ゴルフコーチと話した時に同調したことについて
先日、ゴルフスクールのベテランコーチとお話をする機会がありました。そのコーチは片山晋呉プロとも一緒にお仕事をされていた方だそうで、お土産に片山プロのロゴ入り傘をいただきました!
そのコーチとお話をしていてお互い「あるある!」と頷いてしまったことがありました。それは、近年YouTubeを見て動作改善を目指した結果、フォームを完全に崩してしまう選手が急増しているということです。
僕に相談してくださる方の中にも、そのコーチのゴルフスクールの生徒さんの中にもそのような方が多く、これには本当に困ってしまいます。YouTubeで見てきたという動作改善法について、「それはこういう理由で正しくない」と理論的にお伝えしても、「でもそのYouTuberはこれで球速が上がると言っていました」と返してくるばかり。残念ながらそのような頑なな方のレッスンをお引き受けするわけにはいきません。
YouTubeでも、本当に正しい動作改善法を正しい順序で教えている方もいるのかもしれません。僕自身YouTubeを頻繁に見るわけではないのですが、少し検索して再生回数の多い野球動作改善法に関する動画を見てみると、理論的に間違ったことを言っている動画がいくつもありました。
それらのYouTube動画は、YouTuberの話し方や見せ方はとても上手いと思いました。動画としてはとても見やすく編集されており、内容がどうあれ再生回数が多いのも頷けます。サムネイルも凝ったデザインになっていたので、検索した一覧ページでもよく目立っていて、ついクリックしてしまうようなサムネイルでした。
でも動画の内容に関しては理論的には間違いだらけで、キネティックチェーンの順番さえも守られておらず、こんなやり方をしては球速アップの前に肩肘を痛めてしまう、というとても残念な内容でした。
プロコーチと人気野球系YouTuberはまったくの別物!
YouTuberは基本的には責任を負うことはありません。そのYouTubeを見て球速アップを目指したけど結果的に肩肘を痛めた、ということがあったとしても、せいぜいコメント欄に文句が書かれる程度ではないでしょうか。
そのため実際に科学的論拠に乏しいことを動画内で伝えていたとしても、YouTuberとしては再生回数さえ伸びてくれればそれで良いわけです。そうすれば大きな収入に繋がるわけなので。
しかし僕らのようなプロコーチは違います。まず目の前にいる選手のフォームを分析し、欠点や強みを洗い出し、強みがある場合はそれをさらに伸ばしながら同時に欠点を補うための動作改善レッスンを行なっていきます。1人1人の選手を確実に上達させるためにできる限りのレッスンを行っていくのが僕らプロコーチのやり方です。
YouTubeは見る側とすれば当然無料ですので、小中学生でも気軽に見ることができます。しかし僕のレッスンは小中学生が受けたいと思ってくれたとしても、実際にお話をさせていただくのは保護者の方です。
小中学生であれば、人気がある野球系YouTuberが言っていることは、人気があるのだから正しいことを言っているはずだ、と信じてしまうわけです。もちろんその内容が実際に正しければまったく問題はないわけですが、YouTube上には僕が検索した限りでは、理論的に間違ったことを教えている野球系YouTube動画がたくさんありました。逆に正しいことを伝えていると思えた動画は本当に一握りでした。
当然小中学生ではその一握りしかない理論的に正しい内容を伝えている動画を見極めることなどできません。野球経験がある親御さんでも難しいのではないでしょうか?しかし僕らのようなプロコーチが見ればその良し悪しは一瞬で分かります。しかもそれら正しいことを伝えている動画はYouTube動画としてはやや地味な作りで、検索をしてもそれほど目立つサムネイルではなく、小中学生ならクリックしないようなデザインでした。
YouTubeで野球を学ぶにしてもまずは土台から!
YouTubeは無料で、僕の野球塾ではレッスン料を頂きます。そういう意味ではYouTubeは非常に敷居が低く、誰でも利用することができます。とても簡単だし、とても楽だと思います。しかしYouTube上の野球レッスン動画の中には、間違った内容を伝えている動画が山ほどあるということを決して忘れないでください。
現役時代はスーパースターだった元プロ野球選手のYouTubeを拝見しても、科学的に間違ったことを動画内で話していました。そしてこれはYouTubeではないのですが、マサカリ投法で有名なある元プロ野球選手の投げ方の指導法を拝見したら、そんな動き方を子どもたちに教えたらあっという間に肘を痛める!という投げ方をまことしやかに教えていました。
しかし僕らのようなプロフェッショナルコーチの指導では、科学的に間違ったことを選手たちに教えることは絶対にありません。その時点で科学的に正しいとされている動作改善法だけを、言葉を噛み砕きながら分かりやすく伝えています。
ただし、稀に間違ったことを教えてしまうことも僕らにもあります。それは、去年まではその理論が正しいと証明されていたけど、でも今年になってもっと研究が進むと実はそれは正しくなかった、というケースです。そのような場合はエビデンスを伝えながら、再度正しい内容を指導し直します。
ゴルフスクールのコーチも僕とまったく同じことを仰っていました。ゴルフ系YouTube動画にも、専門的にゴルフ動作を学んでいない方々が、まことしやかにフォーム作りを動画内でレッスンしていて、その動画を見て練習した人がフォームを崩してしまっている、と。
もちろん上述した通り、しっかりと正しいことを伝えているYouTube動画も多少はあります。しかしYouTuberの目的は選手を上達させることではなく、再生回数を増やして収益を得ることです。僕らプロコーチのように、選手を上達させてレッスン料を得る、というわけではないのです。
ですので野球にしてもゴルフにしても他のスポーツにしても、YouTubeだけで上手くなろうとするのは極力やめてください。YouTube動画だけでメキメキ上達できるほど、野球の動作改善は甘くはありません。
僕のレッスンを受けてくださっている方であればお分かりいただけると思いますが、ピッチングにしてもバッティングにしても、まず重要なのは土台作りです。土台が安定していない状態で上半身の動作や応用を身につけようとしても、それはなかなかできることではありません。
YouTube動画を使って上達したいのであれば、まずは土台作りをしっかりと行ってください。そして必ずその動画のレッスン内容が理論的であるのかを確認してください。野球のフォームというのは人体力学という科学・物理の集合体です。物理学を無視して良いフォームを作り出すことは不可能なんです。そして解剖学を理解せずに同時受講をしようとすると、怪我のリスクを高めてしまいます。
ですので理論解説がほとんどなく、「こういうイメージで動こう!」というセリフが頻繁に出てくる野球系YouTube動画にはご注意ください。そして繰り返しますが、必ず土台作りを行ってから少しずつ上へ上へと動作改善を進めていってください。土台が安定していない状態で、理論性もなく動作改善をしようとしてしまうと、必ずフォームを崩して今までできていたことさえもできなくなってしまいます。そうならないためにも、YouTubeで野球を勉強する際はその内容には十分ご注意ください。
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