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プロ野球選手の夢を諦め歩んだプロコーチへの道

踵の怪我が野球肩につながった可能性

僕は中学生になると、少しずつ野球肩の兆候が出始めました。

実は中学二年生の秋に体育の授業で踵にヒビが入るという怪我をしてしまったのですが、その完治から少しずつ投球フォームが崩れて行きました。すると学年が上がっても思いのほか球速が伸びなくなり、中三での最速は124km(練習中の最速は127km)でした。

投げていて肩が痛いというわけではなかったのですが、おそらくは踵を怪我したことで下半身のバランスが崩れ、知らず知らずのうちに上半身に頼った投げ方になってしまっていたのでしょう。それでも中学在学中で肩肘に痛みが出ることはありませんでした。なんとなく違和感があるな〜、ということがたまにあった程度です。

ノックバットでキャッチボールをする現在

しかし中学を卒業して、春休みに練習生として高校の野球部の練習に参加した時でした。入学式の前日です。一年生エースとしての期待をかけられての入部だったのですが、ブルペンで突然肩に激痛が走りました。ボールを投げるどころか、腕を上げることさえもできないほどの痛みです。

肩関節胞の損傷という、完治が難しい状態のかなり酷い野球肩でした。お医者さんの話では状態からして、OTS(オーバー・トレーニング・シンドローム)が原因だろうとのことでした。

しばらくはリハビリ生活を続けて、なんとか競技復帰できるように頑張ったのですが、残念ながら治ることはなく、もう二度と強くボールを投げられない肩になってしまいました。

プロコーチとして、クライアントであるプロ野球選手とキャッチボールをしていても、彼らは軽く投げても70〜80mの距離を投げてきます。しかし僕の肩はもう、痛くて力を抜いて放って40m投げるのが精一杯。なので遠投では相手に返す時は投げずに、ノックバットでライナーを打って返しています(笑)

そんなわけで僕のノックの制球力は今や抜群!(笑)

プロ野球選手への道を諦めて進んだプロコーチの道

高校の入学式の前日に肩を痛め、結局高校野球は経験できず、僕は19歳(1997年)から本格的に野球動作の科学や、野球医学の勉強を始めました。そして2010年1月、野球肩によって選手としての道を断たれた僕でしたが、野球のプロコーチになることができました。

プロコーチとして今年はもう12年目です。これだけ長く続けられたということは、僕には選手よりもコーチという職業が合っていたということなのでしょう。

教え子の中からは甲子園デビュー、神宮デビューした子たちも何人も出ています。嬉しいものです、春の選抜や夏の甲子園で教え子が投げたり打ったりするのを見るのは。コーチ冥利に尽きます。

教え子やクライアントのみんなには、これからも彼らが怪我なく野球を続けていけるようにできる限りのサポートをして行きたいなと思います。やっぱり思うわけです、僕のように野球肩に泣いて欲しくないと。

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