配球は捕手任せではなく投手は自分のボールにもっと責任を持とう

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2000年代に入ってからでしょうか。配球は捕手任せというプロ野球のピッチャーが非常に増えてきたように感じられます。もちろん配球を組み立てるのは捕手の重要な役割の1つであるわけですが、しかし大事な配球を捕手に任せ切ってしまうのは少し違うと思います。

投げたい球種と投げるべき球種

もちろんバッテリーは試合に挑む前には入念な確認を行っています。捕手は投手の要望を聞き、基本的にはその要望を元に配球を組み立てていきます。ですがお互いの考えを100%理解し合うというのは、現実的には不可能なことです。そのため時には疑問を感じる配球や、意図を理解できたとしても投げたくない球種というものがあります。このように少しでも疑問を感じたのであれば、投手は首を横に振るべきです。

配球には、投手側からすると投げたい球種と、投げるべき球種というものがあります。投げたい球種というのはウィニングショットであったり、その日調子の良いボールということになります。一方投げるべき球種というのは、ここまでの布石や打者の傾向を踏まえた上での球種ということになります。エースになりたいのであれば、やはりこの2つの選択肢から自分で決断を下せる投手になる必要があります。

サイン交換をしなかったプロ野球のバッテリー

投手を活かすも殺すも捕手次第、と言ったりもしますが、結局は投手を活かすのは投手自身なのです。自分で自身の長所や短所、そして打者との相性をしっかりと把握していなければ、いくら捕手が良い配球を組み立てたとしてもその投手は勝てるようにはなりません。配球通りに投げるというよりは、投手が投げたい球種のサインを捕手に出させる、くらいの気持ちでなければエースになることなどできません。

ちなみにその昔、プロ野球にサインを交換しないバッテリーがいました。名前はあえて挙げることはしませんが、その投手はノーサインでストレートと変化球を好き勝手に投げていたんです。もちろんこれはベテラン投手が若手捕手を信頼していなかったからこそではあるのですが、しかしゴリゴリのエースというのはそれくらいであるべきなのです。自分の配球には自分ですべての責任を負う、それこそがエースのあるべき姿です。

マウンドからサインを出していた昭和の投手たち

ノーサインで色々な球種を投げてこられた捕手は大変だったと思いますが、しかしその捕手は、この経験がのちの捕手人生に活きていったとも語っています。野球の試合は9割方投手で決まってしまいます。投手が良ければ援護は1点でも勝てますし、投手が悪ければ10点取っても勝てません。投手が打たれると捕手が叱られる、というシーンもよく見かけますが、でも結局は打たれたのは投手です。捕手ではなく、捕手のサイン通りに投げてしまった投手が悪いのです。

昭和のプロ野球には、捕手にサインを出す投手たちもいました。マウンドから捕手に対してサインを出すんです。打者にバレそうなものですが、しかしサインの出し方は頻繁に変えていくため、相手がサインを解読した時にはもう別の出し方になっています。実は僕自身、マウンドで投げていた頃はマウンドからサインを出した試合も多々ありました。自分のボールには自分で責任を持つ、そういう気持ちで投げられるからこそ、少なくとも僕の場合は捕手からサインを出してもらう時よりも良い成績を残すことができました。そしてサイン通りに投げる時よりも、野球がずっと楽しく感じられました。アスリートであれば、ポジション問わずプレーは能動的であるべきだと、僕は常々考えています。

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