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ビヨンドなどの複合バットが最も売れるのは、やはりクリスマスシーズンや誕生日ではないでしょうか。クリスマスや誕生日プレゼントにビヨンドをねだるお子さんはやはり多いと思います。親御さんとしても「ビヨンドを使ってヒットが増えるのなら」との思いで、ビヨンドをプレゼントされる方も多いかと思います。しかし僕は選手たちの技術を向上させる野球の先生という立場なので、基本的には、ビヨンドを使うことには一貫して「ノー」と言い続けています。


ミズノのビヨンド(少年野球用)

ビヨンドのスウィートスポットは木製バットの100倍!?

ただし、ガッツリ上達したいわけじゃないけど友達とただ野球を楽しみたいというお子さんや、草野球レベルであればビヨンドなどの複合バットに頼ってしまっても良いとは思っています。しかしオンラインレッスンを受講するような意識の高い小中学生であれば、ビヨンドは使うべきではありません。

通常、バットのスウィートスポットは木製バットが2mm程度、金属バットが5~20mm程度だと言われています。しかし複合バットの場合それが20cm以上あることが普通です。つまりバットのどこに当ててもある程度飛距離が伸びてしまうことで、ボールをスウィートスポットに当てるためのミート力がまったく養われないんです。

仮にビヨンドなどの複合バットに慣れた選手が中学高校へと進み、金属バットや木製バットを使うようになると、まったく対応することができなくなります。バットのスウィートスポットにボールを当てることがまったくできず、打球もほとんど飛ばなくなってしまいます。甲子園を沸かせたスター選手が、高卒でプロ入りして、木製バットにまったく対応できない状態と同じです。


ローリングスのハイパーマッハ(少年野球用)

初心者でもトランポリン効果を得られる複合バットの特性

ミズノのビヨンドと、普通の金属バットの反発係数には20%もの大差があるんです。普通の金属バットを100とすると、ビヨンドの反発係数は120になります。つまり単純計算すると、金属バットで60m飛んでいた打球が、ビヨンドでは72m飛ぶようになる、ということです。もちろんこの飛距離は不確定要素によって変動していくわけですが、まったく同じ条件で打ったと仮定すると、これだけ飛距離に差が出てくるんです。

しかしこれだけ飛ばせる複合バットであっても、バッティングの基礎が身についていなければ宝の持ち腐れにしかなりません。例えば金属バットで40m飛ばせていた場合、ビヨンドだと単純に48mになるわけですが、48mという飛距離は少年野球では平凡な外野フライの飛距離でしかありません。ちなみに少年野球の場合、ホームプレートから二塁ベースまでの距離が約32mです。

誰でもカンタンにトランポリン効果を得られるのがビヨンドなどの複合バット

ところで、バットでボールを打って飛距離を伸ばすためには「トランポリン効果」という物理効果を使う必要があります。これはまさにその名の通り、トランポリンのように金属バットを上手くへこませたり、木製バットをしならせることによって発生させていきます。

ビヨンドなどの複合バットは、このトランポリン効果を技術がなくても使えるように設計されているんです。バットのどこに、どんなタイミングで当たってもトランポリン効果を得られるため、初心者でもある程度の飛距離を出せるようになっています。

しかし金属バットや木製バットの場合、最良のタイミングでボールをスウィートスポットに当てられなければ、トランポリン効果を得ることはできません。そしてスウィートスポットが狭い分、金属バットよりも木製バットの方がトランポリン効果を得ることは難しくなります。


ゼット ブラックキャノン(少年野球用)

飛距離が伸びても打球速度が上がらなければヒットは増えない?!

ヒットの本数を増やしたいのならば、実は飛距離を考えるよりも打球速度を重視すべきなんです。複合バットを使って飛距離を伸ばしたとしても、そこに打球速度が加わっていなければヒットを増やすことはできません。例えば少年野球でビヨンドを使って60m飛ばせるようになったとしても、打球の速度が遅ければ、左中間・右中間に飛んだとしても外野手が簡単に追いついてしまい、ただの外野フライにしかなりません。複合バットはとにかく「飛距離がアップする!」という謳い文句で売られていますが、ヒットを増やすために必要なのは飛距離ではなく、打球速度なんです。

例えばビヨンドで60m飛ぶということは、金属バットでは50mくらい飛ぶということです。しかし打球速度をアップさせられる打撃動作の基礎を身に付けていれば、50mしか飛ばなくても速い打球で左中間・右中間を割っていくことができます。もちろん技術が身に付いた上で複合バットを使えばそれが最強なわけですが、しかし野球のレベルが上がるほど、ビヨンドを使えないリーグが増えていきます。特に将来硬式野球に進みたいと考えている方は、絶対にビヨンド慣れすべきではありません。当然ですが硬式野球ではビヨンドは使えませんので。

どこに当たっても飛んでしまうビヨンドではミート力は養われない!

