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2016年07月15日

熱中症を防ぐために注意すべきこと、甘く見てはいけないこと


  • 熱中症の判断目安「体温40°」「発汗停止」「意識障害」はすでに最悪の状態!
  • 熱中症は指導者が適切な知識を持っていれば100%防ぐことができる!
  • 塩タブレット(塩飴)は誰でも食べて良いものではない?!

これからの季節、熱中症にはとにかく気をつけなければなりません。熱中症は最悪の場合は死に至るケースもあり、熱中症による死亡に関しては毎年ニュースで伝えられています。近年、熱中症という言葉はずいぶん一般的にはなりましたが、しかしスポーツ現場での対応はまだまだ不足しているという実感を受けます。


熱中症の判断目安として以前は「熱が40°以上」「発汗停止」「意識障害」の3つが挙げられていました。しかしこの3つはすでに最悪な状態に至っていると言えます。つまり熱中症を予防するためには、最悪でもこの3つに至る状態にしてはいけない、ということです。

さて、ここでひとつ挙げておきたいことがあるのですが、熱中症になり倒れてしまうと、高い確率で頭を打ってしまいます。この場合、熱中症で頭を打って倒れたのか、それとも頭を打ったから意識を失ったのかを正確に判断する必要があります。なぜなら熱中症と頭部挫傷とでは治療法が真逆だからです。

熱中症の場合は直ちに水分補給をしていかなければなりません。逆に頭部挫傷の場合は脳圧を下げるため、脱水を促す治療が行われます。つまり指導者が万が一この2つを間違ってしまうと、病院に搬送されても間違った治療法が行われてしまい、その間違った治療によって死に至ってしまうケースが過去にいくつもありました。

熱中症は、実は体温38°程度でも熱中症であることが多いんです。ちなみに体温は、腋の下と直腸とでは1°程度、脇の下の方が低いんです。つまり腋の下で体温を測って38°だったとしても、直腸では39〜40°であることがほとんどなのです。ですので木陰で休んで、腋の下で体温を計って38°あったら、それはもう熱中症であると判断すべきです。

そして熱けいれんも熱中症の一つの症状なわけですが、この熱けいれんを軽く見ている指導者が多いように感じられます。「熱けいれん」と言うと小難しいですが、これはつまり脚などをつった状態のことです。運動中に熱けいれんを起こしたと伝えると、お医者さんはその状態をかなり深刻に捉えるはずです。しかしスポーツ指導の現場では「脚をつったくらいで甘えるな!」と最悪の対応をされることも未だにあるのではないでしょうか。

熱中症は、知識があれば100%防げるものなのです。熱中症を防ぐために注意したいことは上述した熱けいれん、水分補給に加え、熱疲労、運動過多、個人の病歴などをしっかり把握しておく必要があります。

熱疲労というのは、単純に暑い日は暑いだけで疲れてしまいますよね。この熱疲労を決して見逃さないことです。夏の季節の変わり目などは、梅雨明け前後で気温が10°以上変わることがあります。この気温差というのは、人間の体は2〜3日ではとても対応できるものではありません。通常は数週間かけて、ゆっくりとその気温に体が順応していくんです。

体が順応する前に暑い中強度の高い運動をしてしまうと、かんたんに熱中症になってしまいます。ちなみに「熱射病」というのは英語で「Heat Stroke」と言うのですが、これを直訳すると「熱卒中」ということになります。熱射病と言われると軽度な感じもしますが、しかし熱卒中と表現をすれば、どれだけ強く注意すべきかを正確に知ることができます。

熱中症を防ぐために塩分を補給するためのタブレット(塩飴)がよく売られていますが、この摂取に関しても注意が必要です。汗をかく前には摂取すべきではありません。なぜなら塩分過多になってしまい、それによって体調を崩してしまうからです。通常は食事、スポーツドリンクなどに塩分は含まれています。

汗を書く前から塩分補給をしてしまうと、体内の塩分濃度が高くなりすぎてしまうわけです。ですので塩タブレットは、ガッツリ汗をかいた後で摂取するようにしてください。特に夏、汗をかくと黒いシャツに白く塩を噴いてしまう方は、多量の発汗後は塩タブレットを摂った方が良いと思います。

逆に多量の汗をかいても黒いシャツに塩を噴かない方は、発汗後であっても必ずしても塩タブレットを摂る必要はありません。スポーツドリンクや食事に含まれている塩分だけでも十分だと思います。

発汗による体内の塩分濃度の低下も熱中症の原因となってしまうわけですが、上述の通り、塩タブレットも食べれば良いというものではありません。体質や状況を考えながら摂取することが大切です。

当野球塾は江戸川河川敷グラウンドをメインにコーチングを行っているのですが、梅雨が明けて一気に暑くなると、河川敷に毎日1台以上は救急車が熱中症患者の搬送にやってきます。時にはグラウンドにドクターヘリが着陸することもあります。

しかし熱中症は100%防げるものなのです。熱中症は完全にチーム指導者のミステイクです。チーム指導者が適切な指導、適切な判断を行えていれば、熱中症など本来は一人も出ないはずなのです。ですが日本の少年野球チームの指導者で、適切な知識を持っている方は本当に稀です。そのために熱中症で死亡してしまうケースが未だ絶えないわけなのです。

熱中症、熱射病、日射病などの類は、決して軽く考えてはいけません。指導者の判断ミスという間違った情報により治療がなされ、その間違った治療によって死亡に至るケースも過去ありました。そして医師が訴えられて賠償責任を負わせられるケースもあります。しかし本来これは医師ではなく、チーム指導者の責任なのです。

チーム指導者はそのことをしっかりと自覚した上で、選手たちを指導していく必要があります。そして熱中症は気温が高くなくても起こりうるということも、同時に理解しておく必要があります。


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