雄監督などは、選手としても監督としても流れを生み出すことができる方でした。

例えば「この選手が打てばチームが盛り上がる」、「この選手がマウンドに登ると勝てる雰囲気になる」という選手がプロ野球にも何人かいますが、そのような選手は流れを生み出すことができる選手だと言えます。

相手の隙を突いた時が野球の流れが生まれる瞬間

野球の流れというのは、数字よりもスポーツ心理学で考えていくべきものです。物凄く簡単に言うと、「隙を見せる側」と「隙を突く側」が明確になった時が、流れが生み出される瞬間です。

例えばマウンドに上がる投手が「今日は絶好調ではないなぁ」と思いながら投げていると、空気を読めたり勘が鋭い打者はすぐに「この投手は今日は調子が良さそうではないなぁ」と気づきます。するとその打者は「打てそうな気がする!」とポジティブな気持ちで打席に立つことができ、ベストスウィングできる可能性が高まるわけです。

その結果ヒットになれば次の打者も「俺も打てるかもしれない!」となります。逆にヒットにならなくても、アウトになった打者が次の打者に「俺はアウトになったけど、あの投手今日は調子良くなさそうだ」と耳打ちすれば、次の打者もポジティブな気持ちで打席に立てるようになります。

まずこのような状況が複数回続くことによって、流れが生み出されやすくなります。

相手選手の自信が奢りにつながった時にも流れが生まれる

または、マウンドに登る投手が「ブルペンでは最高のボールを投げられた。今日は完封勝ちできる気がする」と思っていたとします。ここまでならポジティブでもちろんとても良いことなのですが、しかしメンタル強化トレーニングを受けていない選手の場合、その自信が奢りにつながってしまうケースがあります。

すると、例えばいつもよりも速いボールを投げられるような気がして、無意識のうちに力みが生じ、その力みが微妙な制球力を失わせ、ボールが少しずつ甘くなり、下位打線にもヒットを繋がれるという結果にもなり得るわけです。

このように、相手選手が奢りによっていつも通りのパフォーマンスができていない時も、その隙を突いて流れを生み出しやすいタイミングです。先発投手の場合、立ち上がりにそのような状態になることが多いのですが、2〜3イニングス投げていくと落ち着いて、いつも通りのパフォーマンスができるようになる選手も大勢います。

野球の流れは乗るか、飲み込まれるか、断ち切るか

さらに、味方投手が打ち込まれて炎上し、その後を継ぐリリーフ投手には悪い流れを断ち切る強靭なメンタルが求められます。そこでメンタルが鍛えられていないと、「相手打線がノリノリの状態でマウンドに登りたくないなぁ」と、ポーカーフェイスながらもそんなことを一度でも考えてしまうと、その流れを断ち切るどころか飲み込まれてしまいます。

こんな時は逆に、空気や流れを読めない鈍感力を備えたリリーフ投手をマウンドに送ると上手くいくケースが増えます。流れというものは乗るか、飲み込まれるか、断ち切るかという対処法があるのですが、鈍感力に優れた投手の場合、開き直ってマウンドに登れる選手が多いため、流れに飲み込まれずに火消しを成功させられる場合があります。

このように、野球の試合の流れというのはスポーツ心理学によって考えていく必要があります。そしてその流れを正確に読み、コントロールしていくためにも、監督やコーチは選手の性格やメンタルスキルのレベルをしっかりと把握しておく必要があるのです。

ちなみに選手の性格をよく理解し、その流れを上手く操っていたのが僕が最も尊敬している野球人である三原脩監督です。

野球の流れが悪くなるエラーと、悪くならないエラー

例えば四球、送りバントの失敗、エラーなどは野球の流れを悪くする典型として語られることが多いわけですが、失点率として数字的に最も悪いのは、先頭打者への四球よりも、先頭打者をエラーで出塁させてしまうことです。データ的にはそのように現れています(流れとは別の話)。

ただしこれらに関しても、四球を出した投手やエラーをした選手のメンタルコンディションや、その周囲にいる選手たちの受け止め方によって変わってきます。

例えば先頭打者をエラーで出塁させてしまった場合、守備が下手な選手がエラーをしたら、周囲の選手たちはドンマイと慰めながらも「またあいつエラーしたな」と何気なく考えてしまうことがあります。複数の選手がそう考えてしまうとチームの雰囲気がネガティブになっていき、エラーが連鎖したり、投手が独り相撲し出すことがあります。

しかし、例えば埼玉西武ライオンズの源田壮亮選手がエラーをしたら「源田がエラーしたら仕方ない!」「源田がエラーするなんて、今日は珍しいものを見れた!」と考えるのではないでしょうか?

