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ペットボトル症候群

野球選手も十分に注意したいペットボトル症候群

熱中症は毎年7〜8月をピークに増えてくるのですが、熱中症関連のニュースを読んでいると最近よく目にするのがペットボトル症候群という言葉です。この言葉を目に、耳にされたことがある方はけっこう多いと思います。

ペットボトル症候群になってしまうと、症状としてはまず喉が渇くのにトイレの回数が増え、体重が減り、体がだるくなり、さらにはイライラしてくるというものがあります。症状はもちろん人によって異なるわけですが、だいたいこのような症状が現れることが多くなります。

足をつる選手が続出している2年振りの夏の地方大会

コロナ禍の真っ只中、今年は2年振りに夏の甲子園予選となる地方大会が開催されています。しかしその試合中、熱中症で足をつってしまう選手が続出しているようです。

一般的に考えるとやはり、緊急事態宣言などにより体外試合を行えなかった調整不足が影響していると考えるべきかもしれません。試合慣れしていない状態で試合に挑んでも、ベストパフォーマンスを発揮することはできませんし、練習では生じない緊張感のせいで疲れも倍増します。

対外試合を行えなかったというのは全国的に共通しているため、一時的な特別ルールも必要かもしれませんね。例えばベンチ入りできる選手を5〜6人増やすということも必要だと思います。今後も調整不足により試合中に体調を崩したり、怪我をしてしまう選手は続いていくでしょう。高野連はそれを見越して一時的な安全策を用意しておくべきだと思います。

紅白戦に緊張感を持たせる工夫

調整法としては、対外試合ができないのであれば紅白戦を増やすなどの対策くらいしかできないかもしれません。しかし紅白戦と対外試合での緊張感はまったく異なるため、指導者がどのようにして緊張感を高めながら紅白戦を行えるかという点は重要になってきます。

例えば40人くらいいる野球部であれば、完全にチームを2分してしまうというやり方もあります。そうすることによってそれぞれのチームにライバル心を持たせられるようになり、紅白戦の緊張感を高めることができます。

ですが中には9人しか部員がいないような野球部だってあります。そういう場合は一時的に同じように人数の少ない他校と合同チームを作るなどの工夫が必要です。高野連もそのような柔軟性を、今は示していくべきでしょう。

何よりも機動性が求められる高野連

今は平時ではありません。コロナ禍という未曾有の事態の真っ只中ですので、過去や未来との公平性を最重視している場合ではないと思います。高野連ももっとスピーディーに臨機応変な対応をしていかなければ、高校野球のコロナ対策は今後も後手後手に回ってしまいます。

スポーツにおいてのコロナ対策は感染を防ぐという意味だけではなく、コロナ禍における調整不足をどのように解消していくかということも含まれます。上述したベンチ入りメンバーの人数もその対策になりうる一つの案です。

「調整不足では無理をさせない」という考え方は無意味です。試合になって無理をせずプレーする選手などいません。グラウンドに立てば全選手が全力でプレーをしに行きます。そんな球児たちに対し「無理せずに」と言っても意味は成しません。

だからこそ大人である高野連側が、先回りした対策を示していく必要があるわけですが、高野連の機動性はほぼないに等しいのが現状です。何か1つルールを変えるためだけに何ヵ月も、何年もかけてしまいます。

平時ならそれでも良いわけですが、しかし今はコロナ禍。球児の体を守るためにも、もっと先回りした具体策をどんどん投入して欲しいところです。今は会議を重ねている場合ではなく、トライ&エラーでどんどん対策を投入し、良ければ続ける、ダメならやめる、ということを繰り返していくべきではないでしょうか。

球児の体を守るために必要な特別ルール

暑さがまだまだまったく本番ではない7月初旬でも、もう熱中症になる選手が続出しているんです。これが1ヵ月後、2ヵ月の最も暑くなる梅雨明け後ではどうなってしまうのでしょう。

高野連は1年後2年後のことを考えることも大切ですが、今はそれ以上に目先の1ヵ月後2ヵ月後に対する具体的な対策も重視すべきです。そう考えるとやはり、コロナ禍に対する特別ルールはもっと目に見えた具体的な形で必要になってくるのではないでしょうか。

例えばベンチ入りできる人数をプロ野球と同等にしたり、部員が余っている学校から選手をレンタルできるような一時的な特別ルールが必要だと思います。そうしなければ調整不足を解消できない現状では、球児たちの体を守ることは難しいのではないでしょうか?

