トスバッティング/pepper

 

日本語ではトスバッティングと呼ばれる練習、これは野球経験者なら誰もが経験したことのある練習メニューだと思います。2人1組で行う練習で、1人がボールを軽く投げてあげて、もう1人がワンバウンドで相手に打ち返す、という野手と打者によるキャッチボールみたいな練習です。しかしこれ、英語では toss batting とは言いません。トスバッティングは和製英語ですので、この言葉はアメリカでは通じません。英語では pepper と言います。胡椒を意味する単語と同じですね。pepper には「浴びせる」という意味もあり、野球の場合はこちらの意味になります。

アメリカの場合、日本のトスバッティングと同じように pepper を行うこともあれば、野手&ノッカーというスタイルで pepper を行うこともあります。つまりコーチがノックを打ったら、野手が捕球し、ノッカーのストライクゾーンに返球します。そしてノッカーはその返球をダイレクトに打ち返す、ということを繰り返す守備練習法です。

わたしは以前、プロコーチとしてトスバッティングの練習意義に関し疑問を抱いたことがありました。果たしてピッチャーゴロを打つ練習をすべきなのだろうか、と。でもセンター返しをするためのミートポイントの確認と、スウィートスポットにボールを正確に当てていく、という意味で、やはり大切な練習だと改めて認識するようになりました。

トス(軽く投げられたボール)を正確に相手にワンバウンドで打ち返すためには、それなりのバッティングスキルが必要です。スキルが低ければトサーを怪我させてしまうような強い打球を打ってしまったり、トサーがいない場所に打ってしまい、練習が続かなくなってしまいます。ですのでトスバッティングはキャッチボール同様、ウォームアップの一環として日々取り入れていくと良いと思います。
  • 日本語/トスバッティング
  • 英語/pepper, pepper game
  • 読み方/ペパー、ペパーゲィム

コラム著:カズコーチ
プロ野球選手の動作改善サポート・データ分析・自主トレサポートをメインに、アマチュア選手の個別ZOOMレッスンも行うプロフェッショナルコーチ