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三原脩監督の著書『風雲の軌跡』

今回野球人の皆さんにご紹介したいのはこの本です。『風雲の軌跡』という三原脩監督の著書です。三原監督は僕が最も尊敬している野球人です。どんな方かと言うと、「野球は筋書きのないドラマだ」という名言を残した監督です。そしてベイスターズになる以前、1960年に弱小チームだった大洋ホエールズを率い、チームを日本一に導いた監督です。一般的には西鉄ライオンズの名将というイメージが強い監督だと思います。ちなみに西鉄ラインズのNとLの野球帽のマークをデザインしたのは、三原脩監督と豊田泰光さんでした。

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この写真の一冊は1983年の初版本です。もちろん僕が5歳の時に買った本ではなく、大人になってから古書店を巡って見つけた一冊です。

いま、日本ハムファイターズという球団は素晴らしいチームになりました。この日本ハム球団誕生時の一翼を担ったのが三原監督なのです。日本ハムの創業者であった大社義規社長に、日拓ホームフライヤーズの買収を持ちかけたのがまさに三原監督でした。この本ではそのあたりの経緯も詳しく記されています。

僕自身、ジャイアンツやホークスが資金力によって行う大型補強は嫌いではありません。どちらかと言えば賛成派です。しっかりとしたスカウティングがあれば、大型補強によってチームを短期間でバランスの良い強いチームに作り直すことができます。ですが同時に、弱小チームがあの手この手を使ってなんとか強いチームを打ち負かそうとする姿も好きなんです。三原監督とはまさに、大型補強なしに選手起用の妙によってチームを勝利に導くことのできる監督でした。

現在ファイターズを率いているのは栗山英樹監督ですが、その栗山監督が目指しているのが三原脩監督です。三原戦術は、現在のファイターズの至る部分で目にすることができます。栗山監督は毎年、三原監督のお墓詣りにいっているそうです。

僕は三原監督の著書はほとんどすべて持っています。その中でもこの一冊は、三原監督の人生すべてが詰まっていると言えます。名将とはかくあるべし、と改めて考えさせてくれる一冊です。

三原脩監督の著書は、特に公立高校の監督に読んでもらいたいと僕は思っています。公立高校は、普通に戦ったのでは名門私立高校に勝つことはできません。しかしもし三原戦術を取り入れることができれば、弱小チームが強豪校から金星を奪うこともできるんです。野球とはそういうスポーツなんです。だからこそプロ野球は優勝を決めるのに130試合以上かかってしまうんです。

少年野球、高校野球、プロ野球、どのチームであってももし監督をされる機会があるのでしたら、ぜひ三原監督の著書を読んでもらいたいと僕は思っています。三原監督は人を活かすことに長けた監督であり、長所があれば短所には目を瞑り、その長所をさらに伸ばすための選手起用をされた監督でした。だからこそ1959年まで6年連続最下位だった大洋ホエールズからの監督就任要請を快諾し、1960年、就任1年目からいきなり日本一を達成することができたのです。

三原脩監督の著書にはまさに、弱小チームを勝たせるための考え方が満載です!弱いチームを勝たせてあげたい、そう願っている監督さんは、ぜひ三原監督の著書を開いてみてください。『風雲の軌跡』は、その1冊目としてはまさにうってつけだと思います!