0ポジション,ローテーターカフ,インナーマッスルについて書かれている投手育成コラムです。

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0ポジションはパフォーマンスを高め、故障を防ぐ


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投球動作において、最も負荷がかかるのはボールをリリースする瞬間です。静止している140g以上の重さがあるボールを、時速140km以上のスピードで投げるのですから、それはもう大変な負荷が身体にはかかるわけです。だからこそ、この瞬間の負荷を最小限にするための投球動作が必要になります。そしてそれを可能にするのが、0ポジション(医学用語)と呼ばれる肩関節のポジショニングなのです。

0ポジションの定義を簡単に説明しましょう。

① 肩甲骨にある肩甲棘と、上腕骨が一直線になっている。
② 4つのインナーマッスルから成るローテーターカフの張力が均一になっている。
③ ローテーターカフに回旋が起こらない状態になっている。

この3つが成り立って、初めて肩関節は0ポジションということになります。

まず①に関してですが、0ポジションになるのはリリースする瞬間だけではありません。上腕骨は肩関節部分で自由に動かせるわけですが、肩甲骨に関してもある程度動かすことができるのです。つまり肩甲骨を脊柱側に外転させたり、胸郭側に内転させることにより、0ポジション状態である時間をリリースの前後で引き伸ばすことが可能になります。これを投球動作に置き換えて考えると、テイクバックでは肩甲骨を外転させ、リリース時に内転した状態にさせるということになります。

このように、0ポジションを可能にするためには肩甲骨の状態が非常に重要になります。例えば肩甲骨が下に下がってしまっていたり、傾いてしまっていると、0ポジションの状態で投球することは困難になります。少年野球選手の場合、利き腕側の肩甲骨が下がったり傾いてしまうケースが多く見受けられます。この状態を放置してしまうと、肩甲骨がその角度のまま身体が成長してしまい、元の位置に戻らなくなってしまいます。親御さんはぜひお子さんを注意深く見てあげてください。

さて、続いて②についてです。ここではローテーターカフと書きましたが、肩周辺の筋肉全体の張力が均一になっているという考え方もあります。いずれにしても、ローテーターカフの張力が均一でなければ、その他のアウターマッスルの張力も均一にはならないため、まずはインナーマッスルの張力の均一化が必須になると僕は考えています。

ローテーターカフの張力が均一であるということは、これは肩関節が安定していると表現することができます。つまり0ポジションでボールをリリースするということは、肩関節が安定した状態でボールをリリースするということになるわけです。逆にローテーターカフの張力が均一でない場合、肩関節が不安定な状態でボールを投げていることになり、これは故障しやすい状態であると言うことができます。

簡単な見極め方法としては、まずボールの回転を見ることです。ストレートを投げた時、シュート回転やスライダー回転をしている場合、それは0ポジションになっていない証だと言えます。シュート回転している場合はリリースが前に出過ぎていて、スライダー回転している場合はリリースするのが早過ぎるということになります。

最後に③について。0ポジションではローテーターカフは自発的には回旋はしません。ではなぜリリース時にローテーターカフは回旋しない方が良いのでしょうか?そもそも投球時におけるローテーターカフの役割ですが、腕を安定させることにあります。もしローテーターカフがなければ、投球時の腕は遠心力に負けて脱臼してしまいます。投球時に発生する遠心力で腕が脱臼してしまわないために、ローテーターカフが腕を引き戻そうとしてくれているのです。そして引き戻す際、回旋していない方が(ねじれていない方が)スムーズに引き戻しやすくなりますし、負荷も最小限に抑えることができます。

0ポジションが投球動作においてとても大切であることは分かっていただけたと思います。ではここで、肘が下がっているケースを考えてみましょう。投球時に肘が下がってしまうということは、0ポジションからは外れているということになります。肘が下がっているということは、肩甲棘に対して上腕骨が下に傾いた状態になり、この場合上部のローテーターカフに大きな張力がかかり、その部位を痛めやすくなります。つまり棘上筋ですね。棘上筋は4つのローテーターカフの中でも最も痛めやすいインナーマッスルです。ここを痛めてしまうということは、投球過多の問題以外では0ポジション外で投げているということが考えられます。この場合早急な投球動作の改善が必要です。

肩周辺には40種類もの筋肉が存在しています。投球における負荷をこの40種類の筋肉で平等に分け合うのが0ポジションという状態です。つまり100%の負荷がかかるとすれば、1つの筋肉にかかる負荷は40等分の2.5%ずつということになります。しかし0ポジションではない場合、一部の筋肉(主にインナーマッスル)だけが5%や10%という大きな負荷を背負ってしまうことになります。すると当然その筋肉は傷めやすくなってしまいます。

パフォーマンスの高いボールを投げるためにも、故障のリスクを最小限にするためにも、0ポジションというものはピッチャーにとっては非常に重要な要素となります。0ポジションを可能にするためには、トップの位置が非常に重要ですトップが正しい位置に決まれば、0ポジションにも入りやすくなります。もしトップや0ポジションというものが分かりにくい場合は、お気軽にご相談ください。

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このコラムは野球のプロコーチKazが書きました。
c-kaz.jpg 2010年1月から、小学生〜プロ選手まで指導する野球の個人レッスン専門コーチをしています。 怪我をしない投げ方・打ち方の指導には定評があり、時々野球雑誌にも取材していただいたり、 Yahoo!ニュースで投手育成コラムとスラッガー養成コラムを野球関連の参考記事として紹介いただいております。 小学生のうちに良い投げ方・打ち方をマスターしておけば、体が大きくなってからが楽です。 ぜひ早い段階で僕のコーチングを受けにいらしてみてください!そしてもちろん大人の方も受講可能です!

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