ビヨンドのような複合バットの場合、どのタイミングでバットのどこに当てても打球はある程度は飛んでしまいます。ビヨンド慣れした選手が突然金属バットや木製バットを使い始めると、打球を前に飛ばすことがまったくできなくなります。硬式野球の場合、バットの芯とスウィートスポットが交差した一点で、ボールの中心の6mm下を打つことによって最も遠くに打球を飛ばせるようになります。

しかしビヨンド使ってしてしまうと、芯とスウィートスポットが交差する一点にボールを当てる技術が、まったくと言っていいほど養われません。そのような選手が硬式野球で木製バットを使ったら、頻繁にバットを折ることになってしまうでしょう。ちなみにプロ野球選手でも技術がある選手は、例えば埼玉西武ライオンズの中村剛也選手のように、1年を通してもバットは1本折るか折らないかです。しかし技術がない選手は年間5本、10本とバットを次々と折ってしまいます。もちろんそういう選手はレギュラーになることはできません。


アシックス スターシャイン(少年野球用)

ビヨンドを買ったら野球塾でバッティングの正しい基礎を身に付けよう!

ミズノのビヨンドのような複合バットは上記写真のように各社で製造されています。しかし繰り返しますがヒットの本数を増やすために重要なのは飛距離よりも打球速度です。飛距離を伸ばしても打球速度が上がるとは限らないのですが、打球速度をアップさせると比例して飛距離も伸びていきます。

僕は野球の先生としてTeamKazオンライン野球塾で毎日多くの生徒さんのレッスンをしているのですが、このレッスンでは打球の速度をアップさせ、同時に打球の発射角度を下半身の使い方を改善させることによって調整し、長打力をアップさせることができます。例えばビヨンドのような高額なバットを使ったとしても、ヘッドが下がったスウィングでは意味がないわけです。しっかしと下半身の基礎動作を身に付けた上でなければ、ビヨンドを使っても目に見えてヒットの本数を増やすことはできません。

逆にしっかりと基礎動作が身についていれば、6,000円程度の普通の少年野球用の金属バットであってもヒットを量産し、同時に長打力をアップさせることができます。きっとクリスマスプレゼントや誕生日プレゼントにビヨンドなどの複合バットを購入される方は多いと思います。しかし大切なのはビヨンドの性能だけに頼ってしまうのではなく、打撃動作の基礎をしっかりと身に付けた上で、ビヨンドを使うということです。

ヒットを増やすために重要なのは飛距離よりも打球速度

そして大事なのでもう一度言っておきますが、ヒットの本数を増やすために重要なのは飛距離よりも打球速度です。飛距離が出ても打球速度が遅ければヒットにはなりませんし、逆に飛距離が出ていなくても打球速度が速ければ内野手、外野手の間をあっという間に抜けていき、ヒットの本数を増やすことができます。

そして単純に打球速度が速ければ速いほど、飛距離もどんどん伸びて行きます。ですのでせっかくビヨンドのような高価なバットを使われるのでしたら、僕のオンラインレッスンや、お近くの野球塾でしっかりと適切な基礎動作を身につけた上で、ビヨンドを使われることをオススメいたします。

トップバランスのバットを選んじゃダメな選手ってどんな選手?

一体どんなバッターがトップバランスを使うべきではないのか?!

今回のスラッガー養成コラムでは、バットの選び方について少しお話をしてみようと思います。バットのバランスには主に3つ、トップバランス、ミドルバランス、カウンターバランスというものがありますが、皆さんはこのバランスについてどのように考えながらバットを購入されていますか?

まず結論から言います。手打ち(=股関節を適切に使っていない打ち方:スポーツ科学では専門的には骨盤回旋不良スウィングと言います)の方はトップバランスを選んではいけません。その理由は、手打ちでは必ずバットのヘッドが下がるからです。

別の見方をすれば、ヘッドが下がってしまう打者=手打ち、と言うこともできます。手打ちの状態でトップバランスを選んでしまうと、ヘッドの重さによりさらにヘッドが下がってしまい、もっとポップフライやボテボテのゴロが増える結果になってしまいます。ビヨンドなど、通常よりも重めのバットの場合も要注意です。

