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MLB公式球の革質が変わり、トミー・ジョン手術が減る?!

滑りやすいボールが増やしているMLBの野球肘

2021年の今季は、メジャーリーグで粘着物を使った不正投球が話題になりましたね。実際試合中に不正有無の確認をされるピッチャーもたくさん出ました。

このような不正投球は元々は暗黙の了解として実際に行われていたことでした。もちろん公に「やっている」と言われることはないわけですが、しかし投球が滑って死球が増えるよりはバッターとしてはましなわけです。

ただ、もちろん不正投球を実際に行っていたのはあくまでも少数派で、ほとんどのピッチャーはロジンバックのみを利用して投げていました。この点に関しては適切な理解が必要だと思います。

メジャーリーグやマイナーリーグで使われている公式球はなめしが甘く、日本プロ野球の公式球と比べると滑りやすい革質なんです。そして実は、この革質が野球肘を増やしているという考え方もできるんです。

気軽に肘の手術を受けるようになったメジャーリーガーたち

ボールが滑りやすいということは、それだけ強くボールを握って投げなければならなず、そして強く握るほど投球時に肘がロックされやすくなります。これが肘の内側、つまり内側側副靱帯に大きなストレスを与えるようになってしまうんです。

トミー・ジョン手術の失敗がほとんどなくなった現代では、アメリカのプロ野球選手たちは気軽にトミー・ジョン手術を受けるようになりました。ですがやはり手術は受けないに越したことはありません。

手術自体は成功だったとしても、怪我をする前のコンディションに戻れるという保証はなく、競技復帰までにも過酷なリハビリを行う必要があるためです。

滑りにくくなるメジャーリーグの公式球

ですがそこに新たなニュースがアメリカから届きました。今季2021年、マイナーリーグ3Aクラス数球団の今季最後の10試合で、滑りにくくなった新たな公式球が試験導入されるのだそうです。

不正投球が話題になった際、ダルビッシュ有投手ら多くのメジャーリーガーが反発をしたわけですが、それによりMLB機構が公式球の改良をスタートさせたのだそうです。そして仕上がってきた試作品を、現在3Aで試用しているのだそうです。

今はまだこの改良された公式球の数が少ないため、3Aの数球団でのみ試験されているようなのですが、生産が追いつき選手からの不評がなければ、来季以降は本格的にこの新たな公式球が導入されるようです。

ことごとく肘を痛めた日本人メジャーリーガーたち

ボールが滑りにくくなれば、ボールを必要以上に強く握って投げる必要がなくなり、それにより肘もロックされにくくなり、メジャーリーグでのトミー・ジョン手術の件数も今後減っていく可能性が予測されます。

日本から海を渡った投手たちも、これまで多くの選手が手術を受けていますね。松坂大輔投手、和田毅投手、藤川球児投手、ダルビッシュ有投手、大谷翔平投手、前田健投手と、錚々たる顔ぶれの選手たちが渡米後にトミー・ジョン手術を受けています。

もちろん日本で野球を続けていれば肘を痛めなかったと言い切ることはできないわけですが、しかし滑りやすかったメジャーリーグの公式球が肘への負荷を高めたことに関しては事実だと言い切れます。

僕もメジャーリーグの公式球でキャッチボールをしたことがあるのですが、やはりNPBの公式球と比べると滑りやすく、僅かに重くて僅かに大きく、少し投げにくいなぁという印象でした。

しかし来季以降はメジャーリーグの公式球も革質が変わるようですので、日本人選手たちも安心してメジャーリーグを目指したり、国際試合に出場できるようになりますね!

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