2014年11月29日
ボールリリース時の手首の理想的な使い方
ボールをリリースする際、手首を使って投げた方が強いボールを投げられると勘違いされている方が多いと思いますが、実はそうではありません。ボールを投げる際は手首は曲げず、立てておいた方がパフォーマンスに対し好影響を与えてくれるのです。
ボールリリースで手首を背屈(手の甲側に手首を曲げる動作)・屈曲(手のひら側に手首を曲げる動作)させてしまうと、リリースされるまさにその瞬間、指先とボールの接し方に大きなブレが生じてしまいます。これによりボールにかけられるバックスピンが低下し、お辞儀しやすいボールになってしまうのです。
さらに手首を使ってしまうとリリース時に、リリース角度が上下に動いてしまいます。これによりリリース時に手首が背屈していた場合、ボールは高めに浮きやすくなります。また手首が屈曲状態でボールをリリースした場合、ボールは力強いにもかかわらずワンバウンドしやすくなります。ボールがどうしても高めに行ってしまう、どうしても低めに行ってしまうという方は、手首を必要以上に曲げていないかをチェックされてみるといいかもしれません。
手首を曲げてしまうとバックスピンや制球力にも大きな影響を与えてしまいますが、それに加え球威にも影響を与えてしまいます。ボールを投げる際、肩関節には内旋・外旋動作が発生しているのですが、手首が曲がっていると肩関節の内旋・外旋がしにくくなってしまうのです。
内旋・外旋が浅くなってしまうとボールをリリースするまでの加速距離が短くなり、球威低下に繋がってしまいます。また、トップポジションで外旋が浅くなることで肘が下がりやすくなり、パフォーマンスが低下するだけではなく、故障を起こすリスクも高まります。
テイクバックやコッキング時にリラックスしている故に手首が曲がってくることには問題はありません。しかしトップポジションからボールリリースにかけては、手首はしっかりと立てておく必要があります。ボールリリースで手首が立っていれば人差し指と中指の付け根による弾性力が使いやすくなり、ボールに与えられるバックスピンも増えやすくなるのです。
最後にもう一点、スナップスローを手首を使って投げると勘違いされている方がいらっしゃると思います。しかしスナップスローというのはテイクバックを使わない投球・送球動作のことで、捕球後すぐにトップポジションに持って行き投げる、内野手や捕手特有の送球動作となります。これも間違ってしまうことが多いので、お気をつけください。



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