さらに付け加えると、ヘッドが下がっている状態でインサイドアウトで振ることは非常に難しくなるため、手打ちでヘッドが下がってしまうバッターはスウィングがアウトサイドインになりやすく、ミート力が大幅に低下してしまいます。

詳しくは後述しますが、トップバランスのバットを上手く扱えると細身でも小柄でも強い打球を打てるようになります。ですのでしっかりと股関節を使えるスウィングを身につけた選手であれば、小学生のうちからどんどんトップバランスのバットで練習して行くべきです。

でももしチームで手打ちの改善方法を具体的に教わることができないとか、お子さんに股関節を使った本当に正しい下半身と上半身の連動のさせ方を教える自信がない、という方は、ぜひ僕の野球教則ビデオ(一週間無料で見放題!)をチェックしてみてください。

ちなみにヘッドが下がっていない良い形とは、軸とバットが直角の関係になっている状態のことです。軸に対してバットの角度が下がっていればヘッドが下がっている状態で、逆に正面から見るとV字に見えるような形でバットの角度が上を向いている状態をヘッドの上がり過ぎと言います。ヘッドは下がっていても上がっていても、強い打球を遠くまで飛ばすことはできなくなります。

このコラムとの合わせ読みに最適!
打撃動作における軸と軸脚のお話、軸脚は実は軸にはならない?!

なおトップバランスとは、バットのヘッド寄りに重心があるバットのことです。そしてミドルバランスはバットの真ん中寄り、カウンターバランスはグリップ寄りに重心があるバットのことを言います。

幻のツチノコバット

以前はノブが非常に大きく作られているツチノコバットというバットもありましたが、今はおそらくオーダーメイドじゃないと入手は難しいと思います。そしてカウンターバランスのバット自体も選択肢は少なく、スポーツ用品店ではなくて、野球専門店じゃないと取り扱っていないと思います。

股関節を上手く使えているバッターはトップバランスがオススメ

手打ちではなく、股関節を適切に使った打ち方ができている選手であれば、体格関係なくトップバランスを選んだ方が良いと思います。トップバランスはヘッドを利かせやすいため、上手く使えれば筋力や体格に頼ることなく強い打球を打てるようになります。プロ野球でも股関節の使い方が上手いバッターは、小柄であってもトップバランスを使っていることが多いです(木製バットなので特に)。

例えば埼玉西武ライオンズの源田壮亮選手も、2019年からはミドルバランスからトップバランスのバット(松井稼頭央さんモデル)に変えたようです。

現状手打ちで、それを直すつもりのない趣味レベルの方や、もしくは直したいけど直し方が分からないという選手はミドルバランス、もしくはカウンターバランスを選んだ方が良いと思います。特にカウンターバランスのバットはバットが軽く感じられるため、手打ちであってもヘッドの下りを最小限に抑えることができます。振り抜き感がとても良いため、カウンターバランスは初心者や女性にもオススメです。

バットを選ぶ際の考え方は2つ。あなたはどっち?

以上のような観点から、バットを選ぶ際の考え方としてはまず2種類あると言えます。手打ちなのか、それとも股関節を使った良い形で打てているのか。このどちらかによってバットの選び方は変わってきます。

でもできれば股関節を良い形で使えるスウィングを覚えて、トップバランスでもヘッドがまったく下がらない打ち方をできるようになってください。

ちなみにメジャーリーグで大活躍されたイチロー選手はとても細身で、メジャーリーグでは小柄な部類に入る選手でしたが、使っているバットはオリックス時代からトップバランスでした。しかも芯がとても細いトップバランスのため、しっかりミートする技術があると、飛距離を大幅にアップさせられるようになります。それこそ金属バットよりもずっと遠くまで飛ばせるようになります。

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実は金属バット以上に飛距離を伸ばせる木製バット

手打ちについての補足

もう少しだけ手打ちに関する補足をしておきたいと思います。手打ちとは、単に上半身主導で振っている打ち方というわけではありません。厳密には下半身と上半身のつなぎ目である股関節を正しい動きで使っていないことにより、下半身で作り出すエネルギーを上半身に伝えられない打ち方のことを言います。

そして下半身のエネルギーを上半身に伝えていくことができないために、上半身に頼ったスウィングをせざるを得なくなるのが手打ちという打ち方です。実はプロ野球選手にも手打ちの選手はたくさんいます。しかし資質を買われてプロ入りしても、その手打ちを直せないバッターは1軍で良い成績を残すことはできていません。

ですがチームの打撃コーチではなく、僕のようなパーソナルコーチと個人で契約している選手は手打ちの科学的改善方法や、バッティングフォームをさらに改良していくための方法を学んでいるため、パーソナルコーチとの契約後に突然成績が良くなっていく選手も多くいます。イチロー選手ももちろんその一人ですね。

少年野球ではほとんどの選手が手打ちになっている?!

