プロコーチとして未だに悩んでしまうこと
コーチングをしていて時々悩むのが、個性を生かすべきか、実を取るべきかという問題です。
個性はとても大切だと思うのですが、この個性で成績が上がっていないのならば、個性にこだわるべきではないというのが僕の基本的なスタンスです。
しかし難しいのは、その個性によるストロングポイントとウィークポイントが拮抗している場合です。
例えばピッチャーで言うと、そのフォームによって球速は速いんだけど、制球力がまったくダメというケース。
この場合コーチングの進め方としては、この個性を残しながら少しずつ制球力の安定化を図る方法と、個性を少し殺してでも根本的に制球力を安定させていく方法の主に2通りの手法があります。
しかし前者に関しては、本当に少しずつ前進していく形になりますので、制球力を安定させるにはかなりの時間がかかってしまいます。
一方後者であれば球速は多少落ちたとしても、比較的短期間で制球力を安定させることができます。
方程式を崩すほど投手は白星から遠ざかる
コーチ目線からすればベストなのは圧倒的に後者です。なぜなら勝てる投手になるための方程式は「制球>変化>球速」だからです。この方程式が崩れるほど白星が遠ざかっていきます。
つまり物凄く速いボールを投げられたとしても、制球力や変化をつけられなければ試合に勝てる投手にはなれないということです。
しかし一般的には球速にこだわる方が本当に多いというのが現状で、球速が少しでも低下することを皆さん本当に嫌います。もちろん中には僕の話をちゃんと理解して、制球力を優先して球速アップを目指してくれる選手や親御さんもいるのですが、やはり全体的には球速にこだわる方がとても多いと思います。
これが1年くらいじっくりとコーチングをさせてもらえれば、球速を落とさずに制球力を少しずつ安定させていくこともできます。しかし3ヵ月前後の期間では、一般的にはこれはとても難しい作業になります。
また、相手がプロ野球選手であれば何度も打ち合わせを重ねることによって説得したり、理解を深めてもらうこともできるのですが、高いレッスン料金をいただくわけにはいかない少年野球などのレッスンでは、さすがに説得などに時間を使うわけにはいきません。職業として成り立たなくなってしまうからです。
でもできる限り個性は生かしたいとは思っています。僕の考え方は、メカニックであるモーションさえしっかりしていれば、見た目のフォームはどんな投げ方でも良いというスタンスです。トルネード投法でも、マサカリ投法でも、サブマリン投法でも、なんだって良いんです。
僕のレッスンでは基本的にはモーションの改善を行なっていきます。フォームに関しては何投法でも構いません。ですので基本的には個性を殺すことはないのですが、しかし上述した通りストロングポイントとウィークポイントが拮抗している場合は本当に難しい!
僕はプロコーチ歴12年のベテランなのですが、これに関しては未だに悩むことが年に数回はあります。でもやはりこれは選手との対話の中で最善の道を見つけていくしかないのかな、と最近では思っています。
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