少年野球やクラブチームに保護者の当番制は必要なし!
近年はお茶当番などを廃止した少年野球チームや学童チーム、クラブチームも少しずつ増えているようですが、しかし実際にはお茶当番などを強制させられるチームがまだまだ大半だと言えます。
個人的には当番制は必要ないと僕は考えています。まずお茶なんて各自が飲み物を用意してグラウンドに来れば良いだけの話ですし、車の送迎に関しても無茶な遠征試合を組まなければ、電車や路線バスで十分事足ります。
ちなみにBRITAのスクイーズボトルが一つあれば、これを空っぽのまま持っていくだけで、公園などの水道水を安心して美味しく飲めるようになります。もちろん僕も愛用している超オススメ商品です。
さて、車の送迎係を担当されたことがある方であればお分かりいただけるかと思いますが、少年野球でも草野球でも、一日野球をした選手たちを同乗させてあげると、車の中が砂だらけになりますし、シートだって汚れてしまうことが多々あります。ハッキリ言ってもし高級車をお持ちの方であれば、絶対に汚されたくはないはずです。
また、スコアブックや撮影などを担当されるケースもあると思いますが、スコアブックなんて勉強会をして選手たち自身で書けばいいと思いますし、試合中はベンチでそれほど忙しくしていない大人のコーチだっているはずです。そのためスコアブックにしても撮影にしても、保護者に当番制を求める必要はないんです。
そもそもプロ野球以外の野球では、大人のコーチがベースコーチャーとして立つことはまずありません。ですので監督以外の大人のコーチがいるのであれば、コーチたちは試合中は必ず手持ち無沙汰になるはずなんです。
ちなみにスコアブックは書き方さえ覚えられれば書くのはとても簡単です。同じスコアであっても、楽譜(スコア)を読む難しさとは雲泥の差です。楽譜の場合は楽典を読んだところで普通は読めるようにはなりませんが、野球のスコアブックに関しては、書き方の本を読めば誰でも100%読み書きできるようになります。
ワンオペ監督の場合はできる限り周りがサポートしてあげて!
ただし、監督に関してのみは試合中は試合に集中させてあげるべきです。まず監督は敵味方にルール違反がないかや、投手に疲れが出てきて重心が浮いていないかどうか(継投のタイミング)、次の1球の戦術とその先々の戦術の想定などなど、試合中は頭を使わなければならないことが盛り沢山です。
ですのでもし大人のコーチが一人もおらず、大人の指導者が監督のみのワンオペの場合は、ぜひ保護者の方に色々とサポートして欲しいなと思います。でも大人のコーチが一人でもいる場合は、スコアブックや撮影なんて当番制じゃなくコーチがやればいいと思いますし、そもそも撮影なんて三脚にスマホを乗せておけば十分だと思います。もし一眼レフカメラなどをお持ちの保護者がいれば協力をお願いすればいいだけです。
ちなみにスコアブックに関しても、グラウンド全体が映るようにスマホで1試合丸ごと撮影しておけば、あとで監督などがビデオを見ながらスコアリングすることもできます。もしくは最近は、スコアの書き方が分からなくてもスコアを記録できる便利なスマホアプリもありますので、そのようなデジタルツールを利用するのもいいのではないでしょうか。
野球の本場アメリカの少年野球は日本とはこんなに違う!