少年野球の試合を見ていると、ほとんどの選手が手打ちになっています。世代の代表クラスの選手であっても、体格や素質だけでプレーしていて、実際には手打ちになっている選手がとても多いんです。そのため小中学生のうちは体格や素質だけでも通用していたのが、高校、大学、プロと進んでいくとどんどん成績が低下して行ってしまいます。

例えば高校時代はホームランを量産して、2017年のドラフトで鳴り物入りでプロ入りした日本ハムファイターズのあるバッターも、体格や素質でプレーしていた選手でした。高校時代はそれでも金属バットの高い機能性に助けられ打てていましたが、プロに入ってからはたまにホームランを打つ程度で、1軍で活躍することはできていません。実は彼もやはりバイオメカニクス的には手打ちなんです。

スウィングには主に3種類あります。下半身主導、体幹主導、上半身主導の3つです。下半身主導は中村剛也選手や浅村栄斗選手が良いお手本になります。体幹主導は非常に難易度が高い打ち方なのですが、大谷翔平選手はそれをマスターしているため、2021年シーズンはホームランを量産しています。

大谷翔平選手が本塁打を量産できている理由を徹底解説!

軽めのトップバランスが主流

下半身主導、体幹主導の良い打ち方をマスターしている手打ちではない選手は、近年は軽めのトップバランスのバットを使っている選手が増えてきました。中村剛也選手のようなホームランバッターでも800g台のトップバランスのバットを使っています。

バッティングは遠心力ではなく、求心力を使っていく必要があります。遠心力を大きくしようとすると必ずスウィングがアウトサイドインになってしまい、ミート力が低下してしまいます。遠くへ飛ばすためにはポイントを前へ前へと出さなければならないため、目とインパクトまでの距離が遠ざかってしまい、さらにミート力が低下してしまいます。

逆に求心力を使ってバットを振れるようになると自然とインサイドアウトのスウィングになりやすく、ミートポイントが体の近くになるためボールを見極めやすく選球眼も良くなり、バットを正確にボールにぶつけていけるようになります。また、トップハンドをメインハンドとして使えるようになるためトップハンドでバットでボールを押し込めるようになり、多少泳いでも、多少差し込まれても強い打球を打てるようになります。つまりミート力と長打力を同時にアップさせられるようになります。これに関してはイチローさんも、高校に指導に行かれた際に似たようなことをお話しされていたと思います。

バッティングでも遠心力を使わないほうが成績が上がる理由

下半身、もしくは体幹主導のスウィングで求心力を使ってバットを振ることのできるフォームを身につけて、少し軽く感じるトップバランスのバットを使うのが、近年安定した成績を残し続けているバッターたちの共通点になっています。

これは少年野球でも同じことが言えます。ビヨンドのような重いトップバランスのバットで遠心力に頼って打つのではなく、やや軽めのトップバランスのバットをインサイドアウトで振ってヘッドをよく利かせて長打力をアップさせられるようになった方が、成績はずっと安定していくはずです。

少年よ、プロ野球選手になりたいならビヨンドは使うな!

僕の野球教則ビデオ(一週間無料で見放題!)では下半身・体幹主導でバットを振る、科学的に本当に正しい打ち方をレッスンしています。もしお子さんに、ビヨンドのような高価なバットに頼ることなく、技術力によってホームランを打たせてあげたいと思われましたら、ぜひ一度僕のレッスン動画をチェックされてみてください。

ということで長くなりましたが今回は、手打ちの選手はトップバランスのバットを使うべきではないその理由についてお話をさせていただきました。このコラムがお役に立ったのならば幸いです。

少年よ、プロ野球選手になりたいならビヨンドは使うな!

以前より一貫して僕がオンラインレッスンで指導を担当している生徒さんたちには、硬式野球に進む可能性のある選手に対してはビヨンドなどの複合バットは使うべきではないと言い続けています。硬式野球をやる可能性のない選手、草野球選手、より高い技術の習得を目指していない選手であれば、ビヨンドは素晴らしいアイテムになります。ですがそうでない場合は、ビヨンドの利用は避けるべきです。

今回のスラッガー養成コラムでは、どうして硬式野球に進む可能性がある選手はビヨンドを使うべきではないのかについて、分かりやすく解説していきたいと思います。ただし、ビヨンドという素晴らしいアイテムを否定したいわけではなく、あくまでも硬式野球に進む前提がある選手にとってのビヨンドの存在、という視点で書き進めていますので、誤解なきようお願いいたします。

