今回はリリース時に手首を使わない良い形になっている、ということを前提に話を進めていきます。問題になってくるのは、リリース直後に親指がどの位置に来るかという点です。主に3種類あります。①親指が人差し指の外に来るタイプ、②親指が人差し指と中指の間に来るタイプ、③親指が中指と薬指の間に来るタイプの3種類です。結論から言うと、ストレートの質を高めるためには②が理想の形となります。
②の形になっているということは、ボールの赤道を使ってきれいなバックスピンをかけられたという一つの目安になるのです。これが①の形になってしまうとシュート回転しやすく、③の形だとスライダー回転しやすくなります。
①や③の形になってしまう投手は、トップポジションからリリースポイントにかけて、手のひらがキャッチャーミットと正対したままスローイングアームが加速していたり、トップポジションでは本来肩関節は外旋させておきたいところを、内旋状態にしてしまっている場合が多くなります。いずれも球質を低下させたり、肩肘の故障に繋がりやすい形です。
ボールに与えられるバックスピンの回転数を増やし、ストレートの伸びをアップさせるためにも、指先は②のフィニッシュの形を作れるように意識してみてください。ただし、投球動作の早い段階から意識し過ぎてしまうと指先に力が入り、腕全体に力みが生じてしまうので注意が必要です。
コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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