このブラシ、豚毛ブラシと何が違うかと言いますと、用途が違うんです。豚毛ブラシはグラブのメンテナンスをする前に、ほこりをしっかりと落とすために使うブラシなのですが、馬毛ブラシはオイルを塗った直後に使います。グラブにオイルを塗ると、どうしても余分なオイルが革に残ってしまうんです。そしてその余分なオイルが何回もオイルを塗っているうちに数年かけて染み込み続けてしまうと、グラブが油分で重くなってしまい、フニャフニャでコシのない非常に使いづらいグラブになってしまうんです。
そうならないために、オイルを塗ったらすぐにこの馬毛ブラシで入念にブラッシングをしてください。なぜ馬毛かと言うと、馬毛は余分な油分を革から吸い取ってくれるんです。ですのでオイルを塗ったらすぐにこの馬毛ブラシで入念にブラッシングをし、余分な油分を革から抜いてあげてください。ブラッシングには10分20分かけてしまって良いと思います。
ちなみに僕の場合はオイルを塗ったらすぐに馬毛ブラシで10分以上ブラッシングをして、その後でグラブハンマーを使ってやはり5分から10分くらい型付けを行います。オイルを使うグラブメンテナンスはしっかりやると最低でも30分以上かかるんですが、でも月に1〜2回しかやりませんので、やる時はしっかりやった方が良いと思います。
グラブにオイルを塗ったら、塗りっぱなしにしてしまう選手もけっこう多いと思うんですが、でもしっかりと馬毛ブラシを使ってあげないと、本当にキャッチしにくいグラブになってしまい、それによってエラーも増えてしまいます。グラブはメンテナンスを怠らなければ、少なくとも10年以上は良いコンディションのまま使い続けることができます。
寿司職人は、まず包丁の研ぎ方をマスターしなければお寿司を握らせてもらえないと言います。切れ味の悪い包丁では、魚をきれいにさばくことはできませんからね。野球選手も同じです。グラブのメンテナンスをしっかり行っていない選手は、打球を上手くさばくことができなくなるというわけです。
野球は何と言ってもまずは守備です。守備が上手い選手は、必ずバッティングも上手くなれます。そういう選手になっていけるように、馬毛ブラシは必ずメンテナンスグッズとして持っておいてください。馬毛ブラシはグラブの寿命を飛躍的に伸ばしてくれる最高のアイテムです!
コラム著:カズコーチ
プロ野球選手の動作改善サポート・データ分析・自主トレサポートをメインに、アマチュア選手の個別ZOOMレッスンも行うプロフェッショナルコーチ
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