金属バットよりも木製バットの方が飛距離が伸びるって本当?!
一般的に打球の飛距離は、木製バットよりも金属バットの方が伸びるとされています。でもこれは正解であり、同時に不正解でもあるんです。
軟式野球の場合はボールの面をバットの面で捉えなければなかなか飛距離はアップしないため、金属バットの方が一般的には飛距離は伸びます。しかし硬式野球で打球にバックスピンやトップスピンをかけ、美しい放物線を描くホームランや、球足の速いゴロを打つためには、実は木製バットの方が有利なんです。
そしてもちろん面と面で打った時も、平均的飛距離は金属バットよりも木製バットの方がアップします。そのヒミツは、木製バット特有の「しなり」に隠されています!
金属バットでは使えない弾性力を使えるのが木製バット!
まず、木製バットには打面が主に4つあります。木目が楕円形に見える面2つ(板目)と、木目がピンストライプに見える面2つ(柾目)です。バットのしなりを使うためには、木目がピンストライプに見える面でボールを打っていく必要があります。また、木目が楕円形に見える面で打ってしまうとバットは折れやすくなり、しなりを使うこともできません。
木製バットをしならせる打ち方ができると、「バットの重さ×速度」によるパワーに加え、弾性力(トランポリン効果)も使えるようになります。例えばプラスティックの30cm定規を思い浮かべてみてください。定規の端を手でしっかり持ち、反対の手で定規の反対端をしならせてからその手を放すと、定規をすごい勢いでバチンッ!と弾くことができますよね?これが弾性力であり、この弾性力を使えるのが唯一木製バットだけな
です。
バッティングにおけるパワーの計算方法
アメリカでは学生も木製バットを使う流れが出来つつある
ちなみに現在アメリカの学生野球では、投手の安全面が考慮され木製バットを使うようにする動きがあります。ですがこれを多数のメジャーリーガーが否定しているのです。その理由こそがバットのしなりにあり、木製バットをしならせて打つことができれば、金属バットで打った時以上の打球が投手を襲うことがあるためです。ただしそんな強烈な打球を打つためには、もちろん木製バットの特性を活かせるバッティング技術を身に付ける必要があります。
木製バットのしなりの特性も考慮され、アメリカの高校野球などでは木製バットの反発係数に合わせた金属バットが利用されています。反発係数が同じである場合、しなりを使えない金属バットでは打球速度は、木製バットでしなりを使った時よりも遅くなるためです。ちなみに反発係数の測定は、木製バットのしなりは考慮されていません。
木製バットにはしなりが使えるメリットと、折れるというデメリットがあります。金属バットにはジャストミートしなくてもある程度の飛距離が出て、バットが折れないというメリットと、プロレベルに適用する技術を身に付け難いというデメリットがあります。
ですので高校野球までは、練習は木製バットやラミバット、バンブーバットで練習をし、試合でのみ同じサイズの金属バットを使うというのが理想的かもしれません。ラミバットやバンブーバットは木製バットよりも折れ難いのですが、試合では基本的には使えないためご注意ください。
木製バットと金属バットに関するまとめ
それぞれメリット・デメリットが存在していますので、一概にどちらを使うべきだと言うことはできません。だからこそ選手は自らの打者としてのタイプを正確に見極め、自らのバッティングにフィットしたバットを選ぶことが重要になってくるのだと僕は考えています。
ちなみに木製バットと言っても、ハードメイプルはほとんどしなりません。ハードメイプルは本当に固くて、金属バットに近い打感が特徴です。逆に最もよくしなるのは青ダモです。しかし青ダモは現在希少なため、市販はされているものの、他の材質の木製バットと比べるとかなり高価です。
ですので青ダモのバットを買ったとしてもそれは練習では使わず、試合専用にされた方がいいと思います。実際に埼玉西武ライオンズの中村剛也選手なども練習では青ダモは使わず、メイプル(ハードメイプルほど硬くはない)などで練習しています。
そしてバットの使い方が上手くなると、金属バットよりも木製バットの方が打球速度が速くなり、飛距離が出るというような話は、日本でも西岡剛選手らをはじめ、何人かのプロ野球選手が口にされています。技術さえあれば、木製バットは金属バット以上の打球を打てますので、硬式野球をされている方はそのあたりも意識しながら練習してみてください。
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