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2017年01月30日

オーバースローは腕が上がっていれば良いわけではありません


  • オーバーハンドスローは腕が上がっていれば良いわけじゃない?!
  • 腕だけを上げたオーバーハンドスローでは肩肘を怪我しやすい?!
  • 動作改善は小学生のうちが最も短時間で済みます。

体全体を最も使いやすい投げ方は、皆さんご存知の通りワインドアップからのオーバーハンドスローです。正しい動作によるオーバーハンドスローで投げることができれば、体全体を使える分、肩肘にかかる負担を軽減させることもできます。しかしコーチングをしていても、コーチングをする前から良い形のオーバーハンドスローで投げられている投手は世代を問わずほとんどいないように感じられます。


オーバーハンドスローは、サイドハンドスローやスリークォーターと比べると初速は少し遅くなります。ですが逆に初速と終速の差が非常に小さくなりやすいため、伸びのある空振りを取れるストレートを投げられるようになります。

しかしこのオーバーハンドスローですが、中には腕を上げるだけでオーバーハンドスローで投げているつもりの選手も多いんです。つまり両肩と投球腕の肘、この3ポイントが一直線にならず、肘だけが肩線分よりも上に行ってしまう形です。肘は上がっても下がっても肩肘にかかる負担は大きくなりますので注意が必要です。

オーバーハンドスローは最も伸びのあるボールを投げられる投法なのですが、実はオーバーハンドスローが最も難しい動作でもあるのです。難しいと言っても高い技術がないとできない、という意味ではなく、体全体を使わなければオーバーハンドスローでは投げられない、という意味です。

近年は筋トレに頼って球速アップを目指している選手も多いのですが、腕の筋力をメインに使って腕を振ろうとすると、腕が上がりにくくなるんです。さらに細かいことを言うと、筋肉によって腕が重くなればなるほど、やはり腕は上がりにくくなります。

テイクバックからコックアップをしてトップポジションまで持っていく動作は、腕の筋力を使って行うべきではないのです。では何を使うかと言いますと、慣性と相対性です。慣性とは振り子運動のことですね。相対性というのは、地面と肘の距離は変えずに、重心を下げることによって相対的に肘の高さを上げていく動作のことです。

・・・・なかなか難しいですよね(苦笑)。でも実際のコーチングでは小学生でもわかるように説明をしていますのでご安心ください。

筋トレの有無に限らず、腕力に頼って投げてしまうとオーバーハンドスローの位置まで、背骨の傾きにより腕を上げてくることができなくなります。そのため腕だけを上に持ち上げるような、極端に言えば万歳をするような腕の角度になってしまい、不自然な上投げになってしまいます。

オーバーハンドスローは、とにかくスローイングアームはリラックスしておくことが重要です。意識としてはシャドーピッチングをしているつもりで、肩からボールまでをすべてタオルだと思って振ります。スローイングアーム(投球腕)はただのタオル、ただの紐だと思って、下半身や体幹によって振っていきます。

スローイングアームに余分な力が入ってしまうほど、オーバーハンドスローで投げたいのにスリークォーターやサイドハンドスローになってしまいます。もしくは背骨はスリークォーターやサイドハンドスローの角度なのに、腕だけがオーバーハンドスローの角度になってしまったり、その逆になってしまったりと、胴体と腕がちぐはぐな動きをするようになってしまいます。そしてもちろんそのちぐはぐさは、肩肘の故障を引き起こす大きな原因となってしまいます。

肘が下がっているから「肘を上げろ!」という指導は絶対にしてはいけないことです。なぜならこの指示を忠実に守るためには腕力を使って腕を上げる必要があるからです。

オーバーハンドスローの正しい投げ方は、小学生のうちから身につけておく必要があります。もちろん大人になってから投げ方を改善することも可能なのですが、その場合、ずっとその投げ方をするための体として成長してしまっていますので、体の使い方、体づくりを根本的に見直す必要が生じることもあり、小学生が投球動作改善を行った際よりも、はるかに長い時間を要することになってしまいます。

小学生の場合ですと、10〜20時間のコーチングを受けていただくだけでも、別人になったかのように動作改善が進む選手も大勢います。しかしこれが高校・大学生世代以上になると、1つの悪い動作を改善するだけでも数時間分のコーチングが必要になるケースが多くなります。

また、上述したオーバーハンドスローの体全体を使って投げるという動作に関しましても、体が出来上がってからでは、今まで使ったことがないような体の部位をいきなり使いこなせるようにはならないわけです。今まで使っていなかったということは、その部位の筋肉がまったく活性化されていないという状態になり、頭で思い描いた動きがなかなかできない、という状態が続いてしまいます。

そうならないためにも、小学生のうちから肩肘への負担が少ない適切な投げ方を癖づけておくことが重要なのです。そのためにもまずはやはり、良い形のオーバーハンドスローで投げられるようになるということが一番大切だと思います。

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コラムカテゴリー:ピッチングモーション
コラム著:Coach Kaz
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