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2013年03月14日

高度な技術を要する大きな武器となるバント処理方法


投手は投げ終わったら9人目の野手として守備もしっかりと担わなければなりません。今日書き進めたいのは、バントをされる状況でのピッチングとフィールディングです。指導者やコーチによって、このポイントに対する方針は大きく変わってきます。例えば守ることを前提で投球しろと指導する方もいれば、守備態勢を整えるのは投げ終えてから、と指導する方もいます。これは指導者やチーム方針によるところですので、どちらが正解ということではなく、その指導者やチームがベストだと考えて取り入れているものが正解なのです。

ですが投手によっては、本当に素晴らしいバント処理を見せてくれる投手がいます。最もバントをしにくい球は高めの速い球だと言われることもありますが、しかしそうではありません。最もバントをしにくいのは、順手対決(右対右、左対左)で投げられる外角低めのスライダーです。もしくはしっかり投げ切ることができれば、内角へのインスラやツーシームも非常にバントはしにくくなります。ですのでバッテリーがバントを失敗させたいと考えるならば、外角低めへのスライダーを投げることができれば、捕手前という最悪のバントになる確率が高くなります。

ここでさらにレベルの高い投手の場合、バントをさせるコースをコントロールすることができるのです。例えば右打者に三塁線へバントをさせたいと思ったら内角、一塁線にさせたいと思ったら外角に投げ分けるということです。もちろん実際にはもう少し複雑な配球となる場合もありますが、シンプルにお話をするならば、こうなります。こうしてバントする方向を投手がコントロールすることで、バントに対するチャージにもスムーズに入っていくことができるのです。

右打者に三塁線へバントさせたい、もしくは一塁線にバントはさせたくないと考えた場合、技術のある投手は三塁線、もしくは投手前のバントになりやすいコースにスライダーやムーヴィング系のボールを投げます。そして右投手である場合、投げ終えて高く上がっている状態の右脚を一歩目にして、投球動作の途中からチャージに入っていくのです。これは埼玉西武ライオンズの涌井秀章投手がよく見せてくれるレベルの高い技術です。

投球動作の途中からバントチャージに入るためには、強い下半身を持っているということが前提にはなります。しかしスモールボール全盛の日本野球に於いては、この技術を習得する価値は高いのではないでしょうか。日本野球はプロアマ問わずバントを多用します。そこでバントをしにくいコースにボールを投げ切り、投球動作の終盤途中からチャージに入っていく技術があれば、バントを失敗させる確率を高めることができ、走者に進塁を許さないどころか、上手く行けばバントを併殺打にすることもできます。

高めの速い球は確かにバントがポップフライになってしまう可能性が高くなります。これでもアウトを1つ捕れるので良いのですが、しかし目線に近いだけにボール球であれば見逃されますし、バントに自信のある選手であれば上手く対応してきます。しかしバントが上手い選手であってもバントしにくいのが、外角低めへのスライダーなのです。

このボールはストライクゾーンをかすめてから沈んで逃げていくため、打者が腰を浮かせてしまう可能性が高いのです。ボールを追いかけてしまい浮いてしまった腰では、バントを良いところに転がすことはできません。コントロールに自信のある投手、そして投球動作の安定に自信のある投手は、ぜひ外角低めのスライダーと投球動作途中からのチャージに挑戦してみてください。非常に高いレベルの技術が必要ですが、もしできるようになれば、これはピンチを未然に防げる素晴らしい武器となるはずです。


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コラムカテゴリー:ピッチングモーション
コラム著:Coach Kaz
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