軟式球を潰さずに打てるのがビヨンド最大のメリット

さて、ビヨンドはなぜあんなに飛距離が出るのでしょうか?その秘密はもちろんバレルに巻かれているあのポリウレタンにあります。軟式球を打って遠くまで飛ばすコツは、トランポリン効果の利用に加え、打った瞬間のボールをできる限り変形させないことです。そうすることによってボールに歪な回転などがかからなくなり、遠くまで飛んでいくようになります。そしてボールは、バットの真芯でタイミングよく打てるほど歪に変形しにくくなります。

参考記事:トランポリン効果/ビヨンドで飛距離がアップする理由

金属バットで軟式球を打った場合、打った瞬間にボールはお餅のように半分以下に潰されてしまいます。するとインパクトの衝撃が相殺されてしまい、推進力が小さくなり飛距離が短くなってしまいます。また、ボールが潰れれば潰れるほどボールにかかる回転が歪になりますので、これも飛距離を縮める大きな原因となります。

一方ポリウレタンが巻かれたビヨンドのような複合バットの場合、バットのバレルが柔らかくなっている分、ボールではなくバットが潰される形となります。もちろんボールも多少潰されるのですが、通常の金属バットで打った時よりは潰れ具合は小さくなります。そのためインパクトで得られるエネルギーが相殺されにくく、歪な回転もかかりにくく、飛距離が低下しにくくなるというわけです。

どこででも打てるのがビヨンドのメリットでありデメリット

ご存知の通りビヨンドの場合、バレルが非常に広いんです。いえ、広過ぎるんです!バットのヘッド付近で打っても、詰まり気味で打ってもそこはまだポリウレタン部分ですので、手が痺れることがありません。そのためバットのどこで打っても良いという感覚が身に付いてしまい、木製バットはもちろん、通常の金属バットを使った際にボールをバットの芯に当てるという技術がまったく身に付かなくなります。

高い技術を身に付けたいと思っていない選手は、もちろんビヨンドなどの複合バットを使って良いと思います。しかし少しでも上手くなりたいのであれば、やはり先っぽや詰まり気味で打った時に手が痺れ、それを繰り返すことにより、いつでも手が痺れない部分(バットの真芯、スウィートスポット)でボールを捕らえていける技術の習得を目指すべきです。この技術はビヨンドでは絶対に身に付きません。

ビヨンド世代の将来が心配な今日この頃

ビヨンドは、野球を趣味で楽しむ選手が使うべきアイテムです。将来甲子園、神宮、オリンピック、プロ野球、メジャーリーグという目標を持っている選手は、ビヨンドは絶対に使うべきではありません。

今後ビヨンド世代の多くが20代になった頃、日本プロ野球のバッターたちの技術が現在よりも下回っていないかどうか、僕はプロフェッショナルコーチとして心配で仕方ありません。メジャーリーグでも、今以上に日本人バッターが通用しなくなるかもしれません。ビヨンドのような複合バットが普及するほど、そのような弊害が生まれる可能性も高くなっていくわけです。

プロレベルでは、超高校級スラッガーでさえも金属バット慣れしすぎていると、プロ入り後なかなか1軍では通用しません。それがビヨンド慣れしてしまったバッターならどうでしょうか。もしかしたら木製バットを毎日折ってしまう日々になるかもしれません。もちろんビヨンドからいきなり木製バットに持ち替えることはないと思いますが、でも将来的にそうならないためにも、プロ野球選手を目指している小中学生には目先のヒットだけを追い求めて、ビヨンドは使ってもらいたくはないと僕は常々考えているのです。

ビヨンドを宝の持ち腐れにしないで!

また、ビヨンドを使ったとしても打撃技術の基礎が身についていなければ宝の持ち腐れになってしまいます。ビヨンドを使うにしても、ビヨンドの特性を最大限活かすための打撃技術の基礎はしっかり身につけた方が良いと思います。例えば技術がない場合、多少飛距離が伸びる程度では、金属バットで内野手の後ろでポテンヒットになっていた打球が、ビヨンドによって少し飛距離が伸びることにより、平凡な外野フライが増えるという結果にもなってしまいます。

ですのでビヨンドを使うにしても、使わないにしても、やはりしっかりとした打撃動作の基礎の習得は必須になるわけです。でもそういう技術ってなかなか少年野球チームでは具体的に、理論的に、分かりやすく教わることってできませんよね?ですので「もっと理論的かつ具体的に上達方法を教わりたい!」と思ったら、ぜひ僕のオンラインレッスンを受けてみてください。想像を絶するほど理論的かつ具体的で分かりやすいレッスンを毎日しています!まずは無料体験レッスンを受けてみてください。74%の親御さんが、お子さんに継続受講させている野球塾です。

