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2011年05月18日

変化球に切れが必要な科学的理由


皆さんは「角速度」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?角速度とはある角度の幅の端から端までを、どれくらいの速度で追えるかというものです。と説明してもサッパリ分かりませんよね(笑)。なのでこう考えてください。このコラムで解説する角速度は、いかに変化球の切れが重要かということを解説したもの、と。

変化球の切れとは、どのタイミングでボールが変化し出すかということです。例えばスライダーであれば、打者の手元近くまで行って曲がるほど打ちにくく、投げてすぐに曲がり始めるほど打ちやすいということになります。でもよく考えてみると、バッターのほとんどはボールを最後まで良く見て打っていると言います。それが現実であるならば、ボールがどこで曲がってもバッターにはその変化が認識できているということになります。しかし実際にはそうではありません。

角速度というものを改めて説明すると、まず打者はピッチャーを見ますよね?その状態を0°だとしてください。そして投げられたボールがキャッチャーミットに収まると、0°からだいたい180°くらいになります。この180°という幅を、どれくらいのスピードで目で追えるか、というのが角速度というわけです。

ちなみにプロのピッチャーが投げるような150kmのストレートの角速度は、500°/1secほどです。これは凄まじい速度です。なぜ凄まじいかと言うと、人間の目で負える角速度は70°/1secが限界だからです。1秒間にわずか70°の幅でしか人の目は物を追うことができないのです。ということは、プロのバッターたちは最後までボールをみている「つもり」でも、実際にはボールを手元までは目で追えていないということになります。

実際150kmもの速球をどこまで目で追えるかと言うと、プロ選手でもホームプレートから1.7m手前までが限界です。つまりどれほど優れたバッターであっても、ホームプレートの1.7m手前まで来ると、必ずボールを見失っているのです。

つまりピッチャーがバッターを変化球で打ち取るには、ホームプレートの1.7m手前、早くても2mを切ってから曲がるようなボールを投げれば、バッターはボールが曲がる先をまったく予測できないということになります。だからこそカッターやツーシームのような、打者の手元ギリギリのところで動くボールをヒットすることが困難なのです。

でも、投げた瞬間に変化球かストレートか分かるようなピッチングフォームでは意味がありません。このような投球術を取り入れるにも、まずは正しいフォームで、変化球のすべてストレートと同じフォームで投げるということが大切です。


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コラムカテゴリー:投球術
コラム著:Coach Kaz
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