野球選手は実際に体脂肪率をどこまで絞るべきなのか?!

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結局体脂肪率というのはどれくらいがいいのでしょうか?サッカー日本代表のハリルホジッチ元監督は、体脂肪率の合格ラインを12%に設定していました。わたし個人としては12%以下にするという考え方には賛成です。しかし日本代表選手の中には15〜16%という選手もいました。


15〜16%というのは男子アスリートとしてはちょっと考えられない数値です。なぜならこれは趣味程度にしかスポーツをしない一般成人男性とほとんど同じ数値だからです。ちなみに体脂肪の役割の一つには、体を冷やし過ぎないという点を挙げられます。例えば寒冷地に行った場合、体脂肪率が高いほど寒さに耐えやすいという事実があります。しかしアスリートにそのような状況はほとんど訪れません。

仮に寒冷地で試合をしなければならないとしても、選手たちは試合前には汗ばむ程度のウォームアップをしているはずで、屋外で止まっていない限り寒さは大きな敵にはなりません。また、体脂肪率はスタミナになると考えている方も時々いらっしゃいますが、それは間違いです。実際に運動中にスタミナとして活用されるのは糖質であり、脂肪ではありません。もし運動中に体脂肪がスタミナとして活用されるのであれば、運動をすれば体脂肪はあっという間に減ることになります。運動中にスタミナとして働いてくれるのは糖質や乳酸です。そして使い切れなかった糖質が体脂肪となり、それが10ヵ月程度経つと非常に燃焼しにくいタイプの体脂肪になってしまい、体脂肪率を落とすためには余分な時間が必要となってしまいます。

ちなみに私はアスリートではなくただのコーチですが、体脂肪率は写真の通り8.3%を維持しています。コンディションや水分摂取のタイミングにもよるのですが、わたしの場合はだいたい7.5〜8.5%の間で常に推移しています。身長は175cm、体重は70kgですので、ガリガリで8.3%しかない、というわけではもちろんありません。

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体脂肪率はハリルホジッチ監督の仰る通り、やはり12%以下、できれば10%前後という数値が望ましいと思います。体脂肪というのは電気を通しませんので、人間の動作にプラスの働きをもたらすことはありませんん。同じ体積であっても重さは体脂肪の方がほんの僅かに筋肉よりも軽いのですが、しかし柔軟性に関しては体脂肪の方が圧倒的に低いんです。この体脂肪が野球で役立つとすれば、死球が当たった時のプロテクターになってくれることくらいでしょうか。

体脂肪はスポーツにはほとんど役に立ちませんので、少ないに越したことはありません。体脂肪が多いということは、それだけ無駄な重りを担いだ状態でスポーツをするということになりますので、当然ですが動きにキレはなくなってしまいます。逆に柔軟性のある筋肉を増やし、体脂肪を減らすことができれば、体が軽くなり動きのキレは増します。

ですが女子選手に関しては注意が必要です。女子選手は体脂肪率を低くても20%前後で維持させるべきです。女子選手が体脂肪率を落としすぎてしまうと月経不順を引き起こし、最悪の場合無月経になることもあります。すると10〜20代であっても骨粗鬆症や疲労骨折になりやすく、不妊症になるリスクも大きく高まってしまいます。スポーツ界の場合は特に陸上やバレエなどで女子選手の無月経が問題化しています。

スポーツは健康のために行うものです。それなのに女子選手が体脂肪率を落としすぎることによって体調を崩してしまっては本末転倒です。ですので女子選手の場合は体脂肪率の落としすぎにはくれぐれも注意してください。しかし男子選手の場合は10%以下でも十分です。ただし体脂肪率が一桁になると免疫力がやや落ちてしまいますので、一桁に突入した際は必ずサプリメント等でビタミンCを補充するようにしてください。

まとめますと、男子選手の場合13%以上の体脂肪というはただの重りでしかありません。スポーツ動作においてはほとんど役に立ちません。それどころか余分な重さを持って走り回ることで下半身の怪我のリスクを高める結果にも繋がります。ですので男子選手に関しては10%前後まで体脂肪率を絞る必要があります。

もちろん小学生からそこまで気にする必要はありませんが、小学生であっても男子選手が20%前後というのはあまり良くありませんので、その場合は絞った方がいいと思います。ただし絶食によって絞ることだけは避けてください。そして女子選手は過剰に体脂肪率を下げることは絶対に避けてくださいね。
  • ハリル監督が合格ラインにした体脂肪率12%以下の理由とは?
  • 体脂肪は運動中のスタミナとして活用されることはない!?
  • 女子選手が体脂肪率を落としすぎると体調へのリスクが高まる!?
コラム筆者:カズコーチ(野球動作指導のプロ/2010年〜)
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