ロードワーク,ジョギング,ジョグ,スタミナ,投手について書かれている投手育成コラムです。 / Coach Kazのマンツーマン野球塾

Littlerockheartコーチング料金コーチング予約状況コーチングのご依頼

走るだけでは投手のスタミナは向上しない

スタミナをつけるために、ピッチャーはとにかく走ります。埼玉西武ライオンズに在籍する菊池雄星投手は、中学生の頃から毎日10km走っていたそうです。しかし勘違いしてはいけないことがあります。それは、いくら走っても投げるためのスタミナはつかないという点です。このことを知らずに、ただ闇雲に長い距離を走っても高い練習効果は望めません。

では走ることによって得られるメリットとは?まず1つめは毛細血管を増やしていけるということです。毛細血管は、激しい運動をすると次々と切れていきます。ピッチャーが1試合投げた夜、体が火照って眠れないという現象は、この毛細血管が数え切れないほど切れていることが原因です。切れた毛細血管は再び繋がることはありません。しかしジョグやロードワークなどの有酸素運動を継続的に行なうことにより、毛細血管を増やしていくことは可能です。毛細血管は多ければ多いほど、基礎運動体力が高まります。つまりかんたんに言うと、運動をするための体力が付く、ということになります。そして毛細血管を増やすためには、例えば1週間で計20km走るとします。この時、週に1回20kmを走っても効果は上がりません。効果を得るためには、毎日3kmずつ走って20kmを達成することが重要になります。そしてその3kmも少しずつタイム、距離の目標を高めていくことにより、より高い効果を得ることができます。

走ることによって得られるもう1つの大きなメリットは、MTC(Monocarboxylate Transporter:乳酸輸送担体)というたんぱく質を体内に増やすことができることです。MTCは、乳酸やピルビン酸といった、グリコーゲンから産生される物質を体内で移送する役目を持っています。MTCに関しては別記事にて後日さらに詳しく書くことにします。このMTCを体内で増やすことにより、乳酸を効率的に運動エネルギーとして利用することが可能になります。乳酸=疲労要素と認識されている方もいるかもしれませんが、それは誤った認識です。乳酸は決して老廃物ではありません。乳酸は運動パフォーマンスを高めるためには欠かすことのできないものなのです。

走ることによって毛細血管、MTCを増やすことができたら、いわゆるピラミッドの下地部分のできあがりです。野球というスポーツで激しい運動をするための基礎体力は得られたということになります。ですが、だからと言って投球スタミナが付いたことにはなりません。

ボールは、基礎体力を用いて投げるものではありません。メカニズムで投げるものです。つまり、正しい身体の動作を用いて、無駄な動きをせずにボールは投げられます。この時、100球以上投げても簡単には低下しないスタミナを得るためには、基礎体力+動作体力が必要となります。投球体力に乏しいと、球数が増えるにつれ正しい動作ができなくなり、無駄な動きが増えて行ってしまいます。

ピッチングで言えば切れのあるボールの投げるために必要なインナーマッスルであったり、広いステップ幅を保つための内転筋であったり、下半身で生み出したエネルギーを効率よく上体まで伝達させるための体幹であったり。これらはウェイトトレーニングなどで部位ごとに強化することはできます。しかしここでも勘違いしてはならない点が1つ。ウェイトトレーニングで作り上げた筋肉は、野球の動作にアジャストされていません。つまりウェイトトレーニングだけで作った筋力だけでボールを投げようとすれば、それは故障の大きな要因になるということです。

過去の投手育成コラムでも書きましたが、筋トレで作った筋肉をいち早く野球の動きにアジャストさせるためにも、ウェイトトレーニングは必ずシャドウピッチングやシャドウスロー、素振りで締めくくることが必要です。

話は戻りますが、「ボールを投げるための体力」を向上させるためには、ボールを投げるしかないのです。近年はなぜか肩が消耗品であるという誤った認識が一般的に広まり、投げ込みを好む投手が少なくなってきています。肩は消耗品ではありません。適切な動作で投げていれば、毎日100球や200球投げたところで肩は簡単には消耗されません。疲労した状態、コンディションが悪い状態、誤ったメカニズムで投げた場合に、故障のリスクが高まるのです。

練習での1球と試合での1球では使う体力の量が違います。試合での1球は、練習での3球分の体力を使うと言っても過言ではないでしょう。そしてそれが大事な試合であればなおさらです。だからこそ練習では300球投げられるだけの投球体力が必要なのです。しかしいきなり300球を投げようとしてはいけません。数ヵ月、数年という長いスパンで見て、最終的に300球投げてもまだ体力が余っているという状態を作り上げてください。

話をまとめましょう。試合で100球以上投げてもまだ投げられるだけの投球体力をつけるためには、練習で300球投げられるだけの投球体力が必要です。そして練習で300球投げるための投球体力をつけるためには、ロードワークなどのランメニューで基礎体力をつける必要があります。投球体力と基礎体力は別物ですが、基礎体力なくして投球体力は得られません。その点をしっかり意識して、ピッチャーのみなさんはランメニューをこなしていくようにしましょう。

コラム著者:Kazコーチ(プロの野球専門コーチ)

【Kazコーチのマンツーマン野球塾コース一覧】

このコラムは私が書きました。
c-kaz.jpg Coach Kaz / 自己紹介
2010年1月から小学生〜プロ選手まで指導する野球個人レッスンのコーチをしてます。 怪我しない投げ方・打ち方の指導には定評があり、時々野球雑誌にも取材していただいています。 小学生のうちに良い投げ方・打ち方をマスターできれば、体が大きくなってからが楽です。 ぜひ早い段階で僕のコーチングを受けにいらしてみてください!
野球肩野球肘撲滅クリニック

Coach Kazのfacebookページ Coach KazのTwitter Coach KazのYouTube
前のコラム ピッチャーの体には、自然な左右差が必要
次のコラム 先発タイプはロングラン、リリーフタイプはスプリントを多めに

投手育成コラムカテゴリー
SLP理論アライメントイップスコンディショニングコーチング論トレーニングピッチングモーションプロテイン・サプリメントリハビリルール制球力アップ動画嗜好品変化球女子野球少年野球投球動作分析投球術球威・球速アップ肘が下がる野球塾の必要性野球心理学野球物理学野球肘野球肩食事

Copyright(C) 2010-2019
Coach Kazのマンツーマン野球塾