スライダーとは、途中まではストレート軌道の変化球

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スライダーとは、カーブとは異なり途中まではストレート

スライダーとは?と問われたら、僕は必ず「途中まではストレートで、ある地点から球に曲がり始める変化球」という感じで答えます。スライダーとカーブはまったく別物であり、カーブはリリースした瞬間から変化がはじまっていきますが、スライダーは途中まではストレート軌道であるべき球種です。

スライダーはとにかく、リリース後にどれだけ長くストレート軌道を維持できるか、が鍵になってきます。このストレートである時間が短ければ短いほど、バッターからすると球種を見極めやすくなりますし、バットも合わせやすくなります。

逆にストレートの時間が長くなり、曲がり始めるのがホームプレートのすぐ手前になってくると、バッターはそのスライダーをストレートだと思って振ってきますので、空振りや引っ掛ける可能性が一気に高まります。

投げ方を間違うと肘が下がりやすくなるスライダー

スライダーを多投すると肘を痛めやすいと言ったりもしますが、これは肘の回外によってボールにスライダー回転を与えてしまうためです。この投げ方をしてしまうと肘が下がりやすくなるだけではなく、野球肘になるリスクも高めてしまうことになります。

しかし肘の回内・回外は使わずに、肩関節の内旋過程のみでスライダーを投げることができれば、肘が下がりやすくなるということもありませんし、変化球の多投によって肘を痛めるリスクが高まることもありません。ただしボールを投げている限りは、どんなに良い投げ方をしていてもそのリスクを0にすることはできません。

スライダーとは肩甲骨でキレが増す変化球

肩甲骨の可動域が広いピッチャーは、キレのあるスライダーを投げられるようになります。逆に肩甲骨が硬いピッチャーのスライダーは曲がり始めるポイントが早くなりやすく、スラーブのような変化になっていきます。

スラーブに関してはパワーカーブと解釈することもできるわけですが、スライダーを投げているつもりでスラーブになるのは、打者を抑える上ではベストな過程とは言えません。意識して投げるスラーブと、スライダーのキレがなくスラーブっぽくなってしまうのとでは、まったく意味合いが異なります。

スライダーは変化球の中では最も難易度が低い球種で、キレを度外視すれば誰にでも投げることができる球種です。だからこそ奥が深いということもできるわけですが、横回転をかければ誰でも投げられる分、間違った投げ方をして肩肘を痛めやすいのもスライダーであると言えるわけです。

ストレートの目安は12m以上

18.44mのマウンドで投げる場合、ピッチャーズプレートからだいたい1.5〜2m離れたところでボールはリリースされます。すると残りだいたい17mくらいになるわけですが、リリース後のこの17m中、12m以上をストレート軌道にできるようになると、バッターとしては非常に見極めにくくなります。

ですのでホームプレートの4m手前に目印を付けて、その地点以降で曲げ始められるように練習していきましょう。特に140km以上のストレートを投げられるピッチャーは、この地点以降で曲げられれば多くのバッターがストレートだと思って振ってくれるようになります。

曲がっていく幅は30cmもあれば十分です。ですのでスライダーは曲げ幅よりも、ストレート軌道を長くできるように意識して練習して行くようにしましょう。

コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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