軟式野球で硬式用バットを使うデメリットとバットの素材の違い

軟式野球で硬式用バットを使うことは、大会によってルールが異なる

こんにちは。僕は普段、野球のプロフェッショナルコーチをしているのですが、選手たちにZOOMレッスンをしていてたまに受ける相談として「軟式球を硬式用バットで打っても大丈夫ですか?」というものがあります。これに関しては、公式戦では基本的に禁止とされる大会が多いようですので、軟式の試合で硬式用バットは基本的には使わない方が無難です。

ただし、草野球の練習試合やローカル大会の場合、特に禁止されていない場合もあります。僕自身大人になってから、助っ人として友人の軟式草野球チームに呼ばれた時に、何気なく愛用の硬式用木製バットを使い、打ち終えた後にそのバットを審判に拾ってもらったことが何度かありますが、一度も注意をされたことはありませんでした。ですので使って良い場合もあるわけですが、大会ルールで禁止されている場合も多いようですので、そこはしっかりと確認するようにしてください。

軟式野球では硬式用バットは使わない方が色々な意味で無難

硬式用バットの強度であれば、軟式球を打ってもバットが折れることはまずありません。もちろん軟式用バットでは硬式球を打ってはいけませんが。このように、軟式野球で硬式用バットを使うことは、バットの安全面においては基本的にはまったく問題ありません。

ですがパフォーマンスの質ということを考えていくと、やはり軟式野球では軟式用バットを使った方が良い、という結果になります。ただ、絶対的なパワーやスウィング速度があれば、これから書き進める内容はまったく無意味なものとなりますので、あらかじめご了承ください。

軟式用バットと硬式用バットの重さの差は30%

まず軟式用バットと硬式用バットを比べた時、強度以外に何が違うかと言えば重さです。軟式用バットは大人の場合650〜700g程度が一般的には多いと思うのですが、硬式用バットになると900g前後が多くなります。単純に200g以上違うと仮定すると、硬式用バットの重量は、軟式用バットの重さの30%増ということになります。この重量増は、軟式球では大きな影響を受けることになります。

スウィング速度にほとんど差がないと仮定をすると、より重いバットでボールを打った時の方がインパクトの衝撃は大きくなります。すると軟式球もその分大きく潰されてしまうことになります。インパクト時にボールが潰れてしまうと、潰れてしまった分だけ反発力が相殺され、飛距離を縮めてしまいます。

ちなみにビヨンドなどの軟式用複合バットは、インパクト時にボールを潰さないようにあのようなラバー構造(ポリウレタン)になっているのです。ボールが潰れないので(逆にバット側を潰す)反発力を維持でき、飛距離を伸ばせるというわけです。

参考記事:ビヨンドで飛距離がアップする理由と使うデメリット

硬式用バットで軟式球を打つとインパクトが強くなりすぎる?!

軟式球の場合、インパクト時にボールが潰れない方が反発力が大きくなり、打球の飛距離を伸ばすことができます。そういう意味において物理学的には、軟式野球の場合は重い硬式用バットよりは、軟式球を打つための規格で作られた軟式用バットで打った時の方がパフォーマンスは向上しやすいと言えます。

ただしバットは軽過ぎてもあまり良くはありません。軽過ぎるバットを使ってしまうと「速度×重量」で計算されるパワーが小さくなってしまい、理想のインパクトの衝撃力に届かなくなり、振りやすさが向上したとしても打球の速度や飛距離は大幅に低下してしまいます。

参考記事:バッティングパワーの計算式。打者のパワーはこうやって測る!

ビヨンドなどの複合バットは、本気度の高い選手にはオススメできない!

将来的に硬式野球に進み、更に上のレベルの野球を目指したいという選手には決してオススメできないのですが、しかし草野球や、軟式以外の野球をやる予定のない選手であれば、ビヨンドであったり、インパクト時にボールがバットの表面を滑らないように作られた特殊な形状のバットを使うのも決して悪いことではないと思います。週1回の野球で、打者としてそれでパフォーマンスがアップするのであれば、野球が更に楽しくなると思います。

ただ、ビヨンドのようなラバー構造のバットは消耗品となります。練習で多用したり、バッティングセンターで使うことは極力避けるようにしてください。ラバー構造バットの場合、少しでもラバーに亀裂が入っていたりするとパフォーマンスが低下するだけではなく、破損による怪我にも繋がってしまいますのでご注意ください。ちなみにプロウレタン製ラバーの交換には1〜2万円かかります。

