スライダーとカーブは似ているようでまったくの別物
みなさんは、スライダーとカーブの違いを正しく説明することはできますか?実はこれ、プロ野球の投手に質問をしても中には答えられない選手もいるんです。ということで今回は、スライダーとカーブの違いを考えていくことにしましょう。
まず結論から言います。スライダーとは途中まではストレートで、ホームベース付近で横や縦にカクっと曲がっていく変化球のことです。そしてカーブは、投げた瞬間から変化が始まる変化球のことです。これがスライダーとカーブの違いです。
スライダーとタイトカーブはちょっと似ていることがある
プロアマ問わず、自分ではスライダーを投げているつもりでも実はカーブだった、ということはよくある話です。特に肩関節を外旋させながらボールをリリースしている投手は、スライダーを投げようとしてもどうしても曲がるタイミングが早くなってしまいます。スライダーが曲がるタイミングが早くなるほど、そのボールは打者にとって見極めやすい球となり、簡単に打ち返されてしまいます。
130km/h以上の横に曲がる変化球をスライダーだと思って投げている投手もいますが、肩関節の外旋過程で投げてしまうとそれは厳密に言えばスライダーではなく、タイトカーブと見ることができます。もちろん投げている本人がスライダーだと言っていれば、それはスライダーでも良いわけですが、しかしさらに高みを目指すのであれば、スライダーとカーブの区別はしっかりとつけた方がプラスになります。
スライダーはストレートに横回転が与えられた変化球
スライダーとは、ストレートにちょっとした横回転が与えられたボールだと考えてください。ストレートにちょっとだけ横回転が与えられるために、途中まではストレートなのに、最後の最後で空気抵抗などの影響を受け、横や縦に曲がっていくのです。軌道の形とすれば、ローマ字のY字の、上の斜めの棒を1本消したような軌道になります。
カーブは三日月のように弧を描く変化球
一方カーブは、まるで三日月のような弧線軌道で、指先から放たれた瞬間から変化が始まっていきます。130km以上のボールになるとリリースされた直後の変化を目視することは難しくなるのですが、しかし映像などで確認をしてみると、タイトカーブであることを確認することができます。
スライダーとカーブは手のひらの向きによって投げ分けよう!
スライダーにしろカーブにしろ、回転を与えるために手首や肘を捻りながら投げることだけは絶対にやめてください。必ず肘を痛めます。正しいボールの投げ方は、槍投げができるフォームです。小指からチョップするように手を加速させていき、肩関節を内旋させながら腕を振り、少しずつ手のひらを捕手と正対させていき、完全に正対した瞬間がストレートのリリースポイントとなります。
手のひらが正対したところがストレートのリリースポイントで、その45度くらい手間の、まだ手のひらが捕手に対して斜めに向いているところがスライダーのリリースポイントです。そして90度手間の、手のひらが真横を向いているところがカーブのリリースポイントです。
もちろん人によって誤差は生じるわけですが、手のひらがどこを向いている時に投げるかによって、ストレート、スライダー、カーブを投げ分けていきます。繰り返しますが、捻りながら投げることだけは絶対にやめてください。
僕の生徒さんにも、中学生チームの監督やコーチに捻りながらの変化球の投げ方を教え込まれてしまい、肘痛に悩んでいる選手がたくさんいました。しかし上述した正しい変化球の投げ方を身につけてもらったことで、どの球種を投げても肘は痛まなくなりました。
野球に肩痛肘痛は付き物?そんなの大嘘です!!
正しく変化球を投げれば、肘を痛めることはない
「変化球は肘を痛めるから禁止」としている少年野球リーグが多くあります。肘を痛める変化球というのは、実は肩関節の外旋過程で投げる変化球のことなのです。内旋過程で正しく変化球を投げている投手の場合は、変化球であってもストレートであっても肩肘を痛めるリスクはほぼ同等となり、簡単に肘を痛めることはなくなります。しかし外旋過程で変化球を投げてしまうと、肘を痛めるリスクはストレートとは比較できないほど高くなります。そしてもちろんストレートであっても外旋投げをしてしまうと、内旋過程で投げる時とは比較にならないほどのストレスが肘にかかってしまうことになります。
腕の内旋外旋動作は、高校生など体格が固まってきてしまうとなかなか修正することができません。ですのでできれば小学生から中学1年生、遅くとも中学生のうちに改善しておく必要があります。
しかし改善方法を誤ってしまうとやはり故障のリスクを高めてしまうため、もし投球動作を改善されたい場合は間違いがないように、ぜひTeamKazオンライン野球塾にご相談ください。僕がわかりやすくレッスンさせていただきます!
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