回数をこなすだけの素振りをしても意味はない?!
今回のスラッガー養成コラムでは、野球の素振りについて少しお話をしてみたいと思います。素振りをする際、回数をこなすことだけで満足してしまう選手が多いと思いますが、この素振りは練習法としては決して効果が高いとは言えません。下手をすればバッティング練習ではなく、ただの筋トレになってしまう場合もあります。しかしそれでは試合で好成績を残せる選手にはなれません。
「毎日100回素振りをする」と決めて、それを毎日こなすこと自体は素晴らしいと思います。しかし今回のポイントは、回数をこなすことだけで満足をしない、ということです。せっかく毎日100回素振りをするのでしたら、しっかりとテーマを持った素振りをするようにしましょう。
例えばストライクゾーンを9分割、もしくは16分割にして、それぞれのコースで軸とバットの直角の関係を維持して振る、というようなテーマです。このようにしっかりとテーマを決めて、それをクリアしながら100回、200回という数字をこなしていく練習法は素晴らしいと思います。
マメはどこにできるのが一番良いの?!
そしてできればバッティンググローブを持っていたとしても、素振りは素手で行った方が良いと思います。その理由は、手にしっかりとマメを作り、そのマメを早い内に固めてしまいたいからです。僕自身野球をしていた頃は手はいつもマメだらけでした。でもそのマメは野球をやめるときれいになくなっていきますので、「マメは作りたくない」と考えながらの練習は避けた方が良さそうです。
ちなみにマメは、中指付近を中心にしできるようになると良いと思います。小指や人差し指側を中心にマメができてしまう場合、スウィング中に手の中でバットが遊んでしまっている可能性が高いからです。そうなってしまうとインパクトでバットがボールに押し返されてしまいますので、マメは中指を中心にして作っていけるように握りを意識していきましょう。
素振りの最大の効果はフォームを固められるという点
バットを握る上で、マメを良い場所にしっかりと固めておくことでグリップを強くすることができます。もちろんバッティンググローブに頼ることもできるわけですが、自分の素手とバッティンググローグ両方のグリップ力を活かすことによって、インパクトでより遊びを減らしていけるようになります。
素振りの効果としては、やはりフォームを固められるという点です。バッターの理想は、どんなボールが来てもいつも変わらず自分のフォームで打てる、ということです。これができるようになれば打率はどんどんアップしていきます。しかしいつも微妙に違うフォームで振ってしまうと、バットを本当に出したいところに出すことが難しくなり、ミート力が低下してしまいます。
ピッチャーはいつでもバッターのフォームを崩そうとしてきます。そこでそう簡単に崩されないように、素振りやティーバッティングによって、どんな時でも同じフォームで打てるように、バッティングフォームを固めておく必要があるわけです。素振りをする際は、ぜひこの効果を意識しながら振るように心がけてください。
素振りに関するまとめ
素振りはフルパワーで振る必要はありません。寧ろその逆で、少し力を抜き、丁寧に良いフォームで振ることを心がけてください。フルパワーで振っていつもバラバラのフォームで、筋トレにしかならない素振りをしてしまっても、試合で打てるようにはなりません。ですので素振りをする際は、上述したようなテーマを持って、1球1球丁寧に振っていくようにしましょう。
そしてできれば自分の横にスマホを立てかけて撮影し、5回や10回ごとに止めて、意識したフォームで素振りができているかどうかを目で確認しながら素振りをするようにしてください。「できているつもり」ではなく、できているかできていないかをしっかり目で確認しながら素振りをすることにより、練習効果をより高められるようになります。ぜひあなたも今日から、練習効果の高い素振りをするようにしてみてください!