軟式用バットと硬式用バットの素材の違い

金属バットという枠で見ると、軟式用バットはアルミなど軽い金属素材で作られていることが多い反面、硬式用は超超ジュラルミンという非常に硬い素材で作られていることが多くなります。超超ジュラルミン製のバットで、例えば現役バリバリの硬式野球選手が軟式球を打つと、ボールがすぐに破損してしまうことにも繋がりますので、少なくとも硬式用バットで普通にフルスウィングできるバッターは、やはり軟式野球の試合で硬式用バットを使うことは避けた方が良いと思います。

逆に硬式野球の試合では、強烈すぎるピッチャーライナーを打てないようにし、打球が直撃してピッチャーが怪我をしないように、軽すぎるバットの利用は禁止されています。ある程度の重さがあるバットで、全力で振ったとしてもある程度スウィング速度が低下するように設計されています。ですので結論としてはやはり、軟式野球では軟式用バットを使い、硬式野球では硬式用バットを使うことがベストとなります。

高校や大学の野球部でバリバリとプレーしていた方の場合、大人になってからの草野球でも硬式用バットの方が振りやすいということはあると思います。ですが軟式野球を最大限楽しむためには、やはり草野球は軟式用バットを利用された方がいいと思います。

逆に、大事なのでもう一度書きますが、軟式用バットで硬式球を打つことは絶対にやめてください。バットを購入すると、バットの破損が原因で怪我をした場合の保険も自動的に付帯してくるのですが、軟式用バットで硬式球を打ち、バットの破損によって万が一怪我をしてしまっても、推奨された利用方法ではありませんので、保険適用外となってしまいます。

飛距離が一番伸びるのは実は木製バット

最後に付け加えておくと、バッティングスキルが高くなってくると、実は金属バット以上に飛距離を伸ばせるのは木製バット(特にアオダモ)なんです。興味がある方は、下のコラムもチェックしてみてください。ちなみに僕がコーチをしているZOOMレッスン野球塾でも、硬式野球でプレーをしている選手には木製バットの本当に正しい使い方もレッスンしています。

参考記事:実は金属バット以上に飛距離を伸ばせる木製バット

バッティングはバットを使うプレーになるわけですが、バットを使うわけなので、やはりバットの性格をしっかりと把握しておかないと、手に持ったそのバットのパフォーマンスを最大限引き出すことはできません。ですので硬式野球でも軟式野球でも、ボールに合ったバットを適切に選び、そのバットの性格をしっかりと把握した上でバットのパフォーマンスを最大限引き出せるバッターになっていってください。

空手の板割りのような打ち方がバットを折ってしまう

木製バットは折れやすいため、学生野球ではコスト面や安全面が考えられ、金属バットが多く使われています。ではなぜ木製バットは折れてしまうのでしょうか?詰まったから?それともバットの先っぽで打ったから?実は両方違います。バットが折れる原因は、ドアスウィングしてしまうからなのです。

上の図を見てください。左はドアスウィングをしている打者、右はコンパクトにバットを振っている打者(例えばホークス松田選手、ライオンズ浅村選手)を上から見たものです。矢印の数に違いがあることが分かると思います。この矢印は、エネルギーが働いている箇所と方向を示しています。

左の打者はまず、ボールが持っているエネルギーが投手方向から捕手方向(赤い矢印)へと働いています。更に手部とバットのヘッドには捕手方向から投手方向(青い矢印)に向かうエネルギーが2つ働いています。これはバットが折れやすい典型的なバットスウィングです。

空手の板割りを思い浮かべてみてください。板が拳で押し返されないように、パートナーは板の両端(上の図の青い矢印のように)をしっかりと持ちます。もう一人はその板の真ん中を拳で突く(赤い矢印)ことにより、板を割ることができます。もしここでパートナーが板の片端しか持っていなければどうでしょうか?当然板は割れませんよね?

ドアスウィングだとどこに当たってもバットは折れやすい!?