このようにいつもしっかりしている選手がたまにミスをしたところで、チームの雰囲気が悪くなることはなく、そのエラーから流れを持っていかれる危険性は非常に低いと言えます。

野球の流れを定型にして言い表すことはできない

ここまで述べてきたように、野球の流れというのは「先頭打者に四球を出すと悪くなる」「エラーが出ると悪くなる」「送りバントを失敗すると悪くなる」という定型を作ることはほとんど不可能なのです。

もちろんただの野球ファンであれば楽しむために定型を作ってしまって良いと思います。「エラーが出たからここらで流れが変わってくるぞ」と玄人めいたことを言って楽しむのも野球観戦の醍醐味です。

しかしグラウンドでプレーをしている選手、もしくはマネージメントする監督・コーチはそれではダメなのです。定型を作って楽をするのではなく、場面場面の当事者選手のメンタルをしっかりと読んで次の一手を打っていかなければ、流れをコントロールできる監督にはなれません。

メイクミラクルを引き起こす可能性を秘めた新庄剛志監督

例えばこのコラムを書いている今現在、北海道日本ハムファイターズを率いているのはBIG BOSSこと新庄剛志監督です。僕のスカウティングリポートでは、新庄監督は流れを読むのが非常に巧い監督です。

現役引退後はアートの世界にいた新庄監督だけあり、感受性が物凄く豊かな方です。そのため今試合の流れがどう動いているかを敏感に感じ取るのがとても巧いんです。

しかし新庄監督には致命的な弱点があり、流れを読むのは巧いのですが、その流れを利用するのがまだ得意ではないようなのです。例えば流れを読んで「チャンスだ!」と思っても、その流れをスポーツ心理学を用いて巧みに利用していくのではなく、打席に送る打者、マウンドに送る投手に楽観的に期待を寄せてしまう癖があります。

もしも新庄監督が来季、その場その場での選手のメンタルコンディションを把握し、楽観性を捨てて采配を揮うことができれば、長嶋茂雄監督のようなメイクミラクルを起こせる監督になれるのではないでしょうか。

未だにスポ魂ドラマが好まれる日本

サッカーやバスケットボールはコンタクトスポーツと呼び、野球やゴルフはメンタルスポーツと呼びます。メンタルスポーツの場合、メンタルこそが流れを生み出す最大要因になります。

1つのミスが野球の試合の流れを変えるのではなく、ミスが出た時の選手たちのメンタルの動きが流れを変えていきます。ですのでこれから監督として試合の流れを上手くコントロールしたいと考えている方は、スポーツ心理学を学ぶと強力な武器になるはずです。

どこにでもメンタルコンサルタントがいるアメリカ球界

野球はメンタルスポーツなのに、日本では未だに「根性!根性!ど根性!」というスポ魂ドラマが好まれます。これはほとんどのアマチュアチームやプロ野球でそう言えるのではないでしょうか。

一方野球の本場であるアメリカのメジャーリーグには、全球団と選手の代理人を務めるエージェント会社のすべてにメンタルコンサルタントが在籍しています。日本のプロ野球も本来このような形を目指すべきなのですが、僕が知る限り、メンタルコンサルタントがいるプロ野球チームは少数派で、ほとんどいないと言った方が現状では正確です。

実は僕がお世話になっているあるパ・リーグのチームには以前はメンタルコーチがいたのですが、残念ながら1〜2年くらいでそのポストは廃止されてしまいました。

試合の流れをコントロールしていくためには、メンタルコーチやメンタルコンサルタントが持っている選手データが大いに役立つので、これは本当に残念だなと思いました。

と言うことで、もし野球の試合の流れを読めるようになりたければ、ぜひその場その場の当事者選手と、その周囲の選手たちのメンタルを想像してみてください。それが上達してくると、野球の試合の流れをかなり正確に読めるようになりますよ。

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