握り方を間違っている選手で一番多いのは、人差し指と中指の間を広く開けすぎてしまうケースです。これは手の小さい小学生選手に多いのですが、指先を広げてしまうのは少し危険です。と言いますのは、スプリッターの握りに近いくらい指を広げてしまっている選手も少なくないためです。
スプリッターやフォークボールというのは、人差し指と中指の間にボールを挟むようにして握るわけですが、この握りだと投球時に肘の動きにロックがかけられてしまうんです。フォークボールを武器にする投手が肘を壊しやすいというのは、これがひとつの原因です。
肘を柔らかく使っていくためにも、人差し指と中指の間は指1本分、もしくは1本弱くらいの幅がベストです。ちなみに人差し指と中指をくっつけるとボールのスピンを増やすことはできるのですが、コントロールが難しくなります。ですのでコントロールに絶対的な自信がない場合は、指1本分程度開くのが良いと思います。
それともう一点、ボールの真ん中を握れていない選手も非常に多くいます。硬式球にはないのですが、軟式球には必ず赤道が存在しています。半球と半球をくっつけて一つのボールにした際に生じた接着線です。まず人差し指と中指で赤道を挟むようにし、その赤道の真裏に親指とボールの接点を持ってきます。これが4シームストレートの基本的な握り方です。赤道から少しでもずれてしまうと、シュートやカッターの握りになってしまうので要注意です。
硬式球を使っている方も、ぜひこの機会に一度軟式球を使い、適切な握り方ができているかどうかをチェックしてみてください。真っ直ぐ握っているつもりでも、以外と少しだけずれていることもあります。きれいなバックスピンをかけてストレートの伸びを良くし、空振りを取れるようになるためにも、4シームを正しく握れているかどうか、ぜひ一度チェックしてみてください。
コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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