10年前とは暑さの質が変わってしまった日本の夏

今年もまた熱中症の季節がやってきました。近年日本はまさに歴史的猛暑が続いており、それによる死者も多数出ているという状況です。僕はコーチという職業柄、夏でもほとんど一日中屋外で仕事をしています。それにより感じることは、僕がコーチになった2010年の夏と比較すると、2020年の夏は暑さに辛さを感じるようになりました。僕は暑さは苦手ではないのですが、それでも辛いと感じられるほどの暑さです。

さて、皆さんは熱中症対策の一つとして、天気予報の予想最高気温を参考にされていると思います。しかしこれはまったく参考にはなりません。まず、下記の写真をご覧になってみてください。

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この写真はグラウンドレベルでの直射日光が当たった場所の気温です。45.7℃となっています!天気予報で表示されている気温というのは、百葉箱や通風筒が用いられており、直射日光を遮り、空気そのものの温度が表示されているのです。しかしグラウンドでの直射日光はこの写真の通り45℃どころか、50℃を軽く超えることもあります。

もう水分補給だけではケアし切れない熱中症

熱中症対策に関してはこれまでもいくつか書いてきましたが、もう水分補給だけでケアできるレベルではありません。例えば帽子の中に濡れたタオルやアイスパックを入れたりして、とにかく頭部や頸部の体温を下げることが非常に重要です。体温よりもはるかに高い45℃以上の直射日光を頭部に受け続ければどれだけ危険かということは、お医者さんじゃなくてもかんたんに想像できると思います。

日本の野球チームだけはなぜか、この気温の中で朝から晩まで子どもたちが野球をやらされています。野球先進国の中では考えられない状況だと言えます。夏休みになると、うちの近所の河川敷グラウンドには毎日のように救急車が呼ばれ、熱中症になった小中学生が搬送されています。おそらく日本の少年野球チームは変われないのでしょう。チームそのものに変わる能力がないのならば、もはや選手自身で気をつけるよりほかありません。

45℃や50℃以上の直射日光を浴びながら長時間スポーツをするというのは、命に関わる行為です。ですので避けることが一番であるわけですが、でもそうもいかないと思いますので、練習中はとにかく頭部や頸部を冷たい水などで頻繁に冷やすようにし、炎天下での長時間の練習は絶対に避けるべきです。熱中症になってしまってからでは遅いのです!!野球指導者は、決して自己満足のために選手を長時間炎天下に晒すべきではありません。

熱中症を判断する3つのポイント

これからの季節、熱中症にはとにかく気をつけなければなりません。熱中症は最悪の場合は死に至るケースもあり、熱中症による死亡に関しては毎年ニュースで伝えられています。近年、熱中症という言葉はずいぶん一般的にはなりましたが、しかしスポーツ現場での対応はまだまだ不足しているという実感があります。

熱中症の判断目安として以前は「熱が40°以上」「発汗停止」「意識障害」の3つが挙げられていました。しかしこれが起こった時には、すでに最悪な状態に至っていると言えます。つまり熱中症を予防するためには、最悪でもこの3つに至る状態にしてはいけない、ということです。

熱中症と頭部挫傷では治療法が真逆だから気をつけて!!

さて、ここでひとつ挙げておきたいことがあるのですが、熱中症になり倒れてしまうと、高い確率で頭を打ってしまいます。この場合、熱中症で頭を打って倒れたのか、それとも頭を打ったから意識を失ったのかを正確に判断する必要があります。なぜなら熱中症と頭部挫傷とでは治療法が真逆だからです。

熱中症の場合は直ちに水分補給をしていかなければなりません。逆に頭部挫傷の場合は脳圧を下げるため、脱水を促す治療が行われます。つまり指導者が万が一この2つを見誤ってしまうと、病院に搬送されても間違った治療法が行われてしまい、実際その間違った治療によって死に至ってしまったケースが過去にいくつもありました。

腋の下と直腸では体温が1℃違う!

熱中症は、実は体温38℃程度でもすでに熱中症であることが多いんです。ちなみに体温は、腋の下と直腸とでは1℃程度、脇の下の方が低いんです。つまり腋の下で体温を測って38℃だったとしても、直腸では39〜40°であることがほとんどです。ですので木陰で休んで、腋の下で体温を計って38℃あったら、それはもう熱中症であると判断すべきです。

そして熱けいれんも熱中症の一つの症状なわけですが、この熱けいれんを軽く見ている指導者が多いように感じられます。「熱けいれん」と言うと小難しいですが、これはつまり脚などをつった状態のことです。運動中に熱けいれんを起こしたと伝えると、お医者さんはその状態をかなり深刻に捉えるはずです。

しかし野球指導の現場では「脚をつったくらいで甘えるな!」と最悪の対応をされることも未だにあるのではないでしょうか。中学の野球部の練習をグラウンドで眺めていても、足をつった選手がストレッチ後にすぐにグラウンドに戻されるシーンを、僕は何度も見たことがあります。

熱中症は正しい知識があればほぼ100%防げる!

