利き手の人差し指と中指の先を、ボールの縫い目にかけるようにして反対の手の平に当ててください。そして手の平でゆっくり押していき、2本の指を手の甲側にしならせていってください。人によっては手の甲と指が180°までしかしならない人もいますし、45〜90°近くまでしなる人もいます。ですのでしなり具合は人それぞれで大丈夫です。
2本の指をしならせたら、そこから一気にデコピンをするかのように弾いていってください。この弾く力を弾性力と呼ぶのですが、ボールをリリースする瞬間、この弾性力を利用することができないと、ボールは抜けやすくなります。傾向として、リリース時に手首を曲げてしまう選手は弾性力が使いにくくなるため、ボールは抜けやすくなります。
これまでのコラムでも幾度が紹介してきましたが、ボールを投げる際に手首を使ってはいけません。手首を使って投げる動作をスナップスローと勘違いされている方も多いようですが、これは誤りです。スナップスローとは、捕球してすぐにボールをトップポジションに持っていく投げ方のことを言います。
投手は、リリースの瞬間だけ力を入れろとよくアドバイスされますが、このアドバイスをさらに噛み砕くと、リリースの瞬間に弾性力を使いなさい、ということになるのです。弾性力をしっかり使えるようになると、ボールは抜けにくくなり、与えられる回転数も増えるため伸びも増していきます。
投手じゃなくても、ボールが抜けやすいという選手はぜひこの弾性力を意識してキャッチボールを行ってみてください。しっかりと使えるようになったら、ボールが抜ける確率を大きく下げることができるはずです。
コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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