僕の場合はある日突然肩に痛みが走りました
僕は高校の入学式の前日に肩関節胞を損傷するという酷い野球肩になり、ボールを投げられなくなってしまったわけですが、これは本当に痛かった。右手では歯磨きさえもできないくらい痛かった。
僕の場合は、痛みに関しては急に出ました。肩関節胞の損傷そのものはすでに中学時代からあったはずなのですが、それが痛みとなって出てきたのは高校の入学式の前日が初めてでした。そして僕の場合に関しては、痛みが出た時はもう手遅れで、手術をしてもまたちゃんとボールを投げられるようになるかは分からない、という診断でした。
そのため手術はせず、しばらくは自然治癒に期待しながら、少しずつリハビリを始めていきました。でも結局ちゃんと治ることはやはりなく、今も少し強くボールを投げるとジンジン痛みます。
それでも諦めなかったティーンとしての最後の一年
それでも19歳までは選手としての道は諦めず、僕は運良くプロテストのようなものを受けられることになりました。トライアウト制度がある現在はもうプロテストのようなものは基本的にはないのですが、当時はまだあって、あるパ・リーグ球団の方にプレーを見てもらいました。
打撃、走力、守備力に関しては合格でした。特に守備力に関しては内外野の両方を守らされて、どこをやっても上手くこなせました。でもやはり投げるのだけはダメで、外野フライを捕っても二塁までボールが全然届かない(苦笑)
打撃は、ホームランバッターではなかったけどヒットを打てたし、50m走は5秒台。「ボールさえ投げられればドラフト下位指名の可能性は十分」という評価でした。
ちなみにその時見てくださった方は、僕が中学時代にまだ怪我をする前に僕のピッチングを何度か見に来てくれていたスカウトマンでした。そういう縁もあり、肩が痛い僕のために時間を作ってくださったんです。
人生を変えた一冊の本
僕が野球の科学や医学を本気で勉強し始めたのは、このテストで踏ん切りがついたからでした。もう選手としての道はキッパリと諦めて、時間をかけて勉強して、いつかプロコーチになろうという決意のもと勉強を始めたのです。1997年のことでした。
当時はまだ野球科学はそれほど発展しておらず、僕がまず読み込んだのはロバート・アデアの『ベースボールの物理学』という本でした。この本は僕に大きな衝撃を与えました。この本との出会いがなければ、僕はきっと今のような理論派コーチにはなれていなかったでしょう。
この本は、ハッキリ言って難しいです。野球が大好きでも、読書が大好きでも、この本をスラスラと読める人はそうそういないと思います。それくらい難しい。だけど何度も何度もメモしながら読み返しているうちに、書かれている内容がだんだんヴィジョンとして頭の中で鮮明になっていきました。
僕はプロコーチとして、フライボール革命という言葉が誕生する前からフライボール革命の内容を選手たちに伝え続けていたのですが、それができたのも勉強し始めた時にこの本を読んだからでした。
もう古本でしか入手できないと思いますが、もし興味があれば読んでみてください。本当に興味深い一冊です。僕ももちろんこの本はまだ持っていて、今も時々開いては読み返しています。
ということで、これが僕のコーチ人生の指針となった一冊の本なわけです。
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