バッティングでドアスウィング(アウトサイドイン)をしてしまうと、手部の捕手方向から投手方向へと働くエネルギーと、バットのヘッド側にも同様にエネルギーがかかってしまいます。この両端が空手の板割りの支えのようになってしまい、ボールの勢いを殺すことなく、その勢いをバットですべて受け止める結果となってしまうのです。するとバットは、ボールがどこに当たろうと折れやすい状況になってしまうのです。

一方図右の打者のように、右肘(左打者なら左肘)をお腹にこすり付けるようにコンパクトに、インサイドアウトでバットを振ると、エネルギーは手部とボールの主に2つのみとなります。そのために板割りのような2つの青い矢印が生じることなく、ボールがどこに当たってもバットは折れにくくなります。

バットが吸収し切れなかった衝撃が伝わって手が痺れる

ちなみに打った時に手がしびれるというのも、似た原理となります。ドアスウィングになってしまうことにより、スウィートスポットにボールを当られなかった際、ボールが持つエネルギーをバットですべて受け止めてしまい、その衝撃が手にダイレクトに伝わってきてしまうのです。

ですので普段金属バットを使っている打者も、手がしびれることがある場合はバットがドアスウィングになり、遠回りしている可能性が高いと言えるわけです。その場合は右肘(左打者なら左肘)を体に擦らせ、右腋(左打者なら左腋)をしっかり締めてスウィングするように心がけてください。そうすればバットが遠回りするのを少しずつ改善することができ、バットを折りにくいインサイドアウトが身についていくはずです。

金属バットよりも木製バットの方が飛距離が伸びるって本当?!

一般的に打球の飛距離は、木製バットよりも金属バットの方が伸びるとされています。実はこれは正解であり、同時に不正解でもあるのです。

軟式野球の場合はボールの面をバットの面で捉えなければなかなか飛距離はアップしないため、金属バットの方が飛距離は伸びます。しかし硬式野球で打球にバックスピンやトップスピンをかけ、美しい放物線を描くホームランや、球足の速いゴロを打つためには、実は木製バットの方が有利なんです。

そしてもちろん面と面で打った時も、平均的飛距離は金属バットよりも木製バットの方がアップします。そのヒミツは、木製バット特有の「しなり」に隠されています!

金属バットでは使えない弾性力を使えるのが木製バット!

まず、木製バットには面が主に4つあります。木目が楕円形に見える面2つ(板目)と、木目がピンストライプに見える面2つ(柾目)です。バットのしなりを使うためには、木目がピンストライプに見える面でボールを打っていく必要があります。また、木目が楕円形に見える面で打ってしまうとバットは折れやすくなります。

木製バットをしならせる打ち方ができると、「バットの重さ×速度」によるパワーに加え、弾性力(トランポリン効果)も使えるようになります。例えばプラスティックの30cm定規を思い浮かべてみてください。定規の端を手でしっかり持ち、反対の手で定規の反対端をしならせてからその手を放すと、定規をすごい勢いでバチンッ!と弾くことができますよね?これが弾性力であり、この弾性力を使えるのが唯一木製バットだけなのです。

アメリカでは学生も木製バットを使う流れが出来つつある

ちなみに現在アメリカの学生球界では、投手の安全面が考慮され木製バットを使うようにする動きがあります。ですがこれをメジャーリーガー数人が否定しているのです。その理由こそがバットのしなりにあり、木製バットをしならせて打つことができれば、金属バットで打った時以上の打球が投手を襲うことがあるためです。ただしそんな強烈な打球を打つためには、もちろん木製バットの特性を活かせるバッティング技術を身に付ける必要があります。

木製バットにはしなりが使えるメリットと、折れやすいというデメリットがあります。金属バットにはジャストミートしなくてもある程度の飛距離が出て、バットが折れないというメリットと、プロレベルに適用する技術を身に付けにくいというデメリットがあります。

木製バットと金属バットに関するまとめ

それぞれメリット・デメリットが存在していますので、一概にどちらを使うべきだと言うことは誰にもできません。だからこそ選手は自らの打者としてのタイプを正確に見極め、自らのバッティングにフィットしたバットを選ぶことが重要になってくるのだと僕は考えています。

ちなみに木製バットと言っても、ハードメイプルはほとんどしなりません。ハードメイプルは本当に固くて、金属バットに近い打感が特徴です。逆に最もよくしなるのは青ダモです。しかし青ダモは現在希少なため、市販はされているものの、他の材質の木製バットと比べるとかなり高価です。

ですので青ダモのバットを買ったとしてもそれは練習では使わず、試合専用にされた方がいいと思います。実際に埼玉西武ライオンズの中村剛也選手なども練習では青ダモは使わず、メイプル(ハードメイプルほど硬くはない)などで練習しています。

そしてバットの使い方が上手くなると、金属バットよりも木製バットの方が飛距離が出るというような話は、西岡剛選手らをはじめ、何人かのプロ野球選手も口にされています。技術さえあれば、木製バットは金属バット以上の打球を打てますので、硬式野球をされている方はそのあたりも意識しながら練習してみてください。