熱中症は、知識があればほとんど100%防げるものなのです。熱中症を防ぐために注意したいことは上述した熱けいれん、水分補給に加え、熱疲労、運動過多、個人の病歴などをしっかり把握しておく必要があります。

熱疲労というのは、単純に暑い日は暑いだけで疲れてしまいますよね。この熱疲労を決して見逃さないことです。夏前の季節の変わり目などは、梅雨明け前後で気温が10°以上変わることがざらです。この気温差というのは、人間の体は2〜3日ではとても対応できるものではありません。通常は数週間かけて、ゆっくりとその気温に体が順応していくんです。

しかし体がちゃんと順応する前に暑い中強度の高い運動をしてしまうと、かんたんに熱中症になってしまいます。ちなみに「熱射病」というのは英語で「Heat Stroke」と言うのですが、これを直訳すると「熱卒中」ということになります。熱射病と言われると軽度な感じもしますが、しかし熱卒中と表現をすれば、どれだけ強く注意すべきかを正確に知ることができますね。

発汗後に黒いシャツが白くなってしまう選手は要注意!

熱中症を防ぐために塩分を補給するためのタブレット(塩飴)が売られていますが、この摂取に関しても注意が必要です。少なくとも汗をかく前には摂取すべきではありません。なぜなら塩分過多になってしまい、それによって体調を崩してしまうからです。通常の食事、スポーツドリンクなどにも塩分は含まれていますので、汗をまだ少ししかかいていないのにスポーツドリンクを飲んで、塩タブレットを舐めてしまうと、逆に塩分過多になってしまうわけです。

ですので塩タブレットは、ガッツリ汗をかいた後で食べるようにしてください。特に夏、汗をかくと黒いシャツに白く塩を噴いてしまう方は、多量の発汗後は塩タブレットを摂った方が良いと思います。

逆に多量の汗をかいても黒いシャツに塩を噴かない方は、発汗後であっても必ずしても塩タブレットを摂る必要はありません。スポーツドリンクや食事に含まれている塩分だけでも十分であるケースが大半です。

発汗による体内の塩分濃度の低下も熱中症の原因となってしまうわけですが、上述の通り、塩タブレットも食べれば良いというものではありません。体質や状況を考えながら摂取することが大切です。

指導者のミスによってなぜか医者が訴えられてしまう現実

例年、梅雨が明けて一気に暑くなると、うちの近所の河川敷グラウンドには毎日1台以上は救急車が熱中症患者の搬送にやってきます。時にはグラウンドにドクターヘリが着陸することもあります。

しかし熱中症は正しい知識があればほぼ100%防げるものなのです。野球選手の熱中症は完全にチーム指導者の人為的ミスです。チーム指導者が適切な指導、適切な判断を行えていれば、熱中症など本来は一人も出ないはずなのです。ですが日本の少年野球や学生野球の指導者で、適切な知識を持っている方は本当に稀です。そのために熱中症で死亡してしまうケースが未だ絶えません。

熱中症、熱射病、日射病などの類は、決して軽く考えてはいけません。指導者の判断ミスという間違った情報により治療がなされ、その間違った治療によって死亡に至るケースも過去ありました。そしてそれが原因で、なぜか医師が訴えられて賠償責任を負わせられるケースもあります。しかし本来これは医師ではなく、チーム指導者の責任だと僕は考えています。

チーム指導者はそのことをしっかりと自覚した上で、選手の体調をケアしていく必要があります。そして熱中症は気温が高くなくても起こりうるということも、同時に理解しておく必要があります。

プロ野球選手も悩まされる試合中に体をつる症状

脚や手、背中などを一度もつったことのない人はほとんどいないと思います。誰もが一度はつった経験があるのではないでしょうか。野球選手の中にも、このつるという症状に悩んでいる選手がいます。少し前の話になりますが、2011年、当時埼玉西武ライオンズの涌井秀章投手が2010年に続き、試合中に脚をつる症状に悩まされました。

つるという症状は非常に一般的な症状ではありますが、ではつるとは具体的にはどのような状態のことを言うのか、また回避する方法はあるのか。今回の投手育成コラムでは、ここに焦点を当てて書き進めたいと思います。

つった時のけいれんは自発的に抑えることができない?!

