伸びのあるストレートとは?キレのある変化球とは?

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変化球の良し悪しはストレートの良し悪しで決まる、とはよく言われることです。ではなぜストレートの質が良くなければ、変化球が活きてこないのでしょうか?

その前に、ストレートには伸びが必要で、変化球にはキレが必要ということをチェックしておきたいと思います。伸びのあるストレートとは、初速と終速差がどれだけ小さいかということです。初速150キロのストレートを投げられても、終速が138キロではその差は12キロとなってしまい、伸びがあると言うことはできません。やはりこの差は5キロ以下に抑えたいところです。

初速150キロ/終速138キロのストレートと、初速130キロ/終速128キロのストレートでは、打者目線では後者の方がはるかに速く感じ、打ちにくくなります。例えばオリックスなどで活躍した星野伸之投手は、常時120キロ台のストレートしか投げていませんでしたが、多くの打者が「星野投手のストレートは本当に速く感じる」と話しています。120キロ台のストレートしか投げられなくても、打者にそれをより速く感じさせる投球術さえあれば、プロ野球で176勝を挙げることもできるのです。

一方変化球のキレとは?変化球は主に2種類に分けることができます。キレが必要な変化球と、キレがあってはいけない変化球です。前者はスライダーやシュート、後者はカーブやチェンジアップです。前者の場合、投げてからしばらくはストレートである時間があります。そこを経て打者の手元に近づき、急に横に曲がっていきます。この時の、ストレートである時間が長い変化球ほど、キレがある変化球ということになります。

つまり質の良いストレートを投げることができなければ、変化球のキレの鍵となるストレート部分が短くなるため、打者のかなり手前から横に曲がり始めてしまいます。すると打者に変化球だとかんたんに見極められ、痛打されてしまいます。

「ストレートが良い日は変化球も良い」という状況は良くありますが、「変化球は良いけどストレートが良くない」ということはほとんどありません。稀にあるとすればキレが必要のない変化球であるカーブやチェンジアップしか投げない投手に限られます。しかし現代野球ではスライダーやカッター、シュートボールやツーシームをまったく投げない投手はほとんどいません。キレが必要な変化球を使わない投手がほとんどいない分、よりストレートが重要になってくるのです。

ちなみに変化球はカーブとチェンジアップしか投げない投手の場合、ストレートにキレがあると緩急がより明確になり、打者のタイミングをかんたんに外せるようになります。

どのような変化球を武器にするとしても、ストレートの伸びは非常に重要です。ですので変化球を良くしようと思ったら、まずはストレートの質から確認するようにしてください。バックスピンがよく効いた質の良いストレートを投げられれば、そこから変化球を良くしていくことは比較的かんたんなことです。しかし逆に、変化球ありきでストレートを扱ってしまうと、ストレートの質はなかなか良くなりません。そしてストレートの質が良くなければ、変化球もまた良くならないのです。

このような理由から、変化球を活かすためにはストレートの良し悪しがすべてとなってくるのです。

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