肩甲骨を固まらせない腕立て伏せバー

 


IMG_0250.JPG今回は「腕立て伏せバー 」をご紹介したいと思います。スポーツショップでも普通に売られている商品ですので、見たことがある方も多いと思います。でもこの商品のメリットを理解して使っている方は意外と少ないのではないでしょうか。

ちなみにみなさんは、腕立て伏せはどのようなフォームでされていますか?体育の授業でやるような、床に手をついて行う腕立て伏せ動作が一般的だと思います。腕を鍛えたい場合は肩幅、大胸筋を鍛えたい場合は肩幅よりも少し広げて行います。でもこの一般的な腕立て伏せ、ピッチャーは絶対にやってはダメです!

その理由は、体育の授業でやるような普通の腕立て伏せの場合、肩甲骨の可動域を最大限使うことができなくなります。つまりこの腕立て伏せをやればやるほど、肩甲骨を動かしにくい筋肉を作ってしまうことになります。そしてもちろん、肩甲骨を上手に使えなくなれば、ピッチャーとしてのパフォーマンスは大幅に低下してしまいます。

そこで登場するのがこの腕立て伏せバーというわけです。わたくしチーフコーチは写真の商品を使っていますが、腕立て伏せバー であればどのようなメーカーのものでも大丈夫です。ではここで、ピッチャーがやるべき腕立て伏せのフォームをかんたんにご紹介したいと思います。

1.まずバーを肩幅よりも少しだけ広めに、「ハ」の字にセットします。
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 2.耳・股関節・くるぶしを一直線にし、体幹を真っ直ぐにした状態で構えます。
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3.頭1個分、頭を前へ出しながら肩甲骨を最大限の深さで動かして体を沈めていきます。
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普通の腕立て伏せを連続で50回できる方であっても、このフォームでは10回やっただけで相当キツイと思います。3の写真はアゴ・胸・膝が床に付かないギリギリのところまで体を沈めています。写真では膝が付いているようにも見えますが、パンツの膝部分が触れているだけで、膝はしっかり浮いています。

2と3の写真を連続で見ていただくとわかる通り、頭をかなり前へ出しながら体を沈めています。手を「ハ」の字にしてこのフォームを取ることによって、肩甲骨を最大限動かしていくことができるのです。

セットとしては、最大でも12回3セット程度(インターバルは30秒)でピッチャーの場合は十分です。腕立て伏せに自信がある方でも、このフォームではかなり辛いと思いますので、まずは3回3セットくらいから始め、徐々に12回3セットに近づけていけばいいと思います。

今日からは「腕立て伏せ」という言葉は頭の中から捨ててしまってください。「肩甲骨立て伏せ」という言葉で、このトレーニングを新たに覚え直してください。ピッチャーの場合はどんなトレーニングであっても、とにかく肩甲骨が固まらないフォームで鍛えていく必要があります。肩甲骨立て伏せをする場合、このバーがそれを手助けしてくれますので、ぜひ使ってみてください。

ちなみに写真の商品はゼビオで1000円前後で購入したものです。Amazonの腕立て伏せバーの商品一覧ページをご紹介いたしますので、どんな商品があるかチェックしてみてください。

コラム著:カズコーチ
プロ野球選手の動作改善サポート・データ分析・自主トレサポートをメインに、アマチュア選手の個別ZOOMレッスンも行うプロフェッショナルコーチ