まずつるという状態は、正確には「筋けいれん」と呼びます。ただし、ただけいれんをしているだけではなく、非自発的かつ強い痛みを伴うけいれんのことを言います。「こむら返り」と呼ぶこともありますね(こむら=ふくらはぎ)。

なぜ筋けいれんは非自発的に起こり、また意図的に抑えることができないかと言うと、それは脳を中心とした上位中枢を介さない症状だからです。上位中枢を介さず、脊髄を中心とした反射中枢において起こされる症状であるため、脳で考えた「けいれんする!」「痛みを抑えろ!」という意思を症状に反映させることができないわけなのです。

怪我、筋けいれん、それぞれの痛むまでの流れ

通常の怪我などの痛みの反応までの流れ
刺激 → 感覚器(末梢神経) → 反射中枢(脊髄・脳) → 上位中枢(脳) → 反射中枢 → 運動器(骨格系・骨・靭帯・腱) → 反応

筋けいれん反応までの流れ(反射弓)
刺激 → 感覚器 → 反射中枢 → 運動器 → 反応

筋けいれんなどの、上位中枢(脳)を介さない反応の流れを、生物学では反射弓(はんしゃきゅう)と呼びます。この反射弓によって引き起こされる症状は、自分でコントロールすることができません。

例えば真冬に足の小指をぶつけると強い痛みを感じますよね?しかしこの場合は上位中枢にも刺激情報が届いているため、さすったりするなど、自発的に痛みを抑えようとすれば、痛みはすぐに収まります。ですが寝ている間に脚をつり、それを自発的に抑えようとしても、上位中枢を介しての痛みではないため、「痛みをやわらげろ!」という脳からの指令も患部まで届かないわけなのです。

実際につってしまったらどうすればいいの?

つっている状態である時は、α運動神経(脊髄から骨格筋に伸びている太い神経)が過敏になっていると考えられています。ふくらはぎをつった時は、ゆっくりと足首を背屈(爪先を上に向けるような動き)させ、膝を伸ばしていきますよね?これは、つった部位をゆっくりとストレッチしてあげることで、過敏になっているα運動神経を沈静化させてあげている、ということなんです。つまりつった時はただストレッチをすればいいのではなく、ゆっくりとゆっくりと徐々に伸ばしてあげる必要があるわけなのです。

2つの種類が存在する筋けいれん

筋けいれんの原因には大きく分けて2種類あります。体調的原因と、病的原因です。体調的原因は疲労、脱水症状、睡眠不足、妊娠後期などです。一方病的原因は糖尿病、肝硬変、血液透析、甲状腺機能の低下、運動神経(αアルファ運動神経、γガンマ運動神経)の疾患などです。

例えばアスリートの中には疲労度も低いし、脱水状態でもないのに筋けいれんを繰り返し起こす選手がいます。そういう選手の場合は、どこかに疾患を抱えている可能性もあるため、しっかりとした検査をする必要があるでしょう。ちなみにアルコール摂取でも、アルコールの高い利尿作用により脱水状態となり、α運動神経が過敏になり、筋けいれんを引き起こすことがあります。ですのでアスリートの日常的な飲酒は厳禁とも言えます。

どうやってつるのを防げばいいの?!

筋けいれんをよく起こす選手は、2%の食塩水の運動中飲用が効果的だと言われています。本来人間の体液は9%の塩分で、9%の食塩水を生理食塩水と呼びます。ですが9%の食塩水では飲料用としてはあまりにもしょっぱ過ぎるので、2%がベストとされています。

塩分から摂れる栄養分の欠乏も筋けいれんに大きく影響することがあるため、日々極端に薄口の味付けでしか食事を取らない選手も、筋けいれんを起こしやすくなります。その場合は、ほんの少しだけ味付けを濃くすると、筋けいれんの頻発を防ぐことができます。

熱中症は夏だけではなく、冬にも起こることを忘れずに!

アスリートの筋けいれんは熱中症の一部として発症することが多くなります。つまり急激な体温上昇や、脱水症状ですね。ですが熱中症は夏だけの注意事項ではありません。真冬にも熱中症になる可能性はあります。例えば朝方は気温が0℃近くで、昼過ぎには10℃以上になった場合、この寒暖差は体温に大きな影響を与えます。この場合、真冬での熱中症の症状を発症する場合があります。真冬の熱中症を防ぐためにも、冬場の練習でも水分補給は小まめにするように注意してください。

なお体内に水分が足りているか不足しているかは、練習前後の尿の色を確認するようにしましょう。体の状態が良い時の尿の色に比べ、色が濃ければ水分不足で、色が薄過ぎる場合(ほぼ透明)は水分の摂取過多と目安をつけることが出来ます。尿の色をしっかりとチェックしていけば、アスリートとして尿の色だけで自分の見えない部分の体調を確認することができます。

とにかく体をつらないために第一に注意すべきなのは、脱水状態と体温の急激な上昇を防ぐということです。そのためにも運動中の小まめな水分補給、そして体温の上昇を抑えてくれる汗の拭き取りが重要なのです。汗もかきっぱなしにしてしまうと汗腺がふさがれて汗が出にくくなります。発汗しやすい状態を保持するためにも、汗は小まめに拭き取るようにしましょう。