さて、ここで野球の本場アメリカの少年野球事情についても少しお話をしておきましょう。アメリカの場合は当番制は基本的にはないのですが、しかしまるっきりないというわけでもありません。
例えばアメリカの場合、土地がバカでかいですよね?そのため基本的には車社会なんです。そして日本よりもはるかに簡単に車の免許を取れるし、簡単に車を購入することができます。そのため子どもをリトルリーグ(アメリカの少年野球はリトルリーグ一択)に入れられるご家庭であれば、かなり高い確率で車をお持ちです。
それでも中には運転が怖くて乗れない方や、ニューヨークのように地下鉄が発達している都市部にお住まいの方は車を持っていないケースも多々あります。そのような場合は、隣町まで簡単に行くことができないアメリカの場合、やはり車を持っている方が近隣のチームメイトの子たちを同乗させるケースがほとんどです。
そして車乗せてもらった側の保護者は、代わりに自分の子どもと合わせてその方の子どもがプレーする写真や動画をたくさん撮ってあげたり、乗せてくれたご家庭のランチを用意するなどし、持ちつ持たれつという関係で上手く回しています。
アメリカのリトルリーグで確実に言えることは、「保護者はこれをしなければならない」という当番制は存在しないということです。当番制のようなことをできる人はもちろん輪番制でやってくれますし、できない人はできないなりに他の部分で貢献します。例えば他チームとの連絡係やグラウンドの予約、派遣コーチとのやりとりは、車がなくても週末が仕事でもできます。
アメリカにだってもちろん週末は仕事でどうしてもリトルリーグに貢献できない、という保護者も大勢いらっしゃいます。そのような場合でも無理に何かを強制されることは決してなく、「週末来られないなら、できる範囲のことで子どもたちをサポートしてあげて下さい」というふうに言われることがほとんどです。
ちなみにアメリカのリトルリーグの場合、チームに必ず1人は僕のようなプロコーチがリトルリーグから派遣されます。そのため日本のように、時代は令和なのに未だに昭和の指導をするようなコーチは1人もいません。
アメリカでは試合の戦略や戦術を立てるのは監督の務め、技術を教えるのはプロコーチの役割、そして子どもたちがケンカせずに仲良くプレーできるように環境を整えてあげるのが保護者の役割、というふうに明確に分業されています。
また、日本では学童野球であっても子どもたちに罵声を浴びせる無能は指導者が山ほどいますが、アメリカのリトルリーグの場合、他の保護者などからリトルリーグに通報が入ると、速攻でリトルリーグの関係者が視察に訪れ、子どもたちに罵声を浴びせた指導者は即刻グラウンドから退場させられ、指導者としてグラウンドに立つことは当分の間はできなくなります。
日本と違ってリトルリーグ連盟が迅速に動いてくれるアメリカ
日本の場合、野球連盟がよく分からないくらいたくさんありますよね?でもアメリカの少年野球はリトルリーグ連盟一択のため、何か問題が起きた場合、リトルリーグの事務局に連絡をすればスピーディーに対応してもらえます。日本のように「調査します」「検討します」という言葉でお茶を濁されることもありません。
保護者から通報が入ると、リトルリーグ連盟はすぐに派遣したプロコーチに現状確認を行い、その後すぐに事務局からもスタッフがすぐに視察に訪れます。日本よりもはるかに土地が広いアメリカなのに、日本の野球連盟よりもはるかにフットワークが軽いんです。
野球においてもアメリカがすべて正しいとは思いませんが、でも少なくとも少年野球など子どもたちの指導現場においては、アメリカのやり方の方がよほど合理的で、選手、保護者、指導者らほとんどの参加者が納得できる形で運営されていることは事実だと言えます。そして日本のように「ボランティアで教えてやってるんだ」という上から目線の指導者もほとんどいません。もちろん0ではないのですけどね。
日本は少子高齢化が極端に進みつつあり、野球人口もかなり減ってきています。その上野球の道具は本当に高い!これ以上野球人口を減らさないためにも、日本も無数にある連盟が一致団結して、包括的に少年野球やクラブチームの運営方法や保護者にかける負担迅速に改めていくべきです。
保護者への負担が大きい場合、野球にそれほど熱心ではない保護者(例えば野球嫌いのサッカーファンなど)は、いくら子どもが野球をやりたいと言っても、子どもを野球チームに入れることを嫌がるはずです。もちろん入ってしまえばそんな親でも熱心に子どもを応援する野球ファンになってくれるとは思うのですが、重要なのはスタートしてくれるかどうかです。
もっと野球への敷居を低くし、1人でも多くの子と保護者の方々が野球の門を叩けるように、いい加減各連盟が協力し知恵を出し合い、迅速に改革を進めて欲しいというのが、プロコーチとして子どもたちの指導を担当する僕